減車させるのは運動の力労働組合の役割重要第32回 中央委員会自交総連は1月27〜28日、東京・全労連会館で、『大幅減車、景気の回復を! みんなで要求・総決起 2010年春闘』をスローガンに第32回中央委員会をひらき、2010年春闘方針を満場一致で決定しました。中央委員会では17人が発言、各地の厳しい労働実態や組織拡大の経験などが報告されました。決定した春闘方針では、全組合が春闘要求を提出することや、3・4中央行動の実施、また、4月中旬には大幅減車をせまる全国統一ストライキにとりくむことなどを決めました。 委員長あいさつ
しかし、現状の景気では減車の効果も限定せざるをえない状況といえます。外需頼みの不安定な景気回復の道ではなく、内需拡大による景気回復をめざす運動を、産業別闘争とともに全労連春闘との結合をはかり、奮闘することが重要です。 私たちは、昨年の総選挙で国民一人ひとりの投票で政治が変えられることを実感したところです。
こうしたもと「タクシー活性化法」が施行され、全国で「地域協議会」が開催され、必要な規制強化のあり方を問う本格的段階に入ったと言えます。 この法律は、与野党全会一致による成立という画期的な法律であり、その意義と重みは極めて大きいことをあらためて認識する必要があります。 今日の到達点は、私たちの粘り強い闘いと国民の世論の成果、私たちが主張し続けてきた減車実現の願いは、国民の声となり国・行政、地方自治体を動かしています。
減車をするのは事業者であり、減車をさせるのは私たち労働組合、私たちの運動であることを強調しておきます。 タクシー活性化法により、減車を実現し、適正化・活性化を実現させることが、賃金・労働条件を改善させる第一歩であり、道運法改正、タクシー免許実現につながるといえます。 広範な国民各層との協力・共同で、要求実現への大きなうねりを作りましょう。 減車の実現で、労働条件改善を組織拡大、裁判闘争などを報告12地方17人が発言中央委員会討論言うことは言う やることはやる
機関紙発行で運動が浸透 (2)東京・坪倉秀樹さん 東部ブロックでは昨年10月の総会以降、月1回の機関紙定期発行をしてきた。発行前は、運動が組合員の手の届かないところで行われている意識があったが、新聞を出すことで運動の意義が浸透するようになってきた。評判になり、持っていきたいから分けてくれという声も聞こえ、次の発行を楽しみにしてくれる仲間がいることが励みになっている。 アンケートでも苦しいが急増 (3)静岡・市村直之さん 大不況で減収になり、アンケートでも「かなり苦しい」が20ポイントも増え、9割近くが生活に困窮している状況だ。事故も増え、生活危機が安全意識に影響を及ぼしている。富士急石川では賃率を4・5%も下げる賃下げ提案が出ている。地域全体で減車のとりくみが行われようというなかで、経営責任を運転者に押し付けるのはおかしい。 県や金沢市にも減車を働きかけ (4)石川・金子久男さん 地域協議会に参加し世論にも働きかける運動をしている。11月の車両デモはマスコミが取り上げ、貧困・無保険の運転者が増えていることが特集番組になった。県議会では、共産党議員が質問、県は「計画に協力しない事業者にはペナルティーが必要と認識」と答えた。金沢市の交通対策課でも、何らかのインセンティブがとれないかと答えている。昨年末に加盟初めて参加 (5)三重・名鉄四日市ユニオン・小西正さん、井場制さん 昨年末に自交総連に加盟した。初めて中央委員会に参加して、タクシー運転者の悩みは全国みな同じだなと思った。15人で組合を結成して加盟した。事故に対する罰則、残業代の未払いなど問題がたくさんあるが、有給休暇の買取りを是正させるなどの成果があった。これからもよろしくお願いします。 減車の合意形成にシンポを提案
セクハラ裁判に支援を (7)大阪・吉本美紀さん 中央交通労組(バス)では、セクハラ・パワハラ裁判を行っている。運行課長がガイドにセクハラやパワハラを行い、社長に訴えても「たかが触られたくらいで…」と暴言を吐く始末で裁判に訴えた。以後、草むしりや棚卸、車内の清掃などを強いられ、一時金も未払いになっている。夏ごろには判決が出る。要請署名に協力をお願いします。 3人で組合結成 過半数を超えた (8)鹿児島・恵正文さん 6か月前に谷山自教に組合を結成。社長がすべてを自分で決めるという会社で、退職金制度の改悪が57歳以上の人にだけ一方的に通知された。