自交労働者No.653、2005年9月15日 |
宮城地連 国交省への不満を裁判官に陳述 国賠訴訟の第1回口頭弁論 |
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仙台地裁の大法廷を宮城地連の組合員87人でいっぱいにしたなか開廷された第1回口頭弁論は、国(政府)と国土交通省への不満と怒りを裁判官に陳述するものとなりました。 口頭弁論では、原告の羽田一雄さんが「308万円の年収が227万円になった。生活苦で朝食なし、昼はコンビニ弁当、通勤の車は中古の軽。妻はパート。消費者金融にいかざるをえない。これが仙台のタクシー労働者の実態だ」と主張。続いて陳述に立った小梛(おなぎ)順章さんは「タクシーの規制緩和をすれば、良貨が悪貨を駆逐し労働者の賃金も良くなると言ったが、実際は悪くなるばかりだ」と訴えました。 菊地弁護士は、2002年2月以降の、仙台のタクシーの需要と供給を根底から崩した要因が、「改正」道路運送法であることの冒頭陳述をしました。 終了後の記者会見では4社のテレビカメラと記者が参加し、世論の関心の高さを示すものとなりました。 報告集会では、宮城地連の相沢道彦委員長が「今日の口頭弁論は闘いの出発点だ。宮城地連は最後まで全力で奮闘する」と決意を固めました。 |
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第5回中執 11・16に統一行動を実施 |
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方針案は、05年度の運動の基調を、(1)くらしと雇用・いのちの危機打開(2)リストラ、増車・運賃値下げ競争に抗して(3)目線を地域に、悪政打破の課題との結合――という三つの観点からとらえ、これまでの運動が国民世論の変化を生み出しつつあることを確信に、総ぐるみで組織拡大、要求実現の闘いにとりくむことを呼びかけています。 また、秋から06春闘に向けた闘争方針では、すべての闘いを組織拡大と結びつけつつ、最低賃金違反の是正や不安定雇用労働者の権利確立など底上げと規制緩和の実態を暴露して増車・運賃競争に歯止めをかけるとりくみに重点をおくことを確認しました。統一行動は11月16日とし、全地方でいっせい宣伝を実施、実情に応じて抗議集会・デモ、自動車パレードを行い、地方交運共闘とも調整して行政当局交渉を配置することにしました。 大会は10月19、20日に、東京・台東区民会館でひらくことを決めました。 |
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運転者の健康に起因する事故件数
国交省 規制緩和以降高水準で推移 |
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国土交通省は、自動車運転者の健康状態に起因する事故等の発生状況をとりまとめました。タクシーの事故は、前年より1件増の21件と、規制緩和以降あいかわらずの高水準ですが、04年ではバスが急増し、前年の18↓27件となりました。 過去12年間のデータでは、バス・トラックも含めた313件のうち、脳血管疾患が96件、心臓疾患が96件とそれぞれ3分の1を占めています。深夜を含む不規則労働の場合は、脳や心臓の重大疾患が多いことが指摘されていますが、規制緩和の前後で大きく変化していることから、規制緩和が健康に影響していることがうかがえます。 とくにバスは、車両が大型のため、運転中に事故が起きれば、被害は甚大なものとなります。乗客や他車、歩行者の安全や、自らの命を削ってでも走らなければならないほど運転者を追いつめている規制緩和の悪影響が明確になりました。 |
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東京・グリーンキャブ労組 3労組が一致する要求で共同 |
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この集会は、大口割引運賃導入に抗議する趣旨で開催されたもので、集会にはグリーンキャブ労組と交通労連に加盟するグリーンキャブ江戸川労組、グリーンキャブ新町労組が一致する要求に基づき結集しました。 各単組の委員長あいさつのなかで領家委員長は「需給調整と運賃の根幹を崩したときに何が起こるのかは事実によって明らかになっている。政府・行政の責任は重大であり、大口割引など、運賃値下げ競争に突入した業界、個々事業者の責任も非常に重い。際限のない労働者犠牲の生き残りでは、法人企業そのものの存在意義を投げ捨てることになる」と指摘しました。 |
