自交労働者No.866、2015年5月15日

悪政打破、守ろう平和とくらし

全国で自交総連の仲間が奮闘

第86回メーデー

 働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう――5月1日、全国でメーデーの集会・デモが行われ自交総連の仲間も各地で奮闘しました。

 【北海道】北海道メーデーは、札幌市の中島公園で開催され、地連からは20人が参加。満開となった沿道の桜を楽しみながら元気にデモ行進し、「戦争は絶対させない」など力いっぱいシュプレヒコールを唱和しました。終了後は、団結焼き肉交流会を開き、大いに盛り上がりました。

北海道メーデー
北海道メーデー

 【福島】福島市の街なか広場で開かれた中央集会には、55団体から約400人、地連から14人が参加しました。集会では、各団体が工夫を凝らした45秒アピールを行い、戦争立法反対や労働者の賃上げ、東京電力福島第一原発事故をめぐる国と東電への責任の追及などのメーデー宣言を採択しました。

福島メーデー
福島メーデー

 【東京】代々木公園で開催された中央メーデーには、2万8000人、東京地連から約700人が参加しました。主催者あいさつで全労連の小田川義和議長は、「労働運動の原点に立ち返った歴史的な闘いが迫られている。暴走政治ストップの声を強め、世論と運動で包囲し、くらし守れの要求を掲げてたたかおう」と呼びかけました。

中央メーデー(東京)
中央メーデー(東京)

 【神奈川】横浜公園で開かれた中央集会には、約2500人が参加、地本からは横浜ブロックの25人が参加しました。地域労連主催の各会場にもそれぞれのブロックから多数参加し会場を盛り上げました。デモ行進では、「速やかに減車の推進を」「タクシー運転免許を実現しよう」と力強く訴えました。

神奈川メーデー
神奈川メーデー

 【京都】二条城前で行われた集会には、中立組合や個人タクシーの仲間を含む約50人の自交労働者の仲間が参加。平和憲法を守ろう、原発ノー、賃上げで景気回復を、消費税増税ノーなどの要求を確認しました。デモ行進では「多すぎるタクシー減らせ」「値下げ競争やめよう」「タクシー運転免許を実現しよう」などと訴えました。

京都メーデー
京都メーデー

 【大阪】北区扇町公園で開催されたメーデーには6千人が参加、地連の仲間120人も奮闘しました。集会で川辺和宏実行委員長は、「安倍政権の暴走を許さず、また大阪市つぶしをねらう橋下・維新の企みを広範な市民と連帯し打破しよう」と呼びかけました。デモ行進では、地連・秋山委員長を先頭に悪政阻止を市民にアピールしました。

大阪メーデー
大阪メーデー

 【高知】高知市中央公園で開かれた集会には、45団体1100人が参加。3月に結成・加盟した北部ユニオンの仲間も奮闘しました。集会では、連休明けに国会で審議が始まる労働者派遣法改悪案について、「一生に渡って低賃金の派遣社員で働かされる社会に繋がるおそれがあり、阻止しなければならない」と確認しました。

高知メーデー
高知メーデー

 【鹿児島】天文館公園で開かれた中央集会には、37団体350人が参加。暴走政治を打破するため国民的共同の闘いを強めて行こう」と確認しました。集会後は、天文館通り、繁華街を1時間かけてデモ行進し、市民にアピールしました。

鹿児島メーデー
鹿児島メーデー

5月中決着へ個別対策強化

春闘最終決着にむけ対策

第2回中闘

春闘最終決着にむけ対策を決定した中闘=5月7日、東京・自交共済事務所
春闘最終決着にむけ対策を決定した中闘=5月7日、東京・自交共済事務所

 自交総連は5月7日、第2回中央闘争委員会(第4回常執)をひらき、春闘の最終決着にむけた対策を決めました。
 春闘では、従来なかった全組合が要求提出(大阪)など、多くの組合が要求を出して闘いを継続していますが、回答はまだ一部にとどまっています。このため、5月中の最終決着をめざして、(1)昨年実績を上回る賃上げ及び一職場一重点要求の実現(2)経営改善策や地域的政策要求の実現にむけた共同の確認(3)納得のいく内容での集約と労使協定の締結――という三つの解決基準をふまえて個別対策を強化していくことを確認しました。
 政策課題では、各地で地域協議会が開かれ、特定地域指定への同意をめぐって一部の事業者の身勝手な態度も目立っています。組合代表として労働条件改善という原則的な立場で発言をしていることが報告がされました。
 準特定地域のままとなった東京では労働8団体の共同が前進しています。