おかしいと思いビラをまいたら、セククハラをでっち上げられ解雇されそうになり、自交一般に加入して、職場復帰をした。3人で立ち上げて3か月で過半数を超えた。従業員の不満が鬱積していたからだ。減車=賃上げ わかりやすい (9)埼玉・木元茂さん 春闘を賃金闘争と位置づけるなら、減車=賃上げというわかりやすい春闘ができる。統一ストの提案もあったが、本部の決意も伝わり勇気づけられた。心配なのは、稼働率が100%近くで、1車当たり2・3人、平均年齢44歳、労働時間も守っているという職場で雇用を確保して減車するにはどうするかということだが、動きながら考えていく。 組合の存在が必要とされている (10)東京・月村隆浩さん 事業廃止の相談から加盟した仲間を支援してきた。この会社は無借金経営であるが、大幅な運収低下から事業廃止を判断し、従業員のことは何も考えず職場をなくそうとした。職場での抗議行動や社長宅での宣伝、労働委員会や裁判闘争の結果、12月に和解解決した。以前より組合の存在が必要とされている。組織拡大のチャンスととらえ行動する。 週40時間労働守れば減車実現できる
春闘は減車の闘い 外に打って出る (12)大阪・園田公作さん 昨年、現職のままで生活保護が2件とおった。いままでになかったことだ。秋闘では、組合員の意欲を出させるために、賃上げを要求し、賃上げさせたが、会社も限界にある。春闘は対会社から対行政、減車のたたかい、外へ打って出なければならない。会社が打撃となる統一ストを本当に打てるのか。もっと意見を出すべきで、議論が必要だ。統一ストでたたかい組織も増やす (13)福岡・内田大亮さん 飯塚市で組合結成した。中洲で働く人が自転車通勤し、タクシー利用者が減った。タクシーの渋滞対策として社会実験が実施される。足切り以下の労働者が増えている。給与の遅配が起きた会社もある。減車せずに根本問題は解消しない。地連では最賃大闘争をとりくみ、悪質な事業者は告発する。統一ストは全員がたたかい組織も増やす決意だ。 現状改善には減車しかあり得ない (14)鹿児島・内健児さん 自交一般さつま観光の竹本さんは、残業代を請求し解雇されたが、12月に全面勝利和解が成立した。しかしバスガイドが闘争中。南州タクシーでも解雇闘争中である。念願の組織実勢3ケタを達成し、5単組112名から150名を目標に活動している。地域協議会は4地域合同で立ち上げ、瀬戸山書記長が参加。現状改善には、減車しかあり得ない。 総括討論運転者数に対して車両数が多すぎる
地連の実態調査が名義貸しの通達に (16)大阪・満留利昭さん 春闘では、政治闘争も必要だ。京都府知事選や夏の参議院選挙で奮闘しよう。現在、初乗り運賃40種以上。地域協議会でワンコイン事業者が、低額運賃を主張。その背景を指摘し、地連の実態調査が名義貸しの通達になったことを報告した。公共交通なら昼夜稼働する責任がある。夜だけ出勤する1人1車は、公共交通といえない。減車実現にがんばる。 中央行動は減車実施のため奮闘 (17)東京・片岡敏康さん 減車にむけ新規採用をストップさせるなど会社に対応させる必要がある。中央行動は減車を実施させるためにたたかう。統一ストは政治を変えるという位置づけでとらえて準備が必要だ。組織拡大は、争議支援をするなかで拡大となった。会社の違法、脱法を勇気をもって告発、運動しなければならない。国賠訴訟の個人署名のとりくみをお願いしたい。 不退転の決意で闘いの先頭に仲間の期待に応えることが必要執行部まとめ
その上で、それぞれの地方組織の力量が試される春闘になるだろうと指摘。原点・原則に立ち返り、3・4中央行動、続く4月段階の大幅減車実現全国統一ストライキを必ず成功させ、大幅減車による賃金増、確実な労働条件改善をかちとろうと呼びかけました。 第2に、春闘に挑む組合役員、活動家の構えについて言及し、「やるべき時に、やるべき所にいて、やるべきことをやる」―。不退転の決意で闘いの先頭に立つことが重要であると強調しました。 第3に、春闘では、闘いを通じて影響力を広げ、多くの仲間の期待に応えることが必要であるとし、存在感と誇り、魅力ある運動を展開しながら、自交総連3万人の課題達成にむけ奮闘することが重要だと述べました。 2010年春闘アピール2010年1月28日自交総連第32回中央委員会
