労働局・近畿運輸局に要請体質変える実効措置を大阪地連大阪労働局
局側は、委託労働者に有休が付与されていない実態の改善について「説明会への講師派遣など年次有給休暇の取得について一定の周知を図るよう努力している」と回答。休憩時間の取扱いについては「説明会で、時間の自由利用が担保されないと休憩とは認められないということを説明している。個別事案での申告、情報提供があれば調査も可能だし、当該労基署に通報する」と回答しました。 組合側は「周知を図るだけでは業界の体質は変わらないのではないか。監査体制の強化をふくめ実効性のある措置をとってもらいたい」と要請しました。 近畿運輸局
局側は供給過剰の問題について、「現段階では適正台数の見直しは考えていない。先に示した適正台数の枠内に収まるように事業者に要請していきたい」と回答しました。 また、チャブリ問題については「警察当局にも情報提供を行うなど根絶にむけ働きかけていきたい」と回答。組合側からの「チャブリで運転者を処分しても他社に流れて同じことをくりかえす。各社はそういう運転者を日報とタコグラフで把握しているが利益のために放置している」との指摘に「採用時、タクセンにタクシー勤務履歴と累積点数、安全運転センターに運転経歴を必ず照会させるような仕組みづくりを地域協議会で合意されたらすすめていく」と応じました。 タクシー台数まだ多すぎる
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ビラを配布して対話する埼玉の仲間=2月1日、春日部駅 |
規制緩和の影響により、タクシーがもっとも多く増えた県南中央圏での行動では、タクシー乗務員の職場での不満や不安の声が多く聞かれました。自交総連に期待する声も多く、労働者有利の法改正などについて未加盟労働者からの熱心な意見もあり、あらためて労働組合の必要性を確認することとなりました。
ガススタンドで宣伝する長崎の仲間=2月14日、長崎市内 |
【長崎】長崎地連は2月14日、宣伝行動にとりくみました。
4人が参加し、オートガススタンドでビラの配布を行いました。対話した乗務員からは「減車がどうなっているのか」「運収が減少して来年度の消費税が心配だ」などの声が聞こえ、自交総連の運動への期待がひしひしと感じられました。
乗務員と対話する鹿児島の仲間=2月4日、鴨池港 |
行動では、本部作成のビラと「自交労働者」の記事を流用したビラ2種類を配布。対話した乗務員からは「まだまだ車が多すぎる」「最近は不景気の影響なのか夜の客が激減していて売上が上がらない」などの声が多く聞かれました。
【東京】東京地連は2月5〜7日、栃木県・鬼怒川温泉ホテル三日月で春闘討論集会を開催し、春闘方針について議論しました。
城委員長はあいさつで「景気回復は賃上げによる内需回復しかない。タクシーでは減休車がすすんだが、減休車分より、社会全体の賃下げによる需要減のほうが大きく、労働条件は改善されていない。労働集約産業のタクシーでは労働条件と利用者利便を第一に考えることこそ業界の発展になる。すべてのタクシー労働者のために産業別最低賃金の平準化などが必要だ。若い労働者が入る魅力ある業界にしなければ」とのべ、闘争手段としてストライキの重要性にも言及しました。
春闘方針案には賃金・労働条件改善のほか、交通基本法制定、高齢化対策、タクシー運転免許の実現なども掲げました。
春闘統一要求などを論議した討論集会=2月19日、神奈川・社会福祉会館 |
市野委員長は、消費税増税の重大な影響を指摘し阻止を図ることと賃金を上げて景気を回復させようとあいさつしました。
討論では、各支部から秋闘の総括と春闘課題を報告。賃金改善、運転者負担の廃止、減車などの統一要求を確認し、支部要求とともに提出してたたかうことを確認しました。
春闘方針を決定した中央委員会=2月14日、大阪市内 |
秋山委員長代行は、春闘情勢に触れるなかで、消費税増税は運転者の賃金減となるばかりかタクシー事業の存続にもかかわるのに経営者は危機感を持っていないと指摘し、増税阻止をよびかけました。また、春闘では全組合が要求を会社に出してたたかおうと訴えました。
タクシー労働者の課題や組合の役割などを学習する参加者=2月10日、三重県・サンワーク津 |
学習では、本部の菊池書記次長が、タクシーに特有の労働条件や課題、産業別労働組合の役割などを解説しました。
参加した各組合から現状を報告し合い、タクシー労働者の労働条件改善のためには組織を拡大することが必要だと確認しました。
【和歌山】和歌山地連は2月17日、第40回定期大会をひらき運動方針を決めました。
新加盟の伸光タクシーの仲間も参加した大会では、障害者割引や健康保険の使用者負担分まで労働者が負担しているなど和歌山の劣悪な実態を改善するために組織を増やし3桁の地連をめざそうと意志統一しました。
委員長=寺村正夫▽副委員長=佐野至則、仲睦治、浅田龍彦▽書記長=杉本孝▽書記次長=松江秀記、梶川勝(新)
