自交労働者No.902、2017年1月1日

あけましておめでとうございます

組織強化・拡大へ

〜三役にきく〜

今年の干支=池田忠司(日の丸自動車交通労組)
今年の干支=池田忠司(日の丸自動車交通労組)

春闘までに50人拡大

副委員長 石垣 敦

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 東北ブロック協議会は、昨年11月の総会で2000人の組織建設を決定しました。各地連での組織拡大とともに、岩手県に自交総連の旗を立てるよう岩手労連と連携を強めとりくみます。
 さらにバス労働者の組織化に重点を置き、相談には宮城県バスユニオンがあたることにしています。
 東北ブロックでは、来年3月に仙台市で幹事会を開催し、ブロック機能の強化や組織拡大について討議する予定です。
 宮城地連では、昨年の執行委員会で、春闘時までに50人の拡大を意思統一しました。各労組3人の実増を目指すとともに、新しく1組合を迎え入れることを確認しました。また毎月1日にタクシー労働者向けの宣伝活動を行っています。労働者からの反応は良く、何とか組合員の拡大に結びつけたいと考えています。ともにがんばりましょう。

結果の出る運動を

副委員長 早川 広之

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 昨年は白タク合法化阻止闘争の1年間でした。ライドシェアは安倍政権と新経済連盟の方針を見れば、さらに加速しそうです。
 関東ブロックはタクシー産業の存亡を賭けた闘いを構築するために、組織の強化拡大にとりくみます。
 強化では、関東ブロックで秋に4都県から61人参加の幹部学校を開催し、幹部としての心構え、基礎知識を学び、実践できる養成講座を行いました。
 拡大では、昨年に引き続きキャラバン宣伝行動を4〜5月にかけて数回実施し、石野議長が「結果の出る運動」と強調するように現場の声が反映できる宣伝行動を行います。  タクシー業界も、乗務員の減少と高齢化で労務倒産を視野に運動を構築しなければなりません。この1年、乗務員の労働条件改善で業界を再生させるために労働組合の役割が重要になります。

ハードル下げて声をかけ続ける

副委員長 庭和田 裕之

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 「ローマは1日にしてならず」や「継続は力なり」という諺がありますが、組織強化・拡大は、一足飛びになし得ません。
 しかし今、自交総連という単産の命運は、ここ1、2年が勝負です。ライドシェアという外敵が交通運輸産業に進出しようとしており、これを許せば、労働者という概念が壊れ、広範な貧困層が広がります。労働者性の破壊とともに最低賃金や労働基準法、福利厚生から除外された請負労働者が各地で急増することになります。
 なぜ、私たちがたたかうのか? ということを組織の末端まで行き渡るように学習を重ね、組織拡大は一人ひとり心の内にある「ハードルを下げて」職場の仲間に「声」をかけ続けるしかないと思います。ともに全力で奮闘しましょう。

初心に帰り決意固めて

本部書記長 菊池 和彦

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 自交総連の組織拡大は待ったなしです。いま一度、原点に立ち返って拡大の意義を確認し、今年こそ前進をめざしましょう。
 労働組合は要求実現のための組織ですが、そのためには数の力が不可欠なのはいうまでもありません。
 同時に、要求を実現しようとしたら、より劣悪な労働条件で働く未組織労働者を放置しておくことはできません。たとえ自分の職場で一定の労働条件を獲得したとしても、まわりが未組織労働者ばかりだったら、経営者は、いまの労働者を未組織労働者に置き換えたいと思うでしょう。
 未組織の労働者を仲間に迎え入れて、底上げをすることは、その人を助けるとともに、自分自身の労働条件を守ることにもつながります。諸先輩からそんな説明をうけて、私たちも初めて労働組合の一員となったはずです。その初心に帰って、決意を固めあう年にしたいと思います。

日本のタクシーに確信もち安全破壊勢力とたたかう

自交総連中央執行委員長 城 政利

年頭の所感

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 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
 安倍政権は、南スーダンへ派遣する自衛隊に武力行使を認めさせ駆けつけ警護を任務付与しています。特定秘密保護法の強行や盗聴法の適用拡大、共謀罪の導入画策など、国民の目と耳と口を塞ぎ、憲法を破壊し、自由と権利を侵害し、モノを言えない監視社会を作ろうとしています。
 これは戦後、日本が築いてきた平和国家としてのあり方を根本から覆すものです。さらに民主主義を否定するうごきを強めており、労働者と国民が広く結びついた運動が必要です。
 一方で、過労死が社会問題化しています。過労死の約3割が交通労働者であり、過労死基準を超える時間外労働を可能とする改善基準告示を是正し、法制化することが求められます。白タク問題では、新経済連盟が新たに「ライドシェア実現に向けて」の提言を公表し、政府内での議論が全く進んでいないことに不満を示し、ライドシェアの実現に強い執念を持ち、合法化を実現しようと身勝手な主張を繰り返すなど予断を許さない状況が続いています。
 世界からも評価されている日本のタクシーに確信を持ち、白タク合法化と対峙することが正当な闘いであり、安全破壊勢力とたたかう決意です。

