自交労働者No.843、2014年5月1日

「組合がないから社長の言いなりだ」

「やっぱり自交総連はいいな」

組合づくりに関心の声

全国縦断宣伝関西ブロック

 自交総連は、3〜5月の期間で「ブロック別未組織宣伝全国縦断行動」を実施しています。関西ブロックでの宣伝は4月9〜16日の間、各地で自交総連への加入を呼びかけたほか、労働実態の聞き取り、労働環境の調査を行いました。

増税分スライドされている

ビラを配布する関西ブロックの仲間=4月14日、京都
ビラを配布する関西ブロックの仲間=4月14日、京都
観光客でにぎわう伊勢神宮(内宮)で宣伝を行ったなら合同労組の仲間=4月10日、三重
観光客でにぎわう伊勢神宮(内宮)で宣伝を行ったなら合同労組の仲間=4月10日、三重
乗務員と対話する大阪地連・秋山委員長
乗務員と対話する大阪地連・秋山委員長
労働実態の聞き込みを行う仲間
労働実態の聞き込みを行う仲間

 なら合同労組は4月9〜10日、奈良県と三重県での行動にとりくみ、2日間で24か所をまわりました。
 9日の奈良県での宣伝行動には、単組の仲間に加え、京都地連の石原書記長や奈労連の竹末事務局長もかけつけ、奈良駅や王寺駅などで宣伝を行いました。対話した乗務員からは「自交総連以外の組合の宣伝を聞いたことがない」「以前に自交総連に入っていたことがあるけど、やっぱり自交総連はいいな」などと期待を寄せる声が聞かれました。
 10日の三重県での宣伝には各単組から7人が参加し、17か所でビラの配布や対話を行いました。対話した乗務員からは「消費税増税分がスライドされている」「労働条件が悪くなった」などの声が聞かれました。

障害者割引負担させられる

 大阪地連と京都地連は、4月14〜16日の3日間、1日目は新大阪→新神戸→京都→大津の順に巡り、2日目は草津→彦根→米原→岐阜羽島→岐阜、3日目は、名古屋→岡崎→豊橋→浜松と巡りました。
 滋賀県の駅で待機中の乗務員に、昨年の運改で初乗り利用者が増えたか尋ねたところ、「全然増えていないし、全体の利用者が減って賃下げになった。消費税増税で営収はさらに落ち込んでいる」とのことでした。
 名古屋駅で対話した乗務員によると、名古屋では事故損害金の乗務員負担は一般的とのことで、「大きい事故だと大変。安心して仕事やっとれんよ」と表情を曇らせました。職場に労働組合があるか尋ねたところ、「“共済会”はあるが、それではどうしようもない」と話しました。
 岡崎駅で対話した乗務員は「賃率は下の方は38で上は40」「障害者割引も負担させられる」「うちには組合がないから社長のいいなりだ」と話し、組合づくりに関心を示していました。
 豊橋駅のタクシープールでは昨年9月から事業者別に並んで待機しており、利用者が乗りたい事業者を乗り場に呼べるしくみです。話によると、「何十年と先着順で並んで何も問題なかったのに、東海交通(地域最大手)が今のルールを提案して各社とも右へ習えで決まった」とのこと。「大手の車が先に出ていくので個人は2時間待たされることもあり、月の売上げが4〜5万円落ちてしまった」「我々が個人的に抗議してもダメなんだ。おたくさんたちがタクシー協会に訴えてくれたら変わるかもしれない」と切実に訴える個人事業者に、東京個人タクシー労組の例を示し自交総連への加入を勧めました。


働くルールの破壊反対

厚労省前行動やデモ

4 ・ 10中央行動

 全労連・国民春闘共闘は4月10日、「14春闘勝利をめざす4・10中央行動」を実施し、厚生労働省前行動や国会請願デモ、議員要請などを展開。約1000人が参加しました。
 午前11時から厚労省前で行われた要求行動には約700人が参加、東京地連から78人が参加し、「すべての労働者の大幅賃上げを!」「雇用改革による働くルール破壊反対!」「消費税増税を撤回しろ!」などと声を上げました。
 その後、国会までデモ行進を行いました。

