8団体・組織の違い超え実現
3・8 ハイタク労働者総決起集会
日比谷公会堂をうめつくす全国のハイタク労働者の仲間たち=3月8日、東京・日比谷公会堂 |
3月8日、「安全破壊の白タク合法化阻止! ハイタク労働者総決起集会」が東京・日比谷公会堂で開催されました。これは全自交労連、交通労連ハイタク部会、私鉄総連ハイタク協議会、KPU、全中労、中労協、労供労連東京、自交総連の8団体が組織の違いを超え実現させた歴史的な一点共同です。集会後は都内をデモ行進し、白タク合法化阻止を訴えました(詳細は次号掲載)。
規制緩和のひずみを追及
改善基準の見直しを
清水衆院議員質問
質問する清水議員=2月22日、衆議院予算委員会 |
日本共産党の清水忠史衆院議員は2月22日、予算委員会で質問に立ち、軽井沢スキーバス事故の背景にある規制緩和について政府を追及しました。
清水議員は、関越道事故後の対策では不十分だったと指摘し、規制緩和による構造的問題があると追及。事業者の倍増により安値競争となり、運転者の賃金低下につながったと迫りました。しかし石井国土交通大臣は、規制緩和が生み出したひずみを認めず、改めて課題を精査し抜本的対策を講じると言うにとどまりました。
さらに清水議員は、自動車運転者の改善基準の不十分さを指摘、過労死ラインを超える残業を認める基準は実態に合わないとただしました。塩崎厚生労働大臣は、改善基準は労使の話し合いで決まったことで、法定すると自動車運転者にのみ労基法を上回る罰則付きの義務付けを行うことになり、関係労使の合意が難しいとし、石井国交大臣も、まず基準の遵守からと消極的な答えに終始しました。
清水議員は、政治が改善基準告示の見直し、法制化をやらないと事故の再発防止はできない、と実効ある対策を強く求めました。
危機感、業界全体のものでない
労使会議の設置を要請
大阪地連
要請書を提出する秋山委員長=2月18日、大阪 |
【大阪】大阪地連は2月18日、大阪タクシー協会へ「白タク合法化阻止に向けた共同行動と労働条件改善」を要請しました。
要請項目は、(1)「ライドシェア等対策労使会議」(仮称)の早急な設置、(2)利用者の「安心・安全・快適」を担保できる労働条件改善の速やかな構築、の二つです。
交渉で組合側は、「ウーバーが過疎地で既成事実を積み上げ、大都市でのライドシェア解禁を目論んでいるのは明白」としましたが、協会側は「大都市については、まだそれほどの動きではない」と述べ、組合側は危機感が業界全体のものになっていないと指摘しました。「労使会議」の設置について協会側は、「労使懇談会の中で議論したい」としました。
初乗り短縮運賃、絶対阻止
「職場で大いに議論したい」
東京地連
講義後のグループ討議=2月19日、東京 |
【東京】東京地連教育活動委員会は、ATUカレッジ2月教室を19日に上野区民館、20日に台東一丁目会館で開催しました。
今回は自交総連本部の菊池書記次長が「白タク合法化と初乗り距離短縮運賃阻止の闘い」と題し講義。「白タク問題の背景に新自由主義に基づく規制緩和推進勢力の存在があり、白タク合法化阻止に向けて3・8中央行動を成功させなければならない」、「東タク協の初乗り距離短縮運賃案は結局、労働強化につながるだけであり絶対に阻止すべき」等と説明しました。
参加者からは「今日の内容は役員や組合員にも十分理解されていないので、職場で大いに議論していきたい」などの感想が寄せられました。
2日間で運営を含めて14組合42人が参加しました。
新たな規制緩和許さない
労働条件改善へ共闘
交運共闘 第27回総会
団結ガンバロウをする参加者=2月26日、東京 |
交運共闘は2月26日、東京都内で第27回総会をひらき16年度運動方針を決めました。
あいさつした赤羽議長は、戦争法廃止の2000万人署名の奮闘を訴えるとともに、交通運輸の職場に規制緩和の攻撃が激しくなっていることを指摘して、安倍政権の打倒を呼びかけました。
