自交労働者No.693、2007年7月1日

会社の一方的条件で働く仲間が多い

乗務員から激励の言葉

東北ブロック組織拡大宣伝

自交総連への期待寄せる


写真
乗務員にアンケート聞き取り調査をする宣伝行動参加者
 6月4日〜8日まで、山形県内で自交総連東北ブロック組織拡大宣伝行動が行われ、山形地連と福島地連をはじめ宮城地連からも執行委員らのべ25人が参加しました。

組合の大切さ学ぶ

 【宮城】1日目は新庄で車上宣伝とビラ配り、乗務員への聞き取り調査を実施し、2日目は酒田や庄内空港、鶴岡で宣伝しました。3日目は山形市内や山形空港、そして天童へ、4日目は上ノ山から山形へ、最終日である5日目は米沢で宣伝し、それぞれ帰路につきました。

写真
宣伝カーから訴える宣伝行動参加者

 山形県内の乗務員からの声として多かったのは、それぞれの会社内にある労働組合がまったくといっていいほど機能していないということです。乗務員のみなさんがそのことを認識していながら、対応策が見つからないまま会社側からの一方的な条件で働いているのです。また、20歳から30歳代の若い乗務員が多くいたのですが、大半が「他に職がなくしかたなしにタクシー乗務員として働いている」との悲しい回答でした。

 今回参加して強く感じたのは、私たちの聞き取り調査に対し、多くの乗務員が友好的に接してくれたことです。

 それから、悲惨な労働条件から「諦め」ムードが漂う中でも、私たち自交総連に対する期待はまだまだあるのだということです。山形の乗務員から激励の言葉をいただき、改めて労働組合の存在の大切さを学びました。

 また、今回宣伝行動に参加した人達の中にも、大きな連帯感が生まれたことを実感しました。



大 阪

下限割れ運賃なくす実効措置が柱

第3回政策集交

激論交わし「確認書」


写真
第3回集交のようす=6月21日、ウェルサンピアなにわ
 【大阪】労働者の労働条件改善と「安心・安全」なタクシー輸送の確立などをテーマに話し合われ、第3回をむかえた政策課題集団交渉(17事業者、19組合)は6月21日午後、住之江区のウェルサンピアなにわで開催。大阪のタクシー再生をめざす「確認書」(案)を議論し合意に至りました。

 大阪地連の権田委員長は、「組合として1台あたりの単価(売上げ)と労働条件を上げて欲しいこれが思い」と述べたうえで「集交の焦点は、下限割れ運賃をどうするのか、大阪全体の問題だが、とりわけワンコイン運賃をどう自動認可枠に収れんさせるのか、そして、適正な需給をどうしていくのかの二つ。協会内での環境整備は当然だが、並行して梅田G、三菱G、ワンコイン、個人など、協会外の団体に働きかけていかなければ始まらない」とし、回答を求めました。「確認書」案について、事業者を代表し東洋タクシーの関社長(大タ協副会長)は「総論としてのまとめとしては良いのでは」と異論がないことを述べました。

 その後、各論部分について、激論を交わし今後、定期的に双方が諸行動を報告し検証を重ね打開策を見いだしていくとしました。

大阪のタクシー再生をめざす確認書

1、

下限割れ運賃をなくすため、労使共同して実効ある措置を講じる。

2、

行政当局へ需給の適正化を求めていく。

3、

上記1、2の確認事項の実現をめざすために、労使は、大阪のすべてのタクシー事業者(個人タクシー含む)、団体及び労働者・労働組合に対して、確認事項への賛同や共同行動の呼びかけを行う。

4、

集団交渉参加労使は、適宜、参集し意見交換を行う。



ツアーバス81%が法違反

貸切バス監査結果を発表

国交省


 国土交通省は6月1日、貸切バスの重点監査の結果をまとめ、監査した316者の内64・6%にあたる204者で法令違反があり、ツアーバスに限れば81・0%の事業者で法令違反が確認されたとしています。

 国土交通省は4月を重点監査月間として監査を実施。1か月間で、一般貸切旅客事業者316者に対し、監査を実施しました。

 今回の重点監査は、2月の大阪でのあずみ野観光バスの事故を受けてのもので、観光バス業界では00年の規制緩和以降、過当競争になり労働条件が悪化、事故も増えています。また、旅行業者がツアーバス(旅行業者が企画してバス会社に委託、2地点間の移動を行うバス)に低運賃を押し付ける実態があります。

