20都府県で加盟呼びかけ
乗務員にビラを渡し、加盟を呼びかける
佐野南海労組の仲間=10月3日、仙台駅
タクシーではたらく仲間のみなさん、労働組合の結成と自交総連への加盟を呼びかけます――自交総連は、9月28日から10月14日までの17日間の日程で、20都府県を対象にした列島縦断宣伝キャラバン行動を実施しました。
この行動は、自交総連第30回大会にむけて「組織強化拡大3か年計画」の終結に際し、今後の拡大にむけ不退転の決意で、実勢3万人の組織をめざして行ったものです。
ビラを配る東京地連の仲間=10月8日、
東京駅
今年の10月で任期終了となる久賀孝三全労連オルグが最後の任務として先頭に立ち、第一交通と闘う大阪・佐野南海労組の山原崇、日垣一夫組合員が全日程に参加し奮闘しました。
キャラバン初の富山で実施
宣伝行動の特徴は、キャラバンとしてはじめてとなった富山駅では、宣伝カーからの運賃改定でのノースライドを政府が認めたことの訴えに関心を持ち、ターミナルに待機する仲間からビラを積極的に求める姿が見られ、自交総連をアピールするものとなりました。
値下げで給料が大幅ダウン
タクシープールで対話するキャラバン隊
=10月7日、甲府駅
弘前駅前の宣伝行動では、タクシー労働者からの質問が相次ぎ、「タクシー協会が、特定の会社だけを乗り場からしめだしているのはおかしいんではないか」とか「シートベルトの後部座席着用義務付けは、いつからなるのか」など、宣伝行動の参加者に聞いてきました。
また、盛岡市では、6月から運賃が520円に全社が値下げをし、「給料が大幅にダウンしている。何とかしてくれ」と、悲鳴をあげていました。
乗務員と対話する静岡地連の仲間
=10月9日、静岡駅
東京での宣伝は、雨が降る中、上野駅頭と東京駅丸の内口で行われ、宣伝カーからの訴えに合わせて、東京地連の仲間がビラを配ると、窓を開けて受け取る姿が見られました。
※宣伝キャラバン行動の記事は紙面の編集日程上すべてが掲載されていません。詳しくは、月報で紹介します。
東京地連
運賃問題で団体間協定締結
新しい規制に向け労使の信頼重要
【東京】東京地連は9月25日、運賃問題の確認書について東旅協と団体間協定を結びました。
東旅協は東京地連が求めていた通達の趣旨に沿った確認書の締結に難色を示していましたが、この日に開催された労政研との交渉で、物価安定政策会議での意見、運賃改定の申請理由と325号通達の趣旨をふまえ、自交総連を結成した1978年以来、はじめて東旅協の会長名での確認書の締結にいたりました。
東京地連では、これまで、法人事業者全体の7割を超える車両が、運賃改定の申請をしたことを受けて、運賃改定にむけた基本方針を確認するとともに東旅協との団体間協定、個別労使での事前協定の締結にむけ運動を展開してきました。
今回確認書の締結に至った要因は、新しい規制にむけた労使の信頼関係の重要性や、多くのマスコミが注目をしていたことも要因のひとつです。
東京地連では、旧態依然の対応で調印を拒む企業については、告発闘争を展開することにしています。
東京の運賃改定、12月濃厚
確実な増収へ経営責任追及
10月5日以降いっせいに報道されたように、東京特別区武三地区の運賃改定について国土交通省と内閣府の調整がほぼ整い、12月にも改定が実施されることが確実になりました。改定率は6〜9%といわれています。
東京と一緒にストップしていた東京隣接地区をはじめ、各地の改定も順次実施される見込みです。
東京の改定作業の中断は、大田経済財政相をはじめ規制緩和推進の立場から閣内で難色が示されていたためですが、参院選の与党惨敗を受け「政府は格差是正に力を入れる姿勢に転じた」(朝日新聞)ことで進展しました。
改定地区の特徴
これまで改定が公示された9地区の査定原価の特徴を示したのが上の表です。
改定率は、8・3〜12・4%で、運送収入の査定率(自然増減)を加味して、計算上見込まれる実増率は4・5〜13・8%になっています。
燃料油脂費は、最近の査定では十数%の増額査定となっていますが、運賃原価全体に占める構成比はほぼ10%以下であり、燃費の増大で労働条件改善ができないという口実は通用しません。
しかも、3月28日の国交省通達で、運転者の歩合率は改定後も実績と同率になるように査定されることとなり、そのとおり査定されていますから、ノースライドは当然です。
これまでの改定地区では、増車や値下げ競争がなければ確実に増収となっており、この点での経営責任追及が、ますます重要になっています。