多すぎるタクシー減らして

関東ブロックがキャラバン宣伝

乗務員と対話する関東ブロックの仲間=4月27日、神奈川県・東戸塚駅
乗務員と対話する関東ブロックの仲間=4月27日、神奈川県・東戸塚駅

 関東ブロックは4月27〜29日、神奈川、静岡、山梨の3県で宣伝行動を実施。通しで参加した関東ブロックの代表と各地連・地本の仲間が、アンケートをとりながら宣伝を行いました。
 初日は、横浜駅から東戸塚駅、大船駅、藤沢駅で宣伝を行い、その後、静岡県に移動し、浜松駅で宣伝しました。1日目は、掛川駅、静岡駅とまわり、山梨県に向かう途中で、解雇闘争をたたかっている石川タクシー富士宮労組の組合事務所に立ち寄り、激励しました。山梨県では、石和温泉駅と甲府駅で宣伝を行い、3日間の日程を終えました。
 対話した乗務員からは、「タクシーが多すぎる」「なんとか減らしてほしい」といった声が聞かれました。

山梨県甲府駅での宣伝行動=4月28日 山梨県甲府駅での宣伝行動=4月28日
山梨県甲府駅での宣伝行動=4月28日

地道な活動が組織拡大に

「がんばって」と激励の声

埼玉地連が未組織宣伝

ビラを手渡す埼玉の仲間=4月27日、みずほ台駅
ビラを手渡す埼玉の仲間=4月27日、みずほ台駅

 【埼玉】埼玉地連は4月27日、東武東上線の各駅で宣伝行動を実施しました。
 この日は、約6時間の行動でビラ130枚を配布、未組織労働者への加入およびメーデー参加の呼びかけを行いました。対話した未組織の乗務員からは、「組合活動がんばってください」と激励の言葉をいただきました。東上線沿線は、自交総連の組合が多い地域ではありますが、まだまだ未組織の会社も多く、こうした地道な活動が自交総連全体の組合員数を増やすことに繋がっていくのだと実感しました。


労働者犠牲の低額運賃許すな

エムケイなどの公定幅運賃裁判で宣伝

大阪地連

宣伝行動に奮闘する大阪の仲間=4月24日
宣伝行動に奮闘する大阪の仲間=4月24日

 【大阪】大阪地連は4月24日、大阪高裁・地裁合同庁舎前で宣伝行動にとりくみ、公定幅運賃を不服とするエムケイグループやワンコイングループなどが起こした運賃変更命令差し止め訴訟について、両グループの実態を理解して公正な判断を下すよう訴えました。
 地連の秋山委員長は「エムケイやワンコインなどの定額運賃は、経営上のリスクやコスト負担を労働者に強いるブラックな手法で成り立っている」と指摘しました。
 この日の午後は、不当解雇事件でたたかうなみはや労組の証人尋問が行われることから、解雇無効の早期判決を求める宣伝も併せて行いました。

適正運賃の確立へ共同

仙台タクシー協会と協議

宮城地連

 【宮城】宮城地連は4月16日、仙台タクシー協会と減車や運賃値上げ問題などについて協議を行いました。
 仙台市地域協議会は3月27日、特定地域の指定に同意。それと同時に、適正車両数の見直しを国土交通省に要請しました。この件について、協会側からその後の動向について説明があり、可能な限り減車を求めて運動を強化していくことを確認しました。
 また、仙台市で、95年以降運賃の値上げがなされていないことについて、労働条件の改善のため適正な運賃の確立をめざし、共同でとりくんでいくことを確認しました。
 さらに、組合側は、新しい労働力が入ってくるような賃金体系の確立が必要であることを訴えました。


全国に拡大、指定地域では試験

受験料、受講料の扱いに注意が必要

運転者登録制

 昨年、改正されたタクシー特定地域特措法のうち、施行が今年10月とされていた改正タクシー業務適正化特措法の施行規則改正等の概要が明らかになりました。
 【解説】この改正はタクシー運転者登録制を全国に拡大するというもので、左表のように変わります。
 指定地域で新たにタクシー運転者になろうとする人は、試験を受けて合格しなければなりません。既存運転者はすでに登録済みのため試験や講習は必要ありません。
 指定地域以外の全国どこでも、講習と効果測定を受けて登録しなければなりません。既存運転者は、簡略化した講習を受け、効果測定は行いません。
 自交総連では、タクシー運転免許制度の法制化を最終的な目標に掲げて、資格制度の充実につながる登録制度の拡大も要求してきました。今回の改正は、登録制を全国に広げ、指定地域では試験も行うということで、一歩前進です。
 いっそうの充実・改善のためには、登録の主体を会社ではなく運転者個人にすることなど、さらなる法改正も必要です。
 また、受験料、受講料が必要になりますが、それが運転者負担に転嫁されないように警戒しなければなりません。

表
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