組織倍増を達成させることなどを決議した臨時大会=2月18日、北海道・札幌市内 |
春闘の柱は、賃上げ要求はもちろんのこと、組織拡大4か年計画を最大の議案としてとりくみ、3月のタクシー労働者総がかり作戦、ホットラインの実施。さらに、5月のタクシーシンポジウムや、夏のホットラインから秋闘のホットラインなど、年間を通してむこう4年間、宣伝行動を展開し、組織倍増を達成させる決議を全会一致で採択し、傘下組合総力をあげてとりくむ決意を固めました。
この成果を全国に |
北海道 朝日交通労組
【北海道】北海道地連朝日交通労組は昨年12月26日、未払い賃金請求裁判(11年5月)を起こした原告組合員のうち、1人が期間満了を理由に雇い止めにされた不当解雇事件で、札幌地裁で和解をかちとりました。
また、組合員にのみ一方的な勤務変更や、時間外・公出をさせないなどの不当労働行為をうけていた事件も同時に和解が成立。1月31日の「不当労働行為申立事件」の最終調査期日において、今後、不当労働行為ないしそれと疑われる行為はいっさい行わないとする確認をとり、北海道労働委員会での和解が成立しました。
北海道 みつばちタクシー労組
【北海道】北海道地連みつばちタクシー労組は、深夜勤務などの未払い賃金を請求していた裁判で2月1日、旭川地裁で和解をかちとりました。
同社の賃金体系は、オール歩合制度をとっていますが、割増賃金の算定方法が不当に低いとして、乗務員ら8人が、未払い金約360万円と同額の制裁金の支払いを求めていました。双方の代理弁護士によると、未払い金全額を会社が支払い、同社の賃金形態についても今後協議するということです。
みつばちタクシー労組の成田委員長は8日に行われた会見で、「オール歩合だと収入が安定しない。今後の賃金体系について会社と交渉していきたい」と話しました。また、訴訟を支援した弁護士はタクシー業界の歩合制度の問題点を指摘し、「旭川のほかの会社の運転手も賃金や労働条件の改善に声をあげてほしい」と呼びかけました。
自動車教習所労働者にかかわる基本政策「自教労働者の権利確保と社会的地位の向上、事業の将来のために」は03年にまとめられました。
自動車教習所では、88年を境に卒業者数が減少に転じました。その原因は少子化で、出生数は73年をピークにして93年には119万人と4割も減り、その後も105万人まで減っています。つまり18歳になる新たな免許取得人口は今後も減り続けるという構造的な問題になっています。
こうしたなかで、環境を整備し、仕事を増やし、働きがいのある仕事とするために、教習所を地域の交通安全教育センターと位置付け、活用していくことを提起し、以下の政策要求を掲げています。
◎対経営者
(1)労働者犠牲の危機乗り切り策を改め、倒産防止、経営改善にむけた協力・共同を労働組合と行うこと。
(2)仕事量の拡大に努め、無駄や浪費のない適正な経営で効率的な運営をすること。
(3)一定地域内での営業時間統一と適正料金の確立。
(4)教習所を地域の交通安全教育センターとしての役割を果たすこと。
◎対地方自治体
(1)高齢者や生徒・児童への交通安全教育に教習所を活用すること。
(2)教習所労働組合を交えた地域の交通安全対策を協議する場を設けること。
◎対国・行政
(1)処分者講習の内容を拡張し、指定教習所での受講を可能にすること。
(2)更新時講習の内容を拡張し、指定教習所での受講を可能にすること。
安倍内閣は「アベノミクス」「三本の矢」と称して、金融緩和・大型公共事業推進・成長戦略のための規制緩和を実施してデフレ克服・景気回復をはかるとしています。本当に景気回復につながるのでしょうか。
金融緩和・公共事業では効果なし
【解説】金融緩和も公共事業も、4年前まで歴代の自民党政権が実施してきて効果がなかった政策です。なぜならば、一時的に企業の業績が上向くことがあっても、その利益は溜め込まれて労働者に分配されることがなく、国民の消費購買力が増えずに、デフレの悪循環から抜け出せなかったからです。
したがって景気回復のためには、労働者の賃金が増えることが不可欠です。賃金が増えて、安定した正規雇用が増えれば、消費が拡大、物が売れるようになって企業の業績も良くなり、また賃金の増加につながるという好循環が生まれます。
内部留保の還元を
実際にどのくらい消費が増えるのかを、全労連と学者が協力してつくっている労働総研が試算したところ、賃金水準を97年のピーク時に回復させれば、国内の家計消費支出は35兆円、GDPは30兆円、税収も5兆円増えるという結果になりました(下表)。
問題は賃上げ等にかかる費用56兆円ですが、わが国の全企業の内部留保は460兆円、資本金10億円以上の大企業に限っても260兆円あるので、この一部を取り崩せば56兆円を出すことが可能です。
賃上げが重要だということは政府も無視できず、安倍首相が経団連に異例の賃上げ要請をするまでになっています。春闘で労働者がいっせいに経営者に圧力をかけ、雇用の安定、賃上げをかちとることが今ほど重要なときはありません。