安心・安全輸送に責任を持て3・5中央行動に1600人なくそう貧困と格差社会、タクシー労働者の誇りと働きがいある労働条件で安心・安全輸送の確立を――自交総連は3月5日、3・5中央行動にとりくみ、交運共闘の仲間と合わせ1600人が参加し、国会議員への要請、国交省への個人請願行動、厚労省、国交省交渉も実施し、集めた5561筆の個人要請書を国交省に提出しました。 議員・政党への要請を実施
午前9時30分より衆参の国土交通委員及び政党への要請行動を行い、「はやり病のように規制緩和がもてはやされ、日本はダメになった。体力のあるうちに手術をしなければタクシーはだめになってしまうと思う」(自民党・北村茂男)、などの対応を受けました。また、政党要請では、「参議院選挙後、要求を掲げてたたかえば状況が変わるということを労働者、国民が肌で感じていることだと思います。政治に変化が生まれてきています。自交総連の要請内容はいずれも改善が必要な社会問題です。今回の要請内容を国民世論へと高めて改善させるためにともにがんばりましょう」(日本共産党)と連帯をかためました。 貧困なくせ!くらしを守れ
12時からは国土交通省前で、交運共闘、全労連・国民春闘共闘委員会、交運共闘・首都圏交運共闘の共同主催で「賃上げ・雇用で貧困なくせ! 安心・安全 くらしを守れ08春闘中央行動」の共通スローガンのもと、個人請願行動を開始し、「タクシー労働者の労働条件改善等に関する請願」、「JR採用差別事件の早期解決に関する請願」を提出しました。 参加者は「タクシーを減らせ」「労働条件改善」などと書いた鉢巻を着け、国交省に向かって、「安心・安全輸送に責任を持て」とシュプレヒコール。請願書を提出し、運賃改定を労働条件改善につなげるよう指導することなどを求めました。また、この請願行動には、落語家の林家木久扇さん、木久蔵さん親子も激励にかけつけました。 確実な労働条件改善を要請午後からは代表が国交省と交渉を行い、運賃改定における確実な労働条件改善を実施するための措置を行うように要請しました。 増収に見合う労働条件改善を指導しろ国交省 「明白な引下げは公表待たず対処」
国土交通省の交渉には、飯沼委員長を先頭に、各地連の代表22人が参加しました。 対応した旅客課の阿部竜矢地域交通政策企画官らは、運賃改定時の労働条件改善の指導について「今回の運賃改定は増収に見合った労働条件改善を行うことだが、改定後の実績を見て、趣旨を逸脱していると認められる場合には指導を行う。スライド賃下げなど、明白な労働条件の引き下げの場合は、局・支局に通告してくれれば事業者の公表を待つことなく適切に対処する」としました。 その他、法違反の徹底的な摘発などについては、「引き続き監査を強化していくが、低運賃というだけで違反というふうにはならない。低運賃でのサービス提供は、利用者に対しては悪いことではないが、労働条件悪化、賃金低下によるものでないかを厳正に審査する」としました。 タク特措法施行については、まだ検討段階としながらも、「自社講習は、登録実施機関よりもハイレベルなものでなければならない」とし、その場合でも効果測定は登録実施機関が行うこと、講習でバリアフリー対応は実技をとり入れたいなどと回答しました。 手待ち時間除外を許すな厚労省 「労働実態見極め対応」
タクシー運賃改定時の労働条件改善については、昨年12月に東京の運賃改定に合せて出した厚労省通達(法令遵守と労働条件改善)は、東京以外の地区でも同様の対応をするよう労働局に指示していると答え、厚労省としても労働条件改善を指導することを確認しました。 しかし、会社側が一方的な改悪をした場合の対応については、あいまいな回答もあり、行政指導の限界を露呈、責任回避を許さず引き続き行政責任を厳しく追及していくことと、経営との労使交渉の重要性も浮き彫りになりました。 最低賃金法違反を逃れるために手待ち時間を労働時間から除外する動きがあることについては、運行記録を精査するなど労働実態を見極めて除外を見逃さないようにしたいとしました。 観光バスの長時間労働是正については、ツアーバスで無理な運行計画でひきおこされる労災も懸念されると答え、旅行業者への指導について、国交省の所管事項としながらも、厚労省として法令の周知をしていきたいと、従来よりは前進した回答でした。 交通運輸産業の社会要請に応える交運共闘第19回総会新議長に佐藤陵一氏(建交労)を選出