参加産別、地方共闘から52人が参加して討論しました。採択された新年度運動方針は、戦争法反対のなかで強化された国民の共同を確信に政治変革をめざし、ライドシェアなど新たな規制緩和を許さず、TPP批准阻止、交通運輸労働者の労働条件改善のために共闘をすすめることにしています。
自交総連から副議長に城委員長、事務局長に菊池書記次長が再任されました。
この成果を全国に |
茨城・関鉄タク労組
65歳での継続雇用拒否を撤回
中央労働委員会 解決金支払いで和解
茨城・関鉄タクシー労組は、坂野前委員長と上野組合員が65歳定年時に継続雇用を拒否されていた事件で3月3日、中央労働委員会で和解をかちとりました。
関鉄タクシーでは2010年に組合を結成、坂野さんらが中心となって活動していました。当時、誰でも70歳までは継続雇用されていたのに、二人が65歳の定年に達した12年、勤務成績が悪いなどとして継続雇用が拒否されました。
組合つぶしを狙った不当労働行為だとして茨城県労働委員会に申立て、14年に職場復帰の命令が出されましたが、会社が不服として中労委に再審査を申立てていました。
中労委では、会社が所定労働時間をきちんと規定していなかったり、継続雇用の基準があいまいであったりすることが明らかになるなか、(1)正常な労使関係の確立(2)坂野、上野両氏を嘱託として再雇用したものとみなし、解決金を支払う(3)再雇用制度の運用を組合と協議する(4)労働時間の取り扱いを組合と協議する――という内容の和解が成立しました。
特区法改正で自家用車による観光客輸送
3月2日に開かれた国家戦略特区諮問会議で、今国会に提案される国家戦略特区法改正のなかに「過疎地域等での自家用自動車の活用拡大」が盛り込まれました。
特区法のなかに道路運送法の特例を設けて、現在の自家用有償旅客運送制度を改定、過疎地等で主として観光客を運送するための新たな制度を創設するというものです。
【解説】ライドシェアの解禁、白タク合法化を狙う勢力は、特区を利用して実績をつくり、それを突破口にして全国で実施することをねらっています。
特区諮問会議は、自家用有償旅客運送への営利企業の参入や地域協議会からのバス・タクシー事業者の排除などを求めていましたが、国交省側の抵抗で、これは入りませんでした。
しかし、認める区域を特区の区域会議が迅速に決定できるようにするとされ、広い地域で観光客の運送に自家用自動車の使用が認められるようになっており、ライドシェア認知の実験として運用される危険が高まっています。
白タク合法化阻止 危険な白タク ライドシェア
観光客運送で実績つくりライドシェア認知へ
過疎地域等での自家用車の活用拡大
今国会に提案される特区法改正に「過疎地域等での自家用自動車の活用拡大」が盛り込まれることになりました。自家用有償旅客運送制度を改定して、観光客を運送するための新たな制度を創設するというものです。
法の趣旨に反する
過疎地における自家用有償旅客運送制度は、(1)バス・タクシーのない地域で(2)地域住民の生活に必要な輸送を確保するため(3)営利を目的としない市町村やNPOが実施をするものとして設けられた制度です。
この制度を観光客のために使うのは法の趣旨に反します。仮に実施したとしても利益が上がるものでもありません。
そのようなことをなぜするのかといえば、市町村等にアプリを提供し、自家用車で一般旅客を運ぶという実績をつくってライドシェアを認知させるためと思われます。次第に要件を緩和させ、やがてはライドシェア企業の参入や都市部での展開を狙っていることは明らかです。
〇特区法改正案の概要
(2016.3.2特区諮問会議)
《過疎地等での自家用自動車の活用拡大》
過疎地域等での主として観光客のための制度として、市町村、運送実施予定者及び交通事業者が相互の連携について協議した上で、特区の区域会議が、運送の区域等を迅速に決定できるようにする。
(道路運送法の特例)
〇現行の自家用有償運送(公共交通空白地有償運送)の要点
《目 的》
地域住民の生活に必要な旅客輸送を確保するため、一般旅客自動車運送事業者によることが困難であり、地域の関係者が必要であると合意した場合に、市町村やNPO等による自家用自動車を使用した有償旅客運送を可能とする
