職場復帰へ闘いこれから
解雇事件で勝訴判決
大阪・なみはや交通労組
閉廷後、判決内容を確認する弁護士と支援の仲間=5月28日、大阪市内 |
【大阪】なみはや交通が組合員全員に対して行なった懲戒解雇について、地位確認や損害賠償などを求めて争っていた事件で、大阪地裁は5月28日、会社に対し、賃金支払いと損害賠償を命じる判決を出しました。
なみはや交通労組は、昨年8月に、仮処分決定をかちとりましたが、会社は、組合員の職場復帰を認めず、会社と同じ敷地内に別会社を設立。営業権や施設、従業員を新会社に譲渡する申請を近畿運輸局に行いました。そして、乗務員に対して新会社へ移ることの承諾書にサインするよう求める一方で、組合員には知らせていませんでした。組合は、他の従業員と同じく、組合員全員の雇用を求めましたが、会社はこれを拒否しました。
新会社設立・譲渡譲受が組合排除を目的に仕組まれた不当労働行為であることは明白です。申請は早ければ数か月後に認可される可能性もあり、運輸当局に対するいっそうの運動強化が求められます。
閉廷後の報告集会で弁護団は、傍聴支援にかけつけた地連や地域労連の仲間に判決内容を説明しました。藤木邦顕弁護士は、「判決を現実のものとさせるためには、さらなる運動が必要。会社側に、“判決に従え!組合員を職場に戻せ!”と強く要求していかなければならない」と強調しました。
全国の仲間の支援のおかげ
なみはや交通労組 松岡共吉委員長
私たちの闘いは、昨年初め、組合結成からわずか1か月後に、組合員7人全員が懲戒解雇されたことから始まりました。8月に地裁で解雇無効の仮処分決定が出されましたが、決定を受けても、会社は、争議の解決に向かうのではなく、同敷地内に別会社を立ち上げ、なみはやの営業権等を譲渡譲受する申請を運輸局に行い、現在認可待ちの状態です。
長いようであっという間の1年3か月でした。ここまでたたかってこられたのは、全国の仲間のご支援があったおかげです。この判決をテコにし、職場復帰を求めがんばってまいりますので、ひきつづきご支援をお願いいたします。どうもありがとうございました。
富士急は団体交渉に応じろ
支援の仲間100人かけつける
石川タクシー富士宮労組 争議支援行動
会社にむけてシュプレヒコール=5月28日、富士急東京本社前 |
全労連の争議支援総行動に合わせて、静岡・石川タクシー富士宮労組支援共闘会議は5月28日、富士急東京本社への抗議要請行動を実施しました。
早朝に浜松を出発、静岡・富士宮を経て原告5人を含む21人がマイクロバスで上京しました。関東ブロックの支援の仲間もかけつけ、約百人が渋谷区初台の富士急東京本社前に集まりました。
全労連井上事務局長が「富士急は争議をきっちり解決しなければ、自らの信用問題になる」と述べ、諏訪部委員長が「血も涙もない解散・解雇を絶対に許すわけにはいかない。富士急は団体交渉に応じろ」と決意表明し、要請書を社員に手渡しました。
午後は、最高裁に要請しました。
特定地域指定問題でも奮闘
春闘総括と今後の課題を討議
第3回中闘
春闘総括を行った第3回中闘=6月4日、東京・自交共済事務所 |
自交総連は6月4日、第3回中央闘争委員会(第5回常執)をひらき、春闘総括と今後の課題を討議しました。
春闘は1日現在で要求提出率66%、うち回答43%、解決28%となっていますが、おおむね解決金支給や運転者負担の改善、福利厚生費など職場ごとの重点要求を獲得して集約に向かっている状況です。政策課題での前進や特定地域指定問題での奮闘なども確認されました。
政策委員会で検討
3日には、常執メンバーに加え、北海学園大学の川村教授、国土交通労組の後藤副委員長の参加を得て、タクシー政策の新たな展開をめざす政策委員会を開催しました。