交運共闘第19回総会が2月25日に東京で、各単産代議員に加え首都圏、大阪、宮城の交運共闘の代表を含め44人の参加でひらかれました。 総会では杉山議長に続いて、全労連・宮垣事務局次長、公務労組連絡会・黒田副議長、航空労組連・山口議長、日本共産党・吉川前参議院議員からあいさつを受け運動方針と予算の提案・討議を行いました。 総括は、交運共闘と各単産の運動で、規制緩和一辺倒であった政府の施策に変化させてきたことを評価。次年度方針では(1)交通運輸産業への社会的要請に応える、(2)JR採用差別問題の早期解決とJRの民主化、(3)交通運輸産業の民主化などを確認しました。 新たな役員体制は、佐藤陵一議長(新任・建交労)をはじめ、自交総連から今村副議長、小林事務局長(再任)を選出しました。 第3回中執すべての職場で要求提出を08春闘の対策を討議
自交総連第3回中央執行委員会(地方代表者との合同会議)が、3月4日に東京・入谷区民館根岸分館でひらかれました。 委員会で討議した議案は、「08春闘の当面する対策について」、「3・5中央行動の実施について」などで、各委員が積極的に補強し決定しました。 春闘対策では、重点課題に関わる対応方針として、(1)08春闘を反転攻勢の好機ととらえ、闘いを勢力的かつ大胆に、(2)底上げ闘争の強化、実効ある行政指導の徹底追及を、(3)減車推進、増車・運賃競争反対の闘いでは、産別視点での運動強化を重視すること。 当面する統一行動及びとりくみの具体化として、(1)すべての職場組織が要求を提出し、執念をもって獲得への追及を、(2)3・5中央行動で、“世論の喚起”と世直し春闘の前進を、(3)第3次統一行動(4月23日)の設定と企業の社会的責任を問う運動の提起、(4)増車・運賃競争激戦区(大阪・宮城)への対策強化、(5)組織拡大月間で仲間を増やし、実勢3万人の目標達成を――全ての地方・職場で全力をあげることとしました。 討論で、減車問題に関わって「宮城地連と仙台市が認識を一致させた」ことの報告がありました。 運賃改定を確実に労働条件改善につなげる課題(2)運賃競争は安全崩壊への道運収低下で賃金も切り下げ運賃改定がされたにもかかわらず、地域全体で申請取り下げや低運賃競争となっているところがあります。青森・弘前市、福島・いわき市、茨城県、岡山県などでは、大手や有力な数社が運賃を据え置いたため、客を取られるのを恐れた他社も申請を取り下げてしまいました。一部事業者の身勝手が発生源 運賃を据え置いた会社は、一時的に他社の客を奪えるともくろんだのでしょうが、他社も追随したため、結局は、低運賃で横並びという状況になりました。 岡山では「上げたいのはやまやまだが、岡山市内では1000台以上が現状のまま。会社の生き残りを考えると慎重になる」「従来運賃の大手がひしめく。周りに合せざるを得ない」(山陽新聞)と中小会社の声が紹介されています。 「赤字」でやっていけないはず 今回の運賃改定は、経営者自身が「運転者の労働条件改善のため」として申請したものを国が査定して認めたものです。査定上も、収支が「赤字」でなければ値上げは認められません。 にもかかわらず、やっていけないはずの「赤字」の旧運賃で各社が並ぶことになっているのです。 岡山の査定原価を例にとると、上表のように、運転者人件費が9・2%、燃料油脂費が15・2%上がるから、査定で収支率92%の「赤字」になってしまうので、9・6%の値上げを認めるとされていました。 それが運賃据え置きでは原価はウソだったのかということになります。 もし値上げをしなくてもやっていけるというのなら、経営者は無条件で運転者の賃金を運輸局査定どおりの9・2%引き上げるべきでしょう。 しわ寄せは運転者の賃金に 低運賃競争のしわ寄せは結局は運転者の賃金にかぶさってきます。燃料費がすでに上がっている現状ではなおさらです。労働条件改善どころか改悪になり、いまよりさらに労働時間を延ばして稼がざるをえません。交通事故の危険が確実に増えます。 利用者も、運賃据え置きがタクシーの安全を崩壊させることを知れば、決して喜ばないはずです。 規制緩和以来、このような無理な運賃競争は各地で発生し、そのすべてで地域内の全社の運送収入が低下して、運転者の賃金も切り下げられる結果になりました。 世論を高めて上限運賃に 石川県では昨年夏、運賃改定審査の段階で申請を取り下げ、値下げする競争がおこりました。 石川地連では、値下げは「集団自殺の道」との宣伝を強め、値下げした会社には賃金減少分の補填を要求する運動を強めました。労働者のなかでも、真っ先に値下げをした会社に批判が集中するなど、世論を高めて、各社に再申請をさせました。 こうしたとりくみに学んで、不毛な運賃競争を止めさせなければなりません。 岡山県のタクシー運賃原価(07.11.26 中国運輸局公表、原価計算会社27社、金額の単位は億円)
