将来展望かけ要求前進へ第30回中央委員会ひらく
自交総連は1月29・30日、東京・全労連会館で第30回中央委員会をひらき、2008年春闘方針を満場一致で決定しました。中央委員会では14人が発言、各地の厳しい労働実態や組織拡大の経験などが報告されました。決定した春闘方針では、全組合が春闘要求を提出すること、実効ある運転者登録制度の実現や運賃改定での労働条件改善の確保、3・5中央行動、組織拡大――などにとりくむことにしました。また、29日の夜には、東京・ドームホテルで結成30年記念レセプションがひらかれました。 委員長あいさつ
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飯沼委員長
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私たち自交総連は、このような情勢の中、社会的存在感を高め、自交労働者と事業の将来展望をかけた闘いとなる08春闘に総力を挙げて、これまでの闘いの到達点に確信を持ち、適正な運賃の確保と労働条件への確実な還元の視点をもって要求前進をはかる必要があります。
新たな変化も起こっています。東北運輸局は、宮城地連の運賃値下げに対しての「運賃及び料金に関する意見聴取」の申請を認めました。私たちがこれまで主張してきた「利害関係人」として労働組合を認めたのです。これらの成果は、宮城地連の国賠訴訟をはじめ、事業者、利用者、地域を巻き込んだ粘り強い運動の成果といえます。
観光バス関係では、貸切バスに係る安全性の確保・質の向上に向けた方策が検討され、大阪地連・バス部会の運動で、自交総連の主張も取り入られました。
自教関係では、地域の交通安全教育センターとしての機能強化など政策要求を強化します。
私たちは、「いのち」と「くらし」「平和」を守る共同の闘いで、国民生活優先の新しい波を生み出すために、政府の悪政と大企業の横暴にいどむ08春闘を、全力で闘いましょう。
小田川事務局長
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田辺弁護士
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全労連・小田川義和事務局長 今日本の労働者は、(1)賃金の低下、(2)庶民増税、医療費負担増、(3)燃料費や食料費の高騰という3つの困難に直面しているが、これらに対極するように、大企業は減税などにより大もうけをしている。08春闘では、大幅賃上げ、時給1000円以上への引き上げを目標におおいに奮闘しよう。
顧問弁護団・田辺幸雄弁護士 08春闘は規制緩和の誤りがいっそう明らかになっている情勢のもとで闘われるが、これに対して反転攻勢していく時期だ。方針で実勢3万人の回復を目標にしているが、組織され活動力のある自交総連がこれからの憲法改悪問題などでも大きな力になるのでみなさんの奮闘に期待したい。
経営の攻撃に備え自交総連の底力を
春闘方針などを決めた第30回中央委員会=1月29〜30日、東京・全労連会館 |
(1)福島・中村守男さん 12月に運賃改定がされた。地連では事前に運輸支局に労働条件改善の申し入れをし、支局は各社に通達を出した。マスコミも注目して深夜の同乗取材で厳しい実態を報じた。経営者も賃下げは難しいといっているが、今月に入って倒産した会社もあり危機感から攻撃してくる可能性もある。春闘で自交総連の底力を発揮したい。
道交法闘争は重要 不起訴で点数抹消
(2)東京・寺田武雄さん 不当な取り締まりと闘う道交法闘争は拡大にも役立ち重要。本部でも学習会をしてほしい。違反点数を入れられ、その後不起訴になったのに点数を消さない問題で、警察庁通達を活用して抹消させることができた。駐車違反取り締まりでも、2分のトイレで取り締まられるのは異常だ。国会でも追及してもらう準備をしている。
スライド賃下げ攻撃打破する春闘を
(3)静岡・市村直之さん 11月に運賃改定されたが、浜松タクでは会社がスライド賃下げを迫っている。すでに大手の遠鉄タクではスライドで妥結し、他にも未組織などでスライドをした会社がある。これに立ち向かいたいとして個人でローカルユニオンに加盟する動きもあり、運賃改定の趣旨を徹底させ、現状を打破するため、ノースライドで闘いたい。
