自交労働者No.690、2007年5月15日 |
憲法、労働法制の改悪反対第78回メーデー各地で多彩な行動展開 |
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ストップ! 戦争をする国づくり なくせ! 格差と貧困。労働法制改悪反対、働くルールの確立を 安心して暮らせる社会を実現しよう!――5月1日、第78回メーデーが行われ、自交総連の仲間も各地で多彩な行動を展開しました。東京・代々木公園での中央メーデーには4万2000人が参加。憲法改悪と庶民大増税反対を訴えながら、都内3コースをデモ行進しました。 強風の中元気よくデモ行進
【北海道】憲法改悪・労働法制改悪許すな!をメーンスローガンに札幌中島公園で開催され、朝から台風並みの強風に見舞われる中、約4000人のデモ隊が元気よく行進しました。 憲法守る寸劇でアピール
【宮城】2100人の労働者や市民が参加し、憲法を守る寸劇を披露したり、「不払残業を許すな」「最低賃金を上げろ」の掛け声とともに宮城地連の参加者もデモに繰り出しました。 タク免実現訴えデモ行進
【福島】580人の参加で信夫山公園で開催され、福島地連からは50人が参加。『規制緩和反対』『タクシー運転免許法制化の実現を』と訴えながら元気よく福島市街地を行進しました。 雨の中811人がデモ行進
【東京】東京では代々木公園で中央メーデーが開催され、東京地連から811人の仲間が参加し、雨が降る中、横断幕やデコレーションを掲げながら、デモ行進を行いました。 シュプレヒコールを連呼
【静岡】あいにくの雨模様の中、約400人が参加。地連から浜松タクシー労組の仲間16人が参加し、横断幕を掲げ、シュプレヒコールを連呼しました。 過労でなかまが死んでいく
【大阪】地連の仲間100人が参加し、タクシー規制緩和の弊害を「過労でなかまが死んでいく」「タクシーの事故急増」などとストレートに現状を表現。デモでは、「憲法9条を守ろう」「消費税増税反対」と市民にアピールしました。 サービス残業をなくそう
【山口】昨夜までの雨もあがった中、「働く者の団結で、生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本を目指そう」をスローガンに開催され、500人が「サービス残業をなくそう」などとシュプレヒコールを挙げながらデモ行進しました。 値上げの増収分は労働者に
【大分】大分市の大手公園で盛大に行われ、「タクシー運賃値上げの増収分は労働者に!」「貧困・格差社会の是正を」のプラカードで参加。デモ行進も全体でとりくみました。 |
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共感呼ぶ闘い粘り強くシンポジウムタクシーの再生めざして東北ブロック |
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主催者を代表して、相沢道彦議長が「国家賠償訴訟のたたかいをはじめ、人間らしく働くために運動を発展させる決意です」とあいさつしました。 規制緩和による仙台市の実態を撮影したビデオ上映のあと、今後の対策に話題が移り、宮城県タクシー協会の佐々木昌二会長は「運輸局が事前監査をしないで安易に増車を許可している。事前監査をやらせるように連携してとりくみたい」とのべました。 仙台市タクシー問題対策協議会委員の徳永幸之東北大大学院准教授は「従来のタクシーのあり方とは別に新たな需要を求めていく必要がある」と提言。 自交総連中央本部の今村天次書記長は「地域社会にどう貢献していくかをめざして、あきらめない闘いが必要」と強調しました。 最後にまとめとして、東北ブロックの石垣敦事務局長が「タクシーの再生は、そこで働いている人が大切にされることであると確信した。孤立しないで共感を呼ぶ闘いを粘り強くすすめていきたい」とのべました。 |
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5年間で約2万台規制緩和後の増車状況地域ごとの偏り多い |
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5年間で約2万台――国土交通省は、タクシー規制緩和後丸5年間となる今年1月末現在の増車状況をまとめました。新規参入、区域拡大、増車届出の合計は全国で1万18社、1万9879台(重複あり)と、昨年の1万7729台からこの1年間で2000台ほど増加しました。 増車は関東が最も多く、続いて近畿と、大都市で顕著になっています。一方で、県ごとにみると減車の地域もみられるなど、地域的な偏りがみられます。 激しい増車競争がつづけば、せっかく運賃改定がされても、営収低下などの深刻な影響がもたらされてしまいます。 注.事業者数は、運輸支局ごとに計上したので、重複がありうる。増車車両数には、減車車両数を減じて計上しているs(減車事業者数は計上していない)。取り下げのあった事案については、掲載していない。 規制緩和後の増車状況(2002.2.1〜2007.1.31)
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13年にわたる長期争議が全面和解支援に感謝し解決報告集会ひらく |
