自交労働者No.754、2010年4月15日

4月中決着へ奮闘

統一行動ゾーンで追い上げを

2010年春闘

ビラを手渡す日の丸自交労組の仲間=3月19日、東京・足立営業所内
ビラを手渡す日の丸自交労組の仲間=3月19日、東京・足立営業所内
 「大幅減車、景気の回復を! みんなで要求・総決起」をスローガンに掲げた自交総連2010年春闘は、4月9日現在、要求提出は220組合・支部(64・9%)、回答16組合・支部、妥結5組合・支部となっています。

 各地連・本、単組・支部では4月中決着にむけ、統一行動ゾーン(4月24〜27日=第4次)の配置で追い上げを行うとともに、(1)昨年実績を上回る賃上げ額の獲得。(2)全体的合意を前提にした、納得のいく中身での解決。(3)減車と上限運賃確保の課題を重視する――の3つを目標に奮闘することにしています。

 また、5月1日に東京・代々木公園で開催される第81回中央メーデーは、“なくせ! 失業と貧困、国民本位の経済に転換を”など生活危機突破にむけ、新たな情勢を切りひらく国民総決起の場として、中央メーデーと全国で開催されるメーデーを大きく成功させるため、参加体制のとりくみ強化を強めましょう。

回答速報


要求未提出組合への指導強化を

当面する春闘対策を議論

第1回中闘

春闘状況などを確認した第1回中闘=4月7日、自交共済事務所
春闘状況などを確認した第1回中闘=4月7日、自交共済事務所
 自交総連は4月7日、東京で第1回中央闘争委員会(第3回常執)をひらき、当面する重点対策と今後の闘いについて議論しました。

 春闘状況では、要求提出が約6割の組織であることから未提出組合への援助・指導を強化することを重視し、今後の闘いとして、(1)労働組合の存在意義を示す要求獲得に全力をあげる。統一行動ゾーン(4月24〜27日)を設定し追い上げをはかる。解決基準は、昨年実績を上回る賃上げ額と賃金体系改善。職場要求の実現など納得がいく中身の重視。地域政策要求の合意取り付けや経営改善要求の実現。タクシーでは、減車と上限運賃確保の課題を重視する。(2)倒産対策を重視し、働く職場と労働債権確保、労働組合の機能の発揮。(3)生活危機突破、平和を守る国民的共同の前進をはかる。(4)「仲間を増やし組織の力をつけ、魅力ある自交総連の確立を」の視点を重視したとりくみを強化する――の4点を確認しました。


一致団結し、最後まで闘う

闘争資金のための協力を

静岡地連

解雇撤回にむけさまざまな応援が寄せられている組合事務所
解雇撤回にむけさまざまな応援が寄せられている組合事務所
 【静岡】2月9日、石川タクシー富士宮株式会社が突然会社を解散させ、組合員23人を含む従業員を全員解雇したという異例の事態を引き起こした事件は、民事調停の期日が4月21日に決定し、闘いは法廷の場で解決がはかられることになりました。

 しかし当該の仲間は、もともと低賃金で働いていたうえ、失業保険の給付も十分な金額ではなく、早くも生活困窮状態に陥っています。それでも労働組合に対する不当な弾圧を絶対に許してはならないと、決起集会などもひらき、一致団結し、最後まで闘う決意を固めています。

 そのため、静岡地連より、各地連・地本、各単組・支部に、当該労組の闘争資金のためのカンパが要請されています。物心両面の支援をお願いします。

 【カンパ送付先】

 静岡県労働金庫浜松東支店、普通口座、8337271 自交総連静岡地方連合会、執行委員長郡司孝(ぐんじ たかし)


新たに11地域を追加指定

越谷、浜松、四日市など

特定地域

 各運輸局は4月1日、タクシー活性化法に基づく特定地域に、浜松交通圏など11地域を追加指定しました。指定期間は13年3月末日までの3年間。特定地域は、タクシー活性化法で供給過剰と認められる地域で、地域協議会を設置して地域計画を作成することになります。昨年10月に全国のほとんどの大都市部は指定されました。

 指定要件は、日車実車キロや日車営収が01年度(規制緩和前)と比べて減少していることなどです。昨年の指定時の最新データでは比較的営収の落ち込みが少なかった一部の都市では要件を満たさずに指定されませんでした。しかし、その後の経済情勢の悪化で営収が落ち込み、要件を満たすようになったため、今回追加指定されました。

 政令指定都市で唯一指定されていなかった浜松市も今回指定されました。また、富山県南砺市と鳥取県倉吉市は当該市長の要請で指定されました。

タクシー活性化法に基づく特定地域の追加指定


全事故件数は2万件超

地方別での増減差大きい

タクシー交通事故件数の推移

 09年のタクシー死亡事故は38件と前年より11件減少――09年の交通事故統計を警察庁がまとめました。

 タクシーの事故件数は昨年より68件少ない2万2370件で、死亡事故も11件減の38件となりました。

 死亡事故は兵庫で4件、茨城で3件の減少ですが、広島では3件の増加となっています。

 また、全事故は、全体では減少しているものの、福岡では昨年より199件増の1765件、愛知67、広島62件の増加に対し、埼玉では67件の減少と地方別での増減差が大きくひらいています。

