自交労働者No.883、2016年3月1日

白タク合法化阻止へいっせい宣伝

乗務員・利用者と対話

2・1宣伝行動

 自交総連は2月1日、全国いっせい宣伝行動にとりくみました。この行動は02年同日にタクシー規制緩和が実施されたことを忘れないために、毎年実施しているものです。

京丹後市へ
ライドシェアに関わる要望書を提出

要望を渡す福田委員長=京都・京丹後市
要望を渡す福田委員長=京都・京丹後市
ビラを渡して対話する=宮城・仙台市
ビラを渡して対話する=宮城・仙台市
利用者にビラを配る仲間=東京都内
利用者にビラを配る仲間=東京都内
説明しつつビラを配る=神奈川・横須賀市
説明しつつビラを配る=神奈川・横須賀市
近運局前で訴える仲間=大阪市
近運局前で訴える仲間=大阪市

 【京都】2月1日、福田委員長と鵜飼執行委員は京丹後市役所を訪れ、「ライドシェアに関わる要望」を提出しました。京丹後市役所の木村嘉充企画総務部長は、「住民の足をまかなえない状態なので、ライドシェア導入で補完し移動手段を確保したい」と述べました。福田委員長は、「交通確保のためには、利用者、行政、会社が一体となりライドシェアではなく、安全で持続的な公共交通の再構築を進めることが必要ではないか」と要望し、今後も意見交換の場を設けることを双方確認しました。
 【宮城】2月1日、15人でとりくみ、仙台駅前で500枚のビラを配りました。宣伝カーのバッテリーがあがり演説はできませんでしたが、ビラ受け取りは良かったです。
 【東京】2月1日、主要駅頭などで宣伝行動を実施。白タク合法化のうごきはタクシー業界存立の危機ととらえ、乗務員に対話を交えつつビラとティッシュを配布しました。
 【神奈川】2月1日、寒風吹き荒れる中、市内8か所の主要駅においてビラ配りをブロックの協力のもと実施しました。16人で230枚のビラに独自作成したビラを添付し現状説明をしながら配りました。
 【大阪】2月1日、ターミナル駅5か所で労働条件改善、規制強化を訴える宣伝行動を行いました。秋山委員長は白タク合法化を絶対認めないよう近運局に向け訴えました。
 【福岡】2月1日、博多駅、福岡空港で組合員9人が参加し春闘スタートの宣伝行動を行いました。タクシープールでは、車から降りてビラをもらいに来る乗務員もいました。
 【長崎】2月19日にオートガススタンドの明治商会で、ビラや機関紙などを3人で82セット配布しました。ビラを受けった乗務員から多数質問され、その都度説明して納得するまで質問攻めでした。
 【鹿児島】2月1日、3グループ9人で市内待機場のタクシー労働者に180枚のビラを配りました。また、戦争法廃止への署名もとりくみ、15筆が寄せられました。

車から降りビラをもらう乗務員=福岡市 乗務員へ宣伝・対話する仲間=長崎市
車から降りビラをもらう乗務員=福岡市 乗務員へ宣伝・対話する仲間=長崎市

スキーバス事故の対策

ライドシェア導入阻止を要請

共産党議員と懇談

写真

 2月16日、バス事故とライドシェア問題で日本共産党国会議員団と自交総連の懇談が行われました。
 穀田恵二、本村伸子、清水忠史衆議院議員、辰已孝太郎参議院議員と秘書ら、自交総連から大阪バス部会と東京、菊池書記次長ら6人が参加しました。
 バス事故について、個別対策だけではなく規制緩和自体の誤りを政府に認めさせなければならない点や改善基準の問題点、旅行会社対策などが話し合われ、ライドシェアについては自交総連から特区で導入の危険があることを示し阻止を要請しました。

白タク合法化阻止 危険な白タク ライドシェア

交通確保を口実に過疎地で危険な白タク実験

国家戦略特区を利用して導入ねらう

特区を突破口にして全国へ

 危険な白タク=ライドシェアを日本に導入しようとしている勢力は、まず国家戦略特区でライドシェアを導入して実績をつくり、それから全国に広げる作戦を考えています。
 国家戦略特区(下図)とは、「『岩盤規制』改革の突破口」として「規制改革等の施策を総合的かつ集中的に推進する(内閣府広報)」ために設けられたもので、安倍内閣が13年に制定、毎年の法改正で地域や実施項目が追加されます。
 特区の京都・京丹後市や兵庫・養父市がライドシェアの導入を計画し、今年の法改正でライドシェアを可能にする道路運送法の改定が盛り込まれるかが焦点になっています。

ウーバーを取り上げ議論

 2月5日の特区諮問会議では、「過疎地域等での自家用車ライドシェアの拡大」が検討事項として報告されました。
 議事では、議員の八田達夫アジア成長研究所所長がライドシェアの拡大を提案して「安全確保のために従来より行われてきた諸規制は、必ずしも有効に機能していない」などと説明。同議員の坂村健東大大学院教授がウーバーを取り上げ「自動車を利用したい人と、車をつかって手軽にアルバイトしたい人をネットでマッチングする」「それに対する規制がないことが重要」だとして、ドライバーと乗客が事前登録して両方の過去の評価を見ることができるから「ネット社会がそういう信頼性の担保を規制でやらなくてもよくしています」と、規制がなくても安全性が担保できるかのように言っています。