あきらめずに闘い運賃改定審査再開
配布資料を読み提案議題を審議する参加者 |
(4)石川・金子久男さん 昨年の大会で運賃値下げ騒動を報告したが、地連は値下げは集団自殺の道と宣伝し、支局や協会にも要請、値下げによる減収補填を要求してきた結果、11月に再申請がされ、改定審査が再開された。あきらめずに闘うことで、道理にかなう方向へ軌道修正が可能だということを実感した。増収確保のため減車でも闘いたい。
最賃違反を追及し運賃改定の流れを
(5)京都・浅井大二さん 運転者登録制では、全国の闘いで効果測定が実施されることになった。緩いものにしたいという大手の思惑をつぶして実効あるものにしたい。運賃改定では、経営者の社会的責任を果たさせる観点で、最低賃金も払わないというのは許しておけないと徹底的に追及し、改定の流れをつくっていきたい。京都市長選でも交通政策を掲げて奮闘している。
仲間を増やしながら闘う春闘に
(6)大阪・園田公作さん 東洋タクシー労組では、170人だった組合員が一時100人に減った。嘱託者が増えてきたので、これを組織しようと労働者供給事業にとりくみ、春闘で職場要求をたくさん出して着実に獲得するなかで160人に盛り返した。増車したから増えたという面もあり一概に喜べない。仲間を増やしながら闘う春闘にしたい。
二人の解雇事件で職場復帰かちとる
(7)福岡・内田大亮さん 去年、はかた労組の委員長が駐車違反を口実に、玄海労組の委員長が朝アルコール反応が出たことを口実に解雇された。二人とも自主経営のワーカーズコープで働きながら裁判闘争を闘い、和解で職場復帰した。玄海では一時崩壊状態に追い込まれたが拡大がすすんでいる。貧困問題でサラ金などの生活相談にも力を入れている。
高齢者にも根気よく拡大呼びかけを
仲間の発言を聞く参加者
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(8)大分・穴見博信さん 全国で最初に運賃改定された大分では、当初は順調だったが、秋から急激に落ち込み、ガソリンや物価高で乗り控えが目立つ。改定時にはスライド賃下げを食い止めたが、春闘でスライドを提案する会社も出そうだ。乗務員の高齢化がすすむなか60歳以上の人を拡大するのは大変だが、根気よく話していかなくてはならない。
個人加盟労組を立ち上げ、新加盟も
(9)鹿児島・山ア秀文さん 昨年結成したA労組では営業所閉鎖・全員解雇をはねかえした。個人加盟労組も立ち上げ奮闘している。大和労組の再建闘争は会社更生手続開始決定をかちとったが、土地の使用で難題があり、全国の知恵を貸してほしい。鶴丸労組では毎月ニュースを出し、解雇撤回やノルマ強要をやめさせるなど成果を上げた。
組合員一人が10枚のビラを確実に
(10)長崎・吉田敏雄さん 定年退職者が増え組織が減少している。運賃値上げもあり、執行部で議論しオートスタンドでビラまきをしたが、参加が充分でなかった。今年は組合員一人10枚を確実に友人などに配ることを意志統一し全員参加をうながしていきたい。タクシー協会に要請したことで、繁華街に乗り場が3か所できるなど成果があった。
会社再建へ、自交総連組織が担保
(11)京都・安井暁さん 明星自動車でメインバンクが昨年融資ストップを通告してきた。タクシーとバス部門がありバスの累積赤字が大きい。経理公開させ、本部と相談して再建計画をつくり、組合も協力するということで銀行と話をして再建することになった。自交総連という組織が再建の担保になった。仲間を信用していけば何ごともがんばれる。
国賠訴訟での執念を春闘に反映
(12)宮城・青野邦彦さん 仙台市が緊急調整地域に指定されたことを受けて、宮城地連としては実質的に勝利したと総括し、国賠訴訟を取り下げた。08春闘では、(1)有利な条件を生かす、(2)原点に立ち戻る、(3)みんなの力を合わせるという3つの言葉を活かし、春闘こそが、組合の存在意義と真価が試される最大の闘いの場であることを肝に銘じ、国賠訴訟で見せた執念を春闘に反映させたい。
組合員の実利・実益へ奮闘する
