タク免構想を改めて提起
第6回常執
自交総連は7月8〜9日、東京・自交共済事務所で第6回常任中央執行委員会をひらき、春闘総括、次年度運動方針などについて討議しました。
総括では、(1)要求実現、(2)産別統一行動への結集、(3)組合員の団結強化、(4)組織拡大、の4つの視点から到達点を分析しました。
経済闘争では、現行賃金体系を維持するなかで足切り引下げや定時制乗務員の賃率引上げなどをかちとったところもあり、職場要求での前進も含めて成果を確認しました。
政策闘争では、減車に足を踏み出した成果をふまえ、さらに確実なものとするための運動強化、長期的な展望をもった政策提言の運動が課題とされました。
組織拡大では、拡大の一方で減少もあり、高齢化の現状もふまえて一層の奮闘が必要になっていることが明らかになりました。
次年度運動方針については、減車闘争をさらにすすめるとともに、問題の真の解決のために、タクシー運転免許構想を改めて明確に掲げ、運転者優位のタクシーシステムへ転換する展望を提起しています。
移動権確保と環境に優しい交通を
来年の国会に法案提出へ
一部不安な点あり注視が必要
交通基本法
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タクシーデモに出発する3・4中央行動参加車両=3月4日、東京、明治公園 |
国土交通省は6月に「交通基本法の制定と関連施策の充実に向けた基本的な考え方(案)」を公表し、意見を募集するとともに、来年の通常国会に法案を提出する予定を明らかにしました。
交通基本法は06年に民主党・社民党が共同して一度提案して廃案になりましたが、民主党政権になって、政府提案で提出する準備がすすみ、すでに国交省で13回の検討会がひらかれています。
【解説】交通基本法の基本理念は、障害者や子ども・お年寄りなどの移動制約者の権利を重視した国民の移動権の確保と環境に優しい交通の実現であり、この点ではごく当然の法律です。
問題は、基本法で定めた理念を具体化する施策が財源を含めてどれだけ充実するかであり、その点での実効性を担保する内容にすることが求められます。
また案の一部には、「共助」を強調する意味や国と地方の管轄のあり方など不安な点も含まれており、今後の注視が必要です。
交通基本法制定をめぐる主な論点(編集部作成)
項 目
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国交省 基本的な考え方(案)の趣旨 |
問 題 点
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基
本
理
念
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移動権の保障 |
誰もが利用できる公共的な交通手段を確保。移動権を法律に位置づける。 |
当然の理念であり、理念を実現する具体的な施策を充実させなければならない。 |
低炭素化の推進 |
環境対策のために、経済的誘因(インセンティブ)、まちづくり政策、燃費規制などを総動員する。 |
これも当然。タクシーの空車走行など非効率な運行への規制も必要。現政権の高速道路無料化は環境対策と矛盾する。 |
交通労働者 |
(規定なし) |
交通機関の安全確保のため、交通労働者の最低労働条件確保も理念とすべき。 |
具
体
的
な
施
策
・
財
源
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「共助」の視点 |
国の補助制度を充実するとともに、可能な限り自治体や交通企業などによる地域の協議会の自主的な取組みに対して一括して交付する仕組みに改める。
交通分野には健常者が移動に困難を伴う人々を支え合う「共助」の考え方が欠けている。「共助」の視点を加えて、国も地方も「公助」の内容を充実する。
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「共助」というのが、自家用車利用者が負担する自動車関係諸税を自家用車が使えない移動制約者向けの施策にも使うという意味ならばよいが、国の責任回避に使われる危険性がある。移動制約者の移動を保障するためには国の財政措置が不可欠であり、「共助」を口実に民間やボランティア任せは許されない。 |
自動車関係諸税 |
地球温暖化対策税や自動車関係諸税の見直しにあたっては、環境負荷の少ない交通機関や自動車に配慮する。 |
燃料税や道路財源を見直し、環境だけでなく移動制約者への運賃補助など交通政策全般に財源を活用する必要がある。 |
国と地方 |
国の支援措置は地域の自主性を尊重することを基本におきながら充実・再構築していくことが必要。 |
現政権の政策から地方分権が入ってくる可能性がある。無原則な地方移管は、国の責任放棄、安全軽視につながる。 |
国際競争力 |
(民主・社民党共同提案の法案)国際交通機関・関連施設の整備は、国際競争力の維持及び強化が図られることを旨として、行われなければならない。 |
以前に提出された法案には、国際競争力の維持・強化という表現があり、規制緩和への無反省を示していた。これが踏襲されないようにする必要がある。 |
「これからも全力でがんばる」
仲間の支援で解雇撤回
宮城・キュットタクシー争議
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今回のスピード解決の経緯を話す小野寺弁護士=7月6日、仙台・森のパルク |
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決意を話す佐々木さん
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【宮城】キュットタクシー争議勝利報告集会が7月6日、仙台市・森のパルクで開催され、30人が参加しました。
冒頭、主催者を代表して、ハイタク一般労組石垣委員長は「規制緩和後の新規参入会社で、初めての組合員であり、会社側の攻撃もひどかったが、組合員の団結と全国の仲間の支援、弁護士さんの協力のもと、勝利することができた。さらに、キュットタクシーに新たな組合員を迎えることもできた」とあいさつしました。