《運送する旅客の範囲》
会員登録を受けた者であって、当該地域内の住民及びその親族、その他当該地域内において日常生活に必要な要務を反復継続して行う者及びその同伴者
当該地域の交通が著しく不便であることを市町村長が認めた場合には、上記に掲げる者の他、名簿に記載されていない来訪者又は滞在者(同伴者を除く)
(H18.9.15国自旅第142号、最終改正H27.3.30国自旅第352号)
白タク合法化阻止で闘う
組合の総力挙げて
福岡・第47回中央委員会
白タク合法化阻止を訴える中村執行委員長=2月21日、福岡 |
【福岡】2月21日、志免町シーメイトで福岡地連第47回中央委員会が開催されました。
中村執行委員長は、「安倍政権は、この3年間で正規労働者が23万人減り、非正規労働者が172万人増えた事を自慢しているが、これは派遣法の改悪で賃金が低い非正規労働者を増やした結果であり、消費を冷え込ませ景気の悪化を招いている」、「ライドシェア問題は、産業の未来のためにも組合の総力を挙げて白タク合法化阻止で闘おう」と強く訴えました。
委員会では、すべての春闘方針とタクシー月額2万1000円、バス月額1万6000円のベースアップを盛り込んだ春闘統一要求書が採択されました。
白タク阻止へ闘争本部の設置
宣伝強化と共同追及
宮城・第37回中央委員会
宮城地連第37回中央委員会=2月23日、宮城 |
【宮城】宮城地連は2月23日、七郷市民センターにおいて第37回中央委員会を開催し、春闘方針を決定しました。
白タク合法化阻止闘争について、地連にも闘争本部の設置を決定。宣伝の強化、共同の追求、闘争資金の確立などを決定しました。この間、全自交宮城地本との共同闘争で合意した経過やシンポジウム開催などにとりくむことが確認されました。また、新しく加入した帝産労組の三役が紹介されました。
労働条件の改善が必要
「労務倒産が心配」
福島・第21回中央委員会
【福島】福島地連は2月29日、サンライフ福島で第21回中央委員会を開催しました。
白タク合法化阻止・賃上げ、職場権利の確立等の方針が満場一致で確認されました。
議案報告では実態・要求アンケートの集計結果の報告があり、乗務員の高年齢化や労働環境の改善が遅々として進まない状況が報告されました。
また講演として本部石垣副委員長が白タク合法化の問題点を解説しました。
討論では各単組から、「労働条件の改善が必要だ」、「乗務員不足や高齢化による労務倒産が心配だ」などの訴えが聞かれました。
核兵器廃絶訴える
弘徳院まで献花墓参行進
3・1ビキニデー
東京地連青年部の3人=3月1日 |
【東京】アメリカがマーシャル諸島ビキニ環礁で行った水爆実験から62年目の3月1日、静岡県焼津市で「3・1ビキニデー集会」が行われました。
東京地連青年部の竹内陽一さん(グリーンキャブ労組)、関直人さん(日の丸自交労組)、田口真孝さん(東都自動車労組)は、2月29日から静岡市内で開催された「2016年3・1ビキニデー日本原水協全国集会・全体集会」に参加し、3月1日は第五福竜丸元無線長の久保山愛吉さんが眠る弘徳院まで献花墓参行進しました。3人はそれぞれが参加した分科会で核兵器廃絶を訴えることの重要さを改めて実感しました。
新たに2人が仲間入り
職場に信頼や期待
高知
土電ハイヤー労組の仲間 |
【高知】昨年9月に結成した土電ハイヤー労組は2月25日、4月からの36協定締結にむけ、片岡秀典委員長を職場代表者に選出しようと組合員全員で未組織の仲間に賛同書を配布し、過半数をめざしています。
この間の当該労組の職場環境改善や年休手当改善要求、法律遵守要求などを通じて職場の仲間に信頼や期待が集まっています。
こうしたもとで、1〜2月にかけて新たに2人の組合員が仲間入りしました。
団体交渉前には必ず議題と要求について学習し、打ち合わせを行い、交渉に備えています。
16年春闘要求の組織化にむけ、春闘アンケートのとりくみを未組織の仲間に広げ3月中旬の要求提出をめざしています。