監督官を増員して適切な摘発を労基法・改善基準の監督結果9割が法違反――自動車運転者を使用する事業場に対する昨年の厚労省監督結果がまとまりました。トラック、バス、タクシー等の事業場に労基署が監督に入って違反を確認した数です。 労基法・最賃法等の労働関係法違反率はタクシーで88%、バスで91%に達しました。労働時間等の改善基準違反率はタクシーが44%、バスが73%でした。 9割前後の事業場が違反をしているというのは、バス・タクシー業界には順法意識がほとんどないとしか思えない異常な実態です。 監督に入りさえすれば違反が見つかるのですから、監督数を増やして、しっかり違反を摘発する必要があります。昨年はトラック、バスでは監督数が増えましたが、タクシーでは減っています。限られた数の監督官が実施しているため、どこかを増やせば、別のところが減ってしまいます。必要な人員の確保も含め、労働者が守れるように適切な監督が実施される必要があります。 職場復帰後の有休権認める最高裁で画期的判決埼玉・八千代交通労組おかしいことはおかしい――有給休暇を認めさせるたたかいが最高裁で勝利しました。 埼玉地連八千代交通労組の三原さんは、裁判で不当解雇を撤回させて職場復帰した後に有休を届出たところ、会社は前年度の労働日がゼロなので出勤率8割以上という有休の要件を満たさないから権利はないとして認めませんでした。会社の不当解雇で出勤できなかったのに、働いてないから有休はないということに納得がいかず、裁判を起しました。しかし、会社の主張は労働省が昭和33年に出した通達に基づくもので、有効な行政解釈とされています。 裁判は、行政解釈を変更させる困難な闘いでしたが、4年にわたる裁判で勝利し、労働者の責任でない不就労日は出勤扱いの労働日とし、有休の権利があるという画期的な判決が確定しました。 判決に基づき、自交総連では厚労省に通達・行政解釈の変更を申し入れることにしています(判決要旨)。 【担当した横山佳純弁護士の話】「使用者の責に帰すべき事由による休業の日は全労働日に含まれない」とする労働者にとって不当な行政解釈を、事実上否定する今回の判決は大変意義があるものだ。長年使いつづけている行政解釈であっても、「これはおかしい!」という労働者の感覚を信じ、不当であれば是正すべきという信念を持ってたたかうことの大切さを実感した。
消費税増税に反対しよう都内4か所で宣伝行動東京地連
行動には、合わせて30人が参加し、地連発行の機関紙とビラ・ティッシュを配布しました。待機中のタクシー乗務員との対話では、タクシー業界の情報を発信すると同時に「職場で労働条件の改悪や権利侵害などがある場合は、自交総連に加盟して共にたたかおう」と、結集を呼びかけました。 配布物を受け取ったタクシー乗務員は、情報に飢えているのか、みんな食い入るように読む姿が印象的でした。行動では消費税増税反対の訴えも行い、「消費税増税にタクシー労働者のみんなで反対しよう」との呼びかけに、聴衆から拍手がありました。 未解決組合の早期解決へ13春闘の集約を行う東京地連中央委員会
30日現在の春闘回答状況は、提出69組合中29組合が了解または了解の方向で、未解決組合については、(1)重点要求の解決、(2)政策要求の合意、(3)組合員の総意で集約を図ること―を前提に早期解決をめざすこととしました。 減車の目標達成など要請東北運輸局と交渉東北ブロック
交渉では、減車の目標達成にむけた預かり減車制度の促進や、運転者登録制度の拡充、労働関係法違反業者への指導強化などを求めました。 減車については、営収が再び下がってきたこと、特措法の改正がいつになるのか不透明であること、来年からの消費税増税問題についてもふれ、年内に一定の減車を進める必要があることを求めるとともに、7月のタクシー協議会の小委員会開催を重ねて要請しました。 局側は、情勢認識では一致するとして、検討を約束しました。 規制緩和阻止の重要性を再認識港湾労働の現場を視察交運共闘
