組織拡大とりくみ強化2012年春闘の当面する対策
春闘の要求提出率は4日現在64%。引き続きすべての職場での要求提出を追求する必要があります。回答はまだ少数ですが、3・8中央行動、宣伝や行政交渉の中で、法律違反の有休なしや最低賃金法違反、運転者負担制度などについて世論や行政対応も変化してきた前進が各地方から報告されました。 統一行動ゾーンを4月24〜27日に配置、ストを含む戦術配置のもとに追い上げをはかり、解決基準については、(1)賃金増の獲得、一職場一重点要求の実現、(2)政策合意、経営改善要求の前進、(3)「合理化」を許さず、納得のいく中身での集約――の3点を重視して決着をめざしていくこととしました。 組織拡大では、4月11日から東北キャラバンを実施、宣伝行動も各地で計画され、とりくみを強化していくことになりました。 減車不十分地域は再指定を学習会と運輸局交渉九州B
初日は「職場点検のポイント」などを使い学習。講演の中で、今村書記長は「労働者の権利は、運用を間違えると組織の後退となる。どのように運用していくかが大事である」と述べました。 2日目は自主経営労組と一般労組にわかれて分科会を行い、一般労組では各職場の今春闘のとりくみについて、自主経営労組では「自主経営と春闘」などのテーマで、今春闘をどのように闘っていくのか討論しました。 終了後、九州運輸局交渉が行われ、特定指定地域の指定期間である3年間を迎えるにあたって、適正台数までの減車が不十分な地域の再指定、タクシー特措法に基づく登録制度の強化、悪質事業者の監査強化などを要請しました。 景気よくしてと切実な声神奈川・静岡・山梨で宣伝関東B
初日は横浜駅からスタート。関東ブロック市野議長が「減・休車が進んでいるが、収入増にはつながっていない。理不尽な乗務員負担をなくそう」と第一声をあげ、組合への結集を呼びかけました。 2日目は静岡、掛川、浜松の駅頭で宣伝。各駅では乗務員が「乗務員負担はこの地域ではしていない」といい、こうした制度が首都圏に集中している実態が分かりました。 3日目の甲府駅では「先頭には2、3時間かかる。景気をよくしてもらいたい」と乗務員が訴えていました。 労働時間は拘束時間から休憩時間を引いたもの宮城地連労働局交渉
運輸局では、地域計画の目標(23〜31%)達成に向けての指導強化などを要請。局は、「供給過剰の解消に向け、今後も努力していく。労働条件改善が進まない以上、特定地域の再指定はほぼ間違いなくされるだろう」と見通しを述べました。また、東日本大震災被災地での代替車両には中型でも小型運賃を認める特例措置は延長することを明らかにしました。 労働局では、「労働時間は拘束時間から休憩・仮眠時間を差し引いたもの」「タイヤが回っている時間だけが労働時間というのは論外」と明言。「有期雇用の継続であれば6か月以降は有休が発生する」「本人の同意なく賃金から控除が行われることは労基法違反であるので厳正に対処する」などの回答がありました。 最低賃金の計算学習摸擬団交も実施大阪自交労働学校
学校では、本部の今村書記長が最低賃金問題について、地連・沢田特別執行委員が団体交渉について講義を行い、模擬団体交渉にもとりくみました。 今村書記長は、労働時間を区分して厳密に計算することを解説、1企業だけのとりくみでなく、地域全体をどう変えていくかという視点で問題を解決しなければならないと強調しました。 沢田特別執行委員は、団交は労使対等の立場で要求し、事前に打ち合わせをして、組合が一枚岩になって真剣勝負をすることが重要だと講義しました。 不当な解散・解雇許すな富士急本社で宣伝静岡・石川タク労組支援共闘
石川タク労組の諏訪部委員長は「不当な解散・解雇をグループ親会社の富士急は見て知らんぷりをするのか」と怒りの声を上げて抗議、原島弁護士は「会社の経理分析の結果は債務超過とはいえない」と裁判の経過を述べて早期解決を訴えました。 観光客にもビラを渡してアピール、通りがかりのタクシー運転者から「がんばれ」と励まされました。 利用者も「どうしてそうなるの?」乗務員負担問題で宣伝
