到達点とこれからの課題探る政策研究集会で意思統一
この集会は、新たな情勢を迎えた状況のもと、これまでの到達点とこれからの課題を探り、全組合員の意思統一のもとにその実現にむけ奮闘するために開催されました。 幹部育成と組織拡大が課題次年度方針を議論第5回中執
春闘中間総括では、(1)要求はどれだけ実現したか、(2)組合員の団結、意識はどれだけ高まったか、(3)組織は拡大したか、などを重点に議論しました。 要求獲得では、東日本大震災後に売り上げが激減するなかで、現行賃金体系維持での集約が多くなっていますが、震災の緊急措置として足切り引下げや賃率アップ、解決金を獲得したことを評価としてあげています。 政策闘争の評価では減車に協力しない事業者に対し、最賃告発闘争をはじめ世論で包囲する闘いを進め、悪質企業を減車に追い込んだ成果や、減車に協力しない事業者に対する監査の通達を出させたことなどがあげられています。 次年度の運動方針では、組織拡大は進んでいるものの、高齢化の進行から、数年先を見据えた幹部育成と組織強化・拡大が喫緊の課題ということが出されました。 今回の委員会での議論は7月の常任中央執行委員会でさらに内容を深めていきます。 台数規制と運転者優位のしくみの確立を危機打開と解決策の実現に全力で枠組み超えた発想の転換重要政策研究集会では、北海学園大学の川村准教授の基調講演に続いて、今村書記長が、「必要な規制の強化で安心・安全、タクシーの確かな再生へ」とする問題提起を行い、「タクシーの枠組みを超えた発想の転換が重要で、台数規制と運転者優位のしくみの確立であるタクシー運転免許の法制化≠ニ地域に密着した公共交通機関たるタクシーの発展≠フ2つの目標を運動の基本に、現状の危機打開と解決策の実現にむけ全力でとりくもう」と呼びかけました。その後、宮城地連の石垣書記長が特別報告を行いました。 タクシー規制緩和の帰結と運転者の労働条件改善の課題について北海学園大学准教授 川村 雅則
規制緩和の結果 規制緩和がされる時、推進派は、(1)規制緩和で高コスト構造を打破する(2)経済的規制と社会的規制は分離すべきだ(3)事前規制の緩和と事後規制の強化のセットで問題は起きない――と主張した。 しかし、日本では労働規制が弱いという特徴のもとで、社会的規制は十分でなく、事後規制も効果がなく、悪い面が労働者にしわ寄せされてしまった。 規制緩和がもたらしたのは、◇交通需要と乖離した供給増◇労働条件の悪化、労働力の高齢化と非正規化◇安全性の低下、事故及び事故率の増加◇仕事場である公道の環境悪化、などであり、結局は、持続困難・不可能なタクシー産業になってしまった。 労働集約産業のタクシーで規制緩和を実施したことの問題を検証する必要がある。 持続可能な交通に
持続可能で、安心・安全な交通運輸産業のためには、(1)持続可能な社会(2)生活交通中心(3)社会的公正重視が必要となる。 今後の交通政策は、労働政策との融合が必要で、大都市・地方都市・過疎地それぞれのレベルでの具体的提案や福祉や環境政策とも連動する政策が求められる。運輸行政労組との連携も必要だ。 労働時間、とくに改善基準告示の改正や雇用形態の規制と量的規制の連動が必要で、ドライバーライセンスもその点で、ハードルを高めて社会的地位を向上させるという点で重要だ。 今後も自交総連と協力して健康や労働時間調査などをしていきたいと考えている。 会場からの発言では6人が発言し、地方での実情や、他団体、他産別からの視点としての報告がありました。
定年の上限の議論はじめる 東京地連・梅田裕一書記次長 年齢制限の問題は、東京地連でもとりくんでいる課題で、定年年齢上限実態調査を行い、安心・安全を担う産業として、年齢の上限に対して議論をはじめたが、当時から問題意識をもっていたことに、この構想のすばらしさがある。
研究会など立ち上げ議論を 大阪地連・庭和田裕之書記長 大都市、地方、郡部の問題をもう一度洗いなおして、免許制度の方向性、細部などを再検討しなければならない時期にあると思う。本部としても研究会なり、委員会を立ち上げて議論を加速させるよう提案したいと思う。
減車で若者に魅力ある職業 鹿児島地連・瀬戸山実義書記長 九州各地域の平均年収は200万円そこそこだ。自交総連の組織のある、佐賀、長崎、大分の実情も10%前後の減車率で、減車を行わなければ、若者に魅力のある職業にはなりえず、夢と希望のもてる職場はありえない。
非協力事業者を社会的包囲 石川地連・井上登書記長 地域計画に基づき作成された減車計画に非協力的な事業者に対しては、自治体が使用するタクシー会社を差別するなど、社会的に包囲していく運動が必要だ。もうひとつのタクシー確かな再生にむけて奮闘していきたい。
適正な賃金の支払いが必要 交運共闘・藤好重泰議長 公共輸送サービスを担うものとして、適正な賃金が支払われることは必要だ。交運共闘として、交通基本法のなかに、産別最賃を盛り込む運動をみなさんとがんばりたい。安心・安全を基本にこれからの運動をすすめていく必要がある。
減車にむけ現場の運動重要 交運研・田中茂冨事務局長 タクシーの減車については、協議会などで議論がすすめられているが、実際に減車をするのは経営者であり、その経営者がブレーキをかけてしようとはしない。そのためには、現場での運動が重要なので、みなさんの奮闘に期待する。 東日本大震災に見たタクシー産業の役割と課題宮城地連書記長 石垣 敦
