導入阻止へ一丸となり奮闘
東京地連11・1大行動
初乗り距離短縮運賃反対の大行進=11月1日、東京都内 |
【東京】東京地連は11月1日、秋季年末闘争の第1波統一行動と位置づけた、初乗り距離短縮運賃導入に反対する大行動にとりくみました。
来賓含め32組合431人が参加しました。
午前10時、東京都内の四谷区民ホールで決起集会を開催しました。
主催者あいさつで城委員長は、今回の初乗り距離短縮運賃の問題点として、運賃改定ではなく組み換えと言いながらも2キロ以内の利用者にとっては運賃が安くなる一方、おおむね5キロを超えると現行より高くなることに触れ、「公平・平等に対応するべき運賃が利用者の移動距離次第で不公平が生じる内容となっている。初乗り距離短縮運賃をはじめ割引運賃の問題は、企業側がその負担をすべて乗務員に押しつけることにある。白タク合法化阻止、初乗り距離短縮運賃導入阻止、更にタクシー運転免許実現のため一丸となって奮闘しよう」と話しました。
デモ行進する参加者=11月1日 |
来賓あいさつでは本部の菊池書記長が、「初乗り距離短縮運賃が東京で実施されれば、近隣県を中心として全国に波及する恐れがある。東京の運動が重要だ。大いにアピールしよう」と語りました。
抗議のデモ行進へ出発
集会後、参加者は集会場所から新宿駅西口を経由して柏木公園までの抗議デモに出発しました。
「無責任な運賃値下げは許さないぞ」「見せかけの安さより真のサービスだ」など、道行く市民に初乗り距離短縮運賃の問題点などを訴え、怒りの拳を振り上げました。
決起集会に参加する東京の仲間=11月1日、四谷区民ホール |
会社へ団交を命令
団交拒否は不当労働行為
静岡県労委
【静岡】静岡地連と石川タクシー富士宮支部は10月20日、会社解散・全員解雇問題で、石川タクシー富士宮は「労働者の救済、雇用確保など争議の全面解決」に関する団体交渉に速やかに応じなければならないとの救済命令を静岡県労働委員会からかちとりました。
命令は、裁判で解雇の不当性が認められなかったとはいえ、生活保障や雇用確保は問題が解決したわけではなく、社長はグループ会社での雇用促進についても把握できる状況にあるとして、団体交渉を拒否しているのは不当労働行為に当たるとしました。
組合では、団交を求めるとともに、親企業の静岡HD、富士急の責任が認められていないため、中労委への再審査申し立てをすることにしています。
労働条件改善、交通権確立を
日本共産党議員団と懇談
交運共闘
交運共闘と懇談する日本共産党議員団(正面奥)=10月21日、衆院第1議員会館 |
交運共闘は10月21日、国会議員会館内で日本共産党の国土交通委員会所属の議員らと懇談しました。
日本共産党から穀田恵二国会対策委員長・衆院議員、本村伸子衆院議員、清水忠史衆院議員、山添拓参院議員らが参加、交運共闘からは城政利議長らが参加しました。
交運共闘から、(1)交通の安全を確保するための交通運輸労働者の労働条件改善、とくに自動車運転者の改善基準の改正、(2)地域公共交通の確保・充実など国民の交通権の確立が重要な課題だと提起したうえで、鉄道、トラック、バス・タクシー、港湾、航空、公務の分野ごとに焦点となっている課題を説明しました。
自交総連からは、自動車運転者は過労死が多く、改善基準が過労死ラインを超える残業を認める内容になっていること、白タク=ライドシェア合法化を阻止するためにも、交通過疎地でタクシーを活用した住民の足を確保していくことが必要で、国の補助金の大幅な増額が必要であること、貸切バスの軽井沢事故後の対策には実効性に疑問があるなどの点を報告しました。
穀田議員は、電通社員の過労自殺が認定されるなど、過労死や長時間労働への関心が高まっているとして、改善基準の改正の動きを強めていこうと話し、各議員から質問が出されました。交運労働者の要求実現のために、協力していくことを確認しました。
交運労働者の権利問題を学習
各分野の実態を報告
交運研セミナー