(13)大阪・庭和田裕之さん 昨年の12月に近畿運輸局が大阪市交通圏を準特定特別監視地域に指定し、労働条件等の調査や監査を実施するとしたことは、一定の歯止め策として一歩前進だ。今後、政策要求を進めていく上で、具体的な運用方式などを実効があがるようさらに行政追及、実態告発を強化する。
まじめに働く組合員の実利・実益にかなうよう団結して奮闘する。
車両増えれば値上げの効果ない
(14)東京・舞弓義隆さん 昨年12月に運賃が改定されたが、車両が増え続ければ運賃値上げ効果は現れないことをもっと強く行政、経営者、世論に訴える必要がある。東京地連では、自分の職場の「組織強化・拡大」をとりくみながら、月2回の未組織宣伝を行っているが、最近では、進んでビラを受け取り、励ましの言葉をかけてくれるようになった。3万人の組織目標達成にむけがんばる。
今村書記長
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執行部答弁に立った今村書記長は、第1に、獲得した武器を有効に活用し、ノースライドプラス重点改善要求を必ず実現させていくことが重要な課題であると述べました。
その上で、労働条件の改善と改定趣旨を逸脱した事業者への必要な指導等を指示した国交省及び厚労省通達や国民・利用者への公約において、一部の地方にみられるスライド賃下げなどは論外、公約を守らなくて済まされるような情勢ではないと指摘。減車による実効性の確保など企業の社会的責任の追及の必要性を強調しました。
第2に、全労連運動における自交総連の位置と運動への期待についてふれ、われわれ自身が思っている以上に、周りの組合はあらためて自交総連の闘いの到達点についてびっくりし刺激されていることを紹介。確信をみんなのものとし、08春闘に決起していくことが重要と訴えました。
第3に、春闘方針決定への責任と行動・とりくみの確実な実践の重要性について言及し、春闘では、闘いを通じて影響力を広げ、信頼され頼られる組織として自交総連、その実勢3万人の回復にむけて奮闘するよう呼びかけました。
春闘アピールを提案する吉田中執(埼玉) |
自交総連は本日、『団結と統一で要求実現、なくそう貧困と格差社会 08春闘』をスローガンとする2008年春闘方針を決定した。
記念すべき結成30年を迎えた08春闘において、われわれが不退転の決意でとりくむ課題は三つである。
一つは、賃金・労働条件の改善の闘いで必ず大きな成果をあげることである。運賃改定実施にかかわって、国・行政、業界に、労働条件の改善を国民への公約≠ニさせたことは、われわれの闘いの貴重な成果である。労働組合の存在意義をかけて要求実現のために全力をあげて奮闘しよう。そのためにも、上限運賃はり付けと減車、適正な台数の実現を重視する必要がある。それこそが、賃金を社会的水準に接近させる唯一の道である。運賃改定申請がされていない地方は、その客観条件をつくる運動を前進させるために、自交総連が先頭に立って奮闘しよう。
観光バスでは、過酷な労働者の実態が社会的問題になっており、タクシー同様に攻勢的な闘いを組織しなければならない。ハイヤー・自動車教習所でも積極的な議論をもとに提案型春闘を実践し将来展望を切り開こう。
二つは、自交総連を3万人の組織に回復する運動である。日常活動の強化なくして組織的前進と労働条件改善の要求は実現しない。未組織・未加盟職場では、悩みや不満を持っている仲間が増加している。こうした仲間に、今日的情勢と自交総連運動を伝えることが、自交総連に加盟する労働組合の使命である。すべての地連・地本と全職場組織は具体的な拡大目標を設定し、すべての運動と組織の強化拡大運動を結合することで必ず成果をあげよう。
三つは、政治革新である。総選挙が今年中に行われることは間違いない。昨年の参議院選挙に続いて、労働者・国民の意思で政治を変える運動を、国民的諸要求の実現の課題と結合して、すべての労働者とともにたたかおう。
いまこそ労働組合の原点に立ち返り、職場での本音の要求討議を行い、確認された方針を全組合員で実践し、みんなの要求、みんなで実現≠フ立場で全力をあげよう。
自交総連は、永年にわたる状態悪化の打開にむけて、実利・実益を獲得するために、全国の自交労働者の仲間がともに立ち上がることを呼びかけるものである。
以 上
第30回関係弁護士交流会のようす=1月28〜29日、全労連会館 |
