本部三役が宮城地連を激励
労使共同のとりくみ確認
【宮城】5月26日は、13時半から東北運輸局との懇談を行い、局側から藤田自動車交通部長他3人が出席。飯沼委員長が訪問の趣旨を説明し、今村書記長が交通政策審議会の内容を報告。仙台市の状態改善へむけて意見交換しました。 15時からは、宮城県タクシー協会との懇談に臨み、協会からは、佐々木会長他2人が出席。この中で佐々木会長は、大幅な減車にむけ、超法規的な手段を検討しなくては、と表明。労使共同のとりくみを強化していくことが確認されました。
27日は、12時から宮城県印刷会館において、「多すぎるタクシーの減車とバラバラ運賃の是正を求める決起集会」を開催し、70人が参加。本間宮城地連委員長は、「各社も自主的な減車を行っているが、現在、14社70台にとどまっている。経営者からみれば車は財産。これをどう減車させるかがこれからの課題」と問題を提起しました。また、この行動はテレビ局や新聞社が取材・報道しました。 相当の努力すれば責任除外後席シートベルトの見解
全乗連が警察庁に対し、音声やステッカーでの注意喚起は「相当の努力」として認められるかと問い合わせ、要望したのに対し、以下のように回答しています。 【要望】 1、肉声又は自動音声(実車ボタンを押すことにより機械的に音声が出るもの)により聴覚で注意喚起する。 2、ステッカーを貼付し視覚で注意喚起する。 【回答】 1、後部座席の乗員がシートベルトを着用していなかった場合に、運転者に対し道路交通法第71条の3第2項違反の責任を問うか否かについては、ケース・バイ・ケースで個々に判断されることとなる。 2、ただし、一般的に、バスやタクシー等の旅客自動車の運転者については、他の普通乗用車の運転者と異なり、後部座席の乗員が運転者とは面識のない不特定多数の者であること、運送約款に基づいて旅客を運送するものであること、公共輸送機関として、安全・確実・迅速な運輸の遂行や旅客の利便の確保に努める義務があること等の特殊性がある。 3、したがって、このような旅客自動車運送事業としての特殊性を考慮した上で、バスやタクシー等の運転者が乗客にシートベルトの着用を求める相当の努力をしたと認められる場合には、運転者に対して責任を問うことはできないものと考えられる。 4、実際にバスやタクシー等の運転者が「相当の努力」をしたと認められるか否かについては、あくまでケース・バイ・ケースで判断されることとなるが、肉声又は自動音声により聴覚に訴える方法で注意喚起するとともに、シートベルト着用のステッカーを貼付するなどにより視覚に訴える方法で注意喚起するといった対応がとられていれば「相当の努力」があったと認められる場合があると考えられる。 タクシー運転免許制度へ一歩接近運転者登録制度施行公正性確保へ労働者からの監視を6月14日から主な政令指定都市で運転者登録制度が施行されました。当該地域で新たにタクシー運転者となるためには講習を受講し効果測定で修了が確認されなければなりません。既存運転者も半年以内に3時間程度の講習受講が必要です。 【解説】登録制度は、タクシー運転免許制度へ接近する第一歩として、かねてから自交総連が主張してきたもので、運転者の質の向上をはかり、無制限な運転者の増加を抑制して地位の向上につながる効果をもっている半面、登録取消しなどが強権的に行われれば、運転者の権利が侵害される可能性もあります。 実施に当たっては、登録実施機関が設けられることになっていますが、タクシー協会が母体となります。行政側も運用について試行錯誤が予想されます。 したがって、実効ある制度運用と中立性や公正性を確保するためには、運輸局交渉や諮問委員会への参加確保など労働者からの「監視」が欠かせません。 宮城地連では、登録諮問委員会の委員に参加、取消し基準の機械的運用などに歯止めをかけています。 年収格差は241万円時間賃金は男子常用の半分以下06年労働 条件比較 2006年のタクシー労働者と男子常用労働者の労働条件比較がまとまりました。全国平均で、男子常用労働者の年収519万円に対し、タクシー労働者の年収は278万円、格差は前年(248万円)より7万円縮まり241万円となりました。 年間収入を年間労働時間で割った時間賃金では、タクシーが1128円、男子常用が2565円で、タクシーは半分以下の44%にしかなりません。 地方ごとにみると、格差が最大の茨城では、タクシーは男子常用の35%と3分の1ほどにしかならないひどい実態です。 (注)この労働条件比較は、厚労省の統計を元に自交総連が継続的に行っているもので、全乗連や業界紙が計算し公表しているものとは数字が異なります。くわしくは『月報』に掲載します。
