【宮城】宮城地連は、10月15日に第一回執行委員会を開催し、秋闘のとりくみについて意思統一しました。
秋闘統一要求書は、10月31日にいっせいに提出し、11月13日を回答指定日としています。
減車のいっそうの推進や、監査の強化を求めて11月27日には運輸局交渉を行います。
11月11日には、東京地連の南部ブロックによる『被災地支援もちつき大会』も予定されており、宮城地連でも共催してとりくみます。
また、キュットタクシーやみちのく観光での争議に勝利するためのとりくみを強化することにしています。
定例宣伝行動については、毎月一日に実施し、幹部学校についても、毎月一回開催することを決めました。
組織強化・拡大を最重要課題とする
東京地連
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10月に行われた自交総連第35回定期大会の様子=10月16日、東京・全労連会館 |
【東京】要求課題としては、(1)実効ある活性化法の実現など制度・政策要求の実現(2)賃金・労働時間など労働条件問題(3)職場権利の確立と職場環境の改善(4)65歳ゾーン方式による選択定年制(5)年末一時金(6)退職金の増額ならびに制度の確立、などを重視します。
13年春闘では、適正な実車率に接近するための減車と上限運賃の確保などのとりくみを推進します。
組織の強化・拡大を最重要課題として位置づけ、組織対策委員会・教育活動委員会・道交法対策委員会の連携で各種学習会を開催するなど、後継者の育成をふくめて幹部・活動家の理論的強化をはかります。未組織労働者との対話活動はもとより、2000年から12年間実施している未組織宣伝行動や昨年からとりくんでいる「となりの単組に声をかけよう運動」を推進します。
需給バランス回復を運動の柱とする
大阪地連
【大阪】橋下・維新の会を発信源とする新たな悪政連合は、自交労働者を苦しめた根源といえる「小泉構造改革」への回帰と改憲を企んでいます。総選挙で選択を見誤ると国民・労働者の生活が一変する可能性を秘めています。
消費税増税問題一つを例に引いても自交産業を直撃することはまちがいなく、さらなる賃金減や雇用不安が予想され、組織力を持たない労働者はひとたまりもありません。
大阪では、運転者負担制度をなくす大運動を今後も継続しますが、まず第1に需給バランスの回復を運動の柱に第2次減車を求めます。地方自治体へ「タクシーも含めた公共交通のあり方」を議論できる部局の設置を働きかけ、同時に近畿運輸局、大阪労働局にもその役割を果たすよう求めていきます。
供給過剰是正や適正監査求めていく
福岡地連
【福岡】福岡地連では、11月6日に第13回執行委員会を開催しました。そこで11月11日に開催する第50回定期大会において提起する秋季年末闘争の位置づけを決定しました。
主な項目は、春闘で積み残した課題、職場重点要求、定年延長や嘱託・契約社員の労働条件改善要求、退職金、年末一時金などです。これらを職場ごとに設定するとともに11月中をめどに解決をはかることとしました。
また、学習による組織の強化をはかるため、11月19〜20日の九州ブロック総会で学習会も兼ねてとりくみます。1日目は本部役員の講演、2日目は「ミツバチの羽音と地球の回転」のDVD上映を行います。さらに、11月20日の九州運輸局交渉で、供給過剰の是正および監査・行政処分を適正に行うことを申し入れていきます。
被災地復興へ鉄道復旧を
赤字路線廃止されるおそれも
交運研政策研究集会
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交運研の政策研究集会=10月27日、東京 |
東日本大震災から1年7か月、住民の希望につながる鉄路の復旧を――自交総連も入る交通運輸政策研究会の主催で被災地の交通再建をめざす政策研究集会が10月27日、東京でひらかれました。
特別報告した三陸鉄道の望月正彦社長は、震災直後からディーゼルカーのバッテリーを頼りに対策本部を立ち上げ奮闘した様子と今後の全線復旧への展望を語り、再開1番列車を住民が手を振って歓迎する姿を紹介、鉄道を復興のシンボルにしたいと述べました。
