自交労働者No.655、2005年10月15日

大阪で新たな運賃戦争の波


写真
記者の質問に営業車の持ち帰りの危険性について話す沢田委員長
 今追い風吹く、あなたもワンコインオーナー乗務員になりませんか?――9月17日、NHKが放映した「大阪のタクシードライバーは眠れない」で紹介された違法なリース契約によるワンコイン(500円)タクシーが大阪の新たな運賃戦争を引き起こすとして業界関係者の間に波紋が拡がっています。

 【大阪】リース契約は名義貸しの禁止(道運法33条)に違反するものです。しかし、番組の中で経営者は、リース契約とは、営業車を会社から借り、月々のリース料と、車にかかる経費を会社に納めれば、その月の売上げはすべて給料に反映されるというもので、乗務員の手取額は増え、会社の経費は抑えられるというメリットがあると言っています。

 たしかに多くの乗客を乗せることができれば売上げが上がり給料は増えますが、ひとたび事故を起こして休業しても、その月の経費は会社に払わなければならず、生活の保障はされません。そのため、リース契約で働く労働者は少しでも売上げを上げようと過酷な長時間・超過密労働になり、また、違法行為である営業車を持ち帰り、自宅から直接出勤し、会社の点呼を受けずに営業するなど、際限のない長時間労働になり、安全・安心は崩壊の危機に直面することになります。

 また、このワンコインタクシーは大阪のタクシー業界に波紋を広げ、大手タクシー企業も500円タクシーに参入することを表明するなど、新たな運賃戦争が始まろうとしています。

 そのため大阪地連では、9月22日にひらいた第4回常任中央執行委員会で、さらなる運賃戦争の拡がりを懸念し、他の労働組合や事業者に共同行動と自制を強く呼びかける緊急アピール(タクシーの安全と安心を守るため、不毛な増車・運賃値下げ競争にストップを)を出しました。

 アピールでは、タクシーの安全・安心を守るために大阪のすべての事業者に対して、さらなる運賃戦争への突入を踏みとどまるよう自制を強く呼びかけ、他労働組合にも不毛な増車・運賃値下げ競争にストップをかける「共同行動」を早急に実現できるよう呼びかけています。

表 表



今後の望ましいタク実現へ

国交省 小委員会を設置


 国土交通省は10月4日、タクシーサービスの将来ビジョン小委員会を設置。第1回会合を開催しました。

 この小委員会は02年2月の規制緩和以後、タクシー車両が増加し、経営環境が大変厳しい状況にあり、乗務員の賃金低下や、それが原因で過労運転やサービスの低下等を招いているのではないかとの指摘を受け、規制緩和後のタクシーの実態把握及びその分析を行い、輸送の安全や利用者利便の確保を一層確実なものとするために設置されました。

 そのため、小委員会では、今後の望ましいタクシーサービスのあり方とその実現のために必要な環境整備方策を調査審議し、06年6月を目途に審議結果を取りまとめるとしています。

 なお、この委員会には自交総連より今村天次書記長がメンバーとして参加しています。



東 京

実践中心に組合運営を学習

小グループに分かれ議論展開


 【東京】東京地連は9月21〜22日、亀戸文化センターで、04年度3回目となる「ATUヤングカレッジ」を開催。2日間でのべ10単組24人が参加しました。

 この学習会は、自交総連運動を継承する幹部活動家を育成することを目的に、講師がどの職場でも起こり得る問題を提起し、それを受けた参加者が小グループに分かれ、自分の意見を持ち、議論を行うという「実践」を中心に据え、いわゆる受け身の座学ではなく、参加者が積極的に参加する「参加型」形式となっています。

 今回の事案は、三役不在時に起こった緊急処分事案。参加者は、各グループに分かれ約1時間の議論。中には時間が足りないグループも出るほどでした。各グループの代表者がまとめの発表を行い、それを講師が講評して終了となりました。

