タクシー活性化法を検証経営者の社会的責任追及を
中央執行委員長 飯沼 博 新年を迎え、震災・原発事故で被災され、仮設住宅また故郷を離れ避難先で新年を迎えた方々を思うと、心からお祝いの言葉を贈れない心境です。 タクシー活性化法は、タクシーを公共交通機関と明確に位置づけ、地域計画では、主たる目標をタクシー運転者の労働条件の悪化防止、改善、向上としました。しかし、依然として異常な低賃金が全国的に恒常化しています。減車闘争は一定の前進をみたものの運送収入は伸び悩み、期待するような賃金増となっていないのが現状です。タクシー活性化法の実効性を検証するとともに、個々のタクシー経営者の「企業の社会的責任(CSR)」を追及します。 減休車未実施事業者や低い減休車率を背景に、競争ルールを無視し法律違反を続けている悪質事業者を地域から一掃するとりくみを強化します。 バス、教習所の社会的役割発揮を また、安全輸送が大前提の観光バス、公共的性格を有する教育機関としての自動車教習所の社会的役割には、極めて重いものがあります。労働組合としてのチェック機能を発揮し、不法・不正行為もいとわない企業体質の改善、雇用の安定と働く権利の確保、社会貢献、環境保護などのとりくみを強化します。 貧困と格差に反対する運動が世界に広がっています。「1%による腐敗と私利私欲をもはや容認できなくなった99%がわれわれだ」――上位1%のための経済システムと政治を、圧倒的多数の国民の連帯で変えていこうではありませんか。 唯一残った岩手に自交総連の旗を副委員長 石垣 敦 昨年は大震災により甚大な被害を受け、全国の仲間の支援の下、元気よく復旧のとりくみを強めてきました。減車や労働条件改善では、影響を受け、思ったようなとりくみにはなりませんでした。 今年こそは、公共交通を担うにふさわしい労働条件を築くため、全力でたたかいます。 東北ブロックでは、昨年秋田県に新たに地連を結成することができ、残るは岩手県のみとなっています。自交総連の旗を立てるため、ブロックの宣伝行動や県労連の力も借り、とりくみを強めたいと考えています。 定例宣伝で空白県の組織化めざす副委員長 鈴木 勇 特定地域におけるタクシー労働者の賃金・労働条件を改善することを主目的にタクシー活性化法が施行されて3年目を迎えます。 2012年春闘は、地域協議会がまとめた適正化・活性化の実施状況とその効果が検証されるなかたたかわれる春闘です。 東京地連をはじめ関東ブロックに結集する各地連(本)は、その先頭にたってたたかいます。 さらに組織の強化・拡大で飛躍の年にするため東京、埼玉では、定例宣伝行動を実施し、空白県での組織化に奮闘します。 もう一つの日本へチャレンジの年副委員長 園田公作 再出発、否、新しく「もう一つの日本」を作り上げるチャレンジの年が始まりました。 大阪、京都とも達成した減休車では労働条件の改善は進まず、和歌山の紀南地区は、運賃改定したにもかかわらず、各社が合理化・賃下げを行うなど課題は山積しています。関西ブロックでは、「金さえ取ればの労働運動では自らを滅ぼす」しかし「現状を打破するには数の力が必要」だと、裁判闘争支援も兼ね、和歌山での1日行動と山陽地域中心の2泊3日宣伝行動にとりくみます。大きく構えて緻密に行います。 賃金底上げ、権利確保を第2回中執 12年春闘方針案など討議
提案された春闘方針(案)は、「職場・地域で共同拡げ、賃金底上げと権利確保、景気の回復を 2012春闘」をスローガンに、生活できる賃金と雇用の確保、景気回復、社会保障の拡充、消費税など庶民増税反対、震災復興と景気回復などを求める労働者・国民との共同の闘いとしてとりくまれます。 来春闘では、確実な減車推進にむけ、(1)運輸局前での座り込み、要請行動を計画。(2)減車非協力事業者一掃にむけ利用者宣伝を計画していることなどが報告されました。また、組織拡大にむけて、各地連(本)で具体的な拡大目標をもってとりくむことが議論されました。春闘方針(案)は1月に開催される第34回中央委員会で確立されます。 富士急は社会的責任を果たせ本社前で宣伝行動静岡・石川タク富士宮
山梨県富士吉田市にある本社前に、支援共闘会議の林議長(静岡県評議長)をはじめ、県評、地連、石川労組の全員が集まり総勢28人で午前11時から宣伝を開始しました。林議長が、親企業の社会的責任を指摘して、交渉に応じるよう求めましたが、本社では固く門を閉ざして要請に対応しないため、宣伝カーから訴えを続け、河口湖駅前、富士急百貨店前でも宣伝しました。 事前に一言の説明もなく、ある日突然、全員クビを言渡し、再就職の世話もないという富士急の非常識なやり方を訴えると、ビラを受け取った通行人の方からは「富士急のやり方はきたないですね」と同情されました。 累進歩合問題などの解決をブロックごとに宣伝・集会東京・秋闘統一行動