JR山田線復興会議の宮古市・山崎政典企画課長は、山田線の代替バスの利便性を工夫して交通の確保に努めている努力を報告する一方、JR東日本がいまだに山田線の復旧を明言せず、線路を舗装して走るバスでの仮復旧の提案をしていることに対し、鉄道廃止につながる危惧を表明しました。
現地調査の報告をした桜井徹日大教授は、JR東日本は復旧しても赤字になる路線の廃止を考えているのではないかと指摘、莫大な内部留保を地元の願いである鉄道復旧に振り向けない姿勢を批判しました。
高年法指針案の改善を要求
継続雇用拒否に悪用される恐れ
全労連厚労省交渉
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申し入れを行う全労連民間部会と国民春闘共闘の仲間(左)=10月31日、東京・厚生労働省内 |
希望者全員の65歳までの雇用の確保などを定めた高年齢者雇用安定法改正の来年4月の施行を前に提示された厚労省の省令案が不適切な内容となっているため、全労連民間部会と国民春闘共闘は10月31日、緊急の申入れを行いました。
厚労省が提示した高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針案では、法改正時に自民党などの要求で修正追加された就業規則に定める解雇事由に該当する労働者は継続雇用しないことができるという趣旨をさらに拡大解釈して、継続雇用しない事由を継続雇用についての就業規則や労使協定で別に定めることができるなどとしています。
こうした指針が経営側に悪用されれば、恣意的な解釈が可能な解雇基準を就業規則に定めたり、多数派組合と労使協定を結んだりして、継続雇用の際に労働者の選別が行われる可能性があり、現に全タク連でも労務委員会で就業規則の「整備」が推奨されています。
組合側は不適切な記述は削除し、継続雇用の拒否には解雇権濫用法理が適用されること、心身の故障を理由とした継続雇用拒否には医師の診断書など客観的な根拠が必要であることなどを明記するように求めました。
正式決定まで、ひきつづき要求していくことにしています。
有休確保で組合員倍加も
各地から運動成果の報告
東北ブロック総会
【宮城】東北ブロック協議会は11月6日、青森県平川市で第14回総会を開催し、5地連から28人が参加しました。
総会には、青森県労連の田中事務局長、中弘南黒地区労連の佐藤事務局長、秋田県労連の越後屋事務局長も参加しました。
討論では18人が発言。青森地連ひまわり労組の大平副委員長は「職場では、新しく入ってくる人はすべて嘱託となっている。この間、職場に3つあった組合が、今は自交総連だけとなっている。有休取得で組合員が十数人だったのが、40人近くまでふえている」と報告しました。秋田の越後屋さんは「勝平タクシーでは、団交で追及し、62歳以後の希望者全員雇用をかちとってきた。組合員が過半数になるまでもう少し」と報告しました。
雇用とくらしを守る闘いに
労働組合が積極的な役割を
国民春闘共闘 13年度総会
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団結ガンバロウをする国民春闘共闘の仲間=10月25日、東京・全労連会館 |
国民春闘共闘委員会は10月25日、東京・全労連会館で2013年度総会をひらき国民春闘方針の構想案などを議論しました
小田川事務局長は、労働者の雇用とくらしに対する政府・財界一体となった攻撃と対決する国民共同の闘いに労働組合が積極的な役割を果たし、賃金・労働条件改善、安全・安心な社会をめざして政治を変えるなどの春闘構想案を提起、討論を行い、新役員体制を確認しました。
人的面からも減車うながす
宮城第36回大会
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宮城地連第36回定期大会=10月6日、宮城県印刷会館 |
【宮城】宮城地連は10月6日、宮城県印刷会館で第36回定期大会を開催しました。
次年度運動方針案では、運転者登録制度で「幽霊乗務員」が多数発生している状況をふまえ、人的な面からも減車をうながす運動を強化する政策闘争を重視することや、組織拡大をめざすなどの運動方針を確立しました。
委員長=本間昭▽副委員長=千代窪英雄、相沢道彦、澤口敏夫▽書記長=石垣敦▽書記次長=鴇勉、冨中有(新)
一桁地連からの早期脱却を
高知第31回大会
