自交労働者No.862、2015年3月15日

規制緩和の復活は許さないぞ

改正特措法の実効性を確保しろ

600人が国交省前で座り込み

3・4中央行動

国土交通省にむけて怒りの声を上げる仲間=3月4日、東京・国土交通省前
国土交通省にむけて怒りの声を上げる仲間=3月4日、東京・国土交通省前

 規制緩和の復活を許すな、労働条件改善の約束をまもれ――自交総連は3月4日、春闘の第1次統一行動として、東京・霞が関で中央行動を実施しました。行動には、13地方から約600人の仲間が参加し、国土交通省前で座り込み、怒りの声をあげました。

国土交通省への個人請願のようす
国土交通省への個人請願のようす
日比谷野外音楽堂での決起集会には全国から2700人が参加
日比谷野外音楽堂での決起集会には全国から2700人が参加

 10時から国土交通省前で決起集会を行いました。城委員長は主催者あいさつで、特定地域指定基準の不十分さを指摘、規制改革会議の横やりに屈服した国交省の姿勢を糾弾し、労働条件改善の実効性確保とタクシー運転免許の法制化を訴えました。
 全労連・小田川議長、交運共闘・片倉事務局次長、公務労組連絡会・北村議長の連帯あいさつを受け、個人請願を開始。事前に集約した分も合わせて6172筆の請願書を提出しました。
 個人請願の後も、12時まで座り込みを継続しました。参加者は、思い思いのプラカード、ゼッケンや横断幕を掲げ、怒りの声を響かせました。その間、各地方、東京の各ブロックの代表が決意と抗議の発言を行いました。また、霞ヶ関地下鉄出口でビラまき宣伝も実施しました。
 12時20分から、日比谷野外音楽堂で全労連・国民春闘共闘の決起集会に参加し、城委員長が中央最低賃金審議会委員候補として紹介されました。

横断幕をひろげ座り込みを続ける仲間
横断幕をひろげ座り込みを続ける仲間

法本来の目的を果たす施策を

国交省・厚労省交渉

政策闘争の課題などについて議論した第1回政策委員会=2月19日、東京・自交共済事務所
国土交通省との交渉のようす=3月4日、国土交通省内会議室
 3・4中央行動では、代表が国土交通省・厚生労働省と交渉しました。
 国交省では、改正タクシー特定地域特措法が、規制改革会議の横やりによって変質され、多くの地域が特定地域から外されたことに対して抗議するとともに、労働条件改善という同法の本来の目的が果たされるような施策を講じるよう求めました。省側は、立法の趣旨や附帯決議は尊重しているが、規制改革会議の意見を無視するわけにはいかないと回答。それに対し、組合から厳しい追及があり、また、各地方の代表からは、タクシー労働者が置かれている厳しい実態の訴えと抗議の声が上がりました。
 厚労省では、累進歩合制度や運転者負担制度廃止にむけた指導の強化や、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)を過労死認定基準以下の労働時間となるよう改定し法制化することを要請。省側は、事業者への指導については、特措法の附帯決議を受け、工夫してやっていきたいと回答。改善基準告示については環境整備に努めたいと答えました。

タクシー運転免許制度など抜本的な政策を

国交省・厚労省と交渉

ビラを手渡す長崎の仲間=2月6日、長崎市内
要請書を手渡す秋山副委員長=3月4日、国交省内

表

表

全タク連と懇談・要請

特措法に落胆と憤りを感じる

要請事項について説明する自交総連の代表(右)=3月4日、東京・自動車会館内
要請事項について説明する自交総連の代表(右)=3月4日、東京・自動車会館内

 自交総連は3月4日、全国ハイヤー・タクシー連合会と懇談・要請を行い、特定地域特措法の今後の運用や適切な規制強化等について意見交換を行いました。
 全タク連側は、「ほぼ全会一致で可決した法律がこのような形に変えられてしまったことに落胆と憤りを感じている。賃金・労働条件の改善が大きな目的だったはずなのに、その目的がぶれてしまっている。われわれとしても、労働条件の問題が解決しなければ業界に人が入ってこなくなるという危機感を持っている」と述べ、組合側に共同を求めました。
 今村書記長は、「行政上の問題があることは承知の上で、必要な努力はひきつづきやっていかなくてはならない。今の条件下で、労働条件を良くしていく道をそちら側も示していかなければならない。タクシーの魅力を回復するためにどうするのか、業界としての方向性を提起し実行しなければ問題は解決しないし、規制緩和推進勢力に世論を持って行かれかねない」と訴えました。

