自交労働者No.711、2008年5月1日

タクシーの供給過剰解消を要請

自交総連本部三役が大阪地連を激励

 4月10〜11日、自交総連本部の三役(飯沼委員長、石垣・鈴木・緒方副委員長、今村書記長)が近畿運輸局との意見交換や大阪市役所への申し入れ行動を実施したほか、大阪自交会館で行った集会で大阪地連の仲間を激励しました。

大阪の実態看過できない

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激励集会であいさつする飯沼委員長=4月11日、大阪・自交会館
 【大阪】11日に自交会館でひらかれた本部・大阪地連共催の集会で、本部の飯沼委員長は「規制緩和の実験地となった大阪では02年以後、車両数が約3500台増えましたが、全国と同様に減車が進んでいません。このような状況を自交総連本部としても看過できないということで今回の行動となりました」と趣旨を説明。「この春闘を通じて規制緩和反対、多すぎる車減らせの運動とともに、新しいタクシー像を追求し、安心・安全なタクシーを実現するためにともに奮闘したい」と決意を表明しました。

 大阪地連の権田委員長は3月25日の近運局交渉と4月9日の国交省交渉で「近々、道運法33条違反となる名義貸し行為についての判断基準を示す」との回答を紹介。「オーナーズ制」に対する運輸行政と自交総連の認識が一致していることを強調し、名義貸しの一掃に向けた行政への期待を示しました。

部局設け総合的な政策を

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大阪市に要請する自交総連の代表=4月11日、大阪市役所内
 11日午前、本部三役、大阪地連三役は、日本共産党のあだち義孝市議とともに、大阪市役所へ「タクシーの供給過剰を解消し交通秩序を回復するための要望書」を提出し、大阪市として多すぎるタクシーを改善する交通政策を打ち出すよう求めました。

 当局は松本市長室秘書課長、九星雇用勤労施策担当課長、中川同課長代理らが回答しました。

 権田委員長は、大阪市の生活保護基準額以下の賃金しか得られないタクシー労働者の現状を述べた上で、「多すぎるタクシーがキタの新地やミナミで一般交通を阻害するまでに溢れ返っていますし、環境面を考えても二酸化炭素を垂れ流す。これはまさに都市交通問題であり環境問題。大阪市として専門部局を設置し総合的な交通政策にとりくむべき」と求めました。

 本部の今村書記長も、タクシーの規制緩和を検証する国交省の交政審ワーキンググループで、新潟県の泉田知事や梅原仙台市長が、行きすぎた規制緩和を真っ向から批判し行政としてタクシー問題にとりくんでいることを紹介し、「大阪市も地方自治体として知恵を出して問題の解決に努めていただきたい」と要望。

 松本課長は、直接的な部局がないことを率直に認め、「組合の要望を平松市長に伝える」と約束しました。


07年年収は277万円

ピーク時より105万円減

 タクシー労働者の年収は277万円――厚生労働省の「賃金センサス」で07年のタクシー運転者の賃金等の統計がまとまりました。

 年収は前年とほぼ同じで、ピーク時からは105万円も減っています。規制緩和以降は、低額に張り付いたままです。平均年齢は57・1歳で前年より1歳増えています。

 なお、統計は厚労省がサンプルとした会社にアンケート方式で調べたもので、サンプルのとりかたで年によって数字が大きく変動します。今年の統計では、千葉が前年より107万円減、愛媛が48万円減、茨城が99万円増などとなっているのはこのためで、必ずしも実態を反映したものとはなっていません。

