闘いの到達点に確信を中央執行委員長 飯沼博
新年あけましておめでとうございます。 構造改革・規制緩和により、労働者の賃金労働条件を異常なまでに悪化させたばかりか、安心・安全を破壊し、事故の増加・環境破壊など矛盾と弊害が生じました。わたしたちは社会的水準の賃金労働条件への接近に向けて、適正な運賃の確保と適正な台数へ増車抑制と減車を求めていきます。4月から実施される「運転者登録制度」を運転者の資質を高めるとともに、間接的な効果として増車を抑制する仕組みとする実効性のある制度確立のためのとりくみが不可欠です。政府・国交省自ら発した、「緊急調整地域の指定要件の見直し」の厳格な運用と監視指導の徹底を求めるとともに、より実効性のある制度への改善を追求します。
全国化している運賃改定では、国交省通達の完全履行を求め、その結果を必ず賃上げ、実収入増に結びつける闘いを強化し、運賃改定申請にいたっていない地域では、個別企業のみならず事業全体の将来展望を切り開く方向への経営政策の転換、利用者・経営者との協力・共同によるとりくみが求めていきます。さらに交政審・小委員会が設置されるなどの動向に着目し、工夫あるとりくみの強化をはかります。 私たちは闘いの到達点に確信を持ち、産業別組織としての役割をいかんなく発揮し、広範な労働者・国民との共同の闘いを通じ要求実現に奮闘します。 仲間をふやしてがんばろう期待に応えるため奮闘する
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石垣事務局長
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東北ブロック協議会では、さきに開催された総会で、1、東北ブロック5000人の組織建設をめざす。2、岩手、秋田に自交総連の旗を立てる。3、未組織労働者向けのオルグ・宣伝行動の実施などを決めました。
東北ブロックの各地方では、営収の低下の中、最賃以下で働かされている仲間が多数でてきており、この間の宣伝行動でも自交総連に対して、熱い期待がよせられています。こうした期待に応える奮闘が、いっそう求められているといえます。
総会ではブロックの機能強化についてもいろいろな意見が出されました。
東北運輸局に対する共同のとりくみの強化や、各労働局に対する要請や、基礎的学習の共同のとりくみが求められています。
08年は、こうした課題の実現にむけ、奮闘します。
石原事務局長
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新年明けましておめでとうございます。12月のブロック総会で新たに事務局長に就任しました京都の石原です。各地連間の連携をはかりながら、ブロックとしてのとりくみを活発化させ、各地連単独ではなしえないような、全国組織ならではの活動を展開したいと考えています。登録制度の問題も、運賃値上げの問題も、各地連の活動が影響し合えるような、情報交換が互いのとりくみに生かせるような活動形態を模索して行きます。
当面は、ワンコイン根絶などをめざす2月1日の近畿運輸局前座り込み行動、同3日に325通達に反する動きの出ている和歌山での宣伝行動を計画しています。大阪府知事選挙・京都市長選挙での相互協力も行います。
私たちの闘いがつくり出した行政対応の変化などの有利な条件を、賃金労働条件の確実な前進と組織拡大に結び付けるべく関西ブロックとして精一杯奮闘します。
大滝議長
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新年明けましておめでとうございます。自交総連関東ブロック協議会の議長としてハイタク労働者のくらしと権利を守る闘いの先頭に立つ決意を新たにしています。
まず昨年末に実施された運賃改定の実効を把握し国自旅第325通達を確実に実行させる闘いをとりくみます。
深夜の割増率が3割から2割とされたことでの増収確保が最大の関心事です。
規制緩和の失敗の象徴にされたタクシーを魅力ある夢のある職業に変える「タクシー運転免許構想」を実現しましょう。その一歩が4月開始の運転者登録制度です。講習の厳格性を確保させることで、良質な運転者が増加すれば高い社会的評価を受けるからです。自交総連結成30年の今年を自交労働者の飛躍の一年とするよう関東ブロックの仲間と一致団結してがんばることを決意します。本年もよろしくお願いします。
緒方事務局長
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九州ブロックを代表して新年の抱負を申し上げます。
昨年は、東京地連の協力を得て「九州一周キャラバン宣伝行動」を成功させましたが、組合空白地域における労働実態の凄まじさが改めて浮き彫りになり、組織化の重要性について認識を新たにしているところです。
ブロックとしては本年、九州各県の現状を踏まえ、組織の拡大・強化を最重要課題としつつ、とりわけ空白県対策を具体化することが一つの目標となります。
同時に、各々地連が自らの足元を固める必要があり、学習強化を焦眉の課題としてブロックの連携を深めていくつもりです。
具体的には、3月中旬に春闘学習決起集会と九州運輸局交渉を行い、5月に空白県宣伝行動を予定しています。いずれにしてもこの1年、「組織の拡大が闘いそのもの」という位置づけを鮮明にし、九州全体の底上げのために奮闘する所存です。
国土交通省は12月21日、交通政策審議会の自動車交通部会に「タクシー事業を巡る諸問題に関する検討ワーキンググループ」(WG)を設置しました。メンバーに自交総連本部の今村書記長をはじめ、タクシー運転免許法制化プロジェクトでメンバーだった関西大学の安部誠治教授や、業界労使代表、学識者、物価安定政策会議委員ら21人が選出されています。第1回目の会議は1月を予定し、検討期間はおおむね1年間となっています。
