自交労働者No.644、2005年4月15日 |
不当解雇の和解が成立所沢中央自教支部 4年5か月の闘いに終止符
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この事件は、所沢自動車教習所の買主である勝英自動車学校の吉村武司社長が労働組合を敵視し、2000年11月20日に組合員23人全員が不当解雇されたため、地位保全を求めて提訴していました。 過去4回にわたる裁判では解雇無効、未払い賃金支払いの仮処分決定を含め、組合側が全面勝利し、04年11月には埼玉地労委から解雇無効の救済命令もかちとっていました。 しかし吉村氏は、復職はおろか未払い賃金支払いや、組合との話し合いにも応じず、会社の資金を隠して強制執行を免れようとするなど露骨に解決を拒否していたため、裁判所の勧告で和解協議が続けられていました。 今回の勝利和解を受けて所沢中央支部では「本日の和解成立にあたり、支援をいただいたすべての団体・個人の皆様に御礼申し上げます。また、献身的な弁護活動を行ってくれた弁護団、厳しい家庭を支えてくれた家族の皆さんにも御礼申し上げます」との声明を発表しています。 第一交通の不法行為を認定
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東京地連
運賃・料金値下げ競争に見解 |
見解では、「最初に実施した事業者に一過性の増収をもたらしたとしても、他社が傍観するはずもなく、結局、地域全体の運賃・料金競争を巻き起こし、ハイタク産業を疲弊させ荒廃の道に追い込むことは、大阪や福井、長野、石川などで立証されている」と反対を表明。「値下げへの営業政策の転換は公共輸送機関たる事業者の社会的責任を自ら放棄する自殺行為で、その責任が大きく問われている」と指摘しています。 また最後に、「私たちは、改めて運賃・料金値下げ競争に反対であることを明らかにするとともに、利用者・国民とともに新たな規制を求める運動を構築する」としています。 |
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春闘の今後の闘いを討議
第4回中執 |
自交総連は4月6日、地方代表者と合同の第4回中央執行委員会を東京・全労済東京都本部会議室でひらき、春闘の今後の闘いかたを討議しました。 冒頭、東京・所沢中央自教の勝利和解、大阪・佐野南海交通労組の勝利決定の報告を受けました。 各地の状況では、宮城のタクシー協議会や東京の大口割引認可の動向など分析し、3・4行動の成功も契機に、深刻になっている増車と値下げ競争の弊害に歯止めをかけ、規制緩和の実態を広める運動の重要性が改めて強調されました。 当面する重点対策については、要求未提出組合への援助をひきつづき強化しつつ、以下の統一行動にとりくむことを決めました。 (1)4月20日(第3次)=地方ごとに1時間以上のストなど具体的な戦術設定を行う▽第一交通の社会的責任を問う一日行動を全国で実施。 (2)4月27〜29日(第4次)=ストを含む戦術配置で決着をめざす。 また、「解決基準」については、(1)賃下げは認めず現行維持プラスアルファー(2)1職場1重点要求の獲得(3)将来展望を切りひらく政策合意の協定化――を重視することを確認しました。 |
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労働条件の悪化止まらず
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04年のタクシー労働者の全国平均の年収は前年より7万円下がって269万円――労働条件の悪化が止まりません。厚生労働省の統計でわかりました。 年収400万円台は東京のみで、300万円台が11府県、残りの34道府県は200万円台以下です。最も低かったのは沖縄で192万円でした(奈良はデータなし)。 年収を年間労働時間で割った1時間当たりの賃金は平均1094円で16円下がっています。低かったのは、大分810円、宮崎811円でした。 なお、宮城や京都などで年収が増加している数値になっていますが、この調査は、全労働者ではなく、何社かをサンプルとして調査したもので、対象となる会社は年によって変わります。そのため、実態と異なる数値となったものです。 【注】全国平均の出しかたは自交総連が以前から継続して行っている方法なので、業界紙等の数値と一部異なります。 |
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この成果を全国に
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大阪・佐野南海交通労組
佐野第一の偽装廃業を認定
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1面所報のとおり、大阪・佐野南海交通労組は、第一交通による偽装廃業・全員解雇について、3月30日に大阪高裁で勝利決定をかちとりました。 この裁判は、南海電鉄から7社を買収後、次々と組合をつぶしてきた第一交通が、どうしてもつぶれない佐野南海交通労組を壊滅するため会社ごと偽装廃業して全員を解雇した件について、解雇無効・賃金支払いを求めていた仮処分申請事件です。大阪地裁岸和田支部は昨年9月に、親会社の第一交通が雇用責任を負い、賃金を支払えという決定を行ったため、第一交通が保全抗告を高裁に申し立てていました。 今回の高裁決定は、親会社である第一交通の不当労働行為を改めて認定し、佐野第一交通の解散は偽装廃業だとし、第一交通に来年3月までの賃金仮払いを命じています。 しかし、雇用の継続は、第一交通でなく、佐野第一の営業を移した御影第一に主張できるとしている点は、親会社の雇用責任を免罪するもので問題があるため、弁護団は、最高裁に許可抗告(高裁の許可を必要とする最高裁への不服申し立て)を申し立てることにしています。 |