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【埼玉】埼玉地連県南交通労組は13年にわたる長期争議について2月23日に全面和解、5月4日に解決報告集会をひらきました。 争議は93年に会社が大幅賃下げを強行してきたことからはじまりました。組合では、ストライキでたたかうとともに埼玉県地方労働委員会に申立、浦和地裁に提訴しました。 95年地労委、98年中労委で勝利し、会社は賃金を一部だけ元に戻しましたが、今度は一時金を支給しなかったため、新たに裁判闘争が加わりました。 賃下げについての裁判は01年地裁で勝利しましたが会社が控訴、東京高裁は03年に不当な逆転判決を出しました。この判決は、合理化のためなら賃下げをしてもよいかのごとき反動的なものでしたが、06年最高裁で上告が却下されました。 一方、一時金の裁判は06年に地裁で組合側が全面勝利、会社が控訴していましたが、東京高裁で和解が成立しました。 組合としては、和解内容に十分満足できるものではありませんが、職場の将来を考え、争議の長期化に終止符を打ち、組織拡大を図っていくためにも高裁の和解案を受け入れました。組合では、福地法律事務所、自交総連、埼労連の支援に感謝をして、解決集会をひらきました。 |
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交運研の役割求められている第17回総会5・26に公共交通セミナー |
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総会では、安部誠治会長(関西大学教授)が「地域公共交通を住民参加で作り上げていく動きが大きな流れになっている。交運研の役割が求められている」とあいさつ。 議案は田中事務局長が「市場開放・規制緩和」20年をふまえた提言の策定に着手したことを報告、その結果を5月26日に「公共交通の安全を考えるセミナー」を東京で開催すること。さらに、今年度の中心的な活動として「交通問題研究交流集会」を今秋11月中に実施し規制緩和の検証と制度改革に関する討議を行うことなどを確認しました。 新役員体制は、自交総連から副会長=飯沼委員長、幹事=菊池書記次長らが選出されました。 |
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値上げに否定的な意見多数物価安定政策会議東京の運賃改定は夏以降か |
政府の物価安定政策会議(内閣府所管)は4月19日、東京のタクシー運賃改定について討議を行いました。東京の運賃だけは、この物価安定政策会議での討議を経て物価問題閣僚会議の承諾を得たのちに認可されることになっています。 討議では、参入があるということは経営が維持できているということだから値上げに反対など否定的な意見が多数出されたこともあり、東京の運賃改定は、改定率が圧縮され、時期も夏以降(参院選後)になるとの観測がつよまりました。 出された意見は、需要がないのに増車が止まらないなど規制緩和の矛盾を背景にしたもので、無責任な一部事業者の責任を問うものともいえます。 結論では、改定するなら、上げ幅は最小限にして、確実に労働条件改善を行うこと、経営効率の改善を行え、とされており、無駄な車両の減車をいっそう強く迫っていくことが重要になっています。 |
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生かそう憲法、守ろう9条5・3集会国民投票法案の廃案を |
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集会は、全労連や民主団体などでつくる憲法集会実行委員会の主催で、植野妙実子さん(中央大学教授・憲法学)、浅井基文さん(広島平和研究所長)、福島みずほさん(社会民主党党首)、志位和夫さん(日本共産党委員長)がスピーチで安倍連立内閣の軍国化への道の強行を批判し、国民投票法案を国民の世論で廃案にする運動の強化を訴えました。 集会後、会場に入りきれない参加者6000人を含め、ゴールデンウイークでにぎわう銀座を通って丸の内までのデモ行進を整然と行いました。 |
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A型賃金歩合給部分だけのノースラでは不十分ノースライドをかちとるための注意点 |
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前号に続き運賃改定時にノースライドをかちとる際、注意すべき点を紹介します。固定給や一時金があるA型の場合は、年収単位(賃率)で考えることが必要です。 ノースライドというのは、運転者の実質賃率(足切額や歩合率)を変更することなく運賃改定後にも適用することが基本です。 B型賃金(オール歩合)の場合は、歩合率がそのまま賃率(賃金総額÷営収額)となるので、歩合率・足切額を変更しなければ、増収率と同率で賃金も増えノースライドが実現したことになります(AB型も同じ)。 ところが、A型賃金(固定給+歩合給、一時金有)の場合は、賃金の中に営収に連動しない固定給や一時金があるので、歩合給部分だけをノースライドとしても、総額では本当のノースライドにはなりません。 上表のように、値上げで営収が10%増えたとします。 B型は歩合率が変わらなければ賃金も10%増え、年収360万円だったら、396万円になります。 A・B相関関係 A型の場合は、歩合給はアップしますが、固定給と一時金はそのままなので、年収では384万円にしかならず、B型と比べて12万円足りないことになってしまいます。したがってA型の場合、足りない分の12万円を固定給か一時金に上積みしないと本当のノースライドにはなりません。これをA・B相関関係による調整といい、増収の状況を見た後に、次回の一時金で増額調整するのが一般です。
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自 交 総 連 |