宮城・塩釜交通労組
会社の行為は組合嫌悪の不利益取扱い
宮城県労委
減額分の賃金支払い命じる
宮城地連塩釜交通労組は9月5日、一方的な賃下げなど鈴木組合員に対する不当労働行為について、宮城県労委より勝利命令をかちとりました。
塩釜交通は、元全自交宮城地本委員長の大西氏が実質的に経営する会社で、組合員を無視した運営から、自交総連の組合が結成されました。
組合員の鈴木さんは板金塗装などの仕事をしていましたが、04年3月に組合に加入。05年、もう一人の組合員が退職して現職組合員が一人になったことから、会社が脱退工作を強め、それに従わないと一方的に賃下げを強行してきました。
会社側は、整備の仕事が減ったから給料を下げたなどと主張していましたが、命令は「鈴木が組合に加入したことを契機に、鈴木に対し分解整備を明確に禁じ、意図的に鈴木の仕事が減少したかのような状況を作り出した上で賃金を引き下げたと言わざるを得ない」と明確に判断、組合員であることを嫌悪して行った不利益取扱いとして、減額された賃金の差額の支払いと謝罪文の手交を会社に命じています。
東京・労働組合日の丸会
不当解雇事件が和解
解決金支払いなどで解決
東京地連労働組合日の丸会は9月5日、石原組合員に対する不当解雇などの争議で和解をかちとりました。
労働組合日の丸会が親睦会当時、日の丸リムジンが大口割引運賃を賃金から一方的にカットしていたため、その撤回運動を臨時大会を開催して決定。しかし、そうした方針を決めたことを嫌悪した会社は06年9月、嫌がらせと、見せしめのため、臨時大会議長を務めた石原さんの再雇用拒否(解雇)を強行しました。
親睦会はその後、協定のないクレジットカード手数料のカット廃止など、要求を追加し労働組合へ移行。労働組合つぶしや不当差別とたたかいながら運動を続けていました。
06年12月、東京地裁で「日の丸リムジンは石原さんに月々20万円の賃金を支払え」という仮処分決定が出され勝利しましたが、会社が職場復帰を認めないため本訴が継続。東京地連と日の丸リムジン側の対角線交渉で07年5月に和解に向けた確認が行われました。経営側の弁護士が反発するなど解決が引き伸ばされていましたが、解決金の支払いなどで和解しました。
山口・防府構内支部
枝光組合員の解雇は無効
山口地裁
高齢者の雇用守る大きな判決
山口地連防府構内支部は、枝光組合員の不当解雇について9月25日、解雇は不当とする仮処分決定を山口地裁からかちとりました。
枝光さん(72歳)は、防府構内タクシーで乗務員として勤務したのち、60歳で定年退職した後は期間の定めのない嘱託として昼間の配車係の仕事をしてきました。ところが、06年に経営者が交代してから組合に対する敵対的態度がつよまり、07年1月に枝光さんに対して夜勤を含むローテーションに入るように求め、高齢と持病を理由にこれを拒むと、職務変更命令拒否として2月に解雇してきました。
決定は、期間の定めのない契約である以上、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効との原則を適用、会社には解雇回避の努力も認められないとして、解雇は無効と判断し、月15万円の限度で1年間の賃金仮払いを命じています。
定年後の嘱託で70歳を超える労働者について、解雇権濫用法理の適用を認めたことは、当然とはいえ、高齢者の雇用を守る上で大きな意義があります。
組合の重要性広げていこう
群馬第30回大会
【群馬】群馬地本は第30回大会を9月25日にひらき、組合員全員に加えて未加盟の仲間もオブザーバー参加しました。
群馬でも運賃改定申請されていることから、今回の改定の趣旨、国交省通達の内容などを学習、ノースライドで労働条件改善をかちとるとともに、一人でも仲間が増えるよう労働組合の重要性を広げていこうと全員で意志統一しました。
委員長=小林正一▽副委員長=斉藤弘▽書記長=矢作誠(各再)
権利と組織を守るため闘う
千葉第31回大会
【千葉】「運賃値上げについて、ノースライド確認を取ること」を確認した千葉地本第31回定期大会が9月25日に千葉市教育会館でひらかれました。
執行部を代表して主催者あいさつに立った小林委員長は、第一交通に買収された“ヒノデ”問題について「ヒノデ労組の組合員の賃金・労働条件などの権利と組織を守るために全力で闘うことを決意する」と宣言しました。大会では、次年度方針などすべての議案を採択しました。