東部の日の丸交通労組は、団交の経過を知らせ、組合加入を促すビラを配布。西部のグリーンキャブ労組は機関紙を配布して組合の存在感を示しました。 北部の東都労組では、団交の経過を記載した機関紙を各支部で配布。組合員からは、定年延長や累進歩合問題の解決を望む声が聞かれ、11月に入ってから日車営収が伸びていないとの声が多く、さらなる減車を望む声が出されました。 三多摩ブロックの東日本キャブ労組は、職場内ではじめての要求となる年末一時金と年末年始特別手当の支給についてビラを配布しました。八洲交通労組では、ビラを配布しながら自交総連の闘いを執行部が説明、他社の運転者にも配布するように組合員に依頼しました。 個人加盟労組は11月14日にキャラバン宣伝を実施。浅草からスタートし、7か所で対話をしながら個人加盟労組の宣伝ビラを手渡しました。東陽町でつけ待ちしていた乗務員は「会社は来年1月に賃下げをすると言っている。何かあったら連絡します」と個人加盟労組に期待感をもって話しました。 制裁金制度廃止しろ234人が深夜に宣伝行動大阪・関協関係労組
深夜のビラまきに地連の仲間の支援も含めて234人が参加しました。大阪地連と連名のビラでは、最低賃金以下の賃金や関協の罰金(制服などの規定違反)、嘱託者へ有休を付与しないのは違法行為であり、団結して法律を守らせよう、大阪地連には個人でも加入できますと呼びかけました。 ビラを受け取った乗務員からは、「一体何でんねん。ぎょうさんの人でびっくりした」と驚かれることもありましたが、「罰金をとられんようになったんは、アンタらのおかげや。関協はおかしい。うちでは最賃を切ってるのも、ぎょうさんおるで。がんばってや」と激励を受けました。 その半面、太平タクシーや駒姫タクシー住吉営業所の行動では、組合の委員長からビラ配りに対してのクレームがありました。 「なくす会」では、さらにターミナル宣伝を計画しています。 今年こそ勝利の年に決意新たに奮闘長期争議組合
◇ 今年こそ勝利をめざし、神奈川地本飛鳥横浜支部の黒田謙一支部長はつぎのように決意を語っています。 闘いが一歩前進 残業代の請求を起こしたところ、会社は自交総連の組合員に対してだけメーター制限(残業禁止)を強行してきました。さらに公出勤務の禁止、勤務振り替え禁止の3点セットになっていたため、140人前後いた組合員は58名にまで激減しました。露骨な組合つぶしでした。現在、労働委員会でたたかっている最中です。 いま、会社と組合は和解の道を探るべく話し合いをしています。その結果、1月11日に会社は損害賠償の金額を提示することになりました。具体的な金額の提示となれば闘いは一歩前進したといえます。今年はその結果を受け、さらに前進すべく賃金協定も結べるよう努力していきます。なんとしてでも3月までには結果を出して、不当な攻撃をはねかえしていくつもりです。 累進歩合制の廃止をめざす千葉地本第35回大会 【千葉】千葉地本は11月24日、千葉市教育会館で第35回定期大会をひらきました。 新年度の運動方針では、情勢を敏感に受け止め、各単組が組合員を教育し、労働条件改善にむけた運動を展開することを重点に、具体的なとりくみとして、長時間の時間外労働と交通事故につながる累進歩合制の廃止、賃上げを含んだ固定給を中心とした賃金体系への変更を求めていくことにしています。 役員改選では、小林正勝委員長を再選しました。 一人でも組合員を増やそう名鉄四日市第5回大会 【三重】名鉄四日市タクシーユニオンの第5回定期大会が四日市市勤労会館でひらかれ、組合結成以来既に2年が経過するも会社がいまだに団体交渉に応じないことの打開など活動を総括し、解雇・残業代未払い賃金請求の勝利めざして、一人でも組合員を増やそうと組織拡大に向け全員で確認しました。役員体制は以下のとおり。 委員長=小西正(再)▽副委員長=高橋紀郎(再)、谷仁(新)▽書記長=井場制(再) 社会保障口実に大企業減税の穴埋め消費税増税社会保障と税の一体改革 政府・民主党は消費税の引上げ計画を「社会保障と税の一体改革」という名で呼び、「社会保障のためにやむを得ず増税が必要」と国民に説明しようとしています。本当でしょうか? ◇ 福祉の目的税化? 左の表のように社会保障を切り捨てても、まだ財源が足りないので消費税を引上げるが、それは社会保障のためなので、消費税を社会保障の目的税化するというのが政府の理屈です。 しかし、税収総額の中で支出をやりくりするのは変らないのですから、収支の項目が付け替えられるだけにすぎません。 逆に、社会保障費の増大が消費税増税の理由付けになって、将来にわたって消費税が自動的に増税される仕組みが作られることになります。 法人税は減税! 重大なのは法人税の減税が既に決定されていることです。震災復興増税と差し引きしても3年間は2%減、4年目からは4・5%の減税です。 これまでと同様に消費税増税は、大企業減税の穴埋めで消えてしまうことになります。 |