自交労働者No.689、2007年5月1日 |
第4回中執春闘の今後の闘い方を討議 |
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会議では、3月28日に出された国交省通達について詳しく学習・討論、当初は指導も通達も出さないとの姿勢だった行政を転換させた運動の成果だなど積極的な評価が出されました。今後は実際に職場でノースライド+アルファをかちとる交渉が重要となります。 運賃改定がないところでも、底上げや解決金支給の回答をかちとっているところが報告され、4月24〜26日を統一行動ゾーンとして、賃上げ・重点要求の実現・政策合意などを重視して決着を図ることとしました。 実効ある運転者登録制度の確立の課題では、国会審議にむけて要請や座り込みなど闘争を強化することとしました。 |
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全国平均は278万円06年タクシー年収相変わらずの低水準 |
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全国平均の年収は、277万8400円と前年(269万7100円)に比べ8万1300円の増となりましたが、最高時から比べるとまだまだ100万円以上低い水準となっています。 (注.地方ごとの年収は統計上のサンプルが少ないため、前年比で急増・急減するケースがあり、必ずしも実態と一致しません。詳細は『自交労働者月報』に掲載します)。 タクシー運転者の賃金・労働時間(2006年)
資料:労働省賃金構造基本統計調査(労働省政策調査部編「賃金センサス」)、いずれも男子労働者、企業規模10人以上 |
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運賃改定問題における到達点と今後の対応 |
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自交総連は4月13、14日の第4回中執で「運賃改定問題における到達点と今後の対応」を確認しました。同方針は、国交省の運賃査定に関する新方式を定めた通達を分析した上で、以下のようにかちとった成果を明らかにして今後の闘いの重点をきめています。 かちとった成果と闘いの到達点 〇4月6日に公示された大分、長野では、自交総連の要求していた「収支実績及び推定」が公表された。 〇今回の通達では、「適切に運転者の労働条件改善措置を講ずること」や「必要な指導等を行うこと」などが明記された。 〇交政審タクシー小委員会報告が、運賃の審査方式について研究・改善を進めるとの提言を行ったことを受けて、今回の運賃改定では、運転者人件費における算定式の見直しが行われ、査定での増額分の改定率への上積みが行われることとなった。 この措置により、運賃改定における運転者人件費支給率は、実績年度の運転者人件費支給率と同水準のものとなることから、この限りにおいてはノースライド分の原資をそっくりそのまま担保する査定、運賃改定率となっている。 闘いの重点と今後の対応 〇『自交労働者』新聞Y688(前号)1面を活用し、今回の運賃改定の趣旨、査定の概要などを組合員及び加盟していない地域のタクシー労働者にも広く伝える宣伝行動を強化する。 〇ノースライドプラス職場重点要求に関する個別労使間協定の締結はもとよりのこと、改定率に見合った増収分の確保にむけた上限運賃への張り付け、需要に応じた減車と増車抑制をかちとるために全力を注ぐ。 〇大阪・宮城など増車や値下げ競争で、運賃改定が困難となっている地域では宣伝を重視、不毛な競争を止めさせ増車抑制と減車、上限運賃に戻すための共同のとりくみに積極的に踏み出すよう経営者に求めていく。 〇運賃改定に伴う労働条件の改善と実効ある運転者登録制度の導入は、密接不可分の関係にあることを重視し、運動強化を全国的にはかる。 大分の査定原価 公表された大分の運賃改定(改定率10・7%)の査定原価を要約したのが上表です。 運送収入は自然減があると査定され、それを埋める分も含めた改定率となっています。 今回の査定方式の要点である直接運転者人件費は実績比の増収率と同率の伸びで査定されており、ノースライドとなっています。 人件費以外の運賃原価はほとんど増額査定されておらず、燃料油脂費もマイナス査定です。燃費高騰の影響は実績の収支差(赤字)に反映しただけです。 大分の収支実績及び推定(原価計算対象事業者23社)
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スライドされたら賃下げに |