震災当日は、多くの組合員が乗務中に地震と津波に遭遇し、命からがら津波から逃げた者もいた。多くの運転者が利用者の要望にこたえて家族の安否確認もできない中で、地震直後からタクシーを稼働させ、唯一の公共交通機関としての役割を果たした。 地震で、自家用車での移動は困難になった。停電で信号の停止による交通マヒが起こり、渋滞により逃げ遅れ津波に巻き込まれる被害も発生した。 その後もガソリン不足により自家用車は動けない事態が続いた。 飛行機、鉄道などは回復までに相当の時間がかかる中で、タクシーは当日から動き、大量の報道陣の移動や弁当運びなどで、地理に詳しい地元のタクシーが活躍した。 いまは仙台ではタクシーの需要は高まっているが、この状態はいつまでも続くものではない。 被災地では会社の再建で困難状況もある。 大震災でタクシーの役割を改めて感じることができた。 個タクの組織拡大が不可欠福岡でとりくみを講演東個労
この講演は、これからタクシー労働運動の前進のためには個人タクシーの組織拡大が不可欠として、今回の企画となったものです。 30人が参加した集会では、安武委員長の開会のあいさつの後、東個労・仲委員長が、(1)個人タクシー事業者に労働組合がなぜ必要か、(2)産業別労働組合だからできること、(3)現状をどう変えるか――の各テーマを約90分、具体的な資料を出して分かりやすく講義しました。 その後、質疑・応答があり、質問者から「道交法闘争について」などの質問がありました。 講演終了後、東個労と福岡地連の懇親会が催され、今後とも交流を深めていくことを確認しました。 バス397台 タク128台 全国から集まる被災地への車両提供状況公表国交省国土交通省は5月30日、東日本大震災により被災した東北地方(岩手・宮城・福島)の被災地のバス事業者・タクシー事業者への車両の提供状況を公表しました。今回、公益社団法人日本バス協会、社団法人全国乗用自動車連合会の被災地支援の呼びかけに応じ、グループ会社間の協力を超えて、全国のバス事業者・タクシー事業者から、バス397台、タクシー128台が集まり、左表のように被災地への提供が行われました。 全国から533万円超集まる宮城・福島両地連から感謝の声みなさんから寄せられた義援金は6月9日現在、533万9809円となりました。 自交総連本部では、これまでに宮城・福島両地連と全労連に別表の金額を送金しました。 全国からの義援金に対して、宮城・福島両地連の委員長より、お礼の手紙が届いていますので紹介します。 励ましの言葉に救われた 宮城地連中央執行委員長 本間 昭 自交総連本部から4月12日、飯沼委員長と宮竹書記次長が、義援金や支援物資を持って、本部の宣伝カーで震災見舞いに見えました。宮城地連事務所では、地連三役と懇談し、その後石巻の北上労組の組合員の激励が行われました。 全国のみなさんから連日届く激励の言葉、そして懸命に募金活動をしてくださっている姿にどれだけ救われたか、言葉に表しようもありません。みなさんのご支援の下、少しずつではありますが、着実に復興へむけて歩みはじめているところであります。本当にありがとうございました。 物心両面での支援に感謝 福島地連中央執行委員長 鎌田誠喜 このたび、全国の仲間のみなさんから寄せられた多くの救援物資・義援金を4月13日に本部の飯沼委員長・宮竹書記次長が直接福島地連を訪れ、激励とともに、みなさんからの善意を被災者に届けていただきました。全国のなかまのみなさんには物心両面での大きなご支援に深く感謝申し上げます。 地震・津波による家屋の倒壊・流失、そしてさまざまな分野でその影響が拡大し深刻な状況が続いている、東京電力福島第一原子力発電所の事故を一刻も早く収束させ、安全な環境で働けるように切望しています。困難な状況の中、くらし・雇用など、情勢・環境はますます厳しさを増していますが、明るく、粘り強く、さまざまな困難に立ち向かって、奮闘する決意です。 減車しない限りくりかえし監査非協力事業者対策の通達出す国交省 国交省は4月13日、「特定地域におけるタクシー事業者の経営状況等に関する調査・監査の実施について」とする通達を出しました。 この通達は、タクシー活性化法成立時の附帯決議で、減車等に協力しない事業者については経営状況を確認することなどが指摘されていることを踏まえ、非協力事業者に対して調査票を送付し収支状況、輸送実績、運転者の拘束時間等を報告させるものです。 違反が見つかれば、処分され、減車しない限り、くりかえし監査されます。 詳細に経営状況、労働時間等を調べることにしており、ほとんどの会社で違反が見つかる可能性があります。 しかし、タクシー活性化法は、もともと運転者の労働条件改善のために地域で協調的に減車をすすめるためのものです。劣悪な労働条件で減車もしていない事業者に対しては当然の措置です。 機関紙コンクール 写真コンテスト応募受付中第35回機関紙コンクールと写真コンテストの応募を受け付けています。 みなさんからのたくさんの応募をお待ちしています。 【機関紙】部門=A単組機関紙、B地連機関紙、Cビラ・速報、D壁新聞、パンフなど▽対象=今年1月〜6月に発行したもの、機関紙は連続3回以上▽応募=応募用紙に必要事項を記入して添付▽注意=日常的な発行、本部への送付状況も審査の対象です。応募作品以外にも、ぜひ普段から送ってください。 【写真】部門=組合運動の部、一般の部▽対象=組合員が一昨年7月以降に撮影したもの▽応募=下の応募用紙と別紙に写真説明を記入して添付。 【共通】締切=6月末日▽審査=7月中▽発表=本紙9月1日付▽賞品=各部門ごとに、特選3万円、入選2万円、佳作1万円、努力賞5000円。 |