講演を聞く参加者=11月3日、都内 |
交通運輸政策研究会(会長=安藤陽埼玉大名誉教授)は11月3日、都内で「交通運輸労働を考えるセミナー」をひらき約50人が参加しました。
尾林芳匡弁護士が「交通運輸労働者の権利問題」を講演、運輸業界に特有の低賃金や手待ち時間の問題を解説、安倍「働き方改革」の欺瞞性を指摘、司法は活用しても頼りきらず、労働運動で世論を味方にしてたたかおうと話しました。
鉄道、トラック、航空、港湾、公務から労働実態が報告され、自交総連からは菊池書記長がタクシーの労働条件と高齢化の実情、労働者を自営業者に置き換えてしまうライドシェアの危険性などを報告しました。
7地域で下限引下げ
下限割れ事業者が営業する地域
公定幅運賃の下限
各運輸局は10月21日までに、7つの交通圏で公定幅運賃の下限の引き下げを公示しました。公定幅運賃は改正タクシー特定地域特措法で導入され、特定・準特定地域で適用されます。初乗運賃が上
限〜下限の間で10円刻みで決まっていて、事業者はその範囲内で運賃を決めなければならず、下限を下回る場合には改善命令が出されることになっています。ところが、下限割れの事業者から「値上げを強制するものだ」などとして裁判が起こされ、各地の裁判所で、下限の決め方に不合理があり、違法との国側敗訴の判決が相次ぎました。
このため国土交通省では6月、下限を決める際には下限割れで営業している事業者の実績も含めて計算するとの通達を出し、実際に下限割れ事業者が営業している地域については下限を見直すこととしました。
対象となったのは、札幌など11の地域で、そのうち下表の7つの地域で下限が引き下げられました。7つ以外の愛知・知多、滋賀・湖南交通圏は、再計算しても下限は据え置き、愛知・名古屋と福岡・福岡交通圏は、運賃改定の申請が出されていて改定見込みのため、その際に設定されることになります。
白タク阻止、組織拡大へ全力
定期大会で各地の決意
東日本大震災風化させない
宮城第40回定期大会
宮城地連第40回定期大会=10月9日、宮城県印刷会館 |
【宮城】宮城地連は10月9日、宮城県印刷会館で第40回定期大会を開催し、53人が参加しました。
本間委員長はあいさつで、「東日本大震災を風化させず、安倍暴走政治をストップする闘いを強化しよう」と話しました。石垣委員長の活動報告・運動方針提案では、ライドシェア問題での自治体訪問の教訓や、仙台市のタクシー労働者の高齢化の現状と対策などが語られました。
委員長=本間昭▽副委員長=鴇勉、相沢道彦、澤口敏夫▽書記長=石垣敦(いずれも再)
組織拡大などで意思統一
山梨第48回定期大会
【山梨】山梨地連は10月10日、第48回定期大会をひらきました。
本部から川崎常執(東京地連書記長)が参加し、白タク合法化阻止など自交総連の運動課題を説明、嘱託者の有休がとれないなどの質問に答えて、組織拡大などについて意思統一しました。新役員は武田第一労組の大会を待って、26日に決まりました。
委員長=中村寛
(新)▽副委員長=米山和夫(新)▽書記長=加藤人史(新)
地連を150人の組織にしよう
鹿児島第44回定期大会
鹿児島地連第44回定期大会=10月10日、谷山北公民館 |
【鹿児島】鹿児島地連は10月10日、谷山北公民館で第44回定期大会を開催し、20人が参加しました。議題にはライドシェアについてが多く挙がり、ある来賓の方は「息子がアメリカで働いているが、ライドシェアが当たり前で事件や事故が横行していることを知り、日本には持ち込めないと感じた」と話しました。
自教からの報告の後、地連を150人の組織にしていこうと確認しました。
委員長=上村禮文(新)▽副委員長=北井良夫(再)▽書記長=杉原良二(新)
ライドシェア阻止へ全力
北海道第57回定期大会
【北海道】北海道地連は10月16〜17日、定山渓温泉ホテル三渓苑で第57回定期大会を開催し、運動の総括と新たな1年間の運動方針及び新役員体制を確立しました。本部から城委員長が参加しました。
