自交労働者No.750、2010年2月15日

事業者は社会的責任はたせ!!

大幅減車実現へ各地で宣伝

乗務員から励ましの声

2・1宣伝行動

 事業者は社会的責任はたせ!!――規制緩和実施9年目を迎える2月1日、自交総連は全国で、春闘総決起の呼びかけと大幅減車の実現や、労働条件の改善問題などにおける政府・行政、企業の社会的責任を追及する宣伝行動を行いました。

下限割れ運賃の是正不可欠

宣伝カーから訴える石垣書記長=宮城・仙台駅前
宣伝カーから訴える石垣書記長=宮城・仙台駅前
 【宮城】タクシー規制緩和の見直しを訴えた「2・1宣伝行動」は仙台駅を中心に行われ、組合員ら18人が参加しました。

 規制緩和見直しを訴えた本間委員長は、昨年10月にタクシー労働者の労働条件改善を目的とした「タクシー適正化・活性化法」の施行は、政策転換の一歩になったと評価。同法に基づき設置された「地域協議会」での大幅減車、下限割れ運賃の是正が不可欠と訴えました。

11駅頭で宣伝行動を実施

乗務員にビラを手渡す神奈川地本の仲間=神奈川・新横浜駅前
乗務員にビラを手渡す神奈川地本の仲間=神奈川・新横浜駅前
 【神奈川】神奈川地本は、『実効ある規制強化を求める2・1全県街宣行動』として全県で街頭宣伝にとりくみ、本部のビラにくわえ別に印刷した機関紙1300枚を配布しました。

 当日は、昼からの氷雨の中での行動でしたが、新横浜・横浜駅など11駅頭で宣伝行動を行いました。

まったく同感がんばってや

 【京都】タクシー破壊法施行の2月1日、総勢12人で宣伝行動を行いました。あいにくの雨の中、京都総評の宣伝カーの上から石原書記長が「適正な台数と運賃で、まともな賃金、安全なタクシーを」と訴えました。協議会のもようと課題を示したビラを配布したところ、「まったく同感、がんばってや」と声がかかり、「一緒にがんばりましょう」と対話も弾みました。

人並みに生活できる賃金を

街行く人にビラを手渡す大阪地連の仲間=大阪・天満橋口前
街行く人にビラを手渡す大阪地連の仲間=大阪・天満橋口前
 【大阪】大阪地連は、「怒りの行動」と銘打ちハイタク労働者の実態を告発する市民宣伝を行い、113人の仲間が各所に分かれビラやマイクで訴えました。

 岡田委員長は「職場では最低賃金法違反が続出し、ついに会社に在職しながら生活保護を受けざるを得ない仲間が出てくるなど非常事態だ。今春闘で1日も早く大幅減車をかちとりバラバラ運賃も是正させ人並みに生活できる賃金を獲得するため全力をあげる」と力を込めました。

 その後、運輸局・労働局との交渉にもとりくみました。

減車と組織拡大を訴え

乗務員と対話する中国ブロックの仲間=広島市内
乗務員と対話する中国ブロックの仲間=広島市内

 【中国ブロック】中国ブロックは2月4日、広島県内の特定指定地域と主要駅頭で、減車の必要性と組織拡大に向けた宣伝行動を実施し、広島地本作成の減車ビラと本部のビラを560枚配布。一部の駅では、「タクシー活性化法」が成立したことやその中身についても知らないという乗務員もいて、宣伝不足を痛感しました。広島駅では、広島交通圏で500台強の減車が必要との訴えに耳を傾けていました。

実車になるまで時間かかる

乗務員と対話する大分地連の仲間
乗務員と対話する大分地連の仲間
 【大分】雨の中、大分駅において、昼休みビラ配布行動を行いました。

 本部発行のビラを活用し、昨年大分市・別府市が特定供給過剰地域に指定され、地域協議会もひらかれ、具体的な減車にむけたとりくみが始まっていると宣伝。大分駅タクシープールで客待ちしていた運転手さんは「ここに入るだけで20分かかる、これで実車になるまでには大変な時間」とタクシーの多さを訴えていました。

