安全運転ではまともな賃金もらえず安全運転実態調査結果
今年の安全運転実態調査がまとまりました。5地方平均の運送収入(テスト車)は2万8197円で、30年前を下回っています。実車率(同)も32・8%で最低値を更新しています。
30年間で、実車率は21・6ポイントも低下、需要を表す実車キロは半分以下になっています。いかに供給過剰状態になっているかがわかります。 テスト車の数値から、安全運転で得られる推定年収を計算すると、最高の神奈川でも285万円、最低の仙台では132万円となり、すべての地方で4人家族の生活保護基準を下回っています。さらに、推定時給を計算すると、仙台では賃率60%としても最低賃金を下回り、足切り以下の低賃率を想定した賃率45%では、京都・大阪・福岡でも最低賃金以下となります。 労働時間を守って安全運転をしていたのでは、まともな賃金ももらえないということが実証されています。 【言葉】 安全運転実態調査 自交総連が79年以来実施。テスト車は労働時間(隔日勤務で実働16時間標準)を守って安全運転で稼動、通常営業は同時期の営業所平均です。両者を比較することで、通常営業がどの程度加重になっているかがわかります。宮城(仙台市)・東京・神奈川・京都・大阪・福岡で実施。ただし京都は日勤なので平均には加えていません。 チャブリ一掃のとりくみ強化を取り締りの成果上げる施策必要大阪地連・運輸局交渉当日朝8時15分から、近運局前で宣伝行動にとりくみ、40人が参加しました。 まじめな乗務員にも影響
組合側が要請書に盛り込んだのは、(1)下限割れ運賃事業者を強力に指導すること、(2)各事業者が減車を含む特定事業計画を速やかに提出するよう指導すること、(3)チャブリ行為を取り締るための法的根拠を示すこと、(4)特定事業計画に便乗して一方的に運転者を解雇するなど、不適切な事態が明らかになった場合、どういった改善指導が可能なのかの4点です。 (4)について局側は「『タクシー運転者の地位を不当に害し、またはその労働条件を不当に変更することのないようにしなければならない』との基本方針を公示している。事前・事後両方の確認を強化することになっているので効率的かつ効果的に指導していきたい」と回答しました。 一連の回答を受け、組合側は「バブル期にもチャブリはいたが、まじめな乗務員に影響はなかった。いままじめに働いても年収が250万を割る現状の中で、精神疾患が増加している。チャブリ取り締りの成果を上げる施策が必要だ」と、とりくみ強化を要請しました。 また、「福岡地裁が福岡エムケイの500円運賃を“当面の間認める”との決定を出したことについて、どう考えるか」との問いに対して、局側は「影響はない。われわれは厳格に審査を行い、結果を相手に通知するのみ」と明言しました。 参議院選挙と自交労働者(2)消費税増税は二重三重の賃金減をまねく!!大企業利益は増労働者賃金は減 97年からの10年間で、大企業の経常利益は2・1倍、内部留保は1・6倍になった一方、雇用者報酬は先進国では例のない減少が続いています(下図)。 賃金が減り、失業の恐怖をかかえた労働者は物も買えなくなり、消費が減少、国全体の経済が落ち込むという悪循環になっています。その結果、国民一人当たりのGDPはこの間に世界1位から24位以下にまで転落してしまいました。 一握りの大企業の利益だけを優先させ、労働者に犠牲を強いてきたことが、結局は国全体の活力も奪ってしまったのです。 さらに企業減税 消費税増税!? 財界は、さらに企業減税・消費税増税というあつかましい要求をしています。 かつて97年に消費税が引き上げられた時には、消費が凍りついて大不況に突入しました。タクシー労働者の賃金も、はっきりグラフに分かるほど激減しました(下図)。 消費不況が深刻化して需要自体が落ち込んでしまいます。 タクシーやバスでは、消費税が上がっても、激しい過当競争のなかでその分を価格に転嫁する条件はありません。結局は労働者に犠牲が押し付けられ、いっそうの賃金低下をまねきます。 タクシー運転者の歩合給は、売上から消費税が上がった分を差し引かれて賃金計算されることになり、二重三重の賃金減となります。 国民に増税をかぶせ、輸出中心の大企業だけが企業減税の恩恵をうけるということになります。 大企業や米にもの言えるか こんな悪政を、民主党も自民党も競って打ち出しているのは、財界から企業献金をもらったり、大企業労組の組合ぐるみ支援を受けたりして、大企業の言いなりになっているからです。 沖縄の普天間基地問題でも、自民・民主の両党はアメリカには基地撤去が言えず、沖縄県民には辺野古への移設で痛みを押し付けるという、そっくりな対応をとっています。 参議院選挙では、大企業やアメリカという強大な権力構造に堂々とものが言える党かどうかが選択の基準になります。 国民の交通権の保障を130人が地方交通の現状を確認地域公共交通の再生をめざす討論・交流集会
集会は、地方公共交通の危機的な現状の確認と打開の方策を探ることをテーマに行われ、全国から130人が参加しました。自交総連からは飯沼委員長をはじめ埼玉、東京、神奈川から34人が参加しました。 佐藤交運共闘議長の主催者あいさつに続いて、土居立命館大学教授が基調報告を行いました。土居教授は「地域交通が直面する諸問題は、国民の交通権を保障することを考えてこなかったことである」とこれまでの政府の政策に責任があるとして、「地域地域で住民の交通権を保障し地域公共交通・生活交通の構築を急ぐことが地域の衰退・崩壊を止めることに欠かせない。交通基本法制定が危機打開の糸口になる。生活交通再生には住民の交通権保障が重要である」と報告し、その後、環境政策研究所の上岡研究員が、「公共交通の社会・経済的価値」と題して特別報告を行いました。各交通分野からも4人が問題提起を行い、自交総連からは福祉・介護輸送の実態と問題点を報告しました。 事故が起きてからではなく安全対策の強化が必要
岩田さんは「障害者の自立と社会参加への要望が高まる一方で福祉輸送の現場では、民間福祉施設の契約価格の引下げや社会福祉施設の入札制度によって、価格が安い業者に仕事がながれてしまう。こうした事業者では労働者の労働条件を切り下げたり、経営モラルの低下がおきている。具体的な事例ではリフト付きバスの経験がない人が運行し、車イスごとリフトから転落させ、死亡に至ったケースなど重大事故が起きている。福祉輸送車などのハード面は良くなったが、事故が起きてから変わるのではなく、福祉輸送を担う事業者として、安全面でハードルを設けるなど、安全対策の強化が必要です」と問題提起しました。
【福島】福島市にあるカネハチタクシーで働くなかまは6月6日、カネハチ労働組合(斎藤力委員長、4人)を結成、自交総連に加盟しました。 政治不況による経済の減退から、労働力が低下し、仲間からは、労働条件への不満が高まり、改善にむけて、職場にある組合への加入も考慮していましたが、運営方針など、さまざまな背景を要因に自交総連への加入を決意しました。
【埼玉】川口市にあるハッピータクシーで働くなかまは6月7日、ハッピータクシー労働組合(芝田茂委員長、44人)を結成、自交総連に加盟しました。 職場が国際自動車グループと業務提携を行ったことにより、労働条件が一方的に改悪されました。以前に埼玉地連の単組で執行委員を経験していた人が職場にいて、以前所属していた単組を通じて地連に相談し、今回の加盟となりました。 |