長時間・不規則な労働が影響
健康被害、道路運送業が突出
自交共済の2014年12月から2015年11月までの死亡給付死因がまとまりました。ガンが36・8%(14人)でもっとも多く、自殺も3人を数えています。
ガンや自殺が多い現状
【解説】自交総連の産別共済である「自交共済」の調べでは、共済組合員の死亡数は38人で1000人当たりの死亡率は12年度の6・7から15年度は8・3に悪化しています。
原因別にみると、ガンが36・8%で第1位、第2位は循環器系(心臓、脳疾患など)。自殺が日本男子の平均より大幅に高く7・9%です(図1)。これは厚労省の「過労死」統計とも共通しており、道路旅客運送業の精神疾患(うつ病自殺)は全産業の中でとくに高くなっています(図2)。
人間は本来、昼間働き夜寝るように出来ています。長時間労働や深夜を含む不規則な労働時間による慢性疲労により、肉体的・精神的な影響が出ている現状がうかがえます。
またこうした勤務形態に身体が順応し、公休日に休んだ後に身体のリズムがくるい病気になるケースも多くみられます。
タクシーの特質から深夜労働が避けられない以上、労働時間を短くして負荷を減らすことが必要ですが、実際は平均より長時間労働です。運収を上げるために労働時間を長くせざるを得ない現状があり、賃金と事業環境の改善が欠かせません。
いまこそ核兵器なくそう
沖縄の思い大事にがんばろう
原水禁国民平和大行進
炎天下の平和行進=7月4日、住之江区 |
【大阪】大阪地連は7月4日、核兵器廃絶を訴えて全国を歩く「2016年――原水爆禁止国民平和大行進」の網の目コースで住之江区役所→四天王寺西門前を行進しました。国民平和大行進は95年に始まり、すべての都道府県を通過し、毎年10万人が参加する国民的大行動です。参加者は「いまこそ核兵器をなくそう!」と声を張り上げました。
府内通し行進者の大島守さん(大阪平和遺族会代表)は「『核も基地もない沖縄・日本を取り戻そう!』とのメッセージがオール沖縄からオール日本に向けて発せられた。私たちも沖縄の思いを大事にしつつがんばろう」と呼びかけました。
炎天下、参加者は汗をぬぐいながら、「憲法9条を守ろう」「普天間基地は無条件に撤去させよう」とシュプレヒコールをあげました。
現状打破で意思統一
組織拡大について集中議論
東北B幹部学校
秋田で行われた東北ブロックの幹部学校=7月19日、横手交流センター |
【宮城】東北ブロックは7月19〜20日、秋田県横手交流センターにおいて、第17回幹部学校を開催し、青森・秋田・山形・宮城・福島の各地連、本部、秋田県労連から32人が参加しました。
本部の今村書記長は、「安心・安全、持続可能な公共交通をめざして」について講演。タクシー産業の危機(事業経営の維持、安心・安全の確保、労働組合の存続)に対し政策的方向性を明確にすると共に、企業の社会的責任を追及する重要性を強調しました。
秋田県労連の星野議長(自治労連秋田県本部)は、「地方交通を守るための自治体の取り組み」について講演、地方の人口減少と高齢化、マイカーの普及による公共交通の衰退の中で、暮らしを守るためのとりくみを求めました。その中でタクシーが新たに果たすべき役割が大きくなっていると訴えました。
2日目は、各県の取り組みの報告後、組織拡大について集中し議論を行い、現状打破で意思統一しました。
タクシー運転免許で白タクに対抗
共にたたかう運動の構築を
東京地連夏季研集会
東京地連夏季研究集会の分散会で白タク問題などを議論する参加者=7月6日、鬼怒川ホテル三日月 |
【東京】東京地連は7月5〜6日、鬼怒川ホテル三日月で第59回夏季研究集会を開催。40組合、172人が参加しました。