新加盟組合参加で大会開催
福島第13回大会
【福島】福島地連第13回定期大会が9月27日、サンライフ福島で新加盟のアズマエキスプレス労組も加わり45人が参加して行われました。
本部の石垣副委員長より「規制緩和反対のの闘いの到達について」わかりやすく講演があり、とくに運賃値上げのノースライド、増収分は運転手へと強調しました。
委員長=山崎良博(再)▽副委員長=小山久夫(再)、荒川光義(新)▽書記長=沼倉喜久雄(再)
労働条件改善は社会的責任
東京第115回大会
【東京】東京地連は9月27日、215人が参加し第115回定期大会をひらきました。
飯沼委員長はあいさつで運賃改定の状況に触れ、経営者は減車など事業の効率化に努力し労働条件改善を履行することが社会的責任だと指摘しました。
25日に開催された労政研との交渉で、分裂以来初めてとなる東旅協会長名での確認書が調印されたことが報告され、高く評価されました。提起された方針を確認、95%でスト権を確立しました。
実勢2000人をめざす
神奈川第53回大会
神奈川地本は9月27日、神奈川県民ホールで第53回定期大会をひらき、07年度運動方針を決めたほか、役員の一部交替に関し、新書記長に中野清、副委員長には鎌倉裕潔、石村和夫の両氏を補充するなど地本の体制強化をはかりました。
“産業別運動の新たな飛躍と挑戦、確固たる自交総連神奈川の構築を”を中心スローガンとする大会では、実勢2000人の回復をめざし、組織の拡大に全力をあげていくことにしました。
150人の地連構築めざす
山口第44回大会
【山口】「たたかう自交総連の本領を発揮し、団結と統一 150人の山口地連の構築を」のスローガンを掲げた、山口地連第44回定期大会が9月27日に下関市勤労福祉会館でひらかれました。
大会では、提案された07年度運動方針、事業部報告、会計報告と予算に関する全議案を満場一致で採択されました。討論で、解雇撤回闘争中の防府構内タクシーの枝光組合員が「完全勝利して、大きな組織をつくる」と決意しました。
単組から登録増の報告も
埼玉第36回大会
【埼玉】埼玉地連は10月4日、第36回大会をひらきました。
香取委員長は、規制緩和の矛盾が自交総連の闘いで明らかになり、タクシー運転免許の重要性が認知されてきたことを確信にしようと、あいさつ。
討論では厳しい財政状況の中で、各組合の実数登録が呼びかけられ、登録増の報告もありました。
委員長=香取勝雄▽副委員長=小倉清充▽山光雄(新)▽書記長=三箇登志雄▽書記次長=吉田貴一(新)
運転者登録制度の実現を
京都第59回大会
【京都】京都地連第59回定期大会が10月4日、京都工業会館でひらかれました。
この大会では、3大基本方針として、(1)実効ある運転者登録制度の実現、(2)運賃値上げとノースライド、(3)総量規制と市長選挙を中心とする運動方針案、決算・予算などの全議案を満場一致で決定しました。
委員長=浅井大二(新)▽副委員長=安井暁(新)、大塚昌之(再)、津村昌行(新)、書記長=石原敏雄(新)
組織拡大へ宣伝・対話行う
大分第46回大会
大分地連は10月4日、大分市グリーンカルチャーセンターで第46回定期大会をひらきました。
運動方針討議では、運賃改定問題におけるノースライド確認の結果、値上げ後、確実な賃金増となる成果をあげるなど有利な条件を生かしきれたことが報告され、また組織の拡大を重視し、宣伝・対話を行うことを確認しました。
委員長=海老原昇▽副委員長=佐藤文男、穴見博信(新)▽書記長=衛藤和範
新加盟のなかま |
(740)石川・電気交通労組
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経営権譲渡で相談
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【石川】富山県富山市にある電気交通で働く仲間は10月8日、電気交通労組(境捷一委員長、24人)を結成、自交総連に加盟しました。
8月21日に会社から突如、経営権を譲渡するとの通告がされ、譲渡反対の闘いの支援を求めて富山県労連に相談をしたところ、石川地連を紹介され加盟を決めました。
加盟後、会社は、組合に対して「社名や現在の労働条件を引継ぐ」としています。
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