原水禁2016年 世界大会・広島
核廃絶へ行動呼びかけ
世界中から4500人が集結
東京の仲間たち=8月6日、広島グリーンアリーナ前 |
【東京】原水爆禁止2016年世界大会・広島が8月4〜6日、広島市内で開催されました。世界中から4500人が集結し、東京地連からは書記局を含めて代表団15人が参加しました。
開会総会では全労連の小田川議長が、開会宣言で、国連で核兵器廃絶のための法的措置にむけた論議が始まったのは被爆者のたたかいと世界大会がつくりだした到達点だと指摘し、「ヒバクシャ国際署名は核兵器固執勢力を世論の力で追いつめる重要な取り組みだ」と訴えました。
国民平和行進メンバーが壇上からあいさつ=8月6日、広島県立総合体育館 |
オバマ米大統領が5月27日に現職として初めて広島を訪れ、被爆地への関心が高まっている中でひらかれた市主催の平和記念式典では、松井広島市長が、オバマ氏のヒロシマ演説から「核を保有する国々は恐怖の論理から逃れ、核兵器のない世界を追求する勇気を持たなければならない」との一節を引き、核兵器廃絶への行動を世界へと呼びかけました。
閉会総会で「広島からのよびかけ」を採択し終了しました。
憲法守り生かす
結成の原点を確認
全労連第28回定期大会
運動方針を採決した全労連大会=7月30日 |
全労連は7月28〜30日、「つかみとろう!要求と組織の新たな前進、日本社会の未来」をスローガンに第28回定期大会(隔年開催)を開きました。
あいさつした小田川議長は、憲法改悪を狙う安倍政権の危険性を指摘して、全労連結成の原点を再確認して憲法を守り生かすことを訴えました。
討論では、自交総連の城委員長が、ライドシェアの危険性を訴え、白タク合法化反対の闘いを紹介しました。
大会では、運動方針と合わせ、毎年1割の実増をめざす19年度までの組織拡大強化4か年計画も確立しました。
小田川義和議長(国公労連)、井上久事務局長(医労連)を再選、幹事には自交総連から菊池和彦書記次長が再任されました。
今後も共同アピールを
白タク阻止労使で共同宣伝
大阪地連
ビラ配りをする大阪の仲間=8月5日、北区 |
【大阪】大阪タクシー協会と在阪労働5団体は8月5日、「タクシーの日」に合わせ府下6か所で白タク・ライドシェア阻止の共同宣伝を実施しました。
阪急一番街紀伊國屋書店前では、協会の正副会長ら幹部が連合系の組合とともに、共通乗車券付きうちわとビラを市民に配布。天王寺駅前では、秋山民夫大阪地連委員長らが大タ協理事らとともに、同じく900人分を配りました。
宣伝前の挨拶で、同協会の岩城秀行理事は、「ライドシェアに対抗するには、運転者の協力や利用者の支持が必要。タクシー不要論に発展しかねない」と組合側に協力を求めました。秋山委員長は「私たちは少なくとも月に1度、ライドシェア反対の宣伝行動をしているが現場の関心は低い。労使共同でさらにアピールすべきだ」と応えました。
宣伝を終え、大岡理人理事は「今後とも労使共同でライドシェア阻止に向け頑張りましょう」と締めくくりました。
白タク合法化阻止
危険な白タク ライドシェア
シェアリングエコノミー検討会議
「自己責任の世界」に消費者を投げ込む政策
国家戦略特区法改正では、ライドシェアの導入は認めないとの附帯決議が付けられましたが、その後もライドシェア合法化にむけた動きは止まっていません。
政府は日本再興戦略を6月に決定、そのなかでシェアリングエコノミー(共有型経済)の推進をうたい、同検討会議を立ち上げて議論を進めています。
ウーバーや楽天の協会が構成員
再興戦略では、ライドシェアという直接の記述は入らず、民泊などを中心にシェアリングエコノミーのルール整備などを検討するとされました。
しかし、シェアリングエコノミーの重要な要素には交通が含まれており、ライドシェアという語句が入っていないからといって安心はできません。
それは、同検討会議の構成員をみれば明らかで、左図のように、学識者の安念中大院教授を主査に、シェアリングエコノミー協会や新経済連盟の代表が加わっています。シェアエコ協会の会員にはウーバー・ジャパンが入り、新経済連盟の代表理事はリフトに出資している楽天の三木谷社長です。