国会周辺をデモ行進する参加者=4月10日、都内
厚労省に向けてシュプレヒコール
国会周辺をデモ行進する参加者=4月10日、都内 厚労省に向けてシュプレヒコール


増税後に営収下がり大変

昼夜の宣伝と電話相談

宮城地連

上=仙台駅前で宣伝する仲間 右=電話相談を受ける石垣書記長
上=仙台駅前で宣伝する仲間
右=電話相談を受ける石垣書記長

 【宮城】宮城地連の今春闘は、未組織労働者の組織化をめざし宣伝行動に一段と力を入れています。
 3月と4月の宣伝行動は2日間ずつ行い、昼間の通常宣伝に加え、夜間も実施。県内数か所に宣伝隊が展開して総数1千枚のビラを配布しました。
 4月の宣伝は消費税増税の直後で、対話した乗務員からは「増税後は営収が下がり大変だ」「1出番で2万円にもならない」「昼も夜も全然人がいない」などの悲痛な声が聞かれました。
 また地連は、未組織労働者を対象とした労働相談活動も開始しました。電話相談の窓口を3か所にひろげ、それぞれに各単組を振り分けて体制を作りました。
 この間、ビラを受け取った労働者などから「運賃値上げにともない賃率を引き下げられた」などの相談が寄せられています。


労働条件改善の実効性を

近畿運輸局と交渉

大阪地連 京都地連

交渉する大阪・京都の仲間(奥)=3月10日、近畿運輸局
交渉する大阪・京都の仲間(奥)=3月10日、近畿運輸局

 【大阪】大阪地連と京都地連は3月10日、近畿運輸局に対し、労働条件改善の実効性を求める要請を行いました。
 組合側は、消費税増税にともなう賃率引き下げなど、労働者にとって不利益な問題が発生した場合の対応や、累進歩合制廃止に向けた実効性の確保、事業者に対する監査・取締り強化などを要請しました。局側は、労働局等と連携して対応していくと回答しました。
 また、京都で広がる深夜割増廃止申請に関連して、割増・割引運賃を公定幅に含むよう改正を要請したのに対し、局側は「(割増・割引が)公定幅と同じ扱いにならなかったことについては局としても残念に思う」としたうえで、審査基準にのっとって厳正に対処すると回答しました。


失敗に学び成長してきた

歴史振り返り組合の存在意義学ぶ

九州ブロック14春闘学習会

講義を聞く九州ブロックの仲間=4月20日、福岡市内
講義を聞く九州ブロックの仲間=4月20日、福岡市内

 【福岡】九州ブロックは4月20〜21日、福岡市内で春闘学習会を開催しました。
 1日目は本部・今村書記長が、『自交総連の過去、現在、未来』と題して講義。組織の歴史を振り返りながら、失敗に学び成長を遂げてきたことや組合の存在意義や組合民主主義の重要性を学習しました。参加者からは「自分の単組に置き換えて考えた。貴重なことを学ぶことができた」などの感想がありました。
 2日目は、全労済・福岡県本部事業推進部の小川恭平氏から、自交共済の重要性と共済のメリットを活用した組織拡大について講演がありました。新団体年金共済などの共済商品で組合員の福利厚生を充実することで組織強化をはかることを学びました。

運輸局、九乗協と交渉

特定地域の指定求める

要請書を手渡す瀬戸山議長(右)=4月21日、九州運輸局
要請書を手渡す瀬戸山議長(右)=4月21日、九州運輸局

 学習会終了後、ブロックの代表が九州運輸局、九州乗用自動車協会との交渉を行いました。
 九州運輸局との交渉では、組合側が、供給過剰が解消されていない地域が特定地域に指定されるような基準を設定することや、累進歩合制廃止にむけた実効ある措置などを要請したのに対し、局側は、指定基準に関しては、要請の意向を本省に伝える、累進歩合制に関しては労働行政と連携して進めていくと回答しました。
 九州乗用自動車協会との交渉では、田中良一郎会長が各県の会長に要請内容を伝えると回答しました。


全員解雇争議が結審

判決は6月12日に

静岡・石川タクシー富士宮労組

通行人にビラを配る静岡と首都圏の仲間=4月15日、東京高裁前
通行人にビラを配る静岡と首都圏の仲間=4月15日、東京高裁前

 4月15日、静岡・石川タクシー富士宮労組の会社解散・全員解雇事件の控訴審が結審しました。
 裁判には東京・埼玉・神奈川から数十人の仲間が応援にかけつけ、満席となった傍聴席からは勝利を願う熱気が感じられました。
 今回、原告側は、会社の解散が偽装であったことを裏付けるための新たな証拠として、2つの経理資料を提出しました。しかし、裁判官は、資料について再度弁論の場を設ける必要はないと述べ、わずか10分ほどで結審。判決日は6月12日と告げられ閉廷しました。
 閉廷後、裁判所裏の弁護士会館で集会が行われ、弁護士団からこの間の報告と説明がなされました。本部の菊池書記次長は「最近ではタクシー会社の解散や譲渡の問題は珍しいことではなく、今回の裁判は自交労働者にとって他人事ではない」と話しました。当該組合の諏訪部委員長は「組合つぶしの偽装解散が全国に波及しないよう最後までたたかいたい」と決意を述べ、判決までに何ができるかをもう一度考え、勝利に向けてたたかうことを確認しました。