全国で自交総連の仲間が奮闘
第87回メーデー
団結ガンバロウ=5月1日、東京・代々木公園 |
働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう――5月1日、全国でメーデーの集会・デモが行われ自交総連の仲間も各地で奮闘しました。
白タク、初乗り短縮に反対
中央メーデー(東京) |
【東京】代々木公園で開催された中央メーデーには3万人が集結し、東京地連からは43組合728人が参加しました。城委員長が団体決意表明し、デモ行進では「白タク、初乗り距離短縮運賃導入反対」を訴えました。
感想を聞くとグリーンキャブ労組の男性(61)は「今回のメーデーはすばらしい」と声をはずませ、大和自動車王子労組の男性(54)は「例年参加しているが本年は特に企画に工夫があり楽しいです」と話してくれました。
元気に市街地をねり歩く
福島メーデー |
【福島】小雨が降る中、各単産の代表者による45秒アピールがあり、仮装にふんした団体もあって会場を盛り上げていました。パレードでは元気に市街地をねり歩きました。
対決に向け力強く意思統一
大阪メーデー |
【大阪】扇町公園には8000人、大阪府下15か所の地域メーデーとあわせると1万5000(大阪地連=120人)が参加しました。
安倍暴走政治とおおさか維新の「改憲タッグ」との全面対決に向けて力強く意思統一しました。
高知地連から5人が参加
高知メーデー |
【高知】高知中央メーデーに高知地連から5人が参加しました。
熊本地震の復興支援に力を
福岡メーデー |
【福岡】集会には45人が参加しました。
福岡市中央区冷泉公園では、熊本・大分大地震の復興支援に力を入れること等が決議されました。
『戦術は歴史の中にある』
福岡メーデー |
【長崎】集会には9人が参加、各単産の報告・パフォーマンスの後、パレードが行われました。「『戦術は、歴史のなかにある』と、再確認できた集会でした。
白タク参入ハードル下がる
規制緩和認めぬ立場の堅持を
衆議院地方創生特別委員会
田村衆院議員 |
国家戦略特区法改正案審議が衆議院地方創生特別委員会で4月22日に始まり、日本共産党の田村貴昭衆院議員が同日質問しました。
田村議員は、改正案では輸送対象を外国人観光客に限定するのかと質問、国交省自動車局の持永審議官は、日本人でも、ビジネス客でも、地域住民でも排除しないと回答。また田村議員は、この制度は担当大臣と区域会議に参画する自治体の首長と事業主体が合意をすればGOとなり、安全・安心の低下、白タク行為がしやすくなることを指摘しました。
さらに福岡市で昨年ウーバーが行ったライドシェアの実験についても質問、国交省持永審議官は、一般ドライバーにウーバーが対価を払うことで道路運送法に抵触し、事故発生時の保険の有無も不明確で利用者保護にも問題があったため中止指導したと答えました。
田村議員は、アメリカ資本や日本企業が求める規制緩和や白タク行為を認めない立場を、政府に堅持するよう強く訴えました。
特区法改正案衆院で可決
国家戦略特区法改正案は4月26日、衆議院地方創生特別委員会で自民・公明・おおさか維新等の賛成で可決され(民進・共産は反対)、連休明けに参議院の審議に移ります。
反対討論に立った日本共産党の田村貴昭衆院議員は、構造改革勢力の要望に応えた今回の改正で白タク参入のハードルが低くなると指摘しました。特区制度は例外で全国への拡大やライドシェアを容認しないなどの附帯決議が付けられました。
白タク合法化阻止 危険な白タク ライドシェア
ネット上の評価制度があるから安全?
乱射事件運転者が高評価だった現実が無責任な主張を否定
銃乱射事件を伝えるロイターのサイト画面。記事では、ウーバーが求職者との面接を行わず、ネットで申し込みを受け付けるだけなのが問題とする指摘を紹介している |
白タク合法化=ライドシェアを推進する勢力は、ライドシェアはタクシーに比べて危険だとする指摘に対して、レーティングシステム(評価制度)があるから安全が担保されると主張しています。
その典型が国家戦略特区諮問会議の坂村健議員(東大大学院教授)で、下掲(1)のように述べています。
しかし評価システムは、乗客の主観にもとづくもので客観性がなく、ひどい扱いを受けた犠牲者が出たのちに悪いドライバーが排除されるのですから、なんら安全を担保するものではありません。
アメリカでは評価の高いドライバーが重大事件を引き起こす事例(下掲(2))が発生していることがその証拠です。
(1)第19回国家戦略特区諮問会議(16年2月5日)での坂村健氏(有識者議員、東大大学院教授の発言(要旨)
今、世界的にシェアリングエコノミーというものが非常に注目されています。例えば、Uberというものは、自動車を利用したい人と、車を使って手軽にアルバイトしたい人をネットでマッチングするサイトです。これが始めてからたった5年で時価総額がホンダ自動車を超えたという例が米国で出ております。
こういうことを可能にするのは、まずそれに対する規制がないことが重要なのですけれども、もう一つ大事だったのが、ネットとICTの高度な利用なのです。悪質なサービスの提供者や、逆に悪質な客がいるから、弱い側を守るために、今、日本では規制をしているわけですが、Uberでは、流しではなくてドライバーとお客さんの両方が事前登録していて、マッチング時にドライバーとお客さんの両方の過去の評価を見ることができます。そういうことで評判を上げておかないと運転手も客もマッチング時にパスされるので、互いに振る舞いをよくしていくというふうになっていくわけです。ネット社会がそういう信頼性の担保を規制でやらなくてもよくしています。
