仲間を増やし白タク阻止へ
ブロックから今年の抱負
2015年メーデー=15年5月1日 |
岩手県の空白を克服
自交総連の政策実現を
副委員長 石垣 敦
東北ブロック
東北の各地では、中心的都市ではタクシーの供給過剰の解消が課題であり、いっぽう過疎地域では、住民の足の確保が課題となっています。
また、若い労働者の不足は共通の課題であり、公共交通を担うにふさわしい労働条件の確立がいそがれます。
こうした問題は、白タクが入りこむ口実となっており、安心・安全を守る上でもまったなしの課題です。
自交総連のかかげる政策の実現こそが問題の解決の基本ですが、それにしても組織勢力が不足しています。
今年こそは、岩手県での空白を克服し、中心的都市すべてに自交総連の旗を掲げたいと考えています。弘前タクシーひまわり労組の組織拡大の教訓や山形地連の地域住民の足を守るとりくみの教訓を普及しながら、共同のとりくみを強めます。
拡大4か年計画の総仕上げ
組織を超えて白タク阻止
副委員長 早川 広之
関東ブロック
組織強化拡大推進4か年計画の総仕上げの年、関東ブロック一都六県、一丸となってとりくみたいと思います。
昨年、安倍自公政権の暴挙で成立した戦争法、公約違反のTPP、原発再稼動、消費税増税、沖縄新基地建設、いずれもが民意に逆行した政治です。立憲主義・民主主義を取り戻すため、産別労働組合の存在の重要性が高まっています。
白タク合法化問題は、喫緊の課題で、組織を超えたすべてのハイタク労働者の団結と経営者を巻きこんだ闘いの構築で何としてもハイタク業界を守り抜いていきます。
このような課題を成功させ、茨城の関鉄タクシー労組・静岡の石川タクシー富士宮労組争議の解決に向け関東ブロックは組織拡大宣伝行動キャラバンをとりくんでいきます。
橋下維新の特区を懸念
ブロック挙げて未組織宣伝
副委員長 秋山 民夫
関西ブロック
2016年にあたり関西ブロックを代表して新春のご挨拶を申し上げます。
昨年は関西ブロックにとって非常に厳しい1年でありました。春の未組織宣伝行動はブロックを挙げてとりくみましたが、その後、京都地連において中枢的な会社が1社は自主廃業、1社は倒産廃業となりました。大阪をはじめ和歌山、奈良も労働条件が改善されず、若年労働者の雇用がなく、高齢化がすすみ組織維持が危ぶまれる状況です。
その中での白タク合法化問題、過疎地の京丹後市・養父市の問題だけでなく、大阪ダブル選挙の橋下維新の勝利で特区問題がふたたび持ち上がり、白タク合法化問題にも悪影響を与えると非常に懸念される年になります。
これを労働者の団結で乗り切っていく決意です。
拡大と減車に全力
宣伝カーをフル活用
九州ブロック議長 瀬戸山 実義
九州ブロック
明けましておめでとうございます。
昨年の九州ブロックは厳しい年でありましたが、2016年こそは組織拡大を前進させれるよう奮闘したいと思います。
昨年の15春闘には間に合いませんでしたが、九州ブロックの宣伝カーを新たに入手することができました。
九州では現在5県に地連があり奮闘していますが、定年による組合員減少で新組合を立ち上げても追い付かない状況になっています。
今年は宣伝カーをフル活用し、空白県の熊本、宮崎両県の宣伝、各地連の宣伝の強化を重点課題に運動を進めます。
本部の宣伝ビラと併せ独自のビラを作成し、組織拡大と減車闘争に全力をあげ、仲間を増やして労働条件改善への道を切り開いていく所存です。
ライドシェアに危機感持ち結束し国民に訴える行動を
自交総連中央執行委員長 城 政利
謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
安倍政権が進めてきたアベノミクスの結果は、経済を破綻させただけです。
大企業の利益は増えたものの、労働者の賃金に反映させなかったため、消費や投資が落ち込む悪循環が起きてしまったというのが、「アベノミクス」の特徴です。
タクシーの長引く需要低迷の原因も、日本全体の労働者を覆う「低賃金」です。
来年の消費税増税を中止させ、すべての労働者の賃金の底上げとして、最低賃金の引き上げが重要となっています。