第1回会議では、安念主査が「どっちみち、自己責任の世界」として消費者が自己責任で利用できる環境をつくればいいとの考えを示し、新経済連盟の関事務局長は、ライドシェアを法的に認めていく方向を推進するようこの会議が主張していくべきだと述べています。
今後、新たな検討会が設置される可能性もあります。
第1回検討会議での発言(7月8日)
○安念主査(この会議は)シェアリングエコノミーをより活性化するにはどうしたらよいかということで、皆さんからのいろいろな御意見を伺う。
どっちみち、自己責任の世界でございますので、その自己責任をよりよく果たせるような情報の提供とか損害賠償制度といったような仕組みを考えていくのが趣旨であろうと存じます。
○関委員(新経連事務局長)民泊についてはある程度検討が進みましたが、ライドシェア等まだ検討ができていないものにつきましては、政府部内にぜひ検討会を設置して、法的に認めていく方向を推進すべきだということをこの検討会議においても、何らかの形で主張すべきだろうと考えております。
学習し立ち向かおう
権利は力であり闘いの武器
神奈川地本 夏季学習討論集会
【神奈川】神奈川地本は8月2〜3日、夏季学習討論集会を開催、10支部29人が参加しました。
冨松副委員長があいさつで、「ライドシェアなど問題は多いが、学習して皆で立ち向かっていこう」と呼びかけました。続いて、本部の今村書記長が「賃金底上げと権利確保の闘い」というテーマで講演し、「権利とは力であり闘いの武器。学習を強化して労基法も武器にしよう」との言葉に支部執行部は深く頷きました。
2日目は、教宣活動の実態と今後の実践力という議題を話しました。16年の予算案策定とこれからの地本体制について話し、冨松副委員長の団結がんばろうで閉会しました。
職場過半数まであと少し
かちとった保障が非組合員へ影響
青森地連
弘前ひまわり労組・竹村尚久副委員長
長い間、春闘時に要求を掲げてたたかってきましたが、なかなか十分な回答が得られませんでした。議論の末、組織を拡大することが要求を前進させることにつながるのではないか、と一定の結論を引き出しました。
そこで、執行部は組織拡大のメリットを組合員に訴え、非組合員への呼びかけを開始しました。12年に15人だった組合員が翌年には20人となり、組合員増やしが始まりました。15年9月には64人に増加しました。
弘前タクシーでは、組合員と非組合員の待遇に大きな隔たりがあります。賃金も組合員は法律遵守ですが、非組合員にはそんな保障が一切ありません。有給休暇の取得でも組合員は有利になります。
この間の闘いで一定の保障(時間外手当の支給など)をかちとってきたことが、周りの非組合員に影響を及ぼし始めています。今年には3桁まで組合員を増やすことができ、職場の過半数にあと少しと前進してきました。
職場の要求をかちとるために、一層奮闘する決意でいます。
最賃21〜25円引上げ
地域間格差変わらず
地方最低賃金審議会
今年度の地域別最低賃金を決める地方最低賃金審議会の答申が出そろいました。
7月末、安倍政権が示した「年率3%程度」という引上げ目標に沿って平均24円の目安額が提示され、それを踏まえて各都道府県の審議会が改定額を答申しました。
引上げ後の最高は東京の932円で、最低賃金が最も低いのは宮崎・沖縄の714円。21円上がったものの、東京との差は200円以上あり、地域間の格差は依然として存在しています。
新しい最低賃金は10月から適用される予定です。
『ヘッドライト』が特選
前回より応募数が5紙増加
特選の神奈川・芙蓉交通支部『壁紙』 |
自交総連は7月26日、第40回機関紙コンクールの審査を行い、別掲の入賞作品を決めました。審査は菊池和彦(本部)、本間昭(宮城)、田村清隆(東京)、庭和田裕之(大阪)の各氏が行いました。
審査員の講評
簡単なものでも発行努力を
本部・菊池和彦
菊池さん |
A部門で前回より応募が4紙増えた。一方でB部門は変わらず、少し寂しい点数だった。地連・地本で機関紙を発行できないところが依然として多いということだ。A4判の片面とか、簡単なものでも何とか発行し労働組合の情報を伝える努力を期待したい。