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高知地連第31回定期大会=10月7日、高知市内 |
【高知】高知地連は10月7日、高知市内で第31回定期大会を開催しました。
大会では減車実現にむけたとりくみを強化するとともに、組織拡大を緊急的課題と位置づけ、早期に一桁地連からの脱却をめざすことを確認しました。また、長年にわたり地連を牽引してきた中山委員長、横田書記長の勇退にともない新執行体制を確立しました。
委員長=竹村友幸(新)▽副委員長=中嶋直也(新)▽書記長=中嶋将史(新)
組合員の団結で増税阻止へ
静岡第35回大会
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静岡地連第35回定期大会=10月8日、浜松・西塚区画整理記念館 |
【静岡】静岡地連は10月8日、浜松・西塚記念館にて第35回定期大会を開催しました。
郡司委員長は「景気低迷で営収が落ち込んでいる所への消費税増税は、さらに生活が苦しくなる。組合員の団結で増税を阻止することが重要」とあいさつ。ひきつづき、石川タクシー富士宮労組の争議支援や、浜岡原発の廃炉を求める運動方針を採択しました。
委員長=郡司孝▽副委員長=小島洋一 (新)、氏原正行(新)▽書記長=市村直之
総量規制推進で前進はかる
京都第64回大会
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京都地連第64回定期大会=10月11日、京都工業会館 |
【京都】京都地連は10月11日、第54回京都地連大会を開催。(1)運賃適正化(2)地域協議会と運転者登録制の実効化による減車(3)自動車総量規制推進で着実な前進をはかり、組織拡大につなげること(とくに今般明星自動車が行った運賃改定申請を経営への懇談などのとりくみの継続で運賃改定に結びつける)を当面の重点課題として確認。委員長に浅井氏、副委員長に福田氏を新たに選出。曽野副委員長、石原書記長、安井顧問を再選しました。
間口ひろげ組織強化拡大を
埼玉第41回大会
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埼玉地連第41回定期大会=10月13日、川越・東上パールビル |
【埼玉】埼玉地連は10月13日、川越・東上パールビルで第41回定期大会を開催し、60人が参加しました。大会では11年度の運動総括および12年度運動方針を確立しました。総括では、『皆のがんばりにより継続した宣伝活動ができた。その結果、組織拡大の前進につながった』と報告され、運動方針でも、組織拡大を強調し、間口をひろげ組織を強化・拡大し、現状を大きく打開し、将来を見出す闘いの年であることを確認しました。
組織拡大最重要課題とする
北海道第53回大会
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北海道地連第53回定期大会=10月21日、定山渓観光ホテル山渓苑 |
【北海道】北海道地連は10月21〜22日、札幌市内で第53回定期大会をひらきました。
本部からは今村書記長がかけつけ、特措法延長についてなどを講義しました。運動方針では、タクシー総掛かり作戦や定期的なホットラインを行って、自交総連組合でなければ問題解決しないことを柱に訴え、組織の拡大を最重要課題とする方針を決めました。
委員長=渡辺聡▽副委員長=吉根清三▽書記長=松任正博▽書記次長=内藤正敏
問題起きる前にぜひ相談を
千葉第36回大会
【千葉】千葉地本は10月22日、千葉市教育会館で第36回定期大会を開催しました。
次年度運動方針案では(1)定時制雇用による賃金引き下げの阻止(2)社会保険、厚生年金の適用維持(3)抜本的な労働条件改善、などを掲げました。
小林委員長は「タク業界は若手を集める努力をせず、高齢者を雇い、賃金を引き下げている。自分たちで労働条件を守っていく使命があり、問題が起きる前に相談してほしい」と呼びかけました。
違法行為の取り締り強化求める
タクセン側「違反行為の視認むずかしい」
大阪地連 タクセン交渉
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要請を行う大阪地連の仲間(手前)=9月24日、鶴見区 |