タクシー特定地域特措法が施行されて2年、各地域協で合意形成が図られないなど、法改正の主旨である「労働条件の改善」が事実上骨抜きにされています。改正法の主旨を守り、適正化を進めることが重要となります。
一方、規制緩和推進勢力が、「ライドシェア」をさらなる構造改革の一つとして安倍政権と一体となり、一億総活躍社会の実現に貢献するとしてTPPを活用しながら進めようとしていることに危機感を持たなくてはなりません。
道路運送法もISD条項に抵触し、執行できない可能性も出てきます。
「白タクの危険性」を、すべての産別組織、事業者団体が結束し、利用者・国民に訴える行動を取ることが重要となります。
政策委員会報告を確認
新たなタクシー政策
第1回中執
第1回中央執行委員会=12月17日 |
自交総連は12月17日、東京・台東区内で第1回中央執行委員会をひらき、政策委員会報告を確認、春闘方針案を論議しました。
政策委員会報告は「安心・安全、持続可能な公共交通を担うタクシーをめざして」と題して、今日の情勢にみあった政策を新たに整理したものです。
(1)地域協議会の発展(2)公共交通を担うタクシーの役割発揮(3)適正な運賃の確立(4)企業の社会的責任(5)社会的水準の労働条件確立(6)タクシー運転免許の実現――の項目で政策を掲げています。
この政策を発表し討議するため1月27日、中央委員会終了後に政策研究集会を行うことも決めました。
春闘方針案は、労働者の権利として要求を掲げる意義を再確認して、職場で要求を固めいっせいにたたかうことを基本にし、とくに白タク合法化阻止のため、臨時徴収金を組合員に提起することも含めて闘争態勢を確立することを提起しています。さらに地方で議論をした上で、中央委員会に提起していくことにしました。
ライドシェアは慎重に対応
最賃引上げ強く求める
交運共闘 国交省・厚労省と交渉
厚労省との交渉=12月11日 |
交運共闘は12月11日、国交省・厚労省と交渉しました。
国交省では、自動車運転者の労働時間等の改善基準を厚労省と協力して改正するよう要求、省側は、要望は厚労省とも情報を共有していくとしました。
白タク合法化問題では「安心・安全が最重要。ライドシェアの業者は運送の責任を負わないので慎重な検討が必要」と答えました。
厚労省では、改善基準改正に加え最賃の引上げを強く求め、首相が言及した年3%引上げでは遅すぎると指摘、省側は、3%だと1000円になるのは23年になること、地方の格差が大きいことは認めました。
両省とも、監査・監督に必要な人員の確保では協力することを伝えました。
ライドシェアは道運法の枠内で
減車と運賃値上げは両輪
宮城地連 運輸局交渉、政策懇談会
宮城・制度政策懇談会 |
【宮城】宮城地連は12月7日、東北運輸局との交渉を実施しました。
組合側がライドシェア反対や減車実施のため個別指導などのとりくみを強くせまると、局側も仙台市が改正特措法の先行地域であることを認め、事業者から話を聞き対応すると回答し、ライドシェアについては現行の道路運送法の枠内で対応すべきと明言。過疎地域の自治体に対しても現行法を守り問題解決にあたるよう指導するとしました。
12月11日には、タクシー会社6社出席の制度政策懇談会を開催しました。
ライドシェア問題の阻止のため労使共同のとりくみを重視し、交通過疎地域で事業者も住民・自治体とタイアップしていくと表明。減車問題では、年度内に地域計画の策定に全力をあげ、参加各社の具体的減車台数について報告されました。
労働条件改善のためには減車と運賃値上げは両輪であることを確認しました。
観光バスの仲間
「合理化」はねかえす
前年同率賞与を獲得
北部ユニオン
【高知】昨年4月に自交総連に加盟した北部ユニオンは前年同率の年末一時金をかちとりました。
北部交通は自治体から委託を受けて県北部山間地域のバス路線を運行している会社で、委託のため利益はない、経営が苦しいとして、賃金「合理化」が行われていました。
初めての秋闘では、(1)冬期賞与1・8か月(2)65歳定年制(3)運行手当引き上げを要求、5回の団交を重ねましたが回答がないため、県労働委員会にあっせんを申請、労働委員会が団交で円満に解決するようあっせんし、12月4日、賞与1・8か月を18日に支払うと回答がありました。その他の要求は継続して交渉しています。
