自交労働者No.642、2005年3月15日 |
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2000人が国交省へ請願
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自交総連は3月3日、東京・自交共済事務所で第1回中央闘争委員会(第3回常執)をひらき、「05年春闘の当面する対策について」を決めました。 討議では、国交省が仙台のタクシー問題対策協議会を設置せざるを得なくなった事態も分析、各地方で実態を暴露し、自治体へ働きかけていくことの重要性が強調されました。 当面の対応方針では、(1)最賃違反、累進歩合廃止を軸とする底上げ、違法な雇用形態の是正、(2)増車・運賃値下げ競争への反撃、(3)仙台の協議会へ本部も協力して対応していくことを決めました。 全組合の要求提出、1職場1重点要求を徹底追求し、以下の統一行動にとりくむこととしました。 ◇第1次=3・4中央行動◇第2次=3・17(回答指定日の翌日)時間内外の報告集会等◇第3次=4・20春闘要求実現と「第一交通の社会的責任(CSR)を問う一日行動」実施。 |
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省側からは、小宮山自交局旅客課課長補佐ら4人が応対。「経営環境、労働環境ともに厳しい状況下にあることは認識している」としつつも、「全乗連と一緒に運転者の実態調査を行っているところだ」「規制緩和を中止しろということだが、3年程度だから、実態を踏まえることは今は困難」などと回答。タクシー運転免許の法制化要求では、「新たに雇い入れた者への指導教育期間も5日が10日になった。2種免許があるし、東京・大阪では特別措置法で運転者の登録制度がある。このような制度によって運転者の質は確保できる」と述べました。 これに対し組合側はいっせいに反発。労働者の実態を示しつつ、「実態把握がまったくなされていない」「賃金など状態悪化やモラルの低下を防ぎ、安心・安全な輸送を担うには、新たな規制が必要ではないか」など怒りと抗議の発言を繰り広げました。 まともに対応しない省側に対し、交渉団は、責任ある者の出席による再交渉を要求、1時間半に及ぶ交渉を打ち切りました。 |
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規制改革民間 開放推進会議 |
「規制緩和検証のシステムある」 |
この申し入れは、小泉内閣が進めるさらなる規制改革のシンクタンク的役割をこの推進会議が果たしていることから行ったもので、現在のタクシー実態の検証と新たな規制を求めました。 具体的には、(1)タクシー規制緩和を推進した者の責任として、どのような事態が引き起こされたのか、国民の利益になっているのかどうか、調査・検証を行い公表すること。(2)タクシー規制緩和政策を見直し、運賃政策などさらなる規制緩和を中止すること。(3)タクシー運転免許の法制化こそが規制のあり方の改革であることを認識することなどを要求。 対応した規制改革民間開放推進室の長瀬友則企画官と安藤剛参事官補佐は、「国交省とも一定の話はしているが、具体的に実態がどうなっているのかということは把握していない」とコメント。さらに「規制緩和を検証するシステムはある」と明言しました。 今後も、自交総連の要請を「受けていきたい」として、資料を13人の委員に渡すことを確約しました。 交渉には、領家委員長を先頭に、東京、大阪、宮城の書記長など7人が参加しました。 |
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全乗連との懇談には領家委員長ら8人が参加、川村労務委員長、三浦経営委員長ら7人が対応しました。 自交総連から、春闘の統一要請書にそって規制緩和の見直しに向けた共同のとりくみを要請したのに対し、川村・三浦両氏は、私見も含むとしながら次のように答えました。 本日は雪の中、大変な行動を実施されてご苦労さまでした。タクシー業界に対する情熱に敬意を表します。 規制緩和についての基本的な認識は皆さんと同じだ。しかし、規制緩和で増えた車両に「仕事をやめなさい」とはできないので、仮に今再規制しても自然に退出するには10年かかる。この苦しみは相当続くのかな、と思う。個人タクは、平均年齢も高いし、自然退出してもらえば、比較的やりやすい。 全乗連としても、タクシー議員連盟で行政を呼んだり、ものを申している。 再規制で、蛇口を閉め、新規参入を止めなければいけない。事故が増えているし、サービスだって、「衣食足りて礼節を知る」ということだから、規制緩和は失敗だったと思っている。 運賃・増車競争に走らないように業者が協力して再規制をかちとらないと、業界が衰退してしまう。 一緒にできる運動があれば、申し入れていただいて、一緒にやりましょう。 |
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厚労省交渉は、自教共同センターと共同で行われ、権田副委員長ら20人が参加、省側から労基局監督課福田剛之厚生労働事務官ら6人が対応しました。 回答の要旨は次のとおりです。 (1)監督体制の抜本的強化、相互通報制度の充実=規制緩和の中で問題が生じていることは承知している。タクシーは重点的にやるよう指示している。 (2)タクシーの最低賃金法違反や累進歩合制度の是正=是正勧告を出し指導している。確かに累進歩合がある限り後戻りがあるのは懸念される。現場では賃金制度改善まで切り込んでやっていると認識している。(通達が出せないのか、との問いに)口頭で全国監察官会議でも言っている。 (3)サービス残業の根絶、タクシーでみられる支給総額が常に一定の賃率となるような割増賃金支給方法の是正=悪質なものは強制捜査もしている。(支給総額が一定の賃金について)違法性が強い。 (4)長時間労働の是正=改善基準告示の順守については、国交省と連携してやっている。 (5)高年齢者雇用安定法の徹底=罰則はないが、指導と支援で対応したい。 (6)退職時に資格取得費用と称して違約金等を請求される事例=一般的には、一定の勤務義務を課して途中退職したら全額弁済というのは違反だ。 |
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支局側からは門屋運輸支局次長と徳廣輸送課長が対応し、「需給バランスの破綻については認めるが、高知県経済は長引く不況で低迷しており、タクシーの自由化だけが影響しているとは言えない」とし、地連側の「労働条件改善にむけ、国会附帯決議に沿った事業者への指導」については、事業者への指導を確約。また、「タクシー協議会の開催は、マスコミを入れるなどオープンにしてひらかれたものとする」には、検討するとしました。 その他、代行運転事業者の法違反については警察と連携して、改善をはかるとともに、今日の申し入れは局に報告するとしました。 |
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宣伝行動では、宣伝カーから小山委員長がマイクで訴える中、仲間が、乗務員や通行人にビラを配ると、タクシーを降りて受け取りにくるなどの好評となりました。 今回の行動に参加した大和交通労組の藍原さんは、「今までは無理やりビラを渡しているような感じだったが、今回は乗務員が自ら受け取りにくる姿に驚いた。しかし、一般の人はタクシー乗務員の賃金は高いものだと思っていたようで、ビラを見てビックリしている姿にこちらが驚かされた。今後も宣伝行動を行い、規制緩和後のひどい実態を訴えながら、タクシー規制緩和失敗の世論喚起をしていきたい」と感想を話しています。 |
自 交 総 連 |