自交労働者No.823、2013年6月1日

立てるぞ自交総連の旗

東北ブロックが岩手で宣伝

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待機中の乗務員にビラを配布する東北ブロックの仲間=5月21日、盛岡駅
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宣伝カーからの訴え
 【宮城】東北ブロックは5月21日、岩手県盛岡市で未組織宣伝行動にとりくみ、宮城、山形、福島の仲間と岩手県労連から10人が参加しました。

 4月4日に盛岡市のタクシー運賃が18年ぶりに改定。初乗り1・5キロ580円→1・0キロ520円となり、加算も距離圧縮されて、実質9・6%の運賃値上げになりました。市内のほとんどの会社が下限運賃の500円に移行したため、バラバラ運賃は解消されています。

 宮城地連の澤口副委員長は、「運賃改定後に足切り額を上げたり、歩合率を下げたりするスライド賃下げを許さないために一緒にたたかおう」と自交総連加盟を訴えました。また、いわて労連の金野議長は、県労連にタクシー労働者の組合がないことに触れ、「悩みを共有して解決したい。自交総連の旗を岩手に掲げたい」とあいさつ。5月30日に県労連内に「タクシー労働者ホットライン」を設置することを宣伝しました。

 東北ブロックは、翌週の5月28日にも、盛岡市において未組織宣伝行動を実施しました。


各地で加盟呼びかける

キャラバン宣伝行動

九州ブロック

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ドアを開けて応じてくれる乗務員=5月16日、鹿児島港
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山元交通前での抗議宣伝行動=5月16日、鹿児島市内

 【福岡】九州ブロックは、5月14日〜17日にキャラバン式の組織拡大宣伝行動を行いました。

 キャラバン隊には福岡地連から内田書記長、和田書記次長、ワーカーズコープ福岡労組から藤波副委員長、吉田功特別執行委員、長崎地連から吉田敏雄執行委員の5人と各地連から14人が参加し、佐賀→長崎→鹿児島→大分→福岡を順番に回るコースで現地の地連と合流しました。

 駅、港、空港のタクシー乗り場ではビラを受け取ってくれる乗務員も多く、アンケート調査では「交通事故の修理代で自動車保険の免責分を全額払わされている」「地域のタクシー協会で決めている駐停車違反の罰金を払わされている」など乗務員負担の悪質な実態があることが判明しました。

 途中、宣伝カーが故障してしまうというアクシデントもありましたが、決められた駅、繁華街でのビラ配布を完了することができました。

 内田書記長は、「どの地域でもタクシーの労働条件が追いつめられていることを実感した」「今後もブロック全体での労働条件改善と要求実現のために奮闘する」と決意を新たにしました。


これではむしろ規制緩和

配置基準について運輸局と交渉

大阪地連バス部会

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近畿運輸局と交渉するバス部会(奥)=5月22日、近畿運輸局内
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要請書を手渡す伊藤会長

 【大阪】大阪地連バス部会は5月22日、近畿運輸局に対し、バスの交代運転者の配置基準について交渉を行いました。

 交渉でバス部会側は、新たに交付された「交代運転者の配置基準」(夜間実車距離400キロまで、昼間実車距離500キロまで)では、回送を含んでおらず、全走行距離が実質無制限となり、規制強化ではなくむしろ規制緩和になっていると指摘しました。

 伊藤バス部会長は、バスがトンネル内でトラックに追突され、運転者1人で乗客の安全確保や警察・消防など事故対応ができなかった実例をあげ、昼間でも保安要員(車掌・バスガイド)が必要であることを力説。改めて、走行距離500キロ(回送を含む)とすること、夜間は距離に関係なく運転者2人制とすること、労働時間の基準を過労死認定基準以下に改定し法制化することを求めました。


2012年交通事故 タクシーの発生率2倍近く

背景に売上げ低下と高齢化

貸切バスは7%の増加

 2012年中の交通事故の統計がまとまりました。全体の事故件数が減る中で、バス・タクシーとも事故件数は減っていますが、用途や地域によっては増加しているところがあります。

 【解説】前年と比べ、バスは4%、タクシーは7%ほど事故件数が減っています。しかし、バスの中でも貸切は逆に7%の増加、地域ではタクシーの大阪が7%、愛知が5%増加したほか、富山で86%、奈良で37%の激増となっています。

 また、走行キロ当たり発生率では、タクシーは自動車全体の2倍近い発生率(10年、100万キロ当1・8、全自動車1・0)となっていて、売上の低下と運転者の高齢化が事故を引き起こしている事情は変わりません。


自交労働者と政治(1)

自民・維新 憲法96条改正をねらう

国民が国をしばるのが憲法

しばられる側が変えていいのか?

 7月までに東京都議会議員選挙や参議院選挙など重要な選挙があります。自交労働者と政治との関わりについて考えてみましょう。

 自民党や維新の会は憲法改正を争点の一つにするとして、まず改正要件として国会議員の3分の2以上の賛成で発議して国民投票を行うと定めている96条を、議員の過半数で発議できるように変えたいとしています。

 これには「憲法が憲法でなくなる」との強い批判が日ごとに強まっています。なぜ憲法でなくなるのか、それは、憲法は、その他の法律と違って、「国民が国をしばる」ものだからです。

 一般の法律は「国が国民をしばる」ものです。国民は法律には従わなければならず、違反すれば刑罰も受けます。このように国民を強制的に従わせる国の権力(立法、行政、司法)は何に由来しているのでしょうか。それは、あくまで国民が代表に預けたものに他なりません。権力を預けるにあたって、代表の選挙の仕方、行使の仕方、やっていいこととだめなことを決めたものが憲法なのです。

 ですから、「しばられる側」である議員が、時々の過半数で自分に都合のいいように勝手に変えられないように、わざと変えにくくなっているのです。

 それを変えやすくした後に、本丸の9条改正を行おうとする意図が透けています。