A部門では、特選『ヘッドライト』は商業紙に見劣らない見事な出来栄え、入選『東京個人タクシー』は道交法闘争の成果など確実に役に立っていることが伝わってくる紙面だった。わずかな差で入選からもれたが、『南西ジャーナル』(大阪・南西地区協)、『なんぶ』(東京・南部ハイタク共闘)は、ともにブロックの共同作成の新聞。数組合が協力してつくる利点と難しさがあり、技術的には文句なしだが、記事が総花的になって個性が薄れるきらいがある。『高砂』(東京・高砂自動車労組)もあと一歩で入選、記事の読みやすさがよかった。
C部門では、『グリーン労報選挙号外』が参議院選挙での政治選択の観点を伝えてユニークな出来だった。
D部門では、『壁紙』(神奈川・芙蓉交通支部)が特選。手書きでていねいに書かれた大迫力の紙面は、芸術的といっていい。入選の『仲間達』(東京・グリーンキャブ労組新宿)は、写真が多くてよく目を引く紙面が見事だった。
情報を「紙」に託し伝えて
宮城・本間昭
本間さん |
6地方から各部門あわせて37作品の応募で、とても少ないと思いました。本部機関紙892号の2面に、京都地連「ライドシェア反対の宣伝『唯一の情報源』との声も」とありました。各地連・地本は、地域で起きていることを「紙」に託し訴え、伝えていくことが自交総連としての責務と思います。
A部門の「ヘッドライト」(大阪・朝日自動車労組)はヨコ書きの新聞で、とても珍しく記事の内容も充実し、写真の使い方も最高の新聞でした。D部門の「壁紙」(神奈川・神奈川地本芙蓉交通支部)は書き手の文字がとてもすばらしく、次の壁紙はどのような内容なのか早く見たいと思わせる作品でした。次回のコンクールは、たくさんの応募作品が出てくることを期待します。
本部にどんどん送付しよう
東京・田村清隆
田村さん |
機関紙やビラを職場で不定期ながらも発行しているが本部に送付するまでに至ってないのであれば、どんどん送付してください。審査段階で作品ごとにコメントを付けていくので、それを参考にしてよりよいものが出来上がるはずです。
機関紙部門ですが、ほぼ常連組合のなかに新規提出がありました。独自の手法で割り付け、写真、記事を満載しなんとか紙面を埋めようとがんばっている様子が見えます。私たちは辛口コメントと努力賞を送り、今後の奮闘を期待します。
全体の印象を言うと機関紙の見出しと写真、絵説きにはもう少し目配りしてほしいです。特に見出しは短く分かりやすい言葉を記事から引用すること。発行する前に複数の目で校正をしっかりお願いします。
そうした中で大阪・朝日自動車労組の『ヘッドライト』は一歩抜き出ていますので参考に。手書きの神奈川地本芙蓉交通支部の『壁紙』には本当に毎回脱帽しますが、書き直しの場合はどうしているのか作業現場をのぞいてみたい気がします。
最後に勤務の合間をぬって懸命に編集されている皆さんに心からのエールを送ります。
どう発信されているか懸念
大阪・庭和田裕之
庭和田さん |
各地連・地本関係の機関紙の応募が少なく昨年に引き続き僅か6紙しかありませんでした。私たちの職場がなくなるかもしれない白タク・ライドシェア問題が惹起している時期であるのに、各地連・地本の運動がどう組合員に発信されているかが分かりません。作成していて出品されていないのか、まったく作成されていないのか懸念されます。
さて、A部門の特選となった「ヘッドライト」(大阪・朝日労組)は横書きの機関紙としては、出展された中で唯一のものですが安定的な紙面構成と写真の使い方が群を抜いていました。入選した「自交総連東京東京個人タクシー」は、ここ数年高得点を続けていながら惜敗していましたが今年は他紙が点数を落とす中、「ヘッドライト」に次ぐ高得点を維持し組合員に伝えたいとする気持ちが表現にマッチした結果の入選でした。
B部門は東京・大阪が今年も抜き出ています。運動を伝えようと月1回の発行を継続している「宮城」「神奈川」「静岡」「京都」の編集部の努力が紙面を通じ伝わります。
C部門は昨年からは倍増し6点でしたが、少なすぎます。各組織では様々な運動に基づきビラが作成されているのに残念です。しかし昨年に続き「あけばんニュース」(東京・日本交通労組千住支部)は今年も秀逸で早く伝えようとする編集者の熱意を感じます。
D部門の「仲間達」(東京・グリーンキャブ労組新宿支部)は、秀逸で大会時に是非ご覧ください。作成者の日頃の努力と運動の躍動が伝わります。