 今期も、サブタイトルに「継続は大きな力に」としているように、来年の1月から奇数月に、内容を充実させ開催して行く予定です。




鹿児島

更生手続の早期開始を

大和交通労組 地裁に意見書を提出


 【鹿児島】大和交通労組は10月6日、鹿児島地方裁判所に早期に更生手続の開始を求める意見書を提出しました。

 大和交通労組では昨年9月に会社の経営悪化から、職場を守るために会社再建の道を選択し、更生法の申請を行っていました。しかし、現代表が土地を会社に使用させる意思がなく、また、同会社に対し、自らの持分にもとづき、建物収去土地明渡請求をなす旨の意思を保全管理人に表明していました。

 そのため、保全管理人は、現代表の会社に対する土地明渡請求が認められる可能性があるとして、慎重な対応をしていました。

 しかし、意見書では、(1)土地使用は、会社更生には必要不可欠なものであること、(2)土地の共有者が会社の使用を望んでいること、(3)そもそも自分が代表をつとめる会社に対し、その営業所の収去を求めることは、著しく信義に反するものであることなどを述べ、現代表の主張は認められる余地がないことを指摘し、早期の更生手続開始を要請しました。





組合継続へ自交総連に加盟

福島・福島県自交労組

今後の活動に大きな転機


 【福島】私たちは、今までの組合活動に対する姿勢と自覚の甘さを感じ取り、昨年11月に組合継続の危機を打開すべく、県自交の仲間たち全員で自交総連に加盟をしました。

 振り返れば、前県自交の組織は浜通りを中心に11単組200人からなる組合で、現在のように組織が弱体するとは考えたこともありませんでした。

 しかし、某会社社長の放漫経営によって浜通りで一番の水揚げを誇った単組が消滅してしまい、一気に70人もの仲間を失い、組織が揺らぎ始めたのです。

 それと平行して、経営者たちの悪質な組合切り崩しが始まり、同時に不況も重なりわずか8年で3単組32人の組織になってしまいました。

 破壊的危機に陥るところを福島地連に相談し、さまざまなことを学び自交総連への加入で、危機を脱することができたのです。

 残念なことは、もっと早く自交総連を知っていれば、多くの仲間を失うことはなく、全組合員一人ひとりが、組合に対する考えをしっかり持っていれば、状況は大きくかわっていたことと思います。

 私は自交総連に加盟しさまざまなことを学び、改めて加盟は正しい選択だと確信すると同時に、今後の組合活動に大きな転機になったと思っております。(執行委員長・荒川光義)





各組合が力をつけて闘おう

千葉第29回大会

写真
千葉地本第29回定期大会で提案された方針について討論する参加者=9月27日

 【千葉】千葉地本は9月27日、第29回定期大会をひらき、「手も出す、足も出す、口も出す」をスローガンに、悪質資本の糾弾、職場点検闘争強化などの方針を決めました。

 小林委員長は方針提案で、悪質資本の攻撃の手口を紹介、会社との交渉や行政への申告、宣伝など組合員全員が参加する運動の組み立て方を説明し、各組合が力量をつけて闘えるようにしようと呼びかけ、それを受けて全員で討論しました。

 役員改選なし。

実勢2000人をめざして

神奈川第51回大会

 【神奈川】神奈川地本は9月27日、神奈川県民ホールで第51回定期大会をひらきました。

 大会では、社会的水準の労働条件をめざすため、適正な台数の確保と上限運賃の確保を最重点課題として、地域経営者共同責任として経営側に要求していくことや、職場活動の活性化と次代を担う幹部・活動家の育成、組織の強化拡大で実勢2000人の回復をめざすことなどが決められました。

 役員改選なし。

福島全県に組織を広げよう

福島第11回大会

写真
全県に組織を広げようと意思統一した福島地連第11回定期大会=9月29日

 【福島】福島地連は9月29日、第11回定期大会をひらき1000人の地連をめざすなどの方針を決めました。

 小山委員長は、タクシーは安全も健康も度外視した長時間労働になっていると指摘、安全・安心のタクシーめざして闘おうとあいさつしました。昨年加盟した浜通り地方の県自交の仲間も参加、全県に組織を広げようと意思統一しました。

 委員長=山崎良博(新)▽副委員長=小山久夫(新)▽書記長=沼倉喜久雄(再)