改正特措法施行後も依然として労働条件の改善が図られず、高齢化の進行など危機的な状況もあるなかで、社会的水準の労働条件をめざし、希望のもてる政策を整理して、改めて提起していく課題を討論し、秋の大会に報告することを確認しました。
労働法制改悪を阻止しよう
宣伝・デモ・集会を終日展開
5・27中央行動
安倍暴走政治ストップ! 労働法制改悪阻止・最賃大幅引き上げ5・27中央行動が5月27日に行われました。戦争法案が国会提出されたため、例年の最賃デーとしての行動に加えて戦争立法許すなのスローガンを加えて行動しました。
朝から新橋駅など都内4か所で宣伝。
10時45分からは総務省前で公務員総人件費削減反対、公務・公共サービス拡充の行動が行われ、自交総連菊池書記次長があいさつ、安全のため交通運輸事業監査要員の充実の必要性などを指摘して激励しました。
昼から日比谷野外音楽堂で総決起集会をひらき、戦争法案、労働法制改悪案で緊迫する国会情勢などが報告され、国会請願デモを行いました。
横断幕を掲げアピールする参加者=5月27日、総務省前 | 国会請願デモのようす |
出来上がりの達成感大きい
東京地連・泊り込み教宣学校
編集作業にとりかかる参加者=6月1日、トーカ熱海 |
【東京】東京地連教育活動委員会は6月1〜2日、泊り込み教宣学校を開催し、23人が参加しました。
はじめに、池田教育活動委員長が「新聞作りの基本」と題して、機関紙発行の意義や新聞の形式、文章や写真の決まりごとなどについて講義しました。
その後、参加者は、各班に分かれ熱海駅周辺に出発、タクシー会社や観光案内所、土産物屋など、思い思いの場所で取材を行いました。編集作業は、途中、夕食や交流会をはさみながら深夜まで及び、翌日の作品講評では全員が真剣に耳を傾けていました。
参加者からは、「最初は取材に応じてもらえるか不安だったが、快く応じてもらえたことで編集作業も楽にできた。この経験を今後の組合活動に生かしていきたい」「役割分担した記事や写真をひとつの新聞にすり合わせるのは大変だったが、出来上がりの達成感が大きかった」などの感想が寄せられました。
この成果を全国に |
大阪・なみはや交通
不当解雇事件で勝利判決
大阪地裁 解雇は組合つぶしが目的
【大阪】なみはや交通労組の組合員全員が会社から不当解雇された事件で、大阪地裁は5月28日、会社に対し、賃金支払いと損害賠償を命じる判決を出しました。
同社は、乗務員を個別に呼びつけて賃率引下げなど労働条件を一方的に改悪。問題解決をめざして労働組合を結成すると、組合員全員に対して懲戒解雇を通告してきました。
判決は、会社が行なった懲戒解雇について、「原告らに対し、弁明の機会を付与するどころか、懲戒の理由となる具体的事実を特定して示すことすらしていない」と指摘。さらに、「原告らが、労働組合を結成し、本件賃率変更に対抗することを疎んじ、これを被告会社から排除する手段として本件各懲戒解雇をしたことが明らかというべき」と断じ、本件懲戒解雇は「違法なものであって無効」としました。
売上低下・長時間労働も影響
高齢化が進む地域で増加
2014年度 交通事故統計
2014年中の交通事故の統計がまとまりました。
全体の事故件数が減っている中で、バスやタクシーの事故件数も減少していますが、地域によっては増加しているところがあります。
10件以上増加した地域は、バスは、千葉19、京都23、兵庫25、山口13、鹿児島20。タクシーは、群馬28、静岡11、奈良11、和歌山17、鹿児島13でした。いずれも乗務員の高齢化が深刻になっている地域です。
また、走行キロ当たりの発生率(13年)では、タクシーは、100万キロ当たり1・6、全自動車は0・8で、自動車全体の約2倍の発生率となっています。売上減と長時間労働が事故を引き起こしている事情が変わっていないことがわかります。