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組合会計のとりくみなど学ぶ
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学習会は、坂根利幸公認会計士(協働公認会計士共同事務所)を講師に「組合会計の適正なとりくみをめざして」と、「経営資料の見方と経営破綻への対応」の2つのテーマで実施。加えて、鹿児島地連の瀬戸山書記長が「大和交通・会社更生法を適用しての再建闘争」を報告しました。 坂根講師は、労働組合や企業会計の実例をあげながら講義を進め、参加者全員が最後まで熱心に受講をするものになりました。 感想文をよせてくれた43人のうち、組合会計は53%が「大体わかった」とし、経営資料は「実践的というだけあり、予備知識なしではつらい」(東京・宮園さん)など、理解は「どちらともいえない」が46%でした。全体的には「聞いてよかった」(宮城・秋保交通=松浦さん)と評価されるものとなりました。 |
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京都地連
組織拡大にむけ宣伝行動
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22日の市内・南部宣伝では、雨のため署名活動をすることはできませんでしたが、6か所で宣伝を行い、最低賃金法のビラと、規制緩和失敗のビラを配布しました。雨でタクシー利用が多いせいか、1台もいないところもありましたが、ビラを渡すと食い入るように読んでいました。 24日は滋賀での宣伝にとりくみ、タクシー免許法制定を求める署名には、気軽に応じてくれ、「これしかない」と話してくれる乗務員や、最低賃金法のビラを注視する乗務員もいました。 北部宣伝は28日に実施。タクシー免許法とは何か、最賃違反はないか、組合はどうなっているかなど、話し込むなかで、署名をしてくれ、ビラも読んでくれました。 |
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宣伝の重要性改めて痛感
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行動にはのべ39人の仲間が参加。前々日にNHKで放映された「どう思いますか格差社会」でタクシーの規制緩和問題がとりあげられたこともあり、現場での注目度も高く、伯仲の論戦が飛び交う場面もありました。 ほとんどのタクシー労働者は「がんばってね」と快く署名してくれましたが、「タクシー運転免許ちゃなんな?」とたずねられ、新組合員があわてて行動責任者を呼び戻す一幕もありました。 懸命に説明しながらの署名行動は大変でしたが、集約された貴重な署名は計169筆。自らの学習不足と、宣伝の重要性を改めて痛感させられる行動となりました。 |
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福 岡
個タクの組織化めざしたい
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【福岡】私は、昨年11月に個人タクシーの試験を受けて、今年2月末から福岡地区で営業を開始し、この3月から福自交に加入しました。他に、個人の仲間2人も近いうちに加入する予定です。 私はもともと、昭和タクシー労組に在籍していて、自交総連の運動には全幅の信頼を寄せていましたし、活動も自分なりにがんばってきたつもりです。 私は、今の個人タクシーの組織が産業全体の視点を見失っていると思えてなりません。 個人タクシーといっても労働者であることに変わりません。組合在籍当時から東京には自交総連出身者による個人タクシーの労働組合があることは聞いていました。私の夢は、利用者本意の個人タクシー組織を作ることです。ですから行灯には迷わず「ATU」をつけました。 規制緩和後の惨(さん)憺(たん)たる状況の中での船出ですが、これからも仲間とともに活動できる喜びを噛み締めています。「改めて」よろしくお願いします。 |
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今後1年ごとに大会ひらく
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【青森】青森地連は3月17日、弘前・中弘教育会館で第9回定期大会をひらき、今後の方針として、(1)定期大会を1年ごとに開催し、時期は原則9月とする。(2)遅れても春闘要求を提出する。(3)東北ブロック幹部学校、幹事会に交替で出席する。(4)三ツ矢交通労組の裁判を支援するなどを決めました。 委員長=加藤龍市(再)▽副委員長=木村金寿(再)、佐藤安男(新)▽書記長=板垣彦二(再)▽書記次長=三上光夫(新) |
自 交 総 連 |