売上げが あがらない

乗務員と対話する中国ブロックの仲間=広島市内
乗務員にビラを配布する鹿児島地連の仲間

 【鹿児島】鹿児島地連は、組合活動が初めての組合員3人を含め17人で各駅頭や港で待機中のタクシー乗務員へのビラ配布宣伝行動を実施しました。

 対話の中で労働者からは「売上げがあがらない」「長時間労働をしている」、中には「組合を作れば解雇される」などの声もありましたが、一番多かったのはやはり「減車なしではこの状態から抜けられないだろう」との声が多数を占めていました。


「生活苦しい」が88%

はたらくみんなの要求アンケート

 「はたらくみんなの要求アンケート」の集計結果がまとまり、回収枚数は26地方1万0058枚、回収率48・9%となっています。前年より3地方増え、回収枚数も5年ぶりに1万枚を超えました。

60歳以上が39%を占める

 平均年齢は前年より0・4歳上がって55・3歳でした。年齢構成でみると、60歳以上が前年より3ポイント増えて39%となりました。

売り上げて低下の深刻さ示す

 生活実感では、「かなり苦しい」と「やや苦しい」を合わせると88(前年83)%になります。

 ある程度余裕があると思われる年金を受給しつつ勤務している人が増加しているため、一昨年までは徐々に減少していた「苦しい」が昨年から2年連続して増えているのは、売上(賃金)低下の深刻さを示しています。

「食費節約」に切実さにじむ

 家計の状況では、収入減となっているのが92%、そのうち貯金取り崩して対応が61(前年52)%、支出節約で対応が30(前年同)%でした。

 家計のやりくりで負担に感じているのは、(1)住宅関連費46%、(2)税・社会保険料41%、(3)食費41%が上位。しかし、税や住宅関連費は節約したくてもできないため、節約している費目では、食費51(前年44)%に続いて、被服費38(同39)%、水道光熱費37(同39)%、教養娯楽費35(同32)%が上位にきています。

賃上げ要求は3万円以上が57%

 3万円以上と答えた人が57%、平均要求額は3万8705円(前年3万5133円)でした。

長時間労働で7割が事故の不安

 労働時間を長いと感じている人は64%。この働きぶりについて、このままでは身体がもたないと感じる人が80(前年76)%、心の病になる不安がある人も73(同61)%にのぼりました。

 タクシー、バス等の乗務員に限って、最近の働きぶりが運転に及ぼす影響を聞いたところ、交通事故を起こすかもしれないと感じる人がタク68%、バス69%、居眠り運転をしてしまうかもしれないがタク53%、バス62%に達しました。

 長時間労働のため、安全運転ができなくなっているのが現実で、乗客や道路利用者にも影響を及ぼす危険な実態が表れています。

要求と不満は賃金問題が1位

 職場での不満1位は賃金が安いで77%、次いで強盗等の不安33%、有休が取れない30%でした。

 地方によって特徴がありますので、自分の地方の不満をよく把握することが大切です。

生活実感 年齢構成の推移

家計で、「負担に感じている」「節約」していること

賃金引上げ要求

最近の働きぶりについての不安 いまの職場でとくに不満に感じること


セクハラ・パワハラ容認の中央交通に抗議し、
人権を尊重した職場環境を求める特別決議

2010年1月28日 自交総連

 自交総連は第32回中央委員会で、大阪地連中央交通労組の4人のバスガイドの組合員への、セクハラ・パワハラなどについて、裁判を闘っていることについて、特別決議を採択して、会社に抗議、全国的に組合を支援していくことにしました。

特別決議

 中央交通株式会社では、運行課長が「仕事とバスガイドは俺が選べる」などと豪語して、自分の思うように配車をし、バスガイドには、身体を触るなどのセクハラ行為や常軌を逸した暴言をあびせる行為がくり返されていた。

 こうした状況に耐えきれず、組合員(バスガイド4人)が大野準一社長(現会長)に改善を訴えたが、「社長を敵に回して、会社でやっていけるのか」などと、社員が会社にもの申すのは許さないとした姿勢をとっている。

 バスガイド4人が原告となり提訴したところ、会社は改善を訴えた組合員に対し、卑劣な報復を行っている。

 自交総連は、改善を求めて立ち上がった中央交通労働組合の仲間とともに、最後まで闘うことを全国の仲間に呼びかける。

 中央交通株式会社は速やかにセクハラ・パワハラの実態を認め、原告に対して謝罪するとともに、組合員への差別扱いをやめ、人権を尊重した職場環境とすることを求めるものである。

 以上、決議する。