 タクシーの交通事故は06年以降減少傾向にあるものの、91年の1万6054件と比べるとまだまだ高止まりな傾向となっています。

タクシー交通事故件数の推移

タクシー交通事故、死亡事故件数(2009年)


減車の実効性を強化しろ

「監査免除、休車特例の通達などで対応」

交運共闘・国交省交渉

請願事項について回答を求める交運共闘の代表=3月29日、国交省内
請願事項について回答を求める交運共闘の代表=3月29日、国交省内

 交運共闘は3月29日、国交省と交渉を行い、3・4中央行動での共同の請願事項についての回答を求め、意見交換しました。熊谷・北畑副議長ら9人が参加、国交省から総合政策局政策課五十嵐政策企画官ら各局の担当者が出席しました。

 タクシー関係では、減車の実効性強化を求めていたのに対し、自交局旅客課から、「5%以上減車させているものは違反点数を加重しない、10%以上減車すれば巡回監査を免除するなどの効果ある措置をとっている。さらに、休車の特例を認める通達も新たに出した。監査は、昨年10月に基準を改正し、労働局とも連携して対処している」との回答がされました。

 また、特定地域になっていないところでも状態悪化が激しくなっているので指導を、との要請に対しては、「指標が変化している状態があれば、適宜指定することもある」と回答があり、4月1日には、埼玉県越谷市、静岡県浜松市、三重県四日市市などを含む11地区が新たに特定地域に指定されました。


自交総連に結集しよう

中部地方で未組織宣伝キャラバン

タクシー・観光バス乗務員へ加盟呼びかけ

 自交総連に結集しよう――自交総連は、組織拡大重点地方として中部地方を中心に、タクシー・観光バス乗務員を対象に3月18日〜24日の日程で未組織宣伝キャラバン行動を実施しました。宣伝では機関紙やビラを活用し自交総連加盟を訴えるとともに、対話アンケートを取りました。

正社員の少なさ際立つ

タクシー乗務員から聞き取り調査をする東京地連・川崎さん=3月19日、岐阜駅頭
タクシー乗務員から聞き取り調査をする東京地連・川崎さん=3月19日、岐阜駅頭
 18日と19日の愛知、岐阜には、愛自交の仲間が加わり宣伝を行いました。

 19日の名古屋駅での対話では、ほとんどが定時制乗務員で正社員の少なさが際立ちました。また、事故を起こしたときの罰科金負担では「3万円を上限として、会社に取られている。景気が悪く収入が減っているのに、こんなのはおかしい」と訴える乗務員がいました。

 19日最後の大垣駅での宣伝中、通りがかった女性乗務員がタクシーを止め「私にもビラをちょうだいー」と声をかけてきました。大垣駅は今回が始めての宣伝でしたが、乗務員はタクシーに関する情報を得ようと、好意的にビラを受け取っていました。

観光バスも過酷な労働

 20日は滋賀の栗東駅で関西ブロックと合流し信楽駅から三重県内へと移動して宣伝を行いました。上野市駅で賃金はどのくらいかと聞いたところ、1時間1000円の時給制で働いている乗務員がいて驚かされました。

 21日は名鉄四日市ユニオンとみえ労連の仲間も加わり津駅から伊勢神宮(観光バス)の宣伝を行いました。伊勢神宮では2班に分かれ観光バス専用駐車場で64人の乗務員に宣伝を行い、6人からアンケートを取りました。アンケートでは居眠り運転の経験があるかとの問いに、6人全員があると答え、1日の最高走行乗務距離も長距離走行が目立ち、観光バスの労働実態が過酷な状況が伺えました。

観光バス乗務員へのアンケート調査=3月21日、伊勢神宮駐車場 客待ちをする乗務員と対話=3月21日、津新町駅前
観光バス乗務員へのアンケート調査=3月21日、伊勢神宮駐車場 客待ちをする乗務員と対話=3月21日、津新町駅前

富士急石川タク労組を激励

宣伝カーから訴える大阪バス部会の山本さん=3月22日、宇治山田駅前
宣伝カーから訴える大阪バス部会の山本さん=3月22日、宇治山田駅前
 22日は松阪駅で関西ブロックと別れ、白子、平田、四日市の各駅で宣伝を行い、23日は四日市駅から静岡県に移動し静岡の仲間とともに宣伝を行いました。四日市駅では「会社が最低賃金を保障しているので、自分には住む家があるから最低賃金でかまわない。タクシーには展望がない」と悲観する乗務員もいました。

 24日は静岡駅で宣伝を行い、富士急石川タクシー労組事務所を訪ね激励し1週間の行動日程を終えました。

誰もが情報に飢えている

タクシー乗務員へ訴える大阪地連堀川さん
タクシー乗務員へ訴える大阪地連堀川さん
 今回キャラバン行動に参加した大阪地連の堀川副委員長は、「乗務員と対話して感じたことは、誰もが情報に飢えていること、水揚げの割に賃率が悪いこと、営業車が古いこと、さらに大阪と同様に高齢者が多いことでした。今後この活動を労働運動に大いに役立てます」と感想を話していました。