首相は国民の声を聞け
怒りの声が国会を取り囲む
国会前で「戦争法案反対」の声をあげる参加者=7月16日 |
衆院可決の知らせを受け横断幕の内容を変更 |
集団的自衛権の行使容認を柱とする安保関連法案は、7月16日の衆議院本会議で可決されました。
午後2時過ぎ、可決の知らせが入ると、約2000人の参加者から「戦争法案絶対反対!」「安倍政権は今すぐ退陣!」と怒りのコールがわき起こりました。
国会前での抗議活動は夜までつづきました。午後6時を過ぎると、仕事帰りの人や学校の授業を終えた学生も加わり、数万人の規模になりました。
この日は、東京地連の仲間も奮闘し、集会等に参加したほか、宣伝カーで都内をまわり、市民にアピールしました。
全労連も参加する総がかり行動実行委員会では、参院での審議に合わせて、全国各地で反対の集会・デモなどの行動を広げ、8月30日に、国会を包囲する最大級の行動を呼びかけています。
戦争したがる総理はいらない
15夏季闘争7・24中央行動
7万人が国会とりまく
雨の中デモ行進に出発する参加者と夜の集会でプラカードを掲げ訴える人たち(右下)=7月24日、都内 |
【東京】7月24日、全労連・国民春闘共闘・東京春闘共闘・国民大運動実行委員会主催の「15夏季闘争7・24中央行動」が行われました。
昼から日比谷野外音楽堂で開かれた決起集会では、東京地連の川崎書記長が決意表明しました。集会後は、厚労省前で、最賃引き上げ、労働法制改悪反対。人事院前で、公務員賃金改善、フレックスタイム制導入反対を訴えました。
その後、参加者は国会請願デモに出発。突如降り出した雨の中、「戦争法案今すぐ廃案!」「戦争したがる総理はいらない!」とシュプレヒコールをあげながら歩きました。
午後6時半からは、「安倍政権NO!首相官邸包囲」が行われ、7万人(主催者発表)が日比谷集会や、国会議事堂をとりまく4か所で抗議行動を展開しました。
戦争法案は廃案に
おおさか1万人大集会
集会後、デモ行進に出発する参加者 =7月18日、大阪市・扇町公園 |
【大阪】7月18日、大阪市で安全保障関連法案の廃案を訴える大規模な集会が開かれ、1万人を超える人たちが集結、地連の仲間も参加しました。
集会は弁護士、青年、医師、宗教家、芸術家、学者、ジャーナリストなど49氏の呼びかけで開かれました。呼びかけ人の中から8氏がスピーチ。カトリック修道女のマリア・コラレスさんは「この世で一番価値があるのは人の命。その命を戦争に祝福して行かせることなど絶対にありえない。いろんな方法で声をあげていこう」と呼びかけました。
集会後は3つのコースに別れてデモ行進。参加者は「強行採決絶対反対!」「戦争法案今すぐ廃案!」とコールしながら繁華街を歩きました。
核兵器廃絶の願いつなぐ
原水爆禁止国民平和大行進
大阪地連
シュプレヒコールをあげながら行進する大阪の仲間と地域の人たち=7月4日、大阪市内 |
【大阪】8月に広島・長崎で開催される「原水爆禁止世界大会」に向けて、全国11のコースを行進しながら核兵器廃絶・非核平和の願いを世界にアピールする「原水爆禁止国民平和大行進」。大阪地連は7月4日に「網の目コース」(住之江区役所→四天王寺前)に責任団体としてとりくみました。
行進には、地連の仲間や地域の人たち200人が参加し、「憲法違反の戦争法案を撤回させよう!」「今こそ核兵器をなくそう!」とシュプレヒコールをあげながら約7キロのコースを元気よく歩きました。
次年度運動方針案など討議
「白タク合法化」に警戒
第6回常執
自交総連は7月9〜10日、第6回常任中央執行委員会をひらき、次年度運動方針案などを討議しました。
運動方針案は、特定地域不同意が10地域もあるなど改正特措法の実効があがらないなか、新たな将来像としてタクシー運転免許構想を掲げ自交総連の真価を発揮して闘うことを呼びかけています。その保障である組織拡大などの教訓と展望などの意見が出されるとともに、急浮上しているウーバーやリフトなど「白タク合法化」を求める動きについても、もし日本がTPPへ参加することが決まれば、その危険性はいっそう高まるなど議論が交わされました。
第38回定期大会は10月14〜15日に東京・全労連会館で開くことを確認しました。
白タク合法化に断固反対
東京ハイタク労組代表者会議が声明
自交総連東京地連はじめ東京のハイタク労組7団体でつくる東京ハイタク労組代表者会議は6月24日、声明文「白タク行為合法化を断固阻止する決議」を発表。ライドシェアに対抗していく姿勢を明らかにしました。東タク協にも声明文を送り、労使共闘を進めることとしています。
声明では、ウーバーによる福岡での実験や、新経済連盟によるライドシェア合法化要請などの動きに対し、改正タクシー特措法の意義を著しく損なうばかりか、安心・安全を求める利便までも損ない、ハイタク労働者の労働条件のさらなる悪化をもたらし、その行く末は日本のタクシー事業の崩壊であると非難。ハイタク労働者の総力をあげ、あらゆる手段と運動で断固として阻止していくことを宣言しています。
県内一周宣伝・学習会
高齢化と地域間格差が深刻
鹿児島地連
乗務員から話を聞く鹿児島の仲間 =7月13日 |