 【注】統計は「賃金センサス」から自交総連がまとめているもので、平均の計算方法は47都道府県の単純平均です。

グラフ

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青森地連

下限運賃を上限に戻せ

運輸支局交渉を実施

 【青森】青森地連は4月16日、08春闘での労働条件の大幅な改善をめざし、青森運輸支局との交渉を開催しました。

 この交渉には、青森地連の大平委員長、地域労連の佐藤事務局長、本部の石垣副委員長、東北ブロックの吉田幹事が参加しました。

 交渉に先立ち、伊壺青森運輸支局長と懇談しました。

 交渉には、局側は池田専門官ら2人が対応しました。

 交渉では弘前市で客待ち時間を労働時間から除外する経営者が増えている問題を追及し、支局側でも青森労働局とともに指導を強化することになりました。

 また、今年の2月に運賃の値上げが認可になったにも関わらず、弘前市の全事業者が下限運賃で走っている問題を追及し、労働条件の改善につながっておらず、上限に戻すよう指導を求めました。支局側では、労働条件の改善につながっているかどうか実態を調査し、監査など指導に入ることを表明しました。

 また、多すぎるタクシーの減車問題についても追及しました。


記念誌・バッヂまだあります

ご注文はお早めに

 結成30年記念レセプションで配った記念誌、記念バッヂはまだ在庫がありますので、お早めにご注文をお願いします。

 記念誌は全190ページからなり、5章だてで、自交総連30年のさまざまな闘いを記載。記念バッヂは、デザインは通常のATUバッヂと同じですが、少し大きく、30年を記念して高級感のある光沢となっています。

 記念誌=1000円

 バッヂ=500円

 送料は地連(本)一括送付に限り無料。


現役講習は半年以内

運転者登録制度

自社講習は開始時認めず

 国交省は6月14日から施行される政令市等での運転者登録制度の指定地域、運転者講習の内容などを固め、4月22日、自交総連に対して説明がありました。

 指定地域については当初案どおり東京・大阪を含め13地域(新潟・静岡・浜松以外の政令指定都市)で実施されることとなりました。

 運転者講習については、既存運転者は6か月の経過期間以内に講習を修了することが義務付けられます。

制度開始当初は自社講習認めず

 新規登録については、別表のとおりのカリキュラムに基づいて講習を行い、効果測定を実施することとしています。

 説明のなかで国交省は、◇自社講習は制度開始段階では認めず、実態をみてからハイレベルに値する要件を考えていく◇問題の150問は適宜差し替えや追加をする◇修了基準の7割というのは最低で、地域の実情で接遇や安全は8割にあげてもよい――などの考え方を示し、アルバイトなど違法な雇用形態のチェックについては、申請時に提出する雇用契約で確認するとしました。また、違反行為があった場合の登録取消し基準等については5月中に詳細が出されます。

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本部の新型宣伝カー完成

4月27〜30日のキャラバンで活躍

 実勢3万人の回復、すべての職場・地域で組織拡大を――自交総連本部の新型宣伝カーが完成しました。この宣伝カーはみなさんから寄せられた貴重な年末の臨時徴収金の中から、毎年積み立てられ購入したものです。

 宣伝カーの車種はトヨタハイエースです。

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新しくなった本部の宣伝カー

 制度政策要求の実現、200万人全労連の建設、自交総連3万人の回復、空白地方をなくすため、各地方、各ブロックで活用することになります。

 自交総連本部では、新型宣伝カーの完成に合わせ、未組織の組織化にむけての宣伝キャラバン行動を4月27〜30日に、神奈川、静岡、山梨で展開しました(詳細は次号)。


新版

職場権利と自交労働者

 ◎内容《労働組合の基礎知識、労働条件の不利益変更の禁止、自動車運転者の改善基準告示、職場点検のポイント、諸規則一覧表》など

 編集・発行 自交総連

 B5判119頁 定価700円(〒210円)

 (組合員は地連・地本に注文して下さい)


新加盟のなかま  (746)宮城・長町運転者嘱託労組

不安定雇用解消へ組合結成

 【宮城】仙台市にある長町病院の送迎自動車運転者は3月29日、長町運転者嘱託労働組合(高橋東助委員長、4人)を結成、自交総連に加盟しました。

 長町病院は民主的な医療機関ですが、リハビリ患者用の送迎自動車運転者は不安定な雇用で、新たに自交総連OBが数人雇用されたため、組合結成となりました。

 有休や通勤時の労災保険の適応、通勤手当などを要求しています。