自交労働者No.691、2007年6月1日 |
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タクシー運転者登録制度の拡大などについてのタクシー業務適正化特別措置法の審議が衆議院で行われた5月8〜10日、自交総連は、東京・埼玉を中心に連日130人の仲間が国会前に座り込み、実効ある運転者登録制度の確立を訴えました。審議では実効性確保で一定の前進がはかられ、可決の上、参議院に送られました。 国会審議で骨抜き案をただす
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国会に向かってシュプレヒコールをする座り込み参加者=5月8〜10日、国会前 |
同委員会は、タクシーの安全・安心を確立するためには運転者の質の向上が必要だとして、現在、東京・大阪で実施されている運転者登録制度の拡大強化を提起しました。ところが国交省は、審議会報告が地理試験の実施などを明記していたにもかかわらず、法案化にあたり、地理試験は実施しないなどの骨抜き法案にしてしまいました。
国会審議でこの点をただし、中身のある登録制度となるようにするため、座り込みでアピールしました。
衆議院の審議では、試験に代わる「講習の修了」の確認方法について穀田議員(共産)が質問、効果測定をやる、補講をやると言うが、ペーパー試験、テストをするのかとの確認に、国交省の岩崎自交局長は、テストも含め効果測定をきっちりやる、と答弁するなど、一定の前進がはかられました(2面に審議の要旨掲載)。
また、審議ではタクシー運賃改定とも関連して労働者の劣悪な労働条件が問題となり、冬柴国交大臣は、労働条件改善が必要であることを再三にわたり答弁、「(改定認可に当たり)運転者の適切な労働環境が確保されるよう、タクシー事業者に対する必要な指導を行うこと」などの附帯決議がつきました。
平和憲法守れ
座り込みでは、参議院で審議が重大局面となっていた憲法改悪につながる国民投票法案(採決強行、14日可決)への抗議行動も同時に行い、全労連・民主団体の仲間とともに平和憲法を守ろうとアピールしました。
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第3回中闘
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各地方の単組・支部の07春闘のとりくみ状況は、要求提出=247組合(71・6%)、回答引出し=66組合(26・7%)、妥結・了解=36組合(14・6%)です。 こうしたもとで委員会は、今後の対策として(1)各闘争状況をふまえ、ストライキを含む統一行動の独自設定と団体交渉の促進により5月中の最終決着をはかるために全力をあげる。(2)各地連(本)は、第4回中執で確認した春闘の「3つの解決基準」をふまえ、未解決組合への援助・指導の強化など個別対策を重視することを決定しました。 さらに、国会に提出されている「タクシー業務適正化特別措置法の一部改正案」の審議に合わせて、座り込み行動を行い、実効ある制度を求めていくことを確認。運賃改定問題では、東京のタクシー運賃について、内閣府の「物価安定政策会議」(4月19日・前号記載)の異例となる第2回目(5月31日)の開催に合わせて、全国一斉宣伝を実施します。 組織拡大では、引き続き、宣伝行動や職場内非組合員、中立組合・親睦会への加盟呼びかけを強化することとしました。 |
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東京地連生活ギリギリで貯金もできない第7回裁判 大口割引の違法性追及 |
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裁判では組合側が、国が適切な審査をほとんどしないで大口割引を認可していること、国側が証拠として出した道運法の解説書でも特定顧客への割引は差別的取り扱いになると解説していることなど大口割引認可の違法性を指摘した準備書面を提出しました。国側は、従来は原告適格のみを争っていましたが、次回は違法性の中身についても反論することになりました。 今回の裁判は、意見陳述があるため、東京地裁で一番広い103号法廷で行われ、傍聴席を埋めた100人の組合員が見守るなか、原告の鵜飼さん(天龍交通労組)が陳述、タクシー労働の実態を説明し、規制緩和以来、がんばっても売上が減り、年収は300万円、二人暮らしでも生活はギリギリで貯金もできないと述べ、運賃ダンピングの大口割引をやめてほしいと訴えました。 |
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05年労働条件比較
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2005年のタクシー労働者と男子常用労働者の労働条件比較がまとまりました。全国平均で、男子常用労働者の年収518万円に対し、タクシー労働者の年収は270万円、格差は前年より3万円縮まり248万円となりました。 年間収入を年間労働時間で割った時間賃金では、タクシーが1106円、男子常用が2575円で、タクシーは半分以下の43%にしかなりません。 地方ごとにみると、時間当り賃金でタクシーが男子常用の5割を超えたのは、富山、山梨、岡山の3県のみ。格差が最大の徳島では、タクシーは男子常用の33%と3分の1にしかならないひどい実態です。 (注)この労働条件比較は、厚労省の統計を元に自交総連が継続的に行っているもので、全乗連や業界紙が計算し公表しているものとは数字が異なります。くわしくは『月報』に掲載します。