【解説】一昨年、「市場の失敗」を明記し、運転者登録制度の拡大などを提起した同審議会タク小委報告が出され、規制緩和見直しにつながる第一歩として注目されました。
昨年は、全国的な運賃改定のなか、政府の物価安定政策会議や物価問題関係閣僚会議で、需要がないのに増車が続く矛盾や歩合給に依拠して経営者が労働条件確保の責任を果たしていないのではないかなどが論議になりました。
こうしたことから今回のWGが設置されたわけですが、規制緩和に批判的な学識者も加わる構成のなかで、規制緩和の矛盾そのものに切り込み、実効ある対案を提起できるかが焦点になります。労働者の運動もますます重要になってきます。
以下は国交省が発表した諮問理由等です。
【諮問理由】
タクシー事業については、平成14年2月に改正道路運送法が施行され、需給調整規制の廃止を柱とする規制緩和が行われたところである。
その後、待ち時間の短縮、多様な運賃・サービスの導入など一定の効果が現れているが、一方で、長期的な需要の減少傾向の中、タクシー車両が増加していることなどから、タクシーの経営環境は大変厳しい状況におかれている。とりわけ運転者の賃金の低下傾向は著しく、それが過労運転やサービスの低下等を招いているとの指摘がある。
こうした状況の中、平成18年6月以降、全国の多くの運賃ブロックにおいて、運転者の労働条件の改善を主な目的として、実質的に約12年ぶりとなる運賃改定の申請がなされ、現在、順次改定の処理が進められている。このうち、東京地区の運賃改定に際しては、内閣府の「物価安定政策会議」において、タクシー事業を巡る問題について様々な指摘がなされ、これを踏まえ、東京地区の運賃改定に係る「物価問題に関する関係閣僚会議」において、次のとおり決定されたところである。
【物価問題に関する関係閣僚会議における決定内容】
政府は、規制緩和の効果を消費者に一層還元し、また、タクシー事業の更なる発展を目指す方向で、以下の論点について早急に検討を進める。
(1)総括原価方式の見直し、上限運賃規制そのものの見直し、サービスの多様化、利用者への情報提供の充実など、自由な競争の中で経営努力が促され、消費者利益に的確に反映されるようにする方策
(2)サービスの質の確保、不良事業者の退出促進、タクシー運転者の賃金の確保等の観点から、経営の変革を促し、市場の構造を変える方策
このため、物価問題に関する関係閣僚会議において早急に検討することとされたこれらの論点を中心としたタクシー事業を巡る諸問題について、本審議会のご意見を賜りたく諮問するものである。
春闘のとりくみなどを議論した第1回中執=12月18〜19日、東京・入谷区民館根岸分館 |
自交総連は12月18〜19日、東京・入谷区民館根岸分館で第1回中央執行委員会をひらき、08春闘方針案などを討議しました。
春闘方針案は、「団結と統一で要求実現、なくそう貧困と格差社会」のスローガンのもと、参院での与野党逆転、格差と貧困への世論の怒り、運動でかちとってきた行政対応の変化など、有利な条件を生かして要求を前進させる可能性が高まっているとし、組織拡大と結合して春闘にとりくむことを呼びかけています。
討論では、秋闘の総括とこの間の情勢を分析、運賃改定時の労働条件改善で奮闘している状況や改定申請取下げへの批判を巻き起こして再申請させた(石川)、仙台への緊急調整措置適用をかちとった(宮城)、法違反や最賃違反の摘発などで運賃改定できる条件づくりにとりくむ(京都、大阪)などの意見が出されるとともに、学習と組織拡大の重要性が強調され、方針を補強しました。
また、第30回中央委員会は1月29〜30日に東京・全労連会館でひらき、29日夜に自交総連結成30年記念レセプションを行うこと、30日午後に組織強化拡大全国交流会をひらくことを確認しました。
第一交通本社前でシュプレヒコールをする参加者=6月27日、福岡・北九州市 |
自交総連では、厳しい情勢のもと、不法・不当な経営の攻撃に全国で19組合・支部の仲間が長期争議をたたかっています。不当に解雇されている組合員も64人にのぼります。
悪政、不況・規制緩和・18歳人口の減少などは、ハイタク・観光バス・自教経営を直撃し、無責任な経営者は犠牲を労働者に転嫁しようとリストラ「合理化」を強行。倒産・企業譲渡、一方的賃下げ、不当解雇が続発しています。
とくに、大阪地連佐野南海交通労組と第一交通との闘いは、11月で6年7か月が経過し、この間不法行為を起因とした係争事件数は80件にも達し、そのすべての裁判で組合側が勝利をしていますが、会社側はいまだに判決に従わず、現在も全組合員が職場復帰めざして奮闘しています。
主たる解雇理由(2007年) | |
偽装倒産 | 55人 |
1年雇用の雇い止め | 3人 |
組合大会の議長への報復 | 1人 |
事業縮小・整理解雇 | 1人 |
勤務変更を拒否した | 1人 |
駐車違反 | 1人 |
朝アルコール分検出 | 1人 |
その他 | 1人 |
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計 | 64人 |
日の丸交通の営業所を見学するベトナム代表団=12月11日、日の丸交通 |
全労連の招きで来日したベトナム労働組合総連合(VGCL)の代表団が12月11日、東京・日の丸自交労組の職場を訪問しました。
代表団はVGCLのダン・ゴック・トン議長(国会議員でもある)ら5人と通訳で、日の丸自交労組猿江支部を訪れ、同労組田村副委員長らの案内で構内を回り、ハイブリッド車両やコンピュータで日報を管理する機器などを興味深く見学していました。
ベトナムでは、まだ自家用車が普及していない事情の下で、リース制のような形態が多く、運転者は燃料費や車両費を負担した上、売上げの60%を会社に払うとのこと。日本では労働者の賃率60%位という話をすると、「それでも会社は儲かるのか」「ベトナムでももっと運転者の取り分を増やさなければいけない」と話していました。
VGCLはベトナムのナショナルセンターで全労連と定期的に交流を重ねています。