労働条件改善にはまだ不十分全国の減車進行状況 タクシー活性化法が施行されて1年半以上が経過し、供給過剰として特定地域に指定された地域では地域協議会がひらかれ、地域計画を策定。それにもとづいて各事業者が事業再構築(減車)を含む特定事業計画を提出、認定されています。 事業再構築で計画された減車(休車を含む)は2・4万台で、すべて実施されるとタクシーの数は、規制緩和以前の水準に戻ることになりますが、運輸局が提示した適正車両数と比べると減車は不十分です。また、タクシー活性化法の本来の目的である労働者の労働条件改善という点から見るといっそうの減車が必要です。 中型車でも小型運賃の適用認める
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東北の東日本大震災被災地では、多くのタクシー車両が流出・損壊、事業再建のためには車両の確保が重要課題となっています。しかし、被災したのがほとんど小型車なのに対し、東京や大阪では支援提供できる車両が中型車両であり、それを現地に移送しても中型運賃が適用となると活用できないという問題がありました。被災地では、中型車両でも小型運賃で運行できるようにする特例が強く求められていました。
通達では、岩手・宮城・福島の3県では特例として、来年5月末まで、損壊した小型車の代替として使用する車両については中型車両であっても小型運賃の適用を認めるとし、今年6月末までに認可申請を行うという手続を定めています。
自交総連も国交省に特例措置を要請
自交総連は5月13日午前、仙台から上京した石垣副委員長ら3人で国土交通省に要請(写真)、対応した旅客課辻専門官が、要請の趣旨を受け止め、特例を認める方向で通達の準備をしていると答えていました。
要請した石垣副委員長は、さっそく現地の組合、事業者に通達が出ることを伝え、事業再建に役立つ通達が出て、現地の関係者は大変喜んでいました。
タクシー労働者と男子常用労働者の労働条件比較(09年分)がまとまりました。
前年と比べて、タクシー・男子常用とも賃金が下がっていますが、男子常用の下げ幅が大きく、年収格差は昨年より縮まり234万円となりました。
しかし、労働時間はタクシーが年間425時間も長いため、時間賃金にすると、タクシーは男子常用の42%にしかなりません。県別で格差が最も大きかったのは茨城県で、年収格差は342万円、時間賃金の比率では31%にしかなりませんでした。
(注)この資料は、以前から自交総連が独自に集計しているもので、タクシーは「賃金センサス」、男子常用は「毎月勤労統計要覧」を用い、全国平均は47都道府県の単純平均としています。事業者団体や業界紙で公表されるものとは数値が異なります。
詳しい数値は月報5・6月号に掲載しています。
警察庁が毎年まとめている自殺者の統計がまとまりました。
2010年の全自殺者数は3万1690人と昨年に比べ1155人の減少となりましたが、依然として3万人台という高止まりの傾向となっています。
男女別では、男性が2万2283人、女性が9407人となりました。
職業別では、警察庁の統計方法の変更により、今までの自動車運転手という区分が、通信運輸従事者とされたため、以前と比較はできませんが、通信運輸従事者のうちの運輸従事者は、484人と前年(500人)より減少しました。
97年には2万4391人だったのが、98年には3万2863人に急増、以降は3万人台が続いています。
また、2010年の自殺者数は前年に比べ減少してはいるものの、1日あたりでは約87人が自殺している計算になります。
要請書を読み上げる飯沼委員長=5月18日、都議会会議室 |
東京都に対してはタクシー担当の部・局の新設。バスレーンへのタクシーの乗り入れ。福祉・介護タクシーの拡大・充実などに加え、災害時にタクシーを緊急輸送機関と位置づけることなど具体的な施策について要請しました。
要請に対して都市整備局の職員は、新たな部・局は国が所管する法律があるのでできない。震災対策担当官からは、タクシーを含め災害時にスムーズな輸送機関としなければならないなど、回答しました。
警視庁にはタクシーを集中的に取り締まるのではなく、本来の適正な取り締りを実施することや、災害時における交通の規制対策を明らかにすることなどを要請しました。
警視庁の担当官からは、東京都に要請した内容もふまえ、後日文書で回答しますと返答がありました。
乗務員と対話する宣伝行動参加者=5月11日、指宿駅前 |
宣伝行動は本部及び地連のビラ約300枚、参加者のべ34人、総走行700キロを走破し減車の必要性と労働組合結成による労働条件改善を訴え、乗務員と対話し、地連加盟の自教の職場へも激励のマイク宣伝をしました。
地方(郡部)の方が営業収入は良く、特に指宿駅においては、新幹線効果があり忙しいとのこと、反対に鹿児島市内の乗務員は車が多すぎてあまり効果は無く、減車をしなければ飯が食えないと嘆いていました。
また、勤務時間についてはメチャクチャな状況で、私たち労働組合の運動前進の必要性を痛感する行動となりました。
減車は実績見ながら検証
また、9日に行われた支局交渉には13人が参加しました。
山崎地連委員長が山田首席運輸企画専門官に要請書を手渡し、現在の減車の状況及び見解について質し、「減車については実績を見ながら検証し、減車の少ないところを重点にヒヤリングを行う」「苦情及び法律違反等について重点的に監査をしていく」との回答を得ました。
第35回機関紙コンクールと写真コンテストの応募を受け付けています。
みなさんからのたくさんの応募をお待ちしています。
【機関紙】部門=A単組機関紙、B地連機関紙、Cビラ・速報、D壁新聞、パンフなど▽対象=今年1月〜6月に発行したもの、機関紙は連続3回以上▽応募=応募用紙に必要事項を記入して添付▽注意=日常的な発行、本部への送付状況も審査の対象です。応募作品以外にも、ぜひ普段から送ってください。
【写真】部門=組合運動の部、一般の部▽対象=組合員が一昨年7月以降に撮影したもの▽応募=下の応募用紙と別紙に写真説明を記入して添付。
【共通】締切=6月末日▽審査=7月中▽発表=本紙9月1日付▽賞品=各部門ごとに、特選3万円、入選2万円、佳作1万円、努力賞5000円。