 今回の結果を受けて国土交通省では、今後の対応として、国土交通省、バス事業、旅行業の事業者団体、バス運転者等が組織する団体、貸切バス事業者、旅行業者等を構成員とする検討会において、貸切バスに関する安全性の確保等の向上に向けた方策について検討し、所要の対策を講じるとしています。

法令違反事業者数
監査事業者数 法令違反
事業者数
法令違反
件数合計
1違反当り
違反件数
ツアーバス
事業者
84 68(81.0%) 290 4.3
新規参入
事業者
155 93(60.0%) 371 4.0
その他 77 43(55.8%) 148 3.4
計 316 204(64.6%) 809 4.0
( )内は、監査事業者に占める比率



この成果を全国に
神奈川・三共自校支部

不当労働行為、賃金差別に逆転勝利

村上さん

うれしい気持ちでいっぱい


写真
勝利集会でお礼を述べる村上さん=6月24日、藤沢市・グランドホテル湘南
 神奈川地本三共自動車学校支部は、村上組合員に対する不当労働行為、賃金差別事件で今年4月に最高裁での勝利判決をかちとり、6月24日に勝利祝賀会をひらきました。

 村上さんは95年に入社しましたが、その際社長に言われて、組合には入りませんとの書面を提出しました。99年に正社員になりましたが、他の正社員と約3万円の賃金格差があることを知り、組合に相談、加入して格差是正を求めることにしました。

 組合加入を社長に報告したところ社長は「これからは付き合いが変わるからな」と露骨に嫌悪感を示し、組合の再三の申し入れにも賃金を是正しませんでした。

 03年に提訴、一審はまさかの不当判決でしたが、07年に控訴審で逆転勝利、最高裁でも勝利して判決が確定しました。入社時に組合に入らないと約束させることは「黄犬契約」といって労組法で禁止された違法行為で、裁判でも不当労働行為が認定されました。

 勝利集会で村上さんは「大変うれしい気持ちでいっぱいです。この気持ちを忘れずに、皆様に恩返しができれば幸いです」と話していました。



自交労働者と参院選(2)

経営者よりの政治を変え

労働者の権利を守ろう


 労働条件や労働者の権利は政治のあり方に大きく左右されます。悪質経営者が好き勝手なことができるのも、政府が規制緩和や労働基準の緩和などで経営者よりの政治を行っているからです。

 選挙を前に自民・公明の与党は、残業代ゼロ法案(ホワイトカラー・イグゼンプション)の国会提出を断念しましたが、選挙結果によっては復活させ、さらに「労働ビックバン」といわれる労働法制の全面改悪もねらっています。

労働法制改悪への各党の態度

(●=賛成、○=反対)
法律
年
主な内容
自民
公明
民主
共産
社民
労働基準法
改悪
1998 裁量労働制・変形労働時間制の拡大、3年の有期雇用容認
●
●
●
○
●
労働者派遣法
改悪
1999 原則禁止例外許可から原則自由例外禁止に
●
●
●
○
○
労働基準法
改悪
2003 有期雇用・裁量労働制の拡大
●
●
○
○
○
労働者派遣法
改悪
2003 派遣期間を3年まで延長、製造業への派遣解禁
●
●
●
○
○
安全衛生法
改悪
2005 長時間残業した者の医師の面接指導義務付けを緩和・後退
●
●
●
○
●

悪政が続けばどこまでもひどく

――この人たちの言うことを聞く政治を続けるのかストップするのかの一票が問われています

▼経済財政諮問会議(首相が議長の諮問機関)議員 八代尚宏国際基督教大学教授の発言

 「規制緩和で非正社員が増えたというのは誤った認識だ。…低成長時代には企業は雇用保障の必要な正社員を減らし、非正社員を増やさざるを得なかった。1600万人の非正社員を全員正社員にすることで格差をなくせというのは非現実的であり、非正社員なりの雇用安定を図る策を考えていくべきだ」(週刊東洋経済07・1・13)

 「タクシーが増えすぎて運転手の給料が下がったというが、規制緩和していなければ運転手は失業していたかもしれない。料金を下げて顧客を増やし乗車率が上がれば収入が増えるのに、中途半端な規制緩和だから顧客は得せず運転手も損している」(日経新聞06・7・3)