【大阪】大阪地連は9月24日、大阪タクシーセンターへの要請行動にとりくみ、チャブリ(横断歩道の手前や交差点の角など、利用者が乗りやすい場所を占領し、その場において客引きをし、長距離客だけを乗せる悪質な行為)など違法行為の取り締まりの実効性をあげることや、指導力を発揮して乗降場所の秩序を回復するよう求めました。
交渉で組合側は、タクセンの指導件数が依然としてゼロのままであることを指摘し、運用に問題はないか質問しました。
タクセン側は「街頭指導を随時行っているが、客引きなどの行為を視認することが難しい。不法駐停車など他の措置要綱違反が認められれば指導を行っている。指導員が頻繁に現場に出むき、集中的に街頭指導を行うことによって違法行為はなくなる」と見解をのべました。
新加盟のなかま |
(818)北海道・交運従業員労組 |
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自交総連で政策要求を
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【北海道】札幌市にある共同交通に働くなかまは10月10日、自交総連交運従業員労組(能代谷宏委員長、7人)を結成し加盟しました。
組合の立ち上げに至るまで、地連は再三のオルグを行い、情報と学習の必要性を訴えてきました。
規制緩和後の労働条件引き下げを食い止めるためには、政策要求を重視している自交総連に入って運動する以外にないとして加盟を決意しました。
新加盟のなかま |
(819)北海道・東交通新労組 |
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既存の労組頼れない
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【北海道】札幌市にある東交通に働くなかまは10月20日、自交総連東交通新労組(内藤正敏委員長、5人)を結成し加盟しました。
道地連個人加盟のハイタクユニオンに加入していましたが、仲間が5人となったことで、単組立ち上げを指導。既存の企業内組合では権利も守られず、罰科金や乗務員負担もありましたが、地連同席での団体交渉などで一部改善させたことで加盟を決意しました。
自交総連の基本政策
(6)運賃政策 ノースライドと標準原価
運賃と賃金は密接な関係
運転者の賃金アップに貢献
タクシー労働者の賃金を大きく左右する運賃のあり方をめぐって、経営者と労働者の間では重大な問題が生じます。
たたかいとったノースライド
自交総連がたたかいとる以前(70年代より前)は、タクシー運賃の値上げ時にはスライド賃下げというのが当然のごとく行われていました。値上げ率に応じて運転者の歩合率をスライド(切り下げ)してしまうのです。左の図で、実績の運転者人件費63%を59%にスライドさせても額は変らないように、運転者の収入は変らないのだからいいだろうというのが経営者の理屈でした。こうすれば、増収になった分は経営者が丸ごと懐に入れられます(図の利潤に注目)。
これに対して自交総連が求めたのがノースライドです。値上げしても歩合率を変えなければ、増収分は正しく運転者に還元されます。
ノースライドをかちとるため、職場で熾烈な闘いが展開されました。同時に、運賃を認可している国に対し、当時は非公開だった運賃の申請・査定原価公開を求め、何年もの闘いの末に84年に公開させました。
そこで明らかになったのは、経営者は、値上げ申請の時には、運転者の賃金上昇を主な理由にしていたのです。これを原価に入れて申請しないと、運賃の改定率がごく低くなってしまうからです。
ノースライドの正当性はより明白になりました。今日では、運賃の改定時に、増収分を運転者の労働条件改善に充てるよう国が経営者に通達を出すのが当然になっています。
賃金は標準原価で
しかし、まだ問題が残っています。運賃原価の元となる運転者の人件費は、過去の実績を元に査定(実績原価)されているからです。
タクシーの賃金実績自体が社会的水準から大きく立ち遅れているわけですから、これを値上げ率に合わせて上げていくだけでは、格差は縮まりません。
本来、人として当然の社会的水準の賃金が原価として計算されなければなりません(標準原価)。これは今後も追求していかなければならない課題です。