弁護団を代表し、小野寺弁護士は、「キュットの争議は、自交総連の団結の力で、異例のスピードで解決した。証人尋問では、会社の不当性を完全に明らかにでき、勝利和解となった」と、報告しました。
その後、自交総連本部、東北ブロック、鶴見弁護士、県労連、交運共闘から激励のあいさつがありました。
最後に、解雇を撤回した佐々木さんは、「私を信頼し、勝利に導いてくれたみなさんに心から感謝申し上げます。これからも自交総連の一員として全力でがんばります」と決意を話していました。
申し入れに応じず門前払い
富士急東京本社へ要請
石川タクシー富士宮労組
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玄関前で交渉の申入れを要請する自交総連の代表=7月5日、東京・富士急東京本社前 |
【静岡】石川タクシー富士宮労組支援共闘会議は7月5日、東京・初台の富士急東京本社を訪問し、富士急グループの一員企業である石川タクシー富士宮Xの解散・事業廃止に関して、労働者の救済と雇用確保を求める要請行動を行いました。
要請行動には当該組合員2人の他、本部鈴木副委員長、菊池書記次長、東京地連2人、静岡地連2人が参加しました。
午前11時に現地を訪れると、玄関前には会社関係者や警備員数名が待ち構えており、こちらの交渉の申し入れには一切応じず門前払いにされ、要請書はまったく受け取ってくれませんでした。
当該組合の諏訪部みゆき委員長は、「いつものことだが、富士急の不誠実な対応にはあきれる」と感想を述べ、要請書は後日内容証明で郵送しました。
裁判は、8月19日に第1回口頭弁論がひらかれます。
減車が進むよう意思統一
意識持ち組織拡大にとりくむ
埼玉地連 第36回中央委
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埼玉地連第36回中央委員会=6月27日、ふじみ野交流センター |
【埼玉】埼玉地連は6月27日、ふじみ野交流センターで、第36回中央委員会を開催。例年は6月初旬に開催していましたが、各交通圏での減車状況を集約するために6月下旬の開催となりました。
中央委員会では、春闘の中間総括が行われ、4・14統一行動では各単組でスト権の確立や事前に埼労連加盟職場へのスト応援行動等の活動を通じ、幹部活動家の育成につなげることができたことを評価しました。
また、組織拡大では、この春闘期間に3単組が新規加盟し今までにない前進であることを評価しましたが、産別組織全体では減少傾向であるため、埼玉地連組合員が地方組織の中心である意識を持って組織拡大にとりくむことが大事であると総括しました。
減車状況では、現在、労働条件改善に反映する減車は行われていませんが、地域計画では賃金を柱に改善することが決定されているため、このことを最も重視し、各職場では闘争を強め、減車がよりいっそう進むようにとりくむことなどを意思統一しました。
一日も早く核をなくすために
130人の仲間が元気に行進
大阪地連
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組合旗やのぼりを掲げながら行進する大阪地連の仲間=7月4日、大阪市内 |
【大阪】大阪地連は7月4日、『2010年度原水爆禁止国民平和大行進』の『網の目行進』(大阪市住之江区役所前→四天王寺西門前)に責任団体としてとりくみ、130人のなかまが約7qの道のりを「核兵器廃絶」「普天間基地無条件撤去」を沿道の人々にアピールしながら元気に歩きました。
出発式で大阪地連の岡田委員長は「5月にニューヨークでひらかれたNPT再検討会議で核兵器廃絶へのいっそうのとりくみ∞具体的な進展≠核保有国に求める最終文書が採択されるなど、世界では反核平和の機運が高まっているにも関わらず、いまなお核抑止力論が根強く残っています。私たちは一日も早く核兵器をなくすために運動を強めていかなくてはなりません」と訴えました。
また、住之江労連議長としてあいさつした大阪地連・池田副委員長は「昨年の原水禁世界大会・長崎で原爆被害の実相を学習し、戦争反対、核兵器廃絶への思いを強くしました」と述べ、同大会・広島への参加を呼びかけました。
行進が始まるとなかまは汗をぬぐいながら「日本に基地はいらないぞ!」などとシュプレヒコールに声を張りあげました。
外に出て多くの人と議論を
学習会に28人が参加
東京地連・青年部
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講義を行う蒲田弁護士=7月4日、栃木・鹿沼レクリエーションセンター |
【東京】東京地連青年部は7月4、5日の両日、栃木県・鹿沼レクリエーションセンターで泊り込み学習会を行いました。
講師として江東総合法律事務所の蒲田哲二弁護士を招き、「自交総連の過去・現状・未来」と題し、約2時間にわたり講義が行われました。
蒲田弁護士は自身と自交総連の長年にわたる運動の中で、昔と今を見比べ「昔の自交総連は弁護士を育てるくらい勢いがあった。今は夏季研究集会などの全体討論などを見ても、形式化しているように見えていて魅力がない。もっと全体の討議を巻き起こすべきだ」と述べて、長年にわたる自交総連の減車闘争が一定の形で実を結ぼうとしている中で、青年部は特に、外に出て行って多くの人と議論をして欲しいと話しました。
2日目は体験学習として、スモークベーコン作りに挑戦し、3単組28人が参加しました。
新加盟のなかま |
(788)秋田・横手観光タクシー労組 |
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会社再建にむけ奮闘
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【秋田】横手市にある横手観光タクシーではたらく仲間は6月2日、横手観光タクシー労組(小原和夫委員長、28人)を結成、自交総連に加盟しました。
今年4月突然の会社閉鎖、全員解雇が通告され、地域労連に相談。宮城地連に県労連から相談があり、本部今村書記長と石垣書記長がオルグを行い、労働債権については、賃確法にもとづき申請し、現在は会社再建にむけ奮闘しています。
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