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運賃改定時のノースライドを実際にかちとる上では、さまざまな賃金体系に合わせて注意すべき点があります。 累進歩合となっている賃金の場合は、経営側が足切額の引き上げを執拗に要求してくる可能性が強いので、十分な警戒が必要です。 経営側が主張してくると考えられるのは、例えば、営収50万円以上で歩合率55%、未満だと45%という賃金で、営収が10%増加したとすると、営収が48万円だった人は52・8万円になり、歩合率が45%から55%にアップするからノースライド以上で増えすぎだ――という理屈で、足切額(歩合率が変わる区切り目の金額)を10%引き上げ(スライド)たいということです。 確かにそのようなケースもあり得ますが、それは営収が多いほど高い歩合率が適用されるという累進歩合という制度では当然の結果にすぎません。そもそも「改善基準」で禁止されている累進歩合を、より高い営収を上げさせる効果をねらって採用している会社が、営収が増えて歩合率が上がるのがイヤだというのは身勝手な言い分であり、信義に反します。 しかも、営収が増えた分の中には運転者の努力の結果も当然含まれているわけですから、賃金が増えすぎだなどと決めつけることはできません。 歩合率も足切額もノースライド貫く さらに重要な点は、客離れ現象により、実際の増収率が改定率を下回った場合、大幅賃下げとなるケースが出てくることです。 下表のように、足切額を10%引き上げた場合に8%しか増収にならなかったとします。営収60万円と50万円だった人は、足切額が引き上げられたために、今までより低い歩合率が適用されることになり、賃下げになってしまいます。労働条件改善のための運賃改定で賃下げになるというのは、許されるものではありません。 したがって、累進歩合制度の場合も、経営側の主張をはねのけて、歩合率はもちろん足切額も変更しないというノースライドを貫くことが大切です。 ◎累進歩合で足切額がスライドされると賃下げになるケースが…
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車両デモを闘い乗り切る力に
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このデモには、タクシー18台、バス1台、ダンプ15台、トラック23台、宣伝カー4台の計61台が参加。仙台市内を2時間かけ、パレードし、市民に規制緩和反対を訴えました。 決起集会で、決意表明に立った仙都労組の富中副委員長は、「規制緩和には本当に痛めつけられている。増え続ける車両、減る一方の営収、規制緩和は、我々の命すら奪おうとしている。この車両デモをまだまだ続く闘いを乗り切る大きな力にしていきたい」と、力強く訴えました。 この車両デモは、宮城県交通運輸労働組合共闘会議が呼びかけたもので、自交総連のほかに、建交労や全運輸が結集しています。 この集会デモの模様は、地元のマスコミも取材し、報道されました。 |
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憲法9条改悪阻止全力で
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4月16日から、参議院での審議が行なわれています。安倍内閣は、参議院で連日審議し5月3日までに成立させようと強硬姿勢です。 この法案は、憲法9条を改悪し、日本を「海外で戦争する国」にするための条件整備であることは間違いありません。その背景に、アメリカの新アーミテージ報告で示されるように日本への改憲要求強化があります。さらに、7月に参議院選挙が控えており国会延長が、困難であるとともに、会期内で成立しなければ廃案となるからです。 自交総連は、全労連や陸海空港湾20労組とともに、憲法9条を守るために全力で闘っています。 |
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現場から期待と不安の声長崎地連ビラ450枚を配布 |
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現場では、ビラを配布していると、「いつ認可されるのか?」「いつからメーターが変わるのか?」の質問や、「足切りが上がるのかなー!」の声が、聞かれました。 また、4月17日〜20日に第2回目の配布をしました。 |
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新加盟のなかま | (735)自交総連龍神ユニオン労組 |
不利益改善へ組合結成 |
【大阪】和歌山県田辺市にある龍神ユニオンタクシー労組で働く仲間は06年10月20日、自交総連龍神ユニオン労組(浅田龍彦委員長)を結成、自交総連に加盟しました。 会社では不利益な勤務変更(予約配車の差別)などが行われ、改善するためには組合が必要として結成しました。 結成後は、団体交渉を行い、一部要求の前進をかちとるなど、奮闘しています。 |
自 交 総 連 |