すべての職場で要求提出へ各地で減車にむけ議論展開11春闘
大幅減車、賃金底上げと職場権利の確立、組織の強化拡大を 2011年春闘――各地では、春闘へむけ、討論集会、中央委員会などで、減車実現にむけた議論や、すべての職場で要求を提出し、一職場一重点要求獲得への意思固めが行われています。
春闘で累進歩合撤廃を要求
討論集会では、タクシー、ハイヤー、技職のそれぞれの分散会にわかれて、議論が行われ、「今春闘では、累進歩合の撤廃や賃金・労働条件を含めた合理化阻止などを要求していく」(タクシー)、「地連の方針を基本に、よりいっそうの組織強化にむけて一丸となって活動する」(ハイヤー)、「減車により休車が少なくなり、整備時間を減らされる方向に進み、整備にしわ寄せがきている」(技職)などの議論が交わされました。 減車率の低さを世論に訴え 中国ブロックは2月8日、岡山で第8回総会・春闘学習会をひらきました。減車率が低い中国地方の状況等を学び、世論にも訴えて局・支局交渉にとりくんでいくことなどを意志統一しました。 会議では、高齢者の再雇用問題(岡山)、世代交代の必要性(広島)、最賃放棄の誓約書を書かせる会社がある(山口)などが報告され、広島では新組合が加入したとのうれしい報告もありました。 翌日には岡山・広島で宣伝を行いました。 アルコール検査会社間に差
討論集会の分科会では、4月から義務化されるアルコール検査について、簡易検査機が点呼場にあるだけで記録をまったく行っていない会社や最新の機器を導入して行っている会社など、会社間でのとりくみに差があることが報告されました。 流れ変えるチャンスがある
中央委員会では、園田委員長が「今春闘でひとつ言えるのは、情勢が難解で見えにくいだけに、逆に一箇所突破すると一気に流れができあがる可能性がある。それは、タクシーだけが規制緩和の流れに反対して、規制強化の流れを作り出すことができたという私たちの歴史が物語っている。我々が突破することで、日本全体の流れを変えうるチャンスが目の前にあるという確信を持ってとりくんでいってほしい」とあいさつ。その後「自交産業の将来を決める可能性を含んだ今春闘で、適正賃金にもとづく大幅減車、上限運賃の確保及び社会的水準の労働条件を獲得するため、全力で団結して闘おう」とする春闘アピールを採択し、意志統一しました。 実効性ある大幅減車の措置を「検証の結果不十分ならとりくみ強める」京都、大阪地連・行政交渉
運輸局交渉では、対応した近運局自交部・竹内旅客二課長が、昨年度の日車営収が対前年比プラスに転じていることについて「大阪府全体の運送収入が前年より下がっている中で日車営収が上がっているのは減車の効果であり好ましい状況」と評価しました。 これに対し、大阪地連の園田委員長は「一昨年の落ち込みに比べれば昨年の回復は微々たるものだ。車の数が減ったことが減車の成果といえるのか。タクシー労働者が普通に働けば普通に生活できるようにすることが適正化の目的だ」と指摘したうえで、今後の局の具体的なとりくみを質問。同課長は「ヒアリングの次の段階として、全然動かない会社に対しては(特措法の)附帯決議に基づいて経営状況など一定の調査を行う」と答えました。 京都地連のなかまは、「京都の地域協議会が打ち出した減車500台が計画通り実行されたとしても、京都運輸支局の試算では1乗務営収2万6000円、年間賃金238万円の見通しだ。この金額で適正だと思うのか」と迫りました。 局側は「確かに238万円は低いと思う。京都も大阪も今後の検証が大事。検証の結果不十分であれば、地域協議会の中でとりくみを強めていきたい」と明言しました。
