春闘方針案は「賃上げと安定雇用、働く権利の確保、組織の強化拡大 2013年春闘」と位置づけて、統一闘争の力で、賃金底上げと地域・職種横断的な労働条件改善、組織拡大4か年計画で15年度に2万人プラスαを達成する目標を提起しています。
売上げが伸びないなか、タクシー特定地域再指定後の地域協議会で、さらなる減車や活性化対策を求めるとともに、労働者の権利を守り実益をかちとるたたかいの重要性などが議論されました。
16日投票の総選挙について、すでに公表しているストップ消費税・TPP参加、原発ゼロへ、タクシー運転免許の制定、必要な規制の強化、自交労働者のくらしと平和を守る政治の実現をめざす方針を確認し、投票日まで奮闘することとしました。
要請内容は、(1)地域協議会の未開催地域での早期開催(2)適正台数の見直しに関して(3)事業者別車両数の公表(4)監査の強化(5)行政処分の事業者に対する対応について(6)デジタコに関して、の6つの項目です。当局は「特定地域協議会を中身のあるものにしていかなければならない。何ができて、何ができなかったかを総括してとりくんでいく」「適正台数に関しては、鹿児島県鹿屋市が適正台数に至っているものの輸送実績の落ち込みなどから思ったような改善がみられず、4・13通達に沿ってヒアリングなどを行い事業の再構築を図っていく」と回答しました。
運転者登録制度については、運転者証が返納されていない問題について、局として対策を講じることになりました。また、身体障害者割引に関して、手帳の氏名・番号を控えないよう、経営者と労働者に対し徹底することも確約しました。
新加盟のなかま |
(820)埼玉・飛鳥交通大宮労組 |
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次代の幹部育成へ
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【埼玉】さいたま市にある飛鳥交通大宮労組(鈴木康文委員長、143人)は11月29日、自交総連に加盟しました。
加盟に至るまで、地連・単組の代表が中心となって飛鳥系列労働組合機関会議や文化交流会に出席。タクシーについての議論を行うなど交流を深めてきました。職場の課題・問題解決にむけ活動の底上げをはかることと、次代を担う組合幹部の育成のため加盟を決意しました。
労働者全体の底上げめざす
全労連・国民春闘討論集会
13国民春闘方針案を討論
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13国民春闘方針案を討論した国民春闘討論集会=11月29日、静岡県伊東市ハトヤホテル |
全労連・国民春闘共闘委員会は11月28、29日の両日、国民春闘討論集会をひらき、「変えよう職場・地域と政治、勝ちとろう賃金・雇用・くらしの改善」をスローガンとする13国民春闘方針案を討論しました。
労働者の団結した闘いで、大企業の溜め込み利益を還元させ、労働者全体の底上げを図る春闘をめざします。
国交省・厚労省と交渉
タクシー免許による規制を
交運共闘
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要請書を手渡す交運共闘・藤好議長(右)=12月7日、国交省内 |
交運共闘は12月7日、11・15中央行動の要請項目について厚労省・国交省と交渉しました。藤好議長ら10人が参加しました。
厚労省では、長時間労働是正に関して、労働時間設定改善指針で週労働時間60時間を超える人を半減する計画で見直しを進めているとの回答に、改善基準告示の上限時間が週60時間を上回って矛盾していると指摘、改善基準の改正は、使用者が自主的に短縮を言い出すはずがないのだから、省がイニシアチブを発揮すべきだと申し入れました。
国交省では、タクシー運転免許制定の要請に、法人タクシーを管理するという現制度のもとではなじみにくいとの回答に、活性化法で3年やってまだ労働条件改善が不十分なのだから、従来とは違う制度も含めて新しい規制を考えていくべきだと求めました。
両省に対し、政府の公務員攻撃に抗して監査・監督等の人員を確保する点では交運共闘も応援していくと伝えました。
総勢100人で本社包囲
東京・埼玉の仲間が支援
