組合結成し改善の成果
新加盟 組合 3地方3組合が加盟
自交総連には、この1年間で3組合が新たに加盟しました。それぞれの組合の仲間に意気込みを話してもらいました。
働きやすい職場をめざす
東京・省東自動車労組 直井委員長
東京・省東自動車労組の直井委員長 |
昨年9月に共闘組合から正式加盟させていただきました。いろいろな情報や経験、テクニックを教えていただき、経営者との交渉も煮詰まりました。現状の労働条件に満足せず、より向上させるため、組合員全員でアイディアを出し合い、さまざまなデータをもとに効率の良い営業、働きやすい職場をめざします。そのためにも、執行部がよりいっそう努力して、良い成果をあげることができるよう団結してがんばります。
仲間を増やし労働条件改善
埼玉・初雁交通労組 吉野委員長
埼玉・初雁交通労組の吉野委員長 |
私は以前、他の会社で乗務員を務めていました。初雁交通には、以前、自交総連加盟の労働組合がありましたが、組合員の高齢化や退職などで少数となったため、やむなく解散したと聞いています。
私は、川越駅で営業をしていますが、周りに多くの自交総連の組合員がおり、組合の必要性や共済事業について聞くうちに、自分の会社にも自交総連の組合が必要だと判断しました。4人の仲間とともに結成、その後1人が加盟して5人となりました。まだ少数ですので、会社と対等に渡り合えるまでには力をつけてはいませんが、これから仲間を増やし、労働条件改善をめざしがんばろうと思います。
成果を伝えて組織拡大へ
高知・自交総連北部ユニオン 比江森委員長
高知・北部ユニオンと支援の仲間 |
県交北部交通で働く仲間5人は、雇用問題や賃金・労働条件等の改善を求め、今年3月に組合を結成、加盟しました。結成後、(1)一時金夏期1・5か月、冬期1・8か月、(2)運行手当を含む賃金・労働条件の改善、(3)貸切りバス乗務員を65歳まで雇用すること――の3要求を掲げ団体交渉にのぞみました。
(1)については(夏期分が7月に、冬期分が12月に)要求通り支払われることとなり、(3)については、定年65歳(以後は路線バスで継続雇用)となりました。(2)については、10月のダイヤ改正をふまえ、8月〜9月頃に労使交渉で協議することとなりました。この成果を職場ニュースで知らせ、組織拡大につなげたいと思います。
民意も憲法も踏みにじる暴挙
城委員長談話
度重なる強行採決は、民主主義の否定というより、国民無視といえる暴挙です。多くの国民が反対するなか、民意も憲法も踏みにじり、とにかく強行突破しようとする姿勢は、戦後一番危険な安倍暴走政治の本性をあらわすものです。
そもそも、この戦争法案は違憲であり、議論するに値しない、廃案しかないものでした。憲法とは、「日本をこういう国にしよう」という理念、目標であり、国民主権、恒久平和、基本的人権の尊重などを原則に「国家権力を制限して人権を保障する」というものであり、人権をどう守るのかという意思が盛り込まれているものです。戦争に行くということは、まさしく憲法の概念を踏みにじることであり、違憲であることは明らかです。「集団的自衛権の行使は限定的」などと、いくら詭弁を使っても、民意を無視し、アメリカと共に戦争をする国に突き進んでいくことは明らかです。このことは、沖縄辺野古の新基地建設に対する対応が物語っています。
戦争法が成立したことで、国民不在の専制政治がより勢いを増していきます。労働者・国民として平和を守るため、さらに奮闘しましょう。
「あり方検討会」中間とりまとめ
適正化と活性化は車の両輪
国土交通省
新しいタクシーのあり方検討会(=国交省自動車局長の私的懇談会)は8月28日、中間とりまとめを公表しました。
「今後講ずべき施策」では、(1)タクシー需要の創出・拡大 (2)人材の確保・育成 (3)経営基盤の強化、の3つを柱とし、安全・安心なタクシー機能を安定的に提供していくための具体策を示しています。
しかし、これらはいずれも“活性化”に重きが置かれていたため、7月の第3回会合で出された関係労使の委員からの厳しい意見などをふまえ原案の一部修正が行われました。
「適正化(需給調整)と活性化は車の両輪」という位置付けの確認や特定地域指定基準の見直し議論と合わせ法運用の改善を検討していくことなどの内容が盛り込まれています。
検討会に委員として参加してきた今村書記長は、これまで“活性化一辺倒”の議事進行に懸念を示しつつ、適正化による賃金増の実現と賃金制度改善の必要性を指摘してきました。
交運研 シンガポール交通調査
自家用車抑制し公共交通優先
シンガポールのタクシー |
交運研のシンガポール交通調査が9月13〜18日に行われ、自交総連から菊池書記次長と庭和田大阪地連書記長が参加しました。
シンガポールは、人口550万人で東京23区よりわずかに大きい島国ですが、自家用車を抑制し、公共交通を優先する政策を取っています。中心部では自動車の流入に課金するロード・プライシングが行われ、地下鉄とバスはインフラを国有化して、低運賃で利用しやすくなっています。
運輸省陸上交通局やタクシー企業を訪問して話を聞きました。
タクシーはリース制で、98年に規制緩和が実施されていますが、大きな混乱や運転者の収入の低下は起きていません。需要が旺盛であることと、増車が実質的に制限され、タクシー職業免許制度で運転者の質を保つようにしています。
(次号から詳しく報告します)
実効ある制度運用を
運転者登録制度が全国拡大
10月1日の改正タクシー業務適正化特別措置法施行にともない、これまで指定13都市で実施していたタクシー運転者登録制度が全国拡大されます。
◎特定指定地域(東京、大阪、横浜)では、従来「地理」試験だけだったものが、「地理」と「法令・安全・接遇」の2科目になります。
◎指定地域(札幌、仙台、さいたま、千葉、名古屋、京都、神戸、広島、北九州、福岡)は、従来「法令」「安全」「接遇」「地理」の4科目の講習・効果測定でしたが、今後は、特定指定地域と同じ2科目の試験に合格することが必要となります。
ただし、いずれの地域においても既存運転者は受験の必要はありません。
◎それ以外の地域では、これまで試験や講習はありませんでしたが、新制度では「法令」「安全」「接遇」「地理」の4科目の講習・効果測定の受講が必要となります(基準に達しない場合は再講習)。なお、既存運転者は「法令」「安全」の講習のみで、効果測定はありません。
自交総連では、タクシー運転免許法制化を最終目標に掲げ、資格制度の充実につながる登録制度の拡大も要求してきました。今回の改正は一歩前進といえます。今後は、実効ある制度運用を求めるとともに、タクシー運転免許構想の実現にむけ世論を広げる必要があります。また、制度にかかる費用が運転者に転嫁されないようにすることも重要です。