*

▼労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)委員 奥谷禮子ザ・アール社長の発言

 「自己管理しつつ自分で能力開発をしていけないような人たちは、ハッキリ言って、それなりの処遇でしかない。格差なんて当然出てきます。仕方がないでしょう、能力には差があるのだから」「経営者は、過労死するまで働けなんて言いませんからね。過労死を含めて、これは自己管理だと私は思います」「労働基準監督署も不要です。個別企業の労使が契約で決めていけばいいこと」(週刊東洋経済07・1・13)



増収分は確実に労働条件

運賃値上げに民間公聴会

石 川


写真
主催者あいさつをする八田県労連議長=6月9日、金沢・交通会館
 【石川】6月9日、金沢市の交通会館で、石川県労連など7団体による実行委員が主催する「石川のタクシー運賃改定に関する民間公聴会」がひらかれ、50人が参加しました。

 公聴会では、県タクシー協会の塚本泰久会長が、運賃改定の申請は労働条件の改善が理由であることを説明し、それを受けて石川運輸支局の内田裕二主席運輸企画専門官が「確実に労働条件改善に寄与したかどうか改定後も監督指導をする」としました。

 視覚障害者の団体代表や通院でタクシーを利用せざるを得ない患者会など6人からも「タクシーは障害者の社会参加にとって大事な乗り物だ。簡単に値上げ認可しないでほしい」など率直な利用者の立場としての意見が出されました。

 タクシー労働者の立場から石川地連の井上書記長が意見陳述を行い、「申請理由が守られるためには、増収分を賃金・労働条件に確実に充当する事業者ごとの事前確認が必要で、運輸局には認可条件を守らせる責任、事業者には上限運賃に統一する責任がある」と述べました。

 石川県新幹線・交通政策課や金沢市交通政策課からも、「運転者の待遇改善で安心して利用できるタクシーを期待したい」など運賃改定に関する要望意見も出されました。

 公聴会は3時間の熱心な質疑討論が行われ、運輸支局からの「皆さんの疑問や意見を上局の審査に反映できるよう努力をする」という発言をうけて、実行委員会として「今後も運賃改定に対する利用者としての監視を続けていく」ことを確認して閉会しました。



飲酒運転をさらに厳罰化

改正道交法

今後は酒提供、同乗者も対象


 飲酒運転やひき逃げの罰則強化を柱とする改正道路交通法が6月14日、成立し、今年9月にも施行されます。

 解説 今回の改正では、飲酒運転やひき逃げの罰則強化が中心となります。飲酒運転者にクルマや酒類を提供する行為も禁止とされ、違反者には罰則が科せられます。飲酒運転だと知っていながら、そのクルマに同乗することも禁止です。違反した場合は飲酒運転者と同様に罰則が科せられます。

 また、後部座席のシートベルト着用義務化や、運転免許の欠格期間上限の延長(5年→10年)なども盛り込まれています。

 酒酔い運転の罰則は、現行の「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」から「5年以下、100万円以下」に、酒気帯び運転は「1年以下、30万円以下」から「3年以下、50万円以下」に、それぞれ引き上げられました。

 ひき逃げについては、「5年以下の懲役または50万円以下の罰金」から「10年以下、100万円以下」となり、飲酒運転の上、ひき逃げをした場合は、刑の上限が7年6月から改正後は15年に厳罰化されます。

 これは「飲酒運転で事故を起こしたら、逃げて酔いをさましてから出頭した方が罪が軽い場合がある」という矛盾を解消するためです。

現行道交法と改正法の主な内容
改正前
改正後
酒酔い運転
3年以下または50万円以下 5年以下または100万円以下
酒気帯び運転
1年以下または30万円以下 3年以下または50万円以下
車両提供
(運転者が酒酔いの場合)
なし 5年以下または100万円以下
同
(運転者が酒気帯びの場合)
なし 3年以下または50万円以下
酒類提供・同乗
(運転者が酒酔いの場合)
なし 3年以下または50万円以下
同
(運転者が酒気帯びの場合)
なし 2年以下または30万円以下
飲酒検知拒否
30万円以下 3か月以下または50万円以下
ひき逃げ
5年以下または50万円以下 10年以下または100万円以下
運転免許の欠格期間
最長5年 最長10年
シートベルトの着用義務
運転者と助手席 後部座席にも


自 交 総 連