自交労働者No.634、2004年11月1日 |
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委員長のあいさつ
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領家委員長
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新道路運送法施行から2年8か月、大都市圏を中心とした増車と運賃値下げ競争によって賃金は、地域別最低賃金や生活保護基準を下回る状況が常態化し、全国的に「貧困ライン」の賃金層が増えています。そのため、今日の苦難から自殺に追い込まれる仲間が増える、さらに、不況を背景としたタクシー強盗の増加で、命すら守れないという状況に追い込まれています。
国土交通省はこの実態を省みず、「規制改革・民間開放推進会議」の圧力にすりより、「運賃多様化促進の6項目、その処理期間短縮の具体化処置」の通達を出し、10月1日から施行しました。
こうした動きに経営者が追随するとするならば、労働者のみに犠牲を押し付けて生き残ろうとするものであり、法人企業としての存在意義や、法人主体の行政的枠組に疑義が生じると言わざるをえず、社会的責任の放棄であります。
今日の問題の解決の道筋としては、タクシー運転免許構想・免許法の確立であり、その接近にむけた当面の政策的運動と危機的状況打開の課題を展開し、労働組合の存在感を示していかなければならないと思います。
自交総連は、闘う自交労働組合の歴史と伝統を引継ぎ78年に結成されました。労働組合運動で、組織が分裂した場合、たたかう潮流――いわゆる左派は、孤立、縮小、ひいては解体というのが一般的な方向性であります。しかし、自交総連は組織を大幅に増やし、脅威の社会的存在として認知させ、多くの前進につなげてきました。
歴史からその精神を学び、新しい情勢に見合った方針と運動を展開すれば、労働組合の真価を発揮できる情勢にあると思います。
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今回任命された久賀特別中執は「大会の発言をみたら、一人ぐらいは単身赴任はやめろと言ってくれると思っていましたが、残念ながら、満場一致で決まったみたいで…。いきなりみなさんの後押しで、ハイトップで、全力で3万人達成の一翼を担うつもりでがんばります。とくに京都、大阪、奈良、近畿のみなさんよろしくお願いします」と決意表明を行いました。 11月から四日市市に赴任しました。 |
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争議団を代表して、佐野南海労組の堀川さんが「第一交通と闘って3年7か月、現在52件の争議に勝利していますが、会社は決定を受け入れない。こういう背景には、規制緩和がある。すべての争議団が勝利するためみなさんの支援をお願いするとともに、みずからもゴールを見るまでがんばりますのでよろしくお願いします」と決意表明を行いました。 また、会場カンパの呼びかけには15万7956円が集まりました。 |
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憲法あっての労働組合運動
全労連・坂内三夫事務局長 日本では貧困ラインの労働者が25%もおり、タクシー労働者の年収が270〜80万円でみなさんが貧困ラインであるという大変な事態だ。これを改善する労働組合運動が必要だ。改憲が叫ばれているが、憲法があればこそ運動ができた。改悪阻止は運動を守るためにも重要だ。組合はなぜ反対なのかについて話し合い、世論を高めよう。 機能してない事後チェック 交運共闘・福田昭生副議長 最近では国交省の一部の官僚が、規制緩和の行き過ぎでさまざまな弊害があることを認めるようになったが、事後チェックが重要といいながら、要員はほとんどまわされず、機能していないのが現状だ。また、市場化テストといってさまざまな分野で公務のまるなげが行われているが、公共事務に利潤原則を持ち込むと大変なことになる。 憲法獲得への攻めの運動を 顧問弁護団・小賀坂徹氏 国会では改憲派が圧倒的多数を占めているが、改憲の本音は9条を変え、自衛隊が米軍の軍事行動に積極的に参加できるようにしようとしている。しかし軍事行動を行えば、日本の安全をおびやかすことになる。憲法改正には国民投票での賛成が必要なので、今一度私たち自身の手で憲法を獲得していくという攻めの運動を展開しよう。 北海道のタク労働は厳しい 道労連・山口康夫議長 北海道には、工業や農業など、歴代政府の矛盾点がいっぱいある。国鉄民営化での解雇者の半分以上が北海道というもっとも多くの打撃を受け、構造改革政策では経済的打撃だけでなく不景気や失業も深刻な問題となっている。また、夜の繁華街にはタクシーがあふれ、全国のタクシー労働者と比較しても北海道の労働条件は厳しいのではと思う。 現場でどう活かすかが重要 日本共産党・大門実紀史参院議員 自交総連の仲間と懇談し、規制緩和のすさまじい実態を聞き、質問主意書を提出、答弁書が出されたが、これがすぐに生かされるわけでなく、現場の運動でどう活用するかが重要だ。 |
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女性部作り職場改善めざす (1)埼玉・小野寺哲子さん 埼玉地連では「女性にとって働きやすい職場をつくろう」をスローガンに10月10日に60人で女性部を設立した。全国の女性乗務員が意見交換をし、働きやすい職場をめざしがんばりたい。 中労委闘争へのカンパを 自主経営会議の年数回開催 ブロックとしての役割発揮 ヘルパー取得で質の向上を 大会などで若い人に発言を 増車阻止を第一にとりくむ 労働者が生活できる方針を 全国各地から国への要請を 幹部育成にはまずは任せる 300人を拡大する目標 6年ぶりに増えた仲間 北九州市行動への参加を 空白県三重で組合を結成 不当行為への署名に協力を 法を守るのと実効は難しい 労働者に応える組織めざす 一人加入の運動強化が重要 会社のノルマを是正させた 会社更生に予納金カンパを 共通問題で一緒に闘いたい 会社の差別攻撃と闘う 大会は費用節約を考えて 規制緩和でバスも危険 3人解雇で地域にもビラ 運賃値下げで水揚げが激減 何をすべきか具体的指導を 会社の賃下げ提案と闘う 自主経営健全化めざし奮闘 道交法闘争のとりくみ強化 介護タクシー問題で対応を 体制を再構築自由化と闘う 成果をあげて48人が93人に 一人でも入れる組合結成 4・15ストで春闘早期解決 タク免具体化に三つの目標 割引運賃に悲鳴上げる大阪 予断許さない運賃競争問題 |
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今大会で役員を退任されたみなさん
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執行部を代表して討論のまとめを行った今村書記長は、第1に、各地方のすぐれた闘争経験(埼玉・女性部誕生。福島・若い人を積極的に大会に参加させる。山梨・任務配置における幹部育成)を紹介し、これらに学び、生かす運動の重要性を述べ、このとりくみを全国的に強めていくことを呼びかけました。 第2に、タクシー運転免許実現大運動において、適正な台数と運賃水準がなければ労働条件は確立できないことを指摘。方針にある最賃違反是正の闘いには違反の根源である累進歩合制度の廃止≠ニいう意味があることも説明しました。 また、組織の強化拡大では、来年の大会までに実増3000人を達成し、「運動的にも組織的にも強化されている中で大会を迎えたい」とし、相当の決意でやりぬかなければならないと訴えました。 第3には、これらの実現には政治を変えることが重要として、世の中を変えていこうという仲間を増やし、共同して闘い、情勢を突破できる主体的な条件を確立し、悪政打破をめざし奮闘しようと呼びかけました。 |
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(◎は常任中央執行委員)
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自 交 総 連 |