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高知 争議支援ビアホールの集いひらく 相互物流労組中山慎吾さん 最後まで闘う決意を表明 |
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集いでは、8月31日付で、会社に不当解雇された相互物流労組の中山慎吾委員長が、今年3月、たった一人での労働組合の結成から会社と闘ってきた経緯と組合員が5人に組織拡大できたこと、高知地裁に対し不当解雇撤回と賃金差額及び精神的慰謝料請求事件として本訴したことの報告と、最後まで闘い抜く決意を表明しました。 続いて、担当の戸田隆俊弁護士から、「解雇撤回はもとより、実害請求だけでは許せないので、合わせて精神的慰謝料も請求した」ことの報告と参加者に、中山君に対するこれからの協力・支援体制の確立を要請しました。 その後、参加者の連帯あいさつなどで、いっそう盛り上がり、予定の2時間を30分あまりオーバーして盛況のうちに終わりました。 |
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自交総連の追及が実現 三重・近鉄タク労組 事故弁済金返却される |
【三重】6人で三重近鉄タク労組結成以来、業務上の交通事故に関して天引きされる「事故過怠・弁償金」を即時廃止し、かつ過去の徴収分を全額返却すること、というのは要求の重要課題の一つでした。乗務員が交通事故を起こすと7500円が給料から差し引かれ、さらに事故損害額の15%(9万円限度)を一時金から徴収されます。 組合は、労働者に事故責任があるとしても労使協定で特別の定めがないのに会社が一方的に損害額を差し引くことは労基法24条違反だと奈良地本小林議長・佐藤委員長、本部の久賀特別中執、当該労組の小松委員長ほか三役がねばり強く団交で追及してきました。 会社側は、既存組合と協定しているから「合法で問題はない」と強弁していましたが、制度は3月から廃止すると回答。8月1日の団交では05夏季一時金で天引きした事故弁済金は全員(自交総連の組合員は一人)に返却すると約束。8月の賃金支給日には全員に返却されました。 |
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昨年に続き特別監視地域は102 指定地域以外も供給過剰 |
9月1日からの新たなタクシー緊急調整地域、特別監視地域が指定されました。 両地域は、タクシーが供給過剰で問題がおきかねないとされる地域で、実車率低下や苦情の増加など一定の基準に適合した地域について、毎年9月1日から原則1年間指定されます。緊急調整地域は新規参入・増車が停止され、特別監視地域は参入・増車した会社への監査や処分基準が厳しくなります。 緊急調整地域は、前年に引続き沖縄本島地区が指定されました。指定の指標となる実車率が0・1%上昇しているため、指定が解除されるとの観測がありましたが、沖縄県知事・県議会や業界から継続のつよい要請があり、「総合的判断」で期間を7か月に限定したものの、指定継続となりました。 特別監視地域は、指定地域が多すぎるとして昨年基準が厳しくされたため、一昨年の254地域が102地域に減りました。 今年も同様の基準にもとづき102地域が指定されていますが、指定されていないところでもタクシーが供給過剰であることは明らかです。 |
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自交共済第24回総会 新年度活動計画きめる |
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自交共済は9月7日、東京・水月ホテル鴎外荘で第24回総会をひらき、11地方31人が参加、新年度活動計画をきめました。 自交共済は、2004年度には死亡27人をはじめ全体で677人の産別給付を行い、組合員の助け合いの役割を果たしてきました。きびしい労働条件を反映して死亡者数はここ数年、高い水準が続いています。 加入者は前年度より43人増えて8793人となりました。 総会では、具体的な活動計画として、1万5000人を目標に、未加入地方への対策強化、各地方ごとの自主目標の設定などの対策をとり、リーフレットやかべしんぶん・ポスターなどの宣伝啓蒙活動も強化することを決めました。 |
自 交 総 連 |