主催者を代表して城委員長が「自交総連が提唱している『タクシー運転免許』の実現が、ライドシェアへの対抗策になる。組織を強化・拡大し産別に結集して共にたたかう運動を構築することが重要だ」と訴えました。
川崎書記長が2016年春闘総括と次年度運動方針の骨子を提起し、提起の中でテレビで放映された「初乗り距離短縮運賃」の問題にも触れ、2キロ未満では運賃が安くなるが、2キロを超えると現行運賃よりも高くなることが報じられていました。
2日目の午前中は前日に続いて分散会討論を行い午後からの全体会議では、分散会報告、全体討論、執行部まとめの後、城委員長による団結がんばろうで終了しました。
1人区11議席を獲得
野党共闘と市民、力あわせたたかう
参議院選挙
城委員長の談話
城委員長 |
今回の参議院選挙は、改選121議席のうち、与党が70議席を獲得し、参議院でも改憲勢力が発議に必要な2/3を占める結果となりました。選挙中、与党は「憲法隠し」に終始し、メディアも参議院選の報道を抑制するなど、報道としての意義を置き去りに与党を裏で支える役割を担いました。
しかし、野党共闘が全国32の1人区で成立し、11人が当選。多くの選挙区で善戦したことは、貴重な教訓となりました。我々の産別8団体協議でも言えることですが、共闘を進める中で相互の理解を深め、強固なものにしていくことが必要です。今回、野党共闘と市民が力を合わせてたたかったことは、政治を変えるうえで今後に生かす重要な経験になったと確信します。
公共交通の確保に奮闘
デマンド交通、バス路線維持
交運共闘職場見学
自主経営でデマンドタクシーなどを運行しているハイヤーセンターの車庫=7月11日 |
地域住民の足をどうやって確保するか――山形県鶴岡市での実践について交運共闘が7月11〜12日に視察を行いました。
1日目は自交総連山形地連の自主経営会社ハイヤーセンターを訪ね、武田社長、剱持委員長らと懇談。スクールバス委託やデマンドタクシーのとりくみを聞き、行政との信頼関係を大切にして、過疎地で住民の移動を助けている様子を学び、人口減少で利用者が減っているなどの悩みも明らかになりました。
翌日は鶴岡市役所を訪ね、企画部地域振興課佐藤課長、伊藤課長補佐、芳賀専門員らから説明を受けました。
鶴岡市役所で地域振興課から地域交通の説明を聞く交運共闘の一行=7月12日 |
11年前に合併で広大な面積となった鶴岡市では、国と県の補助を受けて民営路線バスを維持するとともに市営バス、デマンド交通にとりくみ、ボランティア輸送も行われています。市の財政負担は路線バス維持だけで年1・5億円です。
国からの補助は総額が決まっているので必要な系統でもどこかで切らなければならなくなる、乗車密度で補助金がカットされるなどの悩みや運転者の確保が難しいなどの課題も説明され、地域活性化のため公共交通の確保に行政も奮闘していることがよくわかりました。
白タク合法化阻止
危険な白タク ライドシェア
フランスでのウーバーの真実
不公正競争に怒りが爆発、ウーバーは禁止に
来日したフランスCGT運輸労組のアラン・ストゥール氏に7月15日、ウーバー(ライドシェア)の問題を聞きました(こちら参照)。
◎
フランスではタクシードライバーは全て自営業者だが、CGTが労働組合に組織している。
強い怒りは当然
フランスではタクシードライバーがウーバーに抗議して、道路を封鎖するデモがあった。決して暴力を肯定するわけではないが、タクシードライバーの怒りの表明は当然だ。これは不公正な競争状況への怒りだ。
フランスでは、タクシーの営業許可を取るのに数千万円かかる。みんな借金をしてローンを返している。ウーバーはまったく費用負担をせずに営業している。だから怒りが強い。
ドライバーだけでなく、政府の徴税機関がウーバーを訴えている。フランスではウーバーは禁止された。
米・カリフォルニアでウーバーのドライバーが労働者性を認めよと訴えている訴訟に注目している。
