自交総連2014年春闘
4月中決着へ奮闘
統一行動ゾーンで追い上げを
職場・地域に依拠し、許すな「合理化」、賃上げの獲得――をスローガンに掲げた自交総連2014年春闘は、4月9日現在、164組合が要求を提出(提出率55・4%)、回答は26組合、妥結・了解は6組合となっています。
交渉が始まったところでは、政策合意(宮城)、罰科金廃止(大阪)、忌引きを有給の特別休暇に(福岡)などの回答も出始める一方で、5〜10%の賃下げ提案や企業買収などの動きもあります。
宣伝や行政当局交渉も各地でとりくまれており、累進歩合制度の是正は「無くなるまでやる」(埼玉)などの回答を生かして交渉を進めています。
みんなの要求提出し春闘出発を
春闘の出発は要求提出からです。今からでも遅くはありません。職場のみんなの要求を堂々と提出することが大切です。
また、5月1日に東京・代々木公園で開催される第85回中央メーデーは、“安倍政権の暴走と対決する重要な集会”という位置付けのもと、労働者・国民の要求実現をめざす国民総決起の場として開催されます。この中央メーデーと各地のメーデーを大きく成功させるため、参加体制のとりくみ強化をはかりましょう。
14春闘 今後の闘い方を決定
「合理化」、倒産などを警戒
第1回中闘
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春闘の今後の闘い方を決めた第1回中闘=4月3日、都内 |
自交総連は4月3日、第1回中央闘争委員会(第3回常執)を開き、春闘の今後の闘い方を決めました。
春闘の要求提出は半数を超えましたが、回答はまだわずかです。一部では「合理化」の提案も出ており、消費税増税で営収の低下も予想され、警戒心をもって対応していく必要があります。
組織拡大では、全国縦断キャラバンが出発した九州で宣伝した地域から複数の相談が寄せられているなど、関心が高まっていることが報告されました。
また、バス交流会の開催を検討することになりました。
今後の闘い方として以下の点を決めました。◇4月中決着をめざし22〜25日を統一行動ゾーンとして追い上げをはかる◇解決に際しては、(1)賃上げ、職場重点要求の実現(2)経営改善や政策合意のとりつけ(3)納得のいく内容での全体的合意、を重視◇倒産対策を重視し、職場と労働債権確保、組合存続のため警戒心を強める。
自交総連への期待大きい
未組織宣伝全国横断行動
中国ブロック3県で宣伝
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ビラを配布する広島の仲間=3月17日、広島駅 |
自交総連が3〜5月の期間で実施している「ブロック別未組織宣伝全国縦断行動」の報告です。
九州ブロックでの行動を終えた宣伝カーは3月16日、JR下関駅で中国ブロックに引き継がれました。
中国ブロックでの宣伝行動は、16〜18日の3日間、山口、広島、岡山の3県22か所で行われました。対話した乗務員からは、「運収が上がらない」「改正特措法について知らされていない」などの声が聞かれる一方で、「自交総連への期待が大きい」という声もあり、今後も地道な宣伝行動が必要であると感じました。
宣伝カーは18日、JR姫路駅で近畿ブロックに引き継がれました。
春闘勝利へむけ学習・模擬団交
原点に立ち戻ることが重要
大阪地連
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団結ガンバロウをする大阪の仲間=3月27日、大阪・自交会館 |
【大阪】大阪地連は3月27日、第27回自交労働学校を開きました。
本部・今村書記長が「自交総連の過去、現在、未来」と題し講義、「労働組合が何のために生まれたのかを忘れた時には必ず問題が引き起こされる」と話し、組合の原点・原則に立ち戻ることの重要性を訴えました。また、改正タクシー特定地域特措法や消費税増税についてもふれ、「経営側がどう動くか恐れる必要はないが、起こりうる問題に対する危機感は持たなくてはならない。一人一人が考え、予測される危機に備える必要がある」と警鐘を鳴らしたうえで、めざすべき目標を設定し、それを念頭において政策、方針を考えることが大事だと強調しました。
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模擬団交のようす |
この日は、模擬団交も行われました。参加者が労使に分かれ、本番さながらに議論を交わしました。
要求掲げ市民にアピール
全労連・四国総行動
改正法の実効性求め運輸局と交渉
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総行動に集まった四国各県の仲間=3月4日、香川・高松駅前広場 |
【高知】全労連四国地区協議会は3月4日、香川県高松市で「14春闘勝利をめざす四国総行動」を実施しました。
JR高松駅前広場で開かれた集会には四国各県から150人が参加、自交総連の仲間も奮闘しました。集会後、春闘要求をアピールしながらデモ行進しました。
その後、産別独自行動を展開。四国運輸局への要請には高知地連を中心に14人が参加し、改正タクシー特定地域特措法の実効ある運用や、消費増税にともなう運賃値上げに際し労働者の賃金を不利益変更させないように指導すること、最賃違反の取り締まり強化などを要請しました。
局側は、要請事項について真摯に受け止め、今後のタクシー行政にとりくむと回答しました。
消費税なくせ、生活できる賃金に
宮城交運共闘
車両デモに100人39台が参加
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車両デモと出発前の団結式のようす=4月6日、仙台市 |
【宮城】宮城交運共闘は4月6日、仙台市内でタクシーやダンプによる車両デモを実施し、100人と車両39台が参加しました。
本間議長(自交総連)は開会あいさつで「安倍政権は次々と悪政をくり出して国を破壊している。消費税に頼らない税制を探るべきだ」と訴え、各労組の代表者は「増税が会社経営を圧迫することで労働者にしわ寄せがくる」「タクシーやバスの過当競争が労働環境を悪化させ事故を誘発している」と訴えました。
その後、「消費税をなくせ!」「生活できる賃金にしろ!」などのステッカーを貼った車両が市内中心部を走行しました。
賃金は半分以下
タクシーと男子常用労働者
【解説】厚労省の賃金統計が公表されています。
「賃金センサス」による2013年の都道府県ごとのタクシー運転者の年収は、300万円台が8府県、200万円台が36道府県、200万円未満が2県で、最低は宮崎の195万円でした。
平均年齢の最高は徳島の63・3歳。以下、16県(前年は15県)で60歳を超えています。全国の平均年齢は59・3歳(前回58・7歳)でした。
「毎月勤労統計要覧」と「賃金センサス」をもとにまとめたタクシー労働者と男子常用労働者の年収格差(12年)は、前年より15万円縮まって222万円になりました。
時間当たり賃金では男子常用の2393円に対しタクシーは1082円で半分以下の45%という結果になりました。
(注)数値は、厚労省調査をもとに自交総連が集計しているもので、業界紙等の比較と異なります。また「毎月勤労統計要覧」の発行が3月末ごろのため、男子常用労働者との比較は1年遅れになります。
宮城・バスユニオン
未払い賃金訴訟で和解成立
結果を生かして組織拡大へ
【宮城】バスユニオンがみちのく観光(貸切バス)に未払い賃金および損害賠償を請求していた裁判は1月25日、仙台地裁において和解が成立しました。
11年7月、みちのく観光で働いていたAさんは会社を労基法違反・道路交通法違反で告発したことで退職に追い込まれました。Aさんは深夜・休日出勤等の未払い賃金と慰謝料の支払いを請求し争っていました。
和解内容は、争点となっていた待機時間について、組合側の主張を全面的に認め、労働時間として取扱い、未払い分を払うことなど、組合側の勝利的内容となっています。
今回の結果を受けてバスユニオンは、「この成果を組織拡大に最大限に生かしたい」と話しています。 |