減車実現へいっそうの世論喚起を国交省増車抑制措置を発表
これにより、特別監視地域は従来の67から全国の83%に当たる537地域に拡大、より強い措置がとられる特定特別監視地域は、東京・大阪をはじめ、ほとんどの県庁所在地・中核都市を含む109地域に拡大しました。 運転者の確保状況の審査など自交総連が繰り返し要請してきた項目も採り入れられており、無計画な増車・参入はかなり抑制されます。減車した場合には監査を免除するなどの「飴」も用意されていますが、これだけで減車にまでつながるかは不確定です。 構造改革推進派からは「消費者利益を損なう」「市場原理に反する」などの批判が出ているように、ほかの分野への波及もおそれて巻き返しも強力になることが予想され、減車実現のためにはいっそうの世論喚起が欠かせません。 直ちに減車闘争を全力で
|
1年間の活動総括と次年度方針などを議論した夏季研究集会=7月15〜16日、鬼怒川 |
これは、東京地連が栃木県鬼怒川で、7月15〜16日に54組合の単組代表220人の参加のもと開催した夏季研究集会での発言です。
集会では、全労連・坂内三夫議長から「政策課題を確実に実現している自交総連の闘いに全労連は大変励まされている。みなさんご奮闘に敬意表します」とし、「21世紀の時代認識と労働運動の展望」について講演を受けました。
08春闘を含む1年間の活動総括と次年度運動方針の骨子提案後、12の分散会で熱こもった議論を行いました。総括では、12年ぶり実施された運賃改定後に闘われた08春闘で、増収になっていないが、「ノースライド協定と生産協力金を獲得」「チケットやクレジットカードなどの負担額を軽減・廃止を勝ち取った」等の報告がありました。組織拡大でも「ATU東京共済の発足で各職場で確実に組合員が増えている」と、共済制度が成果につながっています。
提案議案を採択する参加者=7月25日、東京・ホテルイースト21東京 |
あいさつした坂内議長は、タクシー規制緩和見直しの動きも例に引いて、闘えば政治を動かせる状況になったと指摘、格差と貧困をなくすために、連合・全労協はじめすべての労働組合・労働者に小異を残し大道につく共同を呼びかけました。
6年半で国交省が方向転換
討論で、自交総連の権田副委員長は、大阪・佐野南海労組の闘いを報告、最高裁決定で、子会社偽装解散について親会社の責任を認めさせた画期的な高裁判決が確定したにも関わらず、依然として不当行為を続ける第一交通に最後まで闘う決意を述べました。
大会討論で発言する権田副委員長 |
菊池書記次長は、タクシー規制緩和から6年半で国交省が参入・増車の抑制、道路運送法再改正に方向転換したことを紹介、規制緩和の害悪を暴露し続けた労働者の闘いによって、全政党が法改正に言及するまでになり、行政も動かしたと報告しました。
大黒(だいこく)作治新議長、小田川義和事務局長らの新年度役員を選出、自交総連から今村天次書記長、中山益則専従中執が幹事に再任されました。
組織拡大のとりくみなどを確認した第6回常執=7月9〜10日、自交共済事務所 |
この会議の主要議題は、2008年度運動方針(案)についてと、第31回定期大会を10月20〜21日に東京でひらくことを決定することでした。
今後1年間の運動方針案は、「日本のタクシーの確かな再生への足掛かりを築く局面として、極めて重大な意義を持っている」として、(1)激変したタクシー規制緩和政策への対応、(2)相次ぐ与野党の規制緩和政策見直し提言、(3)現状の危機打開と将来像への接近を結合することを重視し――くらしと雇用・いのちの危機打開にむけての課題を提起しています。とくに、貧困ライン層の増大と高齢化、健康破壊や雇用不安と劣悪化する賃金・労働条件、権利侵害を克服するために、原点に立って、たたかう自交総連の本領を発揮することが重要であるとしました。