1月28〜29日、東京・全労連会館で、自交総連第30回関係弁護士交流会がひらかれ、25人の弁護士、1人の司法修習生と飯沼委員長が参加しました。
交流会では、田辺弁護士が運賃・料金改定とタクシー労働者の原告適格についての基調報告を行い、特別報告として、(1)佐野南海交通労組・高裁判決の評価と活用=大阪・横山精一弁護士、(2)高齢者における不当解雇事件の特徴と課題=山口・横山詩土弁護士、埼玉・杉村茂弁護士、(3)会社更生法にもとづく再建闘争の到達点と教訓=鹿児島・増田博弁護士――の3つをとりあげました。
また、宮城・東京の国賠訴訟裁判についても、「仙台市が緊急調整地域に指定され、当初の目的を達成したため、訴訟を取り下げたが、『勝訴的取り下げ』だ」=宮城、「地裁が、突然弁論を終結すると宣言してきた。このように訴訟当事者の意向を一切聞くことなく審理を打ち切ることは、憲法が保障する裁判を受ける権利を侵害し、公平さを欠くもので、厳重に抗議し、弁論の再開を強く求める」=東京との報告が行われました。
参加各弁護士からも各地の事件について報告がされました。
結成30年を記念して鏡割りをする代表=1月29日、東京・ドームホテル |
レセプションで演奏する中川美保さん
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闘いの歴史に学び新たな飛躍と挑戦を――1月29日、東京・ドームホテルで自交総連結成30年記念レセプションがひらかれ、友好組合・団体、業界、行政、自交総連OBなど各界から250人が参加し、盛大に30年を祝いました。
主催者あいさつにたった飯沼委員長は、「自交総連30年の歩みは、産業別統一闘争の前進の時期を経て、要求・政策闘争を展開した粘り強い運動では、タクシー規制緩和の矛盾と弊害を明らかにし、規制緩和政策への疑問・批判の世論を高めて情勢を大きく変化させてきました。企業主義をのりこえ、反転攻撃の時です。また、次代へのバトンタッチも緊急な課題です」と決意を述べました。
その後、全労連・小田川義和事務局長、日本共産党・水戸正男国民運動委員会副責任者、国土交通省・藤田耕三旅客課長、全乗連・富田昌孝会長から激励のあいさつを受けました。
組織拡大交流会のようす=1月30日、全労連会館 |
1月30日、東京・全労連会館で組織強化拡大全国交流会がひらかれ、15地方101人が参加しました。
この交流会は組織強化拡大運動の推進をはかり、全国の活動を交流し、具体的・実践的な活動報告を求めて、率直に意見を交わし、拡大へ足が踏み出せるようにする目的で開催されたものです。
交流会では、5人(久賀孝三元全労連オルグ、安井暁京都地連副委員長、井上登石川地連書記長、東京・高城政利グリーンキャブ労組委員長、白石照千代東個労委員長)からそれぞれ組織拡大へむけてのとりくみが報告され、会場からは報告者への質問も寄せられました。(報告の詳細は次号)
中央委員会で募集しました08年春闘標語が決まりました。採用者には記念品を贈ります。
団結と統一で要求実現
なくそう貧困と格差社会
(メインスローガン)
(敬称略)
みんなの力を合わせ
生かそう有利な条件
(東京・日本交通労組 早川広之)
すべての労働者に
賃上げを
(京都・京聯労組 浅井大二)
台数を減らし
増やせ仲間と賃金
(東京・宮園労組 月村隆浩)
定時制・パートにも
同一条件08春闘
(神奈川・山王自動車支部 大滝信一)
広げよう組合の輪
3万人の達成
(東京・同盟交通労組 酒谷昌一)
憲法を守り
政治革新で生活改善
審理再開を求めシュプレヒコールする東京地連の仲間=2月1日、東京地裁前 |
タクシーの規制緩和が7年目に入った2月1日、自交総連は全国各地で減車や規制の強化を求めて抗議行動を行いました。
東京・霞が関での行動には、関東ブロックの仲間約500人が参加し、「多すぎるタクシーを減らせ」と書いたゼッケンを着けてビラ3000枚を配布しアピールしました。
飯沼委員長は、「闘いによって規制緩和の見直しを余儀なくさせる情勢をつくった。運賃改定を労働条件の改善につなげよう」と呼びかけました。
その後、代表が決意表明を行い、東京地裁と国交省にむけてシュプレヒコールを行いました。