名古屋港は、自動車の輸出や燃料・食品の輸入など日本有数の扱い量を誇る港です。 コンテナトレーラーを一括して管理する集中管理ゲートや日本初の無人トレーラーを使った自働化コンテナターミナルなどがあります。東日本大震災後には、津波から労働者を守る一時避難塔も完成しました。 参加者は、現地の様子を見学するとともに、全国港湾労組名港労協と懇談、安倍首相が成長戦略の名で港湾労働に派遣労働を認める規制緩和を狙っている現状などを聞き、労働者の権利と港の安全を確保するために規制緩和阻止の重要性を改めて認識しました。 実働率が上昇し運収低下に適正車両数と運収の関係を学習東京地連青年部学習会
学習会では、講師の本部・今村書記長が「新時代のタクシーの在り方」をテーマに講義しました。今村書記長は、減車闘争の成果がなぜ賃金増に結びついていないのかを「東京都法人タクシー運送実績等の推移」をもとに説明。適正車両数と運送収入の関係を計算し、議論しました。関東運輸局が算定した適正車両数の選択で、事業者側は実働率80%での稼働を選択、経営の効率化を推し進めました。その結果、実働率が上昇し、これが1日1車当りの運収低下をもたらしています。実働率の調整を行うには、各事業者の協力なしでは実現できません。 ディスカッションでは、路線バスが12月から六本木〜渋谷間で深夜に1時間に1本運行開始されることについて、賛成と反対に分かれて議論を交わしました。最終的には、反対の意見が説得力ある結果となりました。 2日目は、原爆投下後の広島を舞台にした映画「夕凪の街、桜の国」を鑑賞しました。 要求練り上げから真剣に春闘総括と今後のとりくみ確認埼玉地連中央委員会
春闘総括では、ここ数年の春闘が本当の意味での経済闘争と呼べるような闘いになっていないことに触れ、要求の練り上げ段階から真剣に考えなければ、春闘自体が形骸化してしまう危険性があることを確認しました。 今後のとりくみについては、法令遵守や累進歩合制度の是正など春闘の未解決事項の解決、新賃金体系について協議が始まった8単組を含むそれぞれの職場で正常な賃金体系を構築すること、組合幹部の力量の底上げを重点課題とすることを決定しました。
埼玉・八千代交通労組 解雇期間は労働日に算入出勤したものとして扱う最高裁 【埼玉】八千代交通労組は6月6日、職場復帰後の有給休暇請求権について争っていた裁判で、最高裁での勝利判決をかちとりました。 不当解雇されていた組合員が、解雇無効の判決で職場復帰した後に、有給休暇を申請したところ、会社は「解雇中の2年間は労働日がないため労働基準法第39条の年次有給休暇権の成立要件を満たさない」としていました。 判決は「出勤率が8割以上であることという年次有給休暇権の成立要件は、欠勤率の特に高い者を対象から除外する趣旨で定められたものと解される。この趣旨に照らすと、不就労日のうち、労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえないものについては、出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものと解するのが相当である」として、本件が年次有給休暇権の成立要件を満たしているとしました。 自交労働者と政治(3) 政党の規制緩和への態度見極めよう規制緩和すすめた党 歴史に学んだ選択を タクシー・バス労働者の賃金・労働条件は、規制によって決定的に左右されます。規制緩和の歴史と各党の態度を振り返ってみましょう。 ◎ 貸切バスとタクシーは1999年と2000年の国会で規制緩和の法律が成立しました。このときには、ほとんどの政党が規制緩和をバラ色のように描いて賛成しました。反対したのは日本共産党と社民党だけでした。 規制緩和の結果はバラ色どころか、労働者の賃金の大幅な低下、安全性の低下をもたらし、タクシーは2009 年に実質的に再規制が行われました。 バスはいまだに緩和されたままで、関越道の事故が起こってしまいました。 この歴史に学ばす、アベノミクスの尻馬に乗って再び規制緩和に戻れと主張する党もあります。各党の過去・現在の態度をよく見極めることが大切です。 |