(2)Uberドライバーの銃乱射事件で容疑者の評価が良好だったことを伝える記事(要旨)(16年2月23日、Tech Crunch)
Uberは、19日夜にミシガン州で6人を殺害したとされるUberドライバーD容疑者に関する会見を開いた。当夜、容疑者は、銃撃の合間にUberで乗客を運んだと疑われている。
事件前のD容疑者のドライバー評価ポイントは4.73で、一般に「好意的なフィードバック」を受けていた。評価の最高は5である。評価が4.6を下回ると、Uberはそのドライバーの排除を考える場合がある。
闘いの本番はこれから
「労働組合連絡協議会」へ改称
ハイタク労働者総決起集会実行委員会 会合
ハイタク労働者総決起集会実行委員会は4月26日、衆議院議員会館内で集会実施後2回目の会合をひらき、今後のとりくみ方について協議しました。
総括的意見では、8団体共同による3・8集会の成功が、どの団体においても好感と今後への期待をもって職場・地域で話題になっていることが明らかになっています。
そうした流れを受け、闘いの本番はまさにこれから≠フ共通認識のもと、「安全破壊の白タク合法化阻止 労働組合連絡協議会」として、共同の前進を図ることを申し合わせました。
中央における今後の共同拡大や地方での幅広い形態でのとりくみ推進が期待されます。
この会合には、全自交労連、交通労連ハイタク部会、私鉄総連、KPU、全中労、中労協、労供労連の代表とともに、自交総連からは城委員長と今村書記長が参加。また、ライドシェア問題を法律的視点から研究している東京共同法律事務所の山口広、川上資人弁護士も参加。自交総連顧問弁護団とも連絡・協力し合っていることが報告されました。
ライドシェアは安全規制を潜脱する違法な白タク
意見書完成
自交総連顧問弁護団が執筆した「ライドシェアの合法化に反対する意見書」が完成し、特区法改正審議が行われる参議院内閣委員など各方面に送付しました。
意見書は、(1)道路運送法等によるタクシー事業に対する法規制、(2)ライドシェアの仕組みと問題点(違法性)、(3)事業者間の不公正競争と運転者の労働条件破壊を招くライドシェア、(4)国家戦略特区制度の問題点、(5)国家戦略特別区域法改正案の問題点、という5章で構成し、全体で2万字を超える詳細なものです。
ライドシェアは、タクシーの安全規制を丸ごと潜脱する違法な白タクと指摘、その危険性と不公正競争、労働条件破壊を招く実態を分析、推進論を批判しています。
初乗り短縮 反対を
自交総連への結集呼びかけ
関東B宣伝行動
ドライバーと対話する仲間=4月26日、神奈川 |
【東京】関東ブロックは4月25〜27日、神奈川、静岡、山梨県の駅頭でキャラバン宣伝を行いました。
宣伝では、乗務員に簡単なアンケートをとり対話をしつつ自交総連の機関紙と白タク合法化反対のビラを配りました。また、東京で行われている初乗り距離短縮運賃の動向が近県にも影響することを宣伝し、労働条件が下がる制度政策は共同して反対する必要があると自交総連への結集を呼びかけました。浜松駅では乗務員が「収入が下がっている。繁華街などで行われている白タク行為を何とかしてほしいと」と切実に話しました。甲府駅では新人の乗務員が「年金をもらえるようになったから乗務員になった」と話し、低賃金で若い人から敬遠されている実態を見ました。
同意8、不同意4地区
特定地域指定候補の動向
国土交通省は昨年12月、14年度輸送実績にもとづくタクシー特措法の特定地域指定候補を公表しました。候補として挙がった地域の5月10日時点の動向は、下表のとおりです。
13地域中、前回不同意だった千葉県の京葉、東葛、千葉、福岡県久留米市の4地域で今回同意が得られました。一方、4地区(静岡県静清、滋賀県大津市、香川県高松、高知県高知)では、今回も不同意の結果となりました。岡山はまだ未定です。
「白タクは輸送秩序 阻害」
関東運輸局へ要請行動
東京地連
要請書を渡す=4月19日、東京 |
【東京】東京地連は4月19日、関東運輸局要請行動を実施しました。内容は、(1)あらゆる白タク行為を駆逐し、タクシーの将来展望を明確に示すこと。(2)初乗り距離短縮運賃を認可しないこと。労働組合の同意のない申請は受理しないこと―など9項目。
回答は、(1)白タクは輸送の秩序を阻害し利用者利便を損なうものとして警察当局とも連携して対処している。将来展望については改正タクシー特定地域特措法の運用を適切に行うことが重要。(2)7割ルールも含めて審査基準に基づき粛々と対処している。申請はあくまで事業者の経営判断であり組合の合意の有無は審査基準にない―とし、回答後は意見交換しました。
戦争法廃止、立憲主義の回復が焦点
参議院選挙と自交労働者(1)
憲法違反の政権に対抗し市民と野党の連合が結成
7月10日投票が有力視される参議院選挙が間近に迫りました。憲法違反の戦争法、解禁が狙われている白タク=ライドシェアなど自交労働者のくらしがかかる重大な選挙です。その争点を考えてみましょう。
◎
国民の多数が反対し、デモの波が国会を包む中、昨年9月に戦争法が強行可決されました。
戦争法は憲法に違反し、日本が戦争に参加する道を開くものだとして反対が広がりました。すでに成立したとはいえ、参議院選挙で賛成した政党を少数派にし、反対した政党が多数となれば、実際に自衛隊が海外に派遣される前に発動を停止させ、法律を廃止する道が開けます。
そのために歴史上はじめて市民の後押しで野党の連合ができ1人区では野党統一候補が実現しています。
【日本国憲法第9条】
(1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
(2)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。