静岡・石川タク支援共闘
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しぶしぶドアを開ける会社側に申し入れ書を手渡す仲間=11月27日、富士急東京本社 |
【静岡】石川タクシー富士宮労組闘争支援共闘会議は11月27日、全労連・東京地評主催の「秋の争議支援中央総行動」に参加し、富士急東京本社をはじめとする各闘争先で抗議行動を行いました。
行動には東京地連や埼玉地連の仲間も参加し、約100人が会社を取り囲みました。
会社解散・全員解雇事件で係争中の石川タクシー富士宮労組・諏訪部委員長は「私たちを解雇した一方で乗務員募集広告を出すなど、会社は矛盾した行為を続けている。裁判でも偽装解散が明らかになりつつあり、この不当解雇は絶対許すことができない。最後までたたかう決意だ」と声高々に訴えました。
最後は「不当労働行為やめろ」のシュプレヒコールを叫んだあと、申し入れ書を手渡しました。はじめ、会社側はなかなかドアを開けようとしませんでしたが、集団で一喝したところ、しぶしぶドアを開けて受け取りました。
機関紙快く受け取ってもらう
山口地連
宇部市〜防府市で宣伝行動
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待機中のタクシー乗務員に機関紙を配布する山口地連の仲間=12月5日、新山口駅 |
【山口】山口地連は12月5日、宇部市から防府市にかけて宣伝行動を行いました。
宣伝行動では、「自交労働者」新聞に「山口地連ニュース」を一緒に折り込んで、駅前などで待機中のタクシー乗務員に配布しました。かなりの好評で、配布した乗務員のほとんどがみずから窓を開けて受け取ってくれました。中には、「いつも面白いことを書いているから好きなんじゃ」と、タクシーから降りてこちらまで取りに来る乗務員もいました。
当日はあいにくの曇り空でしたが、途中で雨が降りだすことはなく、無事にまわることができました。
組織強化・拡大の学習会
組合の原点に立ち基盤強化
福島地連
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組織整備を進めることなど確認した学習会=11月26日、福島県教育会館 |
【福島】福島地連は11月26日、福島県教育会館で組織強化・拡大学習会を開催し、7労組から54人が参加しました。
学習会では、本部の今村書記長が組織強化拡大推進4か年計画の目標を基本に、具体的なとりくみ推進について講演を行いました。また、福島県労連の野木事務局長は県内の労働者の実態と県労連の役割について講演を行いました。
学習会では、沼倉書記長が情勢と基本方針について報告。討論では、非組合員の組合加入についての課題や、職場の高齢化にともなう若手の労働者に対する労働環境改善のとりくみなどが報告され、労働組合存立の原点に立って、闘争基盤の強化・前進をはかるため、組織整備を進めていくことが確認されました。
消費税増税に断固反対する
山形第52回大会
【山形】山形地連は、11月25日に鶴岡市勤労者会館で第52回定期大会を開催。
大会には本部・石垣副委員長を迎えました。
釼持委員長は「消費税増税は自主経営の山形地連にとって死活問題であり、生活と会社の存続をかけ断固反対すること」と決意表明し、来年度の運動方針は全会一致で可決されました。
委員長=釼持恵市▽副委員長=本間裕明、後藤一司(新)▽書記長=佐藤正人(新)
宮城・キュット労組
会社側の責任明確にされる
営業車の水没裁判で全面勝利
【宮城】昨年9月21日の台風15号の大雨の際、営業車を水没させたとして、キュット労組の斉藤哲也委員長が会社から約50万円の損害賠償を求められていた事件は11月9日、仙台地裁で組合が全面勝訴をかちとりました。
営業車が水没した当時は死者が出るほどの大豪雨で、水没をあらかじめ想定することは不可能であり、夜間のため見通しも悪くやむをえない状況でした。しかし、会社は現場を検証することも本人から事情聴取をすることもなく、1ヵ月後に突然仙台簡易裁判所に損害請求の申立を行いました。この経緯から、組合を立ち上げたことによる報復であることがうかがえます。