前号に続き、1月30日に東京・全労連会館で行われた組織拡大全国交流会の地方報告を紹介します。 独自の要求も重視定時制・嘱託の組織拡大
大交日の出労組は、定年後の嘱託再雇用拒否をきっかけに組合ができた。8割を占める嘱託労働者を組織し職場の過半数になった要因は、嘱託労働者の要求である(1)有休の権利確立(2)契約が更新されるかの不安を取り除く(3)地連のスクラム共済への加入を重視したこと。「特段の事由のない限り契約を更新する」協定をかちとった。 トラックのアクティ労組も団交で「雇用契約は確実に更新する」と約束させ、有期雇用労働者の組織化が前進した。 一方、金沢タクシー労組では「組合員は正社員のみ」という労使協定が壁になっているが、パート・準社員については「共済会」に組織し交流している。 正規との差別是正や契約更新の不安、年金受給者は多少余裕があり余暇やレクレーションへの要求をもつなど、独自の要求をくみ上げ、執行委員会で必ず拡大の点検をしていくことにしている。 人材生み出すのが鍵幹部育成で組織拡大
グリーンキャブ労組は、「学習と組織の強化拡大は表裏の関係にある」として、学習・幹部育成を重視してきた。 10年のスタンスで学習を日常活動のなかに据え、具体的には、(1)基礎学習として勤労者通信大学を受講料も保障して15年間で657人が受講(2)幹部の力量アップの学習会(3)若手中心に泊まりこみで4回15日間の学習(4)支部ごとの学習会、全組合員対象の職場集会、情勢報告(5)会計処理やサラ金問題、時事問題などの学習会などを実施してきた。 拡大は、それにとりくむ人材をどれだけ生み出すかが鍵で、「人はいない、しかし人はたくさんいる」という観点が大切だ。 拡大をすすめるうえでは、病気、家庭問題、事故、教育、金銭問題など組合員の生活上の悩みに親身になって相談に乗る世話焼き活動が重要で、加入のはたらきかけは特定の役員だけでなく組合員の協力を得てとりくんできた。 こうしたとりくみで、この10年間、毎年3桁以上の人が入退社するなかで、420人の実増を果たして1600人を超える過去最高の峰を築いている。 試験会場でビラまき個タク労働者の組織化
ヨーロッパの視察で個人タクシーが労働組合に組織化されていることを学んだ。個タクは事業者ではあるが、他人を搾取することなく自らの労働で生活していて労働者性があるとして、82年に東京地連に個人タクシー労組が結成された。 規制緩和で、個タクも営収の低下、長時間労働、健康破壊がすすんでいる。税務署の不当な税務調査で自殺に追い込まれた人もいるなど、経費や事故、健康などでも共通の悩みをもっている。 こうした仲間を組織するため、従来自交総連の協同組合を通じて個タクに合格した人だけに頼りがちだった拡大の対象を1万8000人の全個タク事業者に広げること、また、組合員が個タク合格後に地連を離れるのを防ぐことを議論し、(1)道交法闘争の強化(2)厚生文化活動の強化(3)税務対策部の新設(4)東京地連交通共済の活用、という日常活動の強化と平行して拡大にとりくむ方針を決めた。 試験会場でビラまき、組合員の合格者には個別訪問して訴え、昨年だけで50人を超える仲間を迎え入れた。個タクの組織を全国に広げていきたい。 新しい役員体制を選出なら第30回大会
【なら】なら合同労組は3月2日、組合本部大会議室で第30回定期大会をひらきました。 大会では、奈労連・梅林議長、日本共産党・豆田書記長と佐藤弁護士の激励を受けた後、小林議長が総括と運動方針を提案。会計関係の報告・提案に続いて新役員の直接投票を経て、新役員を選出しました。 議長=小林明吉▽副議長=勝井優次▽委員長=佐藤均▽副委員長=小松譲治、中村清光▽書記長=小松秀行
【鹿児島】鹿児島市にあるあづま交通ではたらく仲間は07年12月4日、あづま交通労組(河嵜哲也委員長、10人)を結成、自交総連に加盟しました。 会社では以前から給料遅配や歩合率の一方的変更などの不当労働行為が行われ、乗務員の間では組合結成の気運が高まっていました。当該の委員長である川嵜さんが知り合いに相談したところ、鹿児島地連を紹介され、結成、加盟となりました。 |