ルールなき競争社会は、国民生活に様々な困難を及ぼした。とくに、構造改革の下で深刻となった格差と貧困は、国民の怒りとなり政権交代を実現させた。そして私たちの粘り強い運動は、その成果として規制緩和を見直す「タクシー活性化法」を成立させ、いままさに規制緩和政策から決別する新たな闘いの段階へ入っている。こうした情勢変化は、私たちの要求が前進する有利な条件を与えている。 私たちが、今春闘でとりくむ第1の課題は、賃金・労働条件の改善である。すべての事業者に自主的・協調的減車を求め、多すぎるタクシーを減らし、大幅な賃金増を実現させなければならない。そのために私たちは「みんなで要求し、みんなで実行する」春闘を実践し、規制緩和から規制強化となる運動を高める必要がある。観光バスでも規制緩和を転換し、安全規制の強化をはかり、ハイヤー、自動車教習所では、要求討議をもとに提案型春闘にとりくみ、将来展望を切り開こうではないか。 第2の課題は、目標の組織実勢3万人への接近である。私たちの周りには多くの未組織・未加盟の自交労働者が存在している。ともに同じ悩みや不安を抱える仲間に、正確な情勢と自交総連の運動を伝え、労働組合の存在感を示すことで、要求実現の要となる組織拡大を必ず実現させよう。 第3の課題は、政治革新である。国民の期待を受けて誕生した新政権には、確実にその責任を果たしてもらわなければならない。そして、なによりも生活改善となる運動を前進させ、多くの国民が望んでいる景気不況を打開しなければならない。今年行われる参議院選挙では、国民の切実な声に耳を傾け、それに応える政治を実現させるために、ともに奮闘しよう。 私たちは、どんな困難な状況も、仲間とともに運動の力でその局面を乗り越えてきた歴史をもっている。これまでの運動に確信を持ち、2010年春闘の闘いに果敢に立ち上がり、総決起することを呼びかけるものである。 雇い止め、解雇事件などの闘いを交流31人の弁護士が参加自交総連第32回 関係弁護士交流会
交流会では、小賀坂弁護士が「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」について基調報告を行いました。 続いて特別報告として、(1)三和交通労組・高齢者有期雇用と雇い止め問題の今後の課題=埼玉・山元勇気弁護士、(2)ハイタク一般労組・タクシー派遣労働者における解雇事件の特徴点=宮城・小野寺義象弁護士、(3)西鉄タクシー労組・運賃改定時の就業規則不利益変更による賃下げ事件の到達点と解決への課題=福岡・井下顕弁護士、(4)佐野南海交通労組・法人格濫用との闘いの成果と全面和解勝利の教訓=大阪・藤木邦顕弁護士の4つをとりあげ、佐野南海交通労組の闘いでは、大阪地連が発行した記録集をもとに8年2か月に及ぶ闘いと、それらのすべてに勝利してきたことなどが報告されました。 また、参加各弁護士からも各地の事件について報告がされ、これからの闘争などについて交流を深めました。 すべての職場で要求をらいひん2氏があいさつ3つの重点目標を掲げ奮闘
全労連では、春闘方針で、(1)解雇と失業なくしての雇用の確保、(2)だれでも1万円以上、時間額100円以上の賃上げで貧困の解消を、(3)社会保障の改善で安心してくらせる国民生活の実現――の3つの重点目標を掲げ、すべての職場で要求を、対企業、対国・自治体に提出して実現を求める闘いを強める。みなさんも奮闘してほしい。 闘うことで展望がひらける
福永さんの足跡を運動に75人が思い出語りあう元委員長福永主計さんを偲ぶ会
あいさつした中山・菅頭両元委員長はそれぞれ、福永さんと3人で戦後のハイタク労働運動にとりくみ、自交総連結成、全労連結成という大事業を担ってきた歴史を語り、福永さんの残したものを学び、その教訓を運動に生かしていこうと語りました。 さまざまな分野で活躍した福永さんの足跡を反映して、全労連元議長の三上さん、同熊谷さん、弁護士の板垣さんをはじめさまざまな分野の参加者が福永さんの思い出を語り、福永さんは、決断力が早かった、労働運動に関する「感」はすごかった、財政問題など一番困難な課題でも指導力を発揮した、ゴルフを一緒に楽しんだ――など、語られるエピソードにうなずきながら、参加者は福永さんを偲びました。
【大阪】大阪市バスの運行を受託している大阪運輸振興ではたらく仲間は12月11日、大阪市バス大阪運輸振興労働組合(賀代実委員長、4人)を結成、自交総連に加盟しました。 結成総会で執行委員長に選任された賀代実さんは「これから組合員を増やし、労働条件改善へ全力を尽くしてがんばります」と決意を述べました。 1月20日には団体交渉を行い、奮闘しています。 |