政策要求実現にむけ闘いを

東京第111回大会

 【東京】東京地連は9月29日、亀戸文化センターで第111回定期大会をひらき、244人が参加しました。

 大会では、領家委員長が@規制緩和の現状と今後のとりくみ、A総選挙結果と未組織労働者の組織化で反転攻勢をかけての運動の展開B組合民主主義の改善・強化の3点について強調。その後全体討論の発言を受けて、すべての運賃・料金競争に反対し、政策要求実現にむけ、闘うことが確認されました。

 役員改選なし。

1000人の地連をめざす

静岡第28回大会

写真
41人が参加し開催された静岡地連第28回定期大会=10月3日

 【静岡】「変えよう ルールなき競争と格差社会 団結と統一 1000人の自交総連静岡地連の構築を」のスローガンで開催された静岡地連第28回定期大会は10月3日、41人の参加で、運動方針などの全議案を決定しました。大会には、本部、関東ブロック、全労連オルグと静岡県評、地域労連が連帯あいさつをしました。

 委員長=郡司孝(再)▽副委員長=小粥泰則(再)、榛村豊(新)▽書記長=川原崎明(再)▽書記次長=神谷宗十郎(再)

地連組織100人まであと一歩

鹿児島第32回大会

 【鹿児島】鹿児島地連は10月3日、鴨池公民館で第32回定期大会を開催し、05年度運動方針を決めた他、新年度役員を選出しました。大会は、組合員が4人まで落ち込み存続の危機にあった鶴丸交通労組で、新しい仲間が続々と加入し42人になったことで、地連組織は100人達成へあと一歩となり、活気あふれるものとなりました。

 委員長=日高光義(新)▽副委員長=西原正志(新)▽書記長=瀬戸山実義(再)▽書記次長=山崎秀文(新)

総力あげ3000人めざす

京都第57回大会

写真
3000人の地連をめざすことなどを決めた京都地連第57回定期大会=10月4日

 【京都】京都地連第57回定期大会は10月4日、京都工業会館でひらかれました。

 大会は、役員、中央委員、代議員ら74人の参加で成立。提案された、主要闘争報告、運動方針、決算、予算を積極的な討論で補強し採択しました。

 組織拡大では、3000人の組織をめざすことに総力をあげることを決定しました。

 委員長=安井暁▽副委員長=上坂幸男、石原敏雄▽書記長=浅井大二▽書記次長=藤田義昭(いずれも再)

 委員長=中谷広夫▽副委員長=切田明▽書記長=内谷富雄(いずれも再)

将来展望へ組織拡大が重要

広島第40回大会

 【広島】広島地本は10月4日、福山市で第40回定期大会をひらきました。

 大会では、マスコミの取材や地域協議会でも自交総連の存在感を示しているということが確認される一方、組合員の高齢化の実態なども指摘され、このままでは将来の展望がひらけなくなるとして、組織拡大を最重要の課題としてとりくむことを意思統一しました。

仲間のくらし守るため奮闘

大分第44回大会

 【大分】地連結成の原点に立ち返ろう――大分地連は10月5日、大分市グリーンカルチャーセンターで第44回定期大会をひらき、05年度運動方針と新役員を満場一致で決定しました。討論では、すべての地域からの発言があり、『地連はひとつ』を合い言葉に、組織を強化拡大し、仲間のくらしと権利を守るために奮闘することを誓い合いました。

 委員長=海老原昇(新)▽副委員長=園田忠孝(再)▽書記長=山野茂利(再)

夢ある職場を取り戻そう

山梨第37回大会

 【山梨】「甲府名鉄が組織統一を実現し、新たな仲間を迎えての大会となりました」と丹沢委員長あいさつで開始した山梨地連第37回定期大会は、10月6日、来賓を含め23人の出席で、全ての議案を採択しました。大会で決定された方針は、「闘わずして、嘆くより、団結し、反転攻撃を仕掛け、夢ある職場を取り戻そう」と積極的なものとなりました。

 委員長=丹沢信之(再)▽副委員長=五十嵐六男(新)▽書記長=木村好高(再)



自 交 総 連