組織の全力を投入する課題は、組織強化です。自交総連3万人の回復は不退転の決意でとりくむこと含め、全議題を確認しました。
乗務員にビラを手渡す山口地連の仲間=7月18日 |
タクシー乗務員は暑さのせいと仕事がないため車内でいささかばて気味、しかしみなさん気持ちよく受け取り、中には「こっちにもビラをくれ」と言って真剣に眺めてくれ、こんな時は配布する方も元気が出るものです。
ビラを見ながら防府の不当解雇裁判の行方を心配して「がんばりさんの」と励ましてくれる者、「組合が有りゃーの」と溜め息混じりにこぼす人、「誰かが勇気を出して立ち上がらんと会社が思うがまま、手伝いはするからお互いにがんばろいね」と言って分かれました。
今回の宣伝では208キロを走りました。
講演を聞き学習する参加者=7月14〜15日、宮城・秋保温泉華の湯 |
第1日目は、宮城県労連の高橋議長が「知って得する労働基準法、労働者の権利」と題し講演。続いて本部の今村書記長が「タクシーの将来像をめぐって」を講演しました。
今村書記長は、交政審ワーキンググループの動向にふれながら、今後予定される道路運送法の改定で、労働者保護の観点をしっかり入れさせることの重要性を強調しました。
2日目は、青森の未組織宣伝行動について宮城地連富中執行委員が報告。労働条件悪化の中、組合に対する期待が高まっていると報告しました。
その後、08春闘の到達について、山形・宮城・福島から報告がありました。鶴岡、福島ともに、10%以上運賃値上げでも営収はほぼ横ばいとなっており、労働条件の改善にいたっていない状況が報告。
最後に石垣事務局長がまとめで、秋田の勝平タクシーに対する支援を呼びかけました。
タクシー労働者の平均年齢は毎年確実に上昇しています。厚生労働省の発表で平均年齢57歳の水準です。いまや高齢者がタクシー産業を担っているといえます。これは、若年労働者がタクシー産業に入ってこないことを意味しています。
なぜでしょう。
30年前にタクシー運転手になった仲間は、「他の産業より賃金が高く魅力ある職業であった」と言います。しかし、現在のタクシー労働者の賃金では、結婚して一家を支えられません。職場では年金併用の定時制労働者が増加しているのです。
定時制、パート・アルバイト労働者は、全労働者比は東京・19・4%、神奈川・29%(5職場の平均)。四国や九州などの地方でも職場全員が60歳以上も存在しています。長崎ではパート・アルバイト的な労働者が65%、年齢は58歳(2職場平均)となっています。
賃金は、正規の労働者より5〜6%低くなっており長崎では7%も格差が生じています。
多くが、年金併用で高収入に見えますが、彼らのほとんどが、個人で国民健保などへの加入を強いられています。しかも、雇用契約期間が6か月〜1年と不安定です。
こうした不安定労働者が増加している要因は、先に述べた若者が職場にいないことに加えて、経営者にとって健康保険など社会保険の負担がなく都合が良いことです。
同一労働同一賃金や社会保険加入や職場権利の獲得は労働者としての権利です。これらの獲得は労働組合の重要な役割です。旅客自動車運送事業運輸規則第36条で、アルバイトの運転者の選任を禁止しています。
すべての労働組合がこうした不安定労働者を組織化し、すべての労働者の労働条件の向上を獲得することが緊急に求められています。
新加盟のなかま | (749)大阪・オレンジキャブ大阪労組 |
働きやすい職場を |
【大阪】大阪市にあるオレンジキャブ大阪で働く仲間は7月7日、オレンジキャブ大阪労組(新垣進委員長、3人)を結成、自交総連に加盟しました。
同社では、交通事故の損害弁済金を乗務員に負担させているうえ、乗務員が交通違反を起こした場合、「社内罰則金」を徴収するなど、とても安心して働ける環境ではなく、そのため、明るく働きやすい職場を作ろうと今回の結成となりました。