要請書を渡す城委員長
要請書を渡す城委員長

春闘の当面する対策を決定

すべての職場で要求提出

第4回中執

第4回中執=3月3日、東京・全労連会館
第4回中執=3月3日、東京・全労連会館

 自交総連は3月3日、東京で第4回中央執行委員会をひらき、春闘の当面する対策などを決めました。
 国交省が特定地域の指定基準を出したことを受けての討議では、不適切な基準への憤りの声が相次ぎ、実働率が低い中で多少の減車では意味がない、特定地域から外されても適正化・減車を求め、他労組にも呼びかけて運動をすすめたいなどの意見が出され、翌日の中央行動の意思統一を行いました。
 当面する対策では、(1)すべての職場組織が要求書を出し、3月20日までの回答指定日にむけ決起する、廃業・身売り対策で警戒を強める(2)労働法制の大改悪反対、内需拡大で景気回復等の国民的共同行動に結集する(3)3〜5月を組織拡大月間とし、対話と宣伝に集中的にとりくむ――こととしました。
 合わせて、いっせい地方選挙闘争方針も決め、自交労働者の政策要求実現、安倍暴走政治ストップを掲げ、住民本位の政治への転換をめざしてとりくむことを確認しました。

職場闘争と生活闘争を結合

春闘の闘い方を確認

福島地連 中央委員会

福島地連第20回中央委員会=2月25日、サンライフ福島
福島地連第20回中央委員会=2月25日、サンライフ福島

 【福島】福島地連は2月25日に中央委員会を開催し、「勝ち取れ賃上げ、変えよう政治、くらしと職場の危機突破」をスローガンとする春闘方針と各議案を全員の賛成で採択しました。
 山崎委員長はあいさつで地連の現状について触れ、「結成当時の元気をとり戻し、組合から頼りにされる福島地連にしよう」と訴えました。本部から早川副委員長が参加し、組織強化・拡大と組織運営について講義を行いました。
 全体討論では、すべての単組から発言がありました。今春闘では、職場闘争と生活闘争を結合し、団結して奮闘することを確認しました。

職場の重点要求を確認

静岡地連 15春闘学習会

静岡地連15春闘学習会=2月23日、浜松・西塚区画整理記念館
静岡地連15春闘学習会=2月23日、浜松・西塚区画整理記念館

 【静岡】静岡地連は2月23日に春闘学習会をひらきました。
 本部の菊池書記次長が特定地域指定の状況や人手不足・燃料費低下など有利な条件について解説し、必ず要求を出してたたかおうと講演し、市村書記長が地連の春闘方針を提案しました。
 発言では、賃上げにつながる要求、勤務ダイヤ改善などを提出して交渉する(浜松タク)、アンケートにもとづき基本給・一時金アップを求める(掛川)、魅力ある職場づくりのため、賞与のアップを要求(浜松交通)などが報告され、争議中の石川タクシーの仲間は、春闘が闘える組合がうらやましい、勝利をめざして闘うので支援をお願いしたいと訴えました。

適正な台数・運賃の実現を

京都地連 中央委員会

 【京都】京都地連は2月26夜に中央委員会を開催しました。
 京都は、特定地域の指定から外れ、また、深夜・早朝割増廃止の認可が先行6社に加え新たに始まります。際限なき価格競争の中、賃金・労働条件の改善と組織拡大の課題の前進をいかにはかるか、熱心な討論が行われました。1日もはやく適正な台数と適正な運賃を実現しなければ、労使が共倒れとなり、安心・安全がおびやかされます。労働者、経営者、利用者、世論に実態を訴えること、組織拡大へむけ目的意識を持ってとりくむことなどを確認しました。

すべての単組で賃上げを

福岡地連 中央委員会

福岡地連第46回中央委員会=2月22日、志免町シーメイト
福岡地連第46回中央委員会=2月22日、志免町シーメイト

 【福岡】福岡地連は2月22日に中央委員会を開催し、春闘方針が全会一致で可決されました。
 中村委員長は、「今春闘は統一地方選挙も行われる。地域と結びつき、労働条件と利用者サービスを高めるとりくみと、最低賃金を払わない悪質事業者の一掃などの運動を通して組織の強化・拡大を進めよう」と訴えました。議案提案した内田書記長は、「今春闘では、各単組が運動のポイントを押さえ、すべての単組で必ず賃上げを実現しよう」と訴え、そのためには組合幹部の理論武装が重要な鍵だと強調しました。 
 また、福岡県知事予定候補の後藤富一さんが来賓として参加、労働者の要求を実現できる県政をめざす決意を述べました。

大幅賃上げ勝ちとろう

7隻の船で海上デモ

東京港総行動

組合旗をなびかせた船で海上デモを行う参加者=3月5日、東京湾
組合旗をなびかせた船で海上デモを行う参加者=3月5日、東京湾

 【東京】春闘で大幅賃上げを勝ちとろう、時給1000円以上実現、労働法制の改悪反対――3月5日、東京港湾関係労働組合協議会が中心となり、「不況打開・港の雇用と秩序の確立3・5東京港総行動」が実施されました。
 主催者を代表して佐藤史生議長は「行き過ぎた規制緩和によって格差と貧困が拡大し、実質賃金も18か月減少し続けている。安倍政権の暴走にストップをかけ、住民のいのちとくらしを守るための地域づくりをすすめるために奮闘しよう」とあいさつしました。
 行動には、港で働く労働者とともに、陸・海・空の交通・運輸・流通の仲間が多く参加、東京地連からは7組合19人が参加しました。参加者は7隻の船に分乗し、組合旗を掲げて元気よくアピールしました。