自交労働者No.692、2007年6月15日 |
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運賃問題への理解呼びかけ 東京では、この日、全都いっせいに宣伝行動が行われ、東部ブロックが担当した上野駅頭ではNHKが取材する中、8単組24人が参加し、タクシー乗務員や、街行く人にビラとティッシュを配布し、タクシー運賃問題への理解を呼びかけました。また、宮城でも仙台駅を中心に19人が約1000枚のビラを配布しました。 運賃改定率算出の手続きへ
内閣府は、5月31日に物価安定政策会議を開催しました。審議された議題は「東京地区のタクシー運賃の改定について」。政府・内閣府がタクシー運賃改定問題を2回も審議するのは異例です。 タクシーの運賃改定に対して、学識者、利用者の意見は「運転者の労働条件改善に異論はない。問題は台数が多すぎる。今後の増車をどうするのか。歩合給をこのまま続けるのか」(阿南久氏・日本生活協同組合理事)、「事業者は営業努力を本当にしているのか」(山根香織氏・主婦連合副会長)など、経営姿勢を厳しく追及するものとなりました。 議論は、経営責任と運転者の賃金・労働条件の改善問題に集中しました。 政府側として、答弁した国土交通省の桝野龍二自交局次長は「運賃・増車ともきちんと対応していく」と回答し、この物価安定政策会議ではまとめを行わず終了しました。 翌日、内閣府と国土交通省の各大臣は、運賃改定率の算出などの手続きを進めるとの見解を表明しました。認可時期は参院選挙後になる見通しです。 |
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第6回常執逆流押し返し前進かちとる
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中間総括では、賃上げ闘争の現況、運転者登録制度の実効性を求める闘いと運賃改定問題、組織の強化拡大等を中心に到達点を総合的に評価。厳しい生活、労働環境化にあっても、自交総連の運動に結集し奮闘した結果、逆流を押し返し前進をかちとっている各地方の姿が浮き彫りになりました。 運動方針討議では、07春闘の到達点の上に立って、くらしと雇用・いのちの危機打開にむけ、(1)結成の原点に立ち戻り、たたかう自交総連の本領発揮を、(2)歴史的な闘いの局面、総ぐるみで組織戦の反転攻勢へ、(3)悪政推進を許さず、全労連運動の一翼を担い国民的共同の前進を、の3つの運動基調をふまえ、方針案の具体化をはかっていくことにしました。 また、来年は自交総連結成30年の節目となることから、第30回中央委員会初日(08年1月29日、都内)の夜に記念レセプションを開催。記念誌や写真集の発刊、記念バッチの作製を準備していくことにしました。 |
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効果測定はどのようなものか
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委員会は、午前10時から午後3時15分の間に6人が質疑にたち討論を行ったあと、法案と7項目からなる附帯決議を全会派一致で可決しました。 質問に立った日本共産党の小林みえこ議員は、「乗務員を登録する際に地理知識の講習後に効果測定をするとしているが、どのような内容か」と質問、国交省岩崎自交局長から「テスト形式を含めたものにするとの趣旨を政省令にも反映する」と回答させました。さらに、指定地域に関して、政令指定都市(新潟、静岡、浜松を除く)以外への拡大について、「まず政令指定都市で実施した経過を見て、将来的に検討することになる」と答えました。 タクシー業務適正化特別措置法の一部を改正する法律の参議院・附帯決議 (要旨)
以 上 |
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自交労働者と参院選(1)タクシーの安心・安全守るため規制緩和勢力に厳しい審判を |
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参議院選挙(7月22日投票予定)が近づきました。いま自交労働者は、最低限の生活さえ確保できないほどの苦しみを強いられています。この苦しみの根源にあるのが労働者・国民のくらしをかえりみないこの国の政治のあり方です。その政治を変えるチャンスが選挙です。一人ひとりがよく考えて貴重な一票を行使しましょう。 タクシー・観光バス労働者の労働条件を最悪なものにしたのは規制緩和です。この規制緩和(道路運送法改悪)に賛成したのは自民、公明、民主の各党、反対したのは共産党と社民党のみでした。日本共産党は自交総連の署名の提出や現地調査、国会質問で直接私たちの意見を取り上げてくれました。 今日では、規制緩和の弊害のあまりのひどさに、規制緩和見直しをとなえる政党や議員も増えていますが、最初に規制緩和に賛成したことを十分反省しているとは思えない勢力もあります。タクシーの安心と安全を守るためには、規制緩和推進勢力にきびしい審判を下さなければなりません。