組合元気にするため毎月1回発行を大阪地連機関紙学校に17人
【大阪】大阪地連は6月8〜9日、神戸・みのたにグリーンスポーツホテルで08年度教宣・機関紙学校をひらき、17人が参加しました。 主催者を代表して大阪地連の岡田副委員長が「機関紙は組合活動を組合員に知ってもらううえで大きな役割がある。組合方針、団交の経過報告など、重要な役割があり、また、組合に元気がなければ、会社は合理化を仕掛けてくるが、機関紙が出ていれば元気のある組合と判断し、簡単に仕掛けてこない。組合を元気にするためにも毎月1回の発行をめざしがんばってください」とあいさつしました。
その後参加者は西、南、北の各地協にわかれパソコンを使っての機関紙作りに挑戦しました。 参加者からは「機関紙作りでは見出しに困る」「団交などが終わっても記事が入ってこないから作りようがない」など、機関紙担当としての苦労を話していました。 乗務員の睡眠施設確保など義務化へ旅客自動車運送事業運輸規則を一部改正国土交通省は6月2日、旅客自動車運送の安全性の確保等をより確実にするために、旅客自動車運送事業運輸規則等の一部を改正する省令を公布し、7月1日より施行するとしています。改正の内容では、着地における乗務員の睡眠施設の確保の義務化を図るほか、貸切バスの事業実態をより詳細に把握するため、輸送実績報告におけるツアーバス引受実績の義務化等を図ることとしています。 改正の概要
厳正処分がされるよう監視必要国交省名義貸しの判断基準を正式通達国土交通省は6月6日、パブリックコメントを募集していた「タクシー事業における名義貸し行為の判断基準」を原案通り、正式に通達(国自旅第80号)しました。 【解説】「名義貸し営業」は、「企業内個人タクシー」「オーナーズ制」などの名目で規制緩和後、大阪などで急増していましたが、事業者は運転者からリース料・名義料をピンハネした後は、安全も労務管理も放棄して何の責任も果たさないという非常識な事業形態です。 自交総連では、その違法性を指摘し取り締まるように再三要求してきました。正式な通達となったことで、実際の運用が注目されます。 近畿運輸局では、すでに判断基準に照らして疑義のある事業者をリストアップし、調査・監査に入る準備をしていることを明らかにしています。調査の結果、名義貸しの疑いが強まれば、改善を命じる行政指導、それでも改善されなければ行政処分または刑事処分に至ります。 問題とされる事業者は、業界紙などの報道によると、「名義貸し」と判断されるのを免れるために、労働契約や雇用関係があるように装うための手直しを模索しているといわれます。 しかし、「自由に営業できる」ことを売り物にして運転者を集め、現に営業車などを運転者個人の「財産」扱いにしてきた経営手法を雇用関係に戻すことになれば、運転者の反発も予想されます。 行政当局は、表面的な手直しに惑わされることなく、通達の基準を厳格に適用し、事業者としての責務を回避し、「道路運送法の許可制の趣旨を没却する」(通達)、極めて違法性の高い名義貸し行為を摘発し、撲滅する姿勢が求められます。 処分逃れ許すな また、問題事業者のなかには、違反が摘発されて点数が許可取消しに達しそうになると、別名義の会社をつくって資産を移すという「前科」があるところもあります。この点でも、処分逃れを許さない厳格な対応が必要です。 大阪では、規制緩和後の混乱のなかで、一部の運転者の悪質な違法行為を理由に点数制などで運転者に対する管理が強化されていますが、その一方で事業者の違法行為があいまいにされるのは許されません。 運転者に対する登録取消し、再登録禁止に相当する厳格な処分がされるよう、監視をしていくことが必要です。 名義貸しの判断基準(審査事項) (1)雇用関係=雇用契約がない等 |