自交労働者No.758、2010年6月15日

多くの労働者から激励の声

各県で未組織宣伝行動展開

東北ブロック

乗務員と対話する宣伝行動参加者=6月4日、仙台駅頭
乗務員と対話する宣伝行動参加者=6月4日、仙台駅頭
 【宮城】東北ブロックは5月24日〜6月5日まで、本部宣伝カーを活用し、未組織宣伝行動にとりくみ、26か所で宣伝、635人の労働者にチラシを配布し、対話を行いました。

 5月24日から27日までは福島、29・30日は岩手、6月1日から3日まで山形、4・5日は宮城で実施。

 このうち、自交総連の空白県である岩手での宣伝行動には、福島、宮城、山形の各地連から15人が参加。29日は盛岡市で宣伝、対話しましたが、「同一地域、同一運賃にしてほしい」「企業内組合なので、業界の情報が伝わらない」「1か月の営収は30〜40万円程度で、45〜50%の賃率で生活が苦しい」など、切実な声が出ていました。

 30日は、花巻、北上、水沢、一ノ関の各市で宣伝しましたが、いずれの地域でも、30万〜40万円の営収で、中には、賃率が30%台という会社もありました。

雨の中減車を訴える

宣伝カーから訴える弁士=岩手
宣伝カーから訴える弁士=岩手
 当然、最賃の問題があるはずですが、どの労働者も最賃について知らず、あきらめムードが漂っていました。

 山形での宣伝でも、「営収が低下し生活ができない」「夜は代行に客をとられている」などの声が出ました。

 6月5日、仙台での宣伝は、雨の中、減車を中心に訴え、多くの労働者が激励の声を寄せていました。


組織拡大運動の強化必要

春闘を中間総括

第5回常執

次年度運動方針などを議論した第5回常執=6月9〜10日、自交共済事務所
次年度運動方針などを議論した第5回常執=6月9〜10日、自交共済事務所
 自交総連は6月9〜10日、東京で春闘中間総括骨子、次年度運動方針案骨子、予算案、を主な議題として第5回常任中央執行委員会をひらきました。

 春闘中間総括では、(1)要求はどれだけ実現したか、(2)産別統一行動への結集はどうであったか、(3)組合員の団結がどれだけ深まり組織強化となったか、(4)組織拡大はどれだけ前進したか――を重要な視点として議論しました。

 春闘要求獲得状況にくわえ、タクシー活性化法における減車がどこまで達成できたか、ストライキを軸とした4・14統一行動では、統一行動の意義をどこまで組合員に訴えてとりくむことができたか、などに議論が集中しました。また、組織の強化拡大では、これまでの組織拡大運動を継続しながら運動強化を行う必要性などの課題が出されました。

 次年度運動方針案骨子では、規制強化の流れを確かなものにするために、戦略目標を明確にすることや、産業別統一闘争への結集と企業主義の克服が重要であることが議論されました。今回の内容をもとに、再度7月の常任中央執行委員会で、議論を深めます。


九州地方で組織拡大宣伝

経営者からも注目される

九州ブロック

宣伝カーから自交総連加盟を訴える弁士
宣伝カーから自交総連加盟を訴える弁士
 【福岡】5月10日に鹿児島からスタートした九州ブロック組織拡大宣伝行動は、5月16日〜5月24日まで長崎県内で行い、その後、25、26日に佐賀県内、27日からは、福岡県内で展開し、駅・空港・港などでビラ配布・アンケート調査などを実施しました。

 特に、今回の街宣活動中の20日には、九州乗用車協会の総会が、長崎市内で開催されていたので、自交総連の無い、地方の経営者達から、注目を浴びていました。また、長崎の自教の組合員からも、『学校経営者が、自交総連の宣伝活動に注目しています』との報告が聞かれました。

問い合わせや相談に訪れる

 福岡でのアンケートでは大半の事業者が最低賃金を払っておらず、事故修理代なども上限額を決めて賃金からカット、中には全額負担させている悪質経営者の情報もありました。宣伝後は問い合わせの電話や、相談に訪れたかたもいて、今後も引続き対応をしていきます。