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大阪現状打開への挑戦を政策課題 第2回集交意見さまざま |
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大阪地連では07春闘で、経済的要求課題については単組・グループ交渉で決着させる方針を取っています。 冒頭、権田委員長は、「労組としては減車とバラバラ運賃をゾーン運賃内に集約してもらいたい。その上で確認書かアピールを作成し、労使がそれぞれできることを各業界団体にはたらきかけたい」と話しました。 業者を代表し関中グループの薬師寺代表は「労使とも想定していなかった業界の乱れに、楽屋裏でこそこそ陰口をたたき傍観していても良くならない。大阪は落ちるところのないぐらい落ちているが、労使とも闘う意志を定めていないのでは」とあたりを見回しながら強弁しました。 大阪東洋の関社長は、「基本的に660円を死守し需給調整できればベストだが、まずあり得ない。運賃改定の審査に入る努力はせざるを得ない」としました。 各代表からの意見に対し、権田委員長は「ムリは承知だが、改善にむけ労使が挑戦していかなければならない、意見を伺うと業者間に幅がある。まず、協会の中の環境整備をしてもらわなくては…」と述べ、「次回組合側が意見をまとめたたき台を提示する」とし閉会しました。 |
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中型免許制度がスタート
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貨物自動車による事故の防止を図るため、道路交通法の一部を改正する法律により、自動車の種類として中型自動車が創設され、これに対応する免許の種類として中型免許、中型第二種免許及び中型仮免許が創設されました。 新区分では、普通運転免許で運転できた車両総重量5t以上8t未満は「中型」免許となり、「普通」で運転できるのは5t未満となります。 改正法は6月2日から施行され、概要は次のとおりです。 中型免許は、20歳以上で、普通免許又は大型特殊免許を受けていた期間(免許の効力が停止されていた期間を除きます)が通算して2年以上、大型免許は、21歳以上で、中型免許、普通免許又は大型特殊免許を受けていた期間(免許の効力が停止されていた期間を除きます)が通算して3年以上が受験できます。 改正法の施行前に普通免許を受けていた場合は、施行後も前と同じ範囲の自動車を運転することができます。
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まだまだ厳しい運送収入安全運転実態調査地方間格差も広がる |
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今年の安全運転実態調査の結果がまとまりました。運送収入は、テスト車・通常営業とも昨年より向上していますが、まだまだ厳しい状況には変わりありません。 この調査は、労働時間を守り安全運転で運行するテスト車と同時期の営業所平均を比較するものです。通常営業がテスト車を上回っている分は、労働時間延長やスピードアップなど何らかの無理をしているということになります。テスト車と通常営業の運送収入の差は3026円でした。 運送収入は、5地方平均でテスト車が3万3554円と昨年より2818円上がりました。それでも、最高時と比べると東京88%〜仙台53%にしかならず、回復には程遠い状況です。 地方間格差も、東京を100とした場合の91年と今年の運収格差は、大阪96→69、仙台82→50、福岡79→57と確実に広がっています。 2007年 安全運転実態調査結果(自交総連)
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労働組合も安全確保が大切
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(1)昨年成立した運輸安全一括法で一定規模の事業者には運輸安全マネジメント評価が義務付けられ、経営トップを責任者とする社内の安全管理体制を確立することが求められるようになったことについて国交省の岡本運輸安全調査官、(2)JR西日本の福知山線事故の背景にある同社の労務政策について国労西日本本部の葭岡(よしおか)書記長、(3)同事故の調査報告書案を踏まえての考察を関西大学安部教授が講義しました。 運輸の安全確保は、各分野で重大問題となっており、企業経営者の安全に関する認識の不十分さや儲け優先思想、安全を無視した労務管理などの問題点が浮き彫りになり、労働組合も安全確保を重視していくことが大切だと指摘されました。 |
自 交 総 連 |