自交労働者No.666、2006年4月15日 |
06春闘
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4月10日現在、要求提出は264組合・支部(69・7%)と、前年同時期の63・5%と比較して6・2ポイント上回っています。そのうち回答を引き出したのは13職場で、妥結・了解は12職場となっています。 回答内容(下記の一覧)は、東京・東自教の3支部が2400円〜3150円の賃上げを獲得。ハイタクでは、福島・県自交で基本給11万円以下は2000円、11万円以上は500円の引き上げを実現した他、介護手当1回100円、継続雇用者の賃上げを実現。東京の小田急交通は、乗務員に特別一時金4万2千円、同非乗務員4万円を引き出し、それぞれ了解または妥結しました。 妥結に至った職場は3月段階から3波に渡る統一行動を背景にして、精力的に団体交渉を行ってきました。 全労連は、4月26〜28日を統一行動ゾーンに設定して4月末決着を決定しました。自交総連は、この闘争日程に基づき、4月末までに、成果を獲得しての決着をめざします。 |
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1年で3000台増加規制緩和後丸4年全国8048社が申請
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4年間で1万7000台超――国土交通省は、タクシー規制緩和後丸4年間となる今年1月末現在の増車状況をまとめました。新規参入、区域拡大、増車届出の合計は全国で8048社、1万7729台(重複あり)と、昨年の1万4173台からこの1年間で3000台ほど増加しました。 昨年の状況と比べると、新規参入申請は97社880台(380社、3098台)、増車は1694社2588台(5752社、1万451台)となっています。 増車のうち関東が半数超を占め、北海道では3倍近くアップしていますが、一方で、他地域では減車もみられるなど、地域的な偏りがみられます。この激しい増車競争は、営収・労働条件の低下などの深刻な影響をもたらしています。
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関東ブロック「労働組合を結成したい」神奈川・静岡で宣伝行動展開
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本部・大型宣伝カーを使用しての行動には東京・鈴木、神奈川・細川、静岡・川原崎の各書記長に加えて神谷氏と、本部の小林書記次長が参加。横浜、三島、沼津、新富士の4駅6か所での宣伝を実施し302人(台)の仲間にビラを配布し自交総連への加盟を訴えました。 自交総連として初めての宣伝となった三島と沼津駅では、午後2時前後から繁忙帯にもかかわらず、対話をはさみながら友好的な対応をしてくれました。 営業収入は、1出番3万3千円〜4万円で1か月40万円〜50万円程度で賃率が50〜59%でした。 対話では、運賃ダンピングで河口湖まで1万5千円のメーターを「1万円で行く新規参入会社が発生し、一発がなくなった」や「タクシーの台数が多すぎる」と怒りを語り「給料が安すぎる」を訴えました。そして「労働組合を結成したいが、解雇されるからなー」と唇をかみました。 |
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春闘勝利へパレード神 奈 川47台が市内でアピール
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決起集会後、トラック・ダンプなど大型車両には「国民春闘勝利」「賃上げ・まとまな運賃」「許すな増税・憲法改悪」と書かれた横断幕を掲げ、タクシーには「稼げない!疲れる! 眠れない! 事故増えた」「タクシー減らせ! 安心安全破壊の規制緩和!」と書かれたステッカーを左右両側に貼り、山下埠頭よりみなとみらい→桜木町→横浜公園と約10キロのコースを1時間かけてパレードしました。 多少の渋滞を起こしながらも整然と隊列を組み、昼時でにぎあう観光地を市民や観光客に交通運輸労組の意気込みをアピール!。春闘勝利に向けた団結を確認しあいました。 |
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会社との勝利和解が成立出勤停止処分撤回などかちとる高知・相互物流労組 |
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【高知】相互物流労組の中山慎吾委員長は3月30日、出勤停止などの不利益処分はすべて会社の勝手な都合であるとして、未払い賃金並びに解決金として総額500万円での和解が成立しました。 この事件は05年2月、会社より不利益取り扱いによる出勤停止処分がされ、そのことによる不当解雇撤回と賃金差額及び精神的慰謝料を求めて高知地裁に申し立てていたものです。 和解内容は、(1)05年2月24日付出勤停止処分を撤回する。(2)05年8月1日付解雇を撤回する。(3)退職日までの雇用保険、健康保険、厚生年金の被保険者資格が継続していたものとして必要な手続きをする。(4)労働契約を会社都合により合意解除する。(5)05年2月以降退職までの賃金が1か月につき29万5400円である旨を記載した離職票を交付し、必要な手続きをする――となっています。 今回の和解を受けて中山慎吾委員長は、「判決で勝訴を選ばなかったものの、会社にすべての不当処分を撤回させたわけで、結果は勝利和解となった。体がフワフワと浮くような感じ」と大変喜び、また、現在活動停止中の組合は、今後も存続する方向でいます。 |