大会では、安倍政権による平和と生活破壊の悪政を許さない運動及びタクシー産業を崩壊させる「白タク合法化=ライドシェア」阻止に向けて全力を挙げることを確認しました。
また城委員長が「白タク合法化阻止闘争の現状」というテーマで講演を行いました。
委員長=渡辺聡▽副委員長=野正行▽書記長=吉根清三(いずれも再)
自交総連の旗守ろうと奮闘
京都第69回定期大会
京都地連第69回定期大会=10月19日、上一乗寺集会所 |
【京都】京都地連は10月19日、上一乗寺集会所で第69回定期大会を開催し、傘下単組の仲間が多数集まり、白タク問題や地連体制、様々な活動についての活発な議論を行いました。
あいさつでは、福田委員長が「昨年は要である明星・京聯の相次いでの廃業・倒産で重症状態だったが、仲間が自交総連の旗を守ろうと1年間奮闘した。これからも運動を進めよう」と話しました。
各単祖からの実態やFFタクシーの紹介、上部団体の大会報告などが行われました。
委員長=福田徹▽副委員長=吉村勇路
全員で組織拡大とりくもう
高知第35回定期大会
【高知】高知地連は10月23日、第35回定期大会をひらきました。
運動総括では、土電ハイヤー労組で有休手当未払いについて労基署の是正勧告を出させた、高自交労組(トラック)では割増賃金など法定労働条件を守らせた、北部ユニオン(バス)では春闘で初の賃上げと一時金を実現したなどの成果が報告され、全員で組織拡大にとりくもうと意思統一しました。
委員長=樫原正彦▽書記長=横田春吉(いずれも再)
阻止しようライドシェア
長崎第25回定期大会
長崎地連第25回定期大会=10月30日、長与南交流センター |
【長崎】長崎地連は10月30日、長与南交流センターで第25回定期大会を開催しました。
古澤委員長があいさつで、「経営者はライドシェアについて危機意識がありません。これでは規制改革推進会議の思うまま、特区の下でライドシェアが実証実験されるようになります。これを阻止して行きましょう」と話しました。
次年度の運動方針、予算案が満場一致で成立しました。
委員長=古澤誠也▽副委員長=開田幸治、中村末夫▽書記長=松永利秋(いずれも再)
職場権利と自交労働者 (2)年次有給休暇
有休は労働時間に応じ比例付与
定時制・嘱託でも有休はあります
年次有給休暇(有休)は労働者の権利です。定年後の再雇用(定時制・嘱託)や非正規・短時間の雇用形態であっても誰でも有休はとることができます。
時季の決定は労働者
労働基準法は、所定労働時間が短い労働者にも有休を比例付与すると定めており(下表)、使用者は労働者の請求する時季に有休を与えねばなりません(第39条第4項)。
「事業の正常な運営を妨げる場合」は使用者が他の時季に変更できる権限が例外的に認められますが、タクシーの場合はそれに該当するケースはほとんどありません。
有休の時効は2年間であり、前年に使わなかった有休は翌年に繰り越し加算されます。
有休の金額算定方式
労基法では、有休の際に支払う賃金は、(1)平均賃金、(2)通常の賃金、(3)健康保険法による標準報酬日額(労使協定が必要)、の3種類を定めています。
更に、労働者が年休を取得したことを理由に賃金の減額その他不利益な取扱いをしてはならないと定めています(附則第136条)。
ところがタクシー運転者のような歩合給制の場合、有休を取ると売上げが下がり、賃金が大幅に減少してしまいます。
仮想営収方式を
これを回避するために、仮想営収方式という方法があります。1勤務あたりの平均営業収入を、有休に応じ加算するもので、歩合給の計算にあたり、運賃収入等を有休を取得しなかった場合に近づけ計算します。
また、足切額を有休に応じて減額するという方式もあります。
例えば、足切額24万円、月12勤務の隔日勤務とすると、1勤務(2労働日)の有休を取得した労働者について、足切額を24万円×1÷12=2万円減額します。そして、足切額を22万円とし、22万円を超えるものに歩合給を支給するものです。