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地理試験はずしは骨抜きだテスト含めきっちりしたものにする |
5月8日に行われた国会質疑の焦点(要旨) 穀田恵二議員(日本共産党) 基本認識についてお聞きしたい。タクシーをめぐる問題で解決すべき問題は何なのか。 冬柴鐵三国土交通大臣 非常に極端な歩合とか成績給を採用しているために、売上の減少というものがもろに労働者の賃金にはね返ってくる、そういう非常に特殊な業態になっているというのが私は一番大きな問題だと思います。 穀田議員 なぜ地理試験をはずすのか、骨抜きではないかと私は考えるんです。(講習で)効果測定をやる、補講をやると言っているんだけれども、ペーパーの試験をするんやな、テストをするんやな、もう一遍はっきり言ってください。 岩崎貞二国交省自交局長 テストというやり方も含めて、効果測定の方法について、きっちりしたものにしてまいりたいと考えております。 穀田議員 労働者の賃金を上げる問題について、これはやはり歩合制に手をつける必要があるんじゃないかと思っています。累進歩合制をとっているところが広くある、そこにメスを入れなきゃならぬと思うんです。 また、運賃値上げでは、労働条件改善が確実に行われる保障はどうとるのか。 岩崎局長 運賃改定認可の際に指導をし、さらに、労働条件の改善の状況の公表の結果を見て、運賃改定の趣旨を逸脱するようなものは、事実関係の公表、必要な指導を考えてまいりたい。 冬柴大臣 歩合制をやめさせる法制度というのは難しいんですね。しかし、これが労働者にしわ寄せされるということは事実ですから、単に労働時間とか、あるいは最低賃金が守られておればもうそこからは一歩も出られないということじゃなし、何か考えるところはないのか、考えさせてください。 |
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環境にやさしいまちづくりを
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渋滞や環境問題、まちづくりなど、地域の暮らしとかかわる問題として、いま、日々、都市交通のあり方が問われています。また、「京都議定書」で求められているCO2の削減などもからみ、世界的にも、全国的にも、急ピッチで交通政策・施策が進められています。 こういった交通政策に関わって、市民の側からの提案として、京都でのTDM(交通需要管理システム)導入の提言を3つにまとめたもので、来年の京都市長選挙の大きな争点にもなる交通政策の中身でもあります。タクシーをはじめ交通運輸関係とのかかわりがどうなるのか、どうすべきなのかも含め、大いに論議し、広げ、実現していこうと考えています。 |
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経営と組合活動上の問題点学ぶ自主経営対策会議25人が率直に意見交換 |
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参加者は、自主経営会社が存在している山形・宮城・奈良・山口・福岡・大分地連(本)の代表に加え、本部から鈴木副委員長・今村書記長、現地鹿児島地連など含め25人。2年ぶりの開催となった会議では、経営及び組合活動上の問題点や悩みを出し合い解決策を探るとともに、任務と課題について率直な意見交換を行いました。 とくに、今村書記長が提起した、(1)労働組合本来の任務達成と自主的な活動の強化、(2)地域全体を視野においての自交産別運動の闘いの拠点としての役割発揮、(3)地域貢献、地域社会のあり方を変える共同前進の一翼を担う、ことへの重要性について認識を深め合いました。 |
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鹿児島・大和交通労組今後も火の玉となり奮闘する会社更生決定でレセプション |
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日高委員長は決意表明のなかで「今後も組合員全員火の玉となり奮闘していく」覚悟を表明し、顧問の鹿児島合同法律事務所、増田博弁護士も「今までの組合員の粘り強い活動のおかげで現在があり、道は険しいが今後の奮闘にも期待したい」と述べました。 本部の今村書記長のあいさつ、瀬戸山書記長の経過報告のあと本部緒方副委員長の乾杯の音頭で懇談に移りました。各地連・団体の方がたからもあいさつを受け、出資金及び予納金、約1500万円を集約するまでの苦労話などに話がおよび焼酎が進みました。 現在までの総括と今後の新たな奮闘を誓い合い、最後に日高委員長の団結がんばろうで成功裡に終了することができました。 |
自 交 総 連 |