【鹿児島】鹿児島地連は7月13日〜17日、県内一周拡大宣伝行動を行い、県内主要駅やタクシーが待機している商店街などをまわりました。
行動には、毎日3〜4人の組合員が参加、各地の労働者から地方・地域の実情を聞き、組合の大切さを訴えました。行動を通して、県内での地域間格差は深刻で、需要が多い地域もある一方で、年金をもらいながらでないとやっていけない地域が多く、高齢化の進行と規制緩和の弊害が明らかになりました。
また、19日には、夏季学習会を19名の参加で開催しました。講師に内田常任中央執行委員をまねき、特定地域特措法の問題について学習しました。6月に鹿児島市が特定地域に指定されたこともあり、法律が実際の労働条件改善につながっていないことなど、問題点について活発に討論しました。自教からも多数が参加。20歳代の若い組合員もおり、労働条件改善にむけた奮闘を確認しました。
東北ブロック幹部学校
組織拡大テーマに討論
東北ブロックは7月14〜15日、第16回幹部学校を山形県鶴岡市で開催し、青森、秋田、山形、宮城、福島の各地連から28人が参加しました。
初日は、参加者が鶴岡駅と酒田駅で宣伝行動を実施しました。
幹部学校では、山形県労連の濱田議長が「戦争法案反対の闘いと県労連」について、本部の今村書記長が「タクシー産業の危機と政策闘争の方向性」について、それぞれ講義を行いました。
2日目は、各地連が現状と課題について報告。また、自主経営交流会の報告や争議組合の現状について説明がありました。
その後、組織拡大をテーマに討論を行い、青森地連・ひまわり労組が、この1年間の組織拡大のとりくみについて報告しました。
新公示運賃実施後の状況
インバウンドの実態を追及
バス部会 国交省交渉
要請書を渡す石垣部会長=7月10日 |
自交総連バス部会は7月10日、石垣部会長(自交総連副委員長)ら9人で国交省交渉を行い、新公示運賃実施後の状況やインバウンド(外国人旅行客専業の貸切バス)の実態などを追及しました。
新公示運賃では、上がった分を手数料として還元するよう求める旅行社があり、国交省も運転者人件費の保障という「新運賃の趣旨を損うもの」は何らかの対応をしたいとしました。
初めて参加した福岡・甘木観光でバス乗務員をしている組合員が「30歳で結婚したばかりだが、なんでこんなに長時間労働なのに給料が低いのと嫁からいわれる。賃金を良くしないと労働者も確保できないし、安全も保てない」と現場の実情を訴えました。
要請事項 | 回答要旨 |
1.昨年4月から実施されている貸切バスの新公示運賃制度について、その運用実態をどのように把握、検証しているのか明らかにすること。旅行業者が手数料・紹介料などの増額をバス会社に要求して運賃値上げ分を実質的に相殺してしまうなどの事例に対して、新制度の趣旨が実現するよう対策を講じること。 ――新公示運賃違反で処分した例はあるのか? |
新運賃の収受状況や手数料の実態はバス協会を通じて調査し、フォローアップ会議(7〜8月開催予定)で報告される。 |
2.「インバウンド」(外国人旅行者)を主な業務としているバス会社で「改善基準」違反の1か月連続勤務や運転者のバス車内宿泊、公示運賃以下での運行など法令違反が蔓延しているとの報道や報告が寄せられている。実態を把握し、重点的に監査指導行うこと。 ――インバウンドの運転者で1か月間1度も休んでいないなどの実態を目にしている。放置すれば、いずれ事故が起きる。 |
「安全・安心回復プラン」で監査や処分は重点的に行うことにし、街頭監査も導入した。関東・関西・中部の主要空港周辺でも街頭監査をしている。 |
3.運転者の体調急変による事故等を防ぐために、長距離・夜間・大型などの一定の条件の運行には、保安要員(バスガイド・車掌)の乗務を義務付けるとともに、消火器・緊急表示灯の点検、避難訓練を義務化すること。 | 見通しが悪い等の道路を除き車掌なしの運行は認められている。(体調急変については)交替運転者の配置や何かあった場合に運行管理者が速やかに対応できる体制とするように義務付けている。 |
4.交替運転者配置基準を、すべての貸切バス・高速乗合バスについて、走行距離500km(回送を含み、一般道は2倍換算)、夜間運行は距離に関わらず運転者2人制とするよう改正すること。 | 配置基準は関越道の事故を契機に、関係者の意見を聞いて、運転者の生理的な観点もふまえて最低限の基準として定めた。 まずは基準の周知徹底、実効性の確保に努めたい。 |
5.過労運転による事故の防止及び昨年施行された過労死等防止対策推進法で、国は「過労死等の防止のための対策を効果的に推進する責務を有する」(第4条)とされたことをふまえ、厚生労働省に働きかけ、連携して、自動車運転者の労働時間等の改善基準を改正すること。 | 自動車運転者が長時間労働となっている点は認識している。 改善基準は、労基法では規制が難しい自動車運転者のケースについて労使・関係者が協議して、実情をふまえて最低限の基準としてつくられたものと認識している。 国交省では過労運転等の防止のため、ハード面で、睡眠状態を把握する機器などに補助を出している。 |