判決は「故意または重大な過失がない場合には、労働者の過失の程度や、損害発生に対する会社の対応により、損害賠償請求を制限できる」とした上で、斉藤委員長の過失は小さいこと、会社が車両保険を締結していなかったこと、会社が気象警報下で労働者を働かせているのに有意な危険回避措置をとっていなかったことなどにふれ、責任が会社側にあることを明確にしています。
斉藤委員長は「これも支えてくれた組合員の皆さんや弁護士さんのおかげ」と感謝の意を表しています。
なお、現在キュット労組は、賃率引き下げによる差額請求訴訟も係争中です。
労働時間きびしく制限
交通権限は市町村に移譲
交運共闘フランス調査
交運共闘は11月4〜10日、先の国会から審議されている「交通基本法案」に関連して、フランスで現地調査を実施しました。事前に日本大使館を通じ、運輸省、アンジェ市(地方都市)、CGT(ナショナルセンター)に、交運共闘それぞれの分野についての質問を行い、フランスでは、ヒアリングによる回答のほか、それぞれの機関と意見交換を行いました。ここでは、タクシーに関わる質疑応答について報告します。
5・5万台で規制
Q タクシーの許認可および指導監督体制はどのように区分けされているのか。
A タクシーは公道で営業を行っていることから、内務省、警察庁の管轄となっている。
Q タクシーの新規参入、撤退の状況と参入規制はどうなっているのか。
A 国内車両数は現在、5万5千台で、現在はその台数を超えての新規認可は行っていない。廃業する事業者には、日本におけるナンバー権方式を用い、5万5千台の車両数内で認可をしている(この5万5千台という数字の根拠は不明)。
Q 地方(過疎地)居住者の移動ついて、中央政府、地方自治体によるタクシーを活用するための制度はとられているか。
A そのような制度はない。タクシーは、公共交通機関として認められておらず、都市交通構想に含まれていない(都市交通に含まれる主な交通機関はバス、鉄道、トラム等)。
Q 障害者ら移動を制約された人たちが通院などにタクシーを活用するための、中央政府または地方自治体としての政策にはどのようなものがあるのか。また、補助制度はあるのか。
A タクシー活用を目的とする制度はない。ただし、都市交通に関する権限を移譲されている市町村がタクシーに委託することはある(内容については不明)。
Q タクシー労働者の賃金が、その地域の最低賃金以下になることはあるのか。最低賃金以下になった場合、どのような補助制度があるのか。
営業は1日11時間
A タクシー労働者の平均月収入は、1200〜4000ユーロ(日本円で約13万〜43万円)。一方で、他産業の平均月収入は2000ユーロ(約21万円)で、ほぼ最低賃金基準額である。法人で働く労働者には補助制度が適用されている。
労働時間は、他産業労働者と同じ週35時間制だが、タクシーでは、1日に営業できる時間を11時間と制限している。車両の後部ガラス等にその事を表示させ、車両の需給調整を行っている。
自交総連の基本政策
(7)減車による地球温暖化防止への貢献
ムダなタクシーを減らせば
年間62万トンのCO2削減
自交総連は2008年に「タクシー減車による地球温暖化防止への貢献」を発表しました。
京都議定書でCO2削減が国際的な責任となったもと、多すぎるタクシーを減らして実車率を適正化すれば、年間62万トンのCO2が削減できることを明らかにしました。
空車走行のムダ
タクシーは、公共交通機関として自家用車の使用を減らし、燃料にLPGを使うためガソリン車よりCO2排出が少ないなど、もともと環境にはやさしい側面があります。
しかし、最大の問題は、規制緩和で異常な供給過剰となり、実車率が大きく低下していることから、乗客を乗せないムダな空車走行が相当な量になっていることです。
需給のバランスをとって、実車率を適正化すれば、ムダな走行はなくなり、その分CO2も減らすことができます。
年間21億キロもムダな走行
試算では、実車率が50%になるようにするには、5・7万台のタクシーを減らせばよく、ムダな走行距離は年間21億キロも削減できることがわかりました。
CO2に換算すると62万トンとなり、一般家庭18万世帯分の年間CO2排出量に匹敵します。
提言はマスコミにも注目され、減車促進の世論を広げる役割を果たし、タクシー活性化法にもとづく地域協議会での地域計画にも影響を与えました。