北海道・三和交通清田労組 更新拒絶に合理的理由なし一方的な賃下げ無効と判断札幌地裁 三和交通では、大半の乗務員が60歳未満でも嘱託1年雇用とされていますが、会社は09年6月に一方的に嘱託の定年を62歳とし、歩合率を55→54(定年後53)%に引き下げてきたことから、同月、自交総連の組合ができました。 工藤さんは10年5月に更新期日がきましたが、新たな契約書が歩合率54%、期間は62歳の誕生日までとなっていたため、従来の条件とするよう求めたところ、会社が更新を拒否してきました。 仮処分決定は、従来から嘱託者は本人が希望する限りは契約が更新されてきたなどの事実を認定し、更新拒絶には労働契約法16条(合理性のない解雇の無効)が類推適用され、合理的理由がなければ権利の濫用になるとしました。 そして、09年6月の一方的な労働条件の改悪は労働者代表の意見も聞かずに一方的に就業規則を改悪したもので無効と判断、効力の発生していない労働条件を押し付けようとして更新を拒否した会社の行為には合理的理由がないとしています。 独禁法との関係で通達活性化法のとりくみの留意点国交省 【解説】新潟で下限割れ運賃事業者が値上げをして自動認可内にほぼ同一化されたことについて1月に公正取引委員会(公取)が独占禁止法(独禁法)違反の運賃カルテルの疑いがあるとして立ち入り検査に入ったことから、活性化法にもとづく減車や運賃適正化と独禁法との関係で疑問が広がっていたため、国交省が公取と協議した上でまとめました。 通達では、タクシー活性化法に従った取組みを行うことについては独禁法上問題はないとした上で、別表のように、問題のあるなしを記述しています。 減車や運賃適正化について労働組合が要求することは従来から独禁法上も何ら問題はありません。 よこてタクシーとして再スタート組合員の念願かなう秋田・横手観光タクシー労組
前身の横手観光タクシーは、昨年4月に倒産。その後自分たちの手で職場を守ろうと労働者が団結し、自主再建にむけて奮闘。この間未払い賃金を獲得するなどの成果をかちとりながら、再建にむけて着実に前進し、前社からの譲渡譲受で1月31日に東北運輸局より一般乗用旅客自動車運送事業が認可されました。 まごごろでがんばる 今回の自主再建スタートについて当該の小原委員長は、「昨年4月の事業停止、全員解雇から10か月、やっと組合員の念願である自主経営の“よこてタクシー”をスタートすることができました。これもひとえに自交総連をはじめ、県労連のみなさんの全面的な支援の賜物と思い組合員一同感謝しています」と謝辞を述べています。 また、今後については、「今回のことを新聞で見たと全国から激励の電話や励ましの言葉をいただき、以前利用していた地元のお客さんからも、「待ってたよ」「また乗るよ」などの言葉や中には涙を流して喜んでくれる人もいて、これからはみなさんに喜ばれる“まごころタクシー”としてがんばりたいと思います」と決意を話しています。 減車には組織力の必要痛感和歌山第38回大会
大会では、和歌山の減車はほとんど進んでいないこと、売上げは減る一方であることなどの現状が出され、減車を進めるよう要請するにしても組織力が必要だと痛感。生活相談や宣伝活動で組合のことを知らせ、仲間を増やしていこうと意志統一しました。 委員長=寺村正夫▽副委員長=佐野至則、仲睦治、浅田憲彦▽書記長=杉本孝 アルコール検知器不備などを創設監査方針、行政処分を強化国交省 国土交通省は昨年12月15日、タクシー・バス・トラック事業の事故削減、事後チェック機能の強化などを図るため、自動車運送事業の監査方針、行政処分基準等を改正し、4月1日より施行することとしました。 【解説】今回の改正では、4月より、アルコール検知器の使用義務化に伴い、事業所に備えていない場合などに対し車両停止基準を創設したほか、営業区域外運送の罰則強化、また、車停の際に違反行為に使用された車両が処分できるように、車停対象車両を指定する基準の明確化などが図られています。 また、監査方針の改正では、無通告で事業所に立ち入る巡回監査のいとぐちとして、自動車事故報告規則に基づく「自動車事故報告書」に記載された内容に道路運送法、道路交通法など法令違反の疑いがあった場合が追加されています。
【広島】東広島市にある西条タクシーにある西条タクシー労働組合(沖本英則委員長、28人)は2月5日、自交総連への加盟を決めました。 会社より、月例給2〜3万の賃下げ提案がされ、一度は阻止できたものの、将来への不安を感じ、労働法に詳しい組織が必要と考え、全員集会で議論し、臨時大会も開催。元自交総連組合員からの働きかけもあり、加盟を確認しました。 |