池袋での利用者との対話では30代のOLが「カードでタクシーに乗ったら、運転手さんの賃金からその手数料が引かれるというのは、どうしてそうなるのか不思議です」と話していました。 賃金は半分以下タクシーと男子常用労働者労働条件の格差年収格差は238万円――タクシー労働者と男子常用労働者の労働条件格差(10年分)がまとまりました。 タクシー労働者の年収245万円に対して、男子常用労働者(全産業の平均)の年収は483万円です。年収格差は前年より2万円広がりました。 労働時間は逆にタクシーの方が年間415時間も長くなっています。 1時間当たりの賃金では2436円対1022円で、タクシーは半分以下の42%にしか過ぎません。 (注)数値は、厚労省調査をもとに自交総連が集計しているもので、業界紙等の比較と異なります。 交運の仲間が連帯海上デモ 東京車両デモ 宮城【東京】東京港湾関係労働組合が中心となり首都圏の交運労働者が参加した東京港総行動が3月5日に行われました。激しい雨のなか、芝浦ふ頭から8隻の船に分乗し、2時間にわたる海上デモを寒さに負けず行いました。東京地連から10人が参加しました。【宮城】宮城県交運共闘は3月25日、東日本大震災のため昨年は中止した車両デモを2年ぶりに実施しました。タクシー・トラック・ダンプ33台、65人が参加して仙台市内を行進、震災復興、春闘勝利、規制緩和反対などを訴えました。
「首切り自由」の不当判決に負けない整理解雇の4要件を骨抜きJALの不当解雇事件
原告団は不当判決に抗議、直ちに控訴を決定、高裁での逆転勝利をめざしてたたかうことにしています。 労働者全体に影響 【解説】東京地裁の判決は、企業再建を理由とすれば乱暴な解雇をしても構わないという非常識なものです。 日本航空は長年の放漫経営、政治との癒着による無駄遣いのために倒産、会社更生法で再建中でした。しかし、再建計画を上回る大幅な営業利益を計上し、希望退職で人員削減目標も達成していたにもかかわらず、ベテランや安全運行のために自主申告して病欠した者、たたかう労働組合員を狙い打ちにして165人もの整理解雇を強行しました。 判決は、更生計画で人員削減の必要性があったということを出発点に、更生計画に書かれてさえいれば個別の事情がどうであっても解雇は有効という論理です。 乱暴な解雇に歯止めをかける整理解雇の4要件(人員削減の必要性、解雇回避努力義務、人選の合理性、手続の妥当性)を骨抜きにし、会社更生法適用なら解雇は自由とされかねないもので、今後の労働者全体の闘いにも重大な悪影響を及ぼす不当なものです。 「支える会」に加入を 148人(乗員76人、客室乗務員72人)の被解雇者が裁判でたたかっていますが、すでに失業保険も切れて、蓄えを切り崩し、非正規のアルバイトなどでしのいでいます。こうした仲間の生活と闘争財政を支援するため「不当解雇とたたかう日本航空労働者を支える会」が昨年11月に発足しました。 会員となって、逆転勝利、職場復帰まで支えてください。 【会費】団体=1口年3000円▽個人=1口月250円(年3000円) 【連絡先】支える会▽電話 03―6423―7878 ▽ホームページ 職場権利の点検(4) 累進歩合制度は廃止の対象です歩合率が階段状 タクシーでは、累進歩合給が広く採用されています。図1のグラフがその例で、売上に応じて歩合率が非連続的に階段状に変化するのが特徴です。 図2の「会社の取り分」の数字を見るとわかるように、累進歩合給は、労働者の売上が低下した時でも会社には常に一定の金額が残るしくみです。とくに、一定の売上を「足切り」として、そこに達しなかったときに歩合率が極端に下がる例があり、その場合には最低賃金法違反になることもあります。 累進歩合給は、厚労省の「改善基準通達=93号通達」で廃止の対象ですが、罰則がないためになかなか減りません。厚労省は「把握した場合は是正指導する」とし、「(足切り額の前後で歩合率が変わる)足切り額以下オール歩合は歩合給の額が非連続的に変化するということで、累進歩合制度として指導の対象になる」(09・11・18交渉結果)としていますから、指導させ、労使交渉で改善することが必要です。 なお、売上のランクで加給する奨励加給やトップ賞なども累進歩合制度の中に含まれ、廃止すべきものです。 累進歩合は廃止 歩合給制度のうち累進歩合制度は廃止するものとすること。 (改善基準93号通達) ◇ 累進歩合給制とは、運賃収入等に応じて…歩合給の額が非連続的に増減するものである。 …歩率の変動する運賃収入等の直前の労働者に、上のステップに到達するため長時間労働やスピード違反等をさせる結果になりやすく、交通事故の発生も懸念されるので「93号通達」で廃止すべきこととされて(いる。) (『自動車運転者労務改善基準の解説』) |