冬季一時金総額1300万円
過去最高額で妥結
福岡・甘木観光労組
【福岡】甘木観光労組は12月7日、冬季一時金の団体交渉を行いました。
組合は貸切バス部門が中国、韓国からの観光客増大で黒字に転じたことから夏季一時金の支給総額1000万円を上回る1500万円を要求。会社はタクシー分野が赤字であることを理由に夏季一時金と同額と回答しましたが、組合は労働条件の大幅な改善がなければ人材が入ってこないと主張しました。
交渉の末、過去最高額の1300万円(従業員65人)と組合主宰イベントに福利厚生として20万円を支給することで妥結となりました。
自教の仲間
「皆で豊かに」
入社1年目の人にも寸志
上北沢自校
【東京】上北沢自動車学校労働組合は、今秋闘は異例にも、切り札は最後までしまっておこうとストを構えず臨みました。やはり会社も最近は組合の意向、力量を認知し、以前ほどの不誠実な回答はしなくなりました。
冬季一時金については前年比+1万円の66万5000円、上げ幅は前年、前々年より少ないですが、今まで一時金支給対象者から外れていた、入社1年目の人にも今回「寸志」として月給の10%の額が配られることになり、「皆で豊かに」の組合の意向が反映された格好になりました。退職金については勤続10〜15年を1%増額。満足はしていませんが、長い目で、一歩一歩前進していきます。
白タク合法化阻止 危険な白タク ライドシェア
人を輸送するためには厳格な管理が必要
白タクは犯罪行為
ライドシェア(相乗り)は、無許可で自家用車を使って旅客を運送するもので、道路運送法違反です。こうした行為は白タク(ナンバープレートが営業用は緑、自家用は白のため)として禁じられ「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」(96条)となる犯罪です。
安全確保の義務
道路運送法は、旅客運送事業を行う者には許可を求めています(4条)。事業者には安全に事業を遂行する能力が必要とされるからです。
資格のある運行管理者を配置しなければならず(23条)、点呼により、運転者の健康状態を把握し、疲労、飲酒等をチェックしなければなりません。自動車の安全点検も義務づけられています。
運転者には資格
運転者は一定の要件(二種免許所持、登録等)を備えた者でなければなりません(25条)。
過労運転防止のために運転者の労働時間がきちんと管理されていなければなりません(27条)。
自家用有償旅客運送制度もある
タクシーがない過疎地域などでやむを得ず自家用車を使って人を輸送する場合には、自家用有償旅客運送(78条)という制度があります。
地域協議会で実情を審査し、許可が必要です。
道路運送法の規定(要旨)
(許可)
第4条 一般旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
(運行管理者)
第23条 一般旅客自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、…運行管理者を選任 しなければならない。
(運転者の制限)
第25条 一般旅客自動車運送事業者は、年齢、運転の経歴その他政令で定める一定の要件を備える者でなければ、その事業用自動車の運転をさせてはならない。
(輸送の安全等)
第27条 一般旅客自動車運送事業者は、…運転者の適切な勤務時間及び乗務時間の設定…過労運転を防止するために必要な措置を講じなければならない。
(有償運送)
第78条 自家用自動車は、次に掲げる場合を除き、有償で運送の用に供してはならない。
一 災害のため緊急を要するとき。
二 市町村、特定非営利活動法人…が、一の市町村の区域内の住民の運送その他の国土交通省令で定める旅客の運送(以下「自家用有償旅客運送」という。)を行うとき。
三 公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するとき。