 行く先々で乗務員のかたたちからは「減車はできるのか」「福岡MKの下限割れ運賃は今後どうなるのか」など減車と運賃に関わる質問が多く聞かれました。


雇用確認求め提訴

事前協議ない会社解散は不当

静岡・石川タクシー富士宮労組

裁判提訴に当たり記者会見を行う原告団=5月31日、静岡地裁内
裁判提訴に当たり記者会見を行う原告団=5月31日、静岡地裁内
 【静岡】突然の会社解散・全員解雇と闘う石川タクシー富士宮労組は5月31日、雇用の確認と損害賠償を求めて静岡地裁に裁判を提訴しました。

 訴えでは、事前予告なく秘密のうちに準備をして突然解雇を通告したやり方が、会社解散の際の事前協議、打撃の緩和策などの社会的な常識に反することを指摘して解雇の無効を訴え、雇用については、違法・不当な行為を共同して計画実行した持株会社を含む3社が連帯して責任を負うべきであるとして現在も営業中の石川タクシー富士での雇用を求めています。

 記者会見で諏訪部みゆき委員長は「非常識な解雇が常識にならないように闘っていきたい」と決意を表明、地元紙・テレビで大きく報道されました。

 6月2日には、静岡運輸支局に要請、活性化法の趣旨にもとづき、運転者の雇用を守る立場でできることをするよう求めました。局は、民事介入はできないが、要請の趣旨は理解する、会社にも要請があったことを伝えると答えました。

 今後、裁判所とグループ親会社の富士急宛の要請署名、宣伝行動などにとりくむことにしています。


参議院選挙と自交労働者(1)

規制緩和から強化への流れを確実に

 参議院選挙が7月11日投票(予定)で行われます。自交労働者の労働とくらしは政治と密接に関わっています。関心を持って必ず投票にいきましょう。

規制緩和に反省は?

 規制を強化するタクシー活性化法が、昨年の国会で全党が賛成して成立しました。

 しかし、もともと規制緩和を進めた道路運送法改悪には、自民・民主・公明をはじめ国会の8割以上の議員が賛成し、規制緩和こそバラ色の未来をつくるとほめたたえました。

 規制緩和の失敗が明らかになってから態度を変えても、当時のことを反省していない政党もあります。

復活主張する党も

 新党のなかには、規制緩和の復活を公然と主張するところもあります。

 みんなの党が復活を主張する規制改革会議は、タクシーの規制強化を敵視し、規制緩和で雇用が拡大したと強弁、介護従事者や飲食店従業員と比べてタクシー運転者の賃金が特別悪いわけではないという非常識な見解を公表した組織です。

無関心ではダメ

 政治が実行した規制緩和のために100万円以上もの年収低下を余儀なくされたタクシー労働者。今後の減車の実現のためにも、政治に無関心では、結局は自分で自分の首をしめることになってしまいます。


地域計画拒否の事業者を指導せよ

運輸支局 「厳正に対処する」

石川地連

回答する支局の担当者=5月24日、石川運輸支局内
回答する支局の担当者=5月24日、石川運輸支局内
 【石川】石川地連は5月24日、地域計画への協力を拒否している事業者への指導・監査を求めて、運輸支局要請をしました。

 金沢交通圏では、1月に地域計画が決定していますが、560円などの下限割れ運賃を採用する事業者が「地域計画反対」を公言し、「特定事業計画」の提出が進んでいません。5月23日までに5社22台の減車計画が出されたのみで減車目標の1割にも満たない状況が続いています。

 要請では、下限割れ運賃の事業所で働く仲間から寄せられた「社会保険未加入」「事故弁償金の一方的賃金カット」などの違反行為の実例も紹介しながら、厳しい指導と監査を求め、支局からは「厳正に対処する」と答えがありました。

 また、協議会に参加していながらようす見をしている事業者に対しても、減車計画提出を厳しく求めるよう要請したなかで、6月2日に運輸支局は未申請事業者に対する調査(提出するかどうかの文書回答を求める)をタクシー協会に指示することになりました。


組織率は38・1%

結成率も前回下回る

全タク連調査

 全タク連が行っている労組組織実態調査により09年の全国のハイタク労組の組織率が前回調査に比べ、0・7ポイント低下の38・1%であることがわかりました。

 この調査は全タク連が労働組合の組織状況を把握するために、傘下事業者を対象に隔年で実施しているもので、昨年11月末現在の調査では、6009社から回答を得て、従業員総数37万8008人のうち組合員総数は14万3900人、組織率は38・1%と、前回調査より0・7ポイント減少しました。

 また、労働組合のある事業者数は1598社で、組合結成率は26・6%と、前回調査比で0・6ポイント減少しました。

グラフ