貧しい者を競争
(日経新聞がファイナンシャルタイムズの記事を引用して、フランスでウーバーが移民や貧しい労働者に職と希望を与えたなど書いていることについて聞くと)それは明らかにプロパガンダ(宣伝)記事だ。北アフリカからきた移民が多く暮らす地域のことを書いており、筆者自体がバイアスがかかった人だ。
ウーバーは、貧しい労働者を利用している。タクシードライバーも貧困層の出身者が多い。貧困者同士を競争させようとしている。
フランスUberのトップ2人、逮捕
フランスUberのCEOとヨーロッパUberのゼネラルマネージャーの2人がパリで逮捕された。容疑は、違法なタクシー営業と捜査を妨害したというものだ。
逮捕は表向き先週起きたタクシー運転手の暴動と関係があるとはされていない。タクシー運転手はUberの一番安い営業UberPOPの中止を求めて大規模な抗議行動を起こした。70台の自動車を襲い、一部をひっくり返して焼いた。
UberPOPは14年2月にフランスでスタートした。タクシー運転手その他の免許なしでドライバーならだれでも客を乗せて営業できる。多くのタクシー運転手がこれを不公正な競争であるとみなして激しく抗議してきた。UberPOPはブリュッセル、オランダ、フランスで営業を禁止された。
(TechCrunch2015.6.30)
Uberに怒るタクシードライバーたちが抗議
Uberと無許可のタクシードライバーへの抗議だ。
タクシードライバーの放火によりパリの主要道路が封鎖される事態に発展した。
ドライバーを代表するスポークスマンは、Uberのドライバーが「税金を払い、ルールを遵守しているドライバーたちの生活を壊している」とBBCに語った。
(Autoblog日本版 2016.1.31)
「休息期間8時間では眠れない」
フランスCGT運輸労組の代表と懇談
交運共闘
CGTの旗を持つ、左から城、赤羽議長(建交労)、ストゥ ール、菊池、後藤(国交労組)の各氏=7月15日、全労連会館 |
交運共闘は7月15日、フランスCGT運輸労組のアラン・ストゥール国際担当書記と日仏の交通運輸労働者の課題などについて全労連内で懇談しました。赤羽議長、城副議長、菊池事務局長ら6人が参加、全労連・布施国際局長が通訳しました。
赤羽議長が歓迎あいさつし懇談。ストゥール氏は自身も公営バスの運転者で国際運輸労連の役員もしていると紹介し、都市交通の課題では、公共交通を優先してCO2を減らすことと、移動する権利を掲げて政府に税金の支出をさせることが重要だと話しました。
ストゥールさんと懇談する交運共闘の仲間=7月15日、全労連会館 |
賃金の話題では、規制緩和で売上げが下がり賃金が下がったという話に怪訝な顔を示し、フランスでは賃金労働者の歩合給は20年前から禁止されていて、タクシーは自営業者だが、バスもトラックも定額月給制で、最低賃金も一律最賃より高いと説明しました。
労働時間については、勤務と勤務の間のインターバルが、EU指令で11時間以上と法律化されているとし、日本の改善基準について、8時間では眠れないですね、と答えていました。
自動車運転は労働の負荷が高いのでフランスでは一般より3年早く年金がもらえることも紹介されました。
(タクシー関係の内容はこちら)
新加盟のなかま | (840) 東京・豊和労働組合 |
再び自交総連の旗 |
東京都目黒区の豊和自動車株式会社に働く仲間が6月21日、豊和労働組合(金子良美委員長、4人)を結成しました。
同社には、自交総連に加盟していた組合がありましたが昨年9月に脱退。その後、有志を募り、数回の打ち合わせを重ねて今回新たな組合を結成しました。組合結成大会には、南部ブロックの主要組合(常任組合)が集結し、会社への結成通知提出にも十数人が同行しました。