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選別雇用させない対策を |
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65歳までの雇用継続をすべての事業主に義務付ける「改正高年齢者雇用安定法」が4月1日から施行されました。 高年齢者雇用安定法は、使用者に労働者を65歳まで雇用することを義務付けるもので、2006年4月1日から、(1)段階的に定年を延長していくか、(2)定年を廃止するか、(3)継続雇用制度を導入しなければなりません。 しかし、厚労省が事業主に周知徹底させるために作成したパンフレットでは、法改正が希望者全員を雇用することを原則としているのに、「社内技能検定レベルAレベル」、「過去3年間の勤務評定が平均以上の者」(勤務評定が開示されている企業の場合)などを例示し、企業が選別雇用を自由にできるような印象を与える記述になっていました。 しかし、全労連などが、パンフレットの改善や法改正の趣旨の徹底を求めていたため、新たに、「事業主が恣意的に特定の対象者の継続雇用を排除しようとするなど高年齢者雇用安定法の改正の趣旨や他の労働関連法規に反する又は公序良俗に反するものは認められません」と改定されましたが、まだ一部では「過去○年間の平均考課が○以上」「過去○年間の出勤率○%以上」などが再録されており、経営側の選任基準のよりどころとなっています。 そのため、今後の交渉では、労使協議中に60歳定年退職の対象者がでる場合は、労使協定が成立するまでの間、仮に雇用を延長させ、賃金などは仮払いとする。力関係でやむをえず同意する場合は、就業規則の届出に同意し、労使協定は継続審議とする。同時に、別途「確認書」で「本協定の基準をもって、差別・選別雇用はしない」旨の確認書を取り付ける。それにも同意しない場合は、「相互通報制度」をもつハローワークへ告発し、「真摯な交渉を継続するよう」行政指導を求める――などの対策が必要です。 |
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今回の調査の意義を深く実感ロンドンタクシー実態調査感想自交労働者の地位高める運動を |
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100%個人のロンドンタク 私たちの今回の調査は、国土交通省交通政策審議会小委員会の将来のタクシービジョンの中でも出ている運転者資格制度とタイミングが合い、調査目的を運転資格制度に集中できたと思います。 初日に訪問したTGWU(運輸一般労組)で3人の現役運転手が市内で一番小さいと言われているタクシーシェルターに案内してくれ、私たちのインタビューに答えてくれました。ロンドンは100%個人タクシーであるので収入に関しては答えませんでしたが、なによりも一般の会社員のように使用者からの命令・指示を受けず自由に仕事ができることであると答えます。 全体的には昼間を重点に乗務している人が大半で少しでも稼ぎたい人が夜間中心にやっているようでした。 3日目は運転手さんの日報を覗かせてもらう機会があり、午後でありながら4回目の実車でした。その人の1回の平均運賃は2000円を超え、1日平均の実車回数は約30回ほどでいつも22時前にはあがるそうです。日収5万円〜6万円と予想ができます。 合格率3割のノリッジテスト また、今回の調査で訪問した人たちは共通したことを言います。1つ目は、ロンドンはタクシーの台数規制はしていない。2つ目はタクシー運賃の改定はPCO・LTDA・TGWUの3者の意見を取り入れロンドン市が決定する。3つ目は労働条件を悪くするので運賃・料金の安売りはしない。全者上限張り付き運賃だ。と、同じ答えが戻ってきます。 3項目を分析すると150年を超える歴史を持つロンドンタクシーとノリッジテストが基本にあるからできることであるのです。台数規制をしなくても難関なノリッジテストが高いハードルとなり、新規参入をしにくくなっています。 このようにロンドンのタクシーとそこに働く労働者は、まずノリッジテストという難関を短い人でも2年半かけて3割程度しか合格しません。魅力のない産業であれば、だれも苦労をしてまで入ってこないでしょう。 規制緩和をしてはならない産業 魅力ある産業にするには国民の願いとそこに従事する人々の努力と苦労は大変なことであろうと察知します。その中でロンドン市民と行政は自信を持ってタクシーを規制緩和してはならない産業と位置づけています。 私たち自交総連の運転免許構想は、規制緩和されたわが国においても自交労働者の社会的地位を高めていく方向を重視し発展させていかなければなりません。私たちの運動を前進させる、今回の調査の重要性と意義を深く感じております。 東京・舞弓義隆 |
自 交 総 連 |