改善基準告示の法制化を

国交省・厚労省交渉を実施

交運共闘

要請書を渡す城議長=12月9日、国交省
要請書を渡す城議長=12月9日、国交省

 交運共闘は12月9日、国交・厚労省交渉を行いました。タクシー・バス関係部分の回答を紹介します。
 国交省はライドシェアの合法化は自家用車の運転者のみに責任を負わせるもので安全に問題があるとの立場を改めて表明しました。
 次いで厚労省では、改善基準告示の法制化に足を踏み出すよう要請しましたが、従来どおり慎重な検討が必要との答弁に留まりました。法違反の監督体制強化については、来年から監督官を75人増員するよう要求していると回答し、体制整備の姿勢を示しました。

初乗り短縮運賃 認可するな

値下げは労働条件低下もたらす

消費者問題特別委員会

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山添参院議員

 日本共産党の山添拓参議院議員は12月12日、消費者問題に関する特別委員会で東京のタクシー初乗り距離短縮運賃について質問し、認可の中止を求めました。
 山添議員は、初乗り距離短縮運賃の認可をすべきではなく、値下げの過当競争は労働条件の低下をもたらし安全を脅かすと主張しました。
 松本純内閣府特命担当大臣は、消費者委員会から、運賃組替えについてタクシーのサービスの低下や、タクシー運転者の賃金水準や労働時間等の労働環境が悪化しないよう継続的に事業者の監視を行い、必要に応じて対策を講じるべきとの意見があったので、国交省には適切に対策を講じてもらいたいと考えていると答えました。

ライドシェア反対の意見書

宮城県議会が全会一致で採択

 宮城県議会は12月15日、ライドシェア反対の意見書を全会一致で採択し、内閣総理大臣らに提出しました。
 宮城地連の大会などに参加した日本共産党の中嶋廉県議らの働きかけもあり、県タクシー協会が県議会に提出していたものです。

「ライドシェア」と称する「白タク」行為の容認に反対する意見書(要約)

 昨今、シェアリングエコノミーの成長を促すという名目のもと、インターネットを利用した「ライドシェア」と称するいわゆる「白タク」行為の容認を求める動きが出ている。「ライドシェア」は、その事業主体が、運行管理や車両整備等について責任を負わず、自家用車の運転手のみが運送責任を負う形態を前提としており、道路運送法、道路交通法、労働基準法等のさまざまな法令を遵守し、安全確保のためのコストをかけ、国民に安全・安心な輸送サービスを提供するタクシー事業の根幹を揺るがすとともに、議員立法により平成25年11月に改正されている特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法の意義を損なうものである。
 よって、国においては、地域公共交通の要性に鑑み、国民の安全を脅かすとともに、地方創生の担い手である地域公共交通に大きな混乱をもたらす「ライドシェア」と称する「白タク」行為を容認することのないよう強く要望する。

東京の新運賃は1月30日適用

初乗り距離短縮運賃を公示

関東運輸局

東京の新運賃

 東京特別区・武三地区の初乗り距離短縮運賃は、公共料金の変更手続きに必要な消費者庁との協議や内閣府の消費者委員会での審議等を経て12月20日、物価問題に関する関係閣僚会議の了承を得、同日、関東運輸局が公示しました。17年1月30日から適用されます。初乗り2q730円を1.052q410円とするものです。
 国交省と関東運輸局は発表のなかで、6.5q以上の運賃は引上げになるとし、短距離利用者に対する接客マナーの向上などを事業者に求めるとしています。

新経連「ライドシェア提案」 自交総連の見解

ライドシェアの合法化許さぬため今後も全力

新経連の提案は利益誘導の主張

 新経済連盟(代表理事=三木谷浩史楽天社長)は11月30日、「ライドシェア実現に向けて」とする新提案を発表、経産省、国交省、内閣府に提出しました。
   新提案は、昨年シェアリングエコノミー活性化についての提案を行い、民泊については成果があったのに、ライドシェアについては進展がないことに不満を示し、「ライドシェアの制度設計について検討するための会議体をただちに政府内に設置する」ことを要求、「ライドシェアも使えないなんて、日本はなんて遅れた国なんだろう」と外国人旅行客から言われると、勝手な主張を展開しています。

自交総連の見解

 この提言について、自交総