無責任な規制緩和論が横行

 坂村氏はコンピュータ技術の高名な専門家ですが、交通やや労働の実態を理解しているのでしょうか。現実に各国で起きている事件や事故は「車をつかって手軽にアルバイトしたい人」が自由勝手に他人を輸送しているからこそ発生しているのに、評価で選べば大丈夫だというのは無責任としかいいようがありません。

画像

勝ち取ろう賃上げ

方針に基づき職場要求へ

埼玉・第47回中央委員会

団結がんばろうを唱和する埼玉地連=2月14日
団結がんばろうを唱和する埼玉地連=2月14日

 【埼玉】埼玉地連は2月14日、吉見町のフレンドシップハイツよしみで第47回中央委員会を開催、「勝ち取ろう賃上げ、職場権利!政治を変え、白タク合法化阻止!16春闘」のスローガンを掲げた春闘方針が確認されました。方針に基づき単組で職場要求をまとめていきます。最重要課題の白タク合法化阻止に向け、未組織労働者や事業者を含め、3・8総決起集会への全県呼びかけ宣伝行動を22日より行うことを確認しました。大阪地連庭和田書記長が来賓として参加し、全国で運動を展開しようとの決意表明がありました。

組織強化・拡大の推進

安倍政権の企て許さない

東京・春闘討論集会

議論が白熱する東京地連の分散会=2月3日、きぬ川ホテル三日月
議論が白熱する東京地連の分散会=2月3日、きぬ川ホテル三日月

 【東京】東京地連は、春闘方針案を討議する春闘討論集会を2月2〜4日、「きぬ川ホテル三日月」で開催。42組合185人が参加しました。あいさつで城委員長は、「戦争法廃止と労働法制改悪など安倍政権による企てを許さない闘いと白タク合法化阻止、初乗り距離短縮運賃の導入を許さず、組織強化・拡大の推進が重要」と訴えました。2日目はタクシー、ハイヤー、技職の12の分散会が開催され、春闘方針等が議論されました。3日目は分散会報告、全体会議の後、団結がんばろうで終了しました。

白タク阻止求める

利用者の安心安全のため

大阪・第73回中央委員会

大阪地連第73回中央委員会=2月9日
大阪地連第73回中央委員会=2月9日

 【大阪】大阪地連は2月9日、「暴走政治を変え、白タク合法化阻止 賃上げ、職場権利の確立 16春闘」をスローガンに第73回中央委員会を大阪市北区内で開き、「ライドシェアの問題点、危険性を広く国民に伝えて、その合法化を阻止」「名実ともに『おおさか維新政治』を駆逐する」などとした2016年春闘方針を全会一致で決定しました。
 秋山委員長は「労働者だけの問題ではなく、利用者の安心安全を守るためにも白タク合法化を阻止し、労働条件改善を事業者、行政に求めねばならない」と強調しました。

要求まとめて提出

ライドシェアに相次ぐ質問

神奈川・春闘討論集会

神奈川地本の春闘討論集会=2月15日
神奈川地本の春闘討論集会=2月15日

 【神奈川】神奈川地本は2月15日に横須賀で春闘討論集会をひらきました。木下委員長はあいさつで、労働者の賃金が下がってタクシーの売上げも増えない、アベノミクスの失敗だ、最低賃金の引上げ等にとりくまなければならないと訴え、本部・菊池書記次長が白タク合法化問題を解説、佐藤書記長が春闘方針を提案しました。
 討論では、ライドシェアの危険性や初乗り距離短縮運賃についての質問も相次ぎ、春闘で組合員の要求をまとめて提出していくことを確認しました。

5か月かけて最賃保障を獲得

信頼得て 組織も拡大

青森地連

 【青森】青森地連が2組織に縮小する中、弘前タクシーひまわり労組は、次第に組織を拡大し、あと十数人で職場の過半数を超える組織に発展しました。
 職場の中でも信頼が生まれ、自分の身を守るためには組織に加入した方が有利と知った非組合員も加入し始めました。
 会社は、一昨年夏の新社長就任後から、急に経営状態が思わしくないと乗務員の賃率の大幅引き下げを求め、応じない場合は嘱託の契約更新をしない等と申し入れがありました。職場集会を開催し、賃金をこれ以上引き下げられたら生活できないと闘う決意を固め合いました。青森県では、ほとんどのタクシー会社は最低賃金を支払っていません。自交総連東北ブロックの石垣議長に2度ほど団体交渉に参加していただいたことから、最低賃金への道筋が見えてきました。会社と話し合いを繰り返し、団体交渉は30回を超えました。5か月かけて最低賃金を保障するという合意に達し調印、組合員の生活を守ることができました。


新加盟のなかま  (838) 茨城・ハイタク一般労組

個人加盟労組を結成

 茨城県で、一人でも加入できる個人加盟の茨城ハイタク一般労組(坂野利男委員長、4人)が結成されました。
 つくば・守谷地区を中心に、有休休暇や運転者負担、累進歩合などで労働者から相談が寄せられ、関鉄労組元委員長の坂野さんらの働きかけで、労働条件改善のため組合を結成しようとまとまり、複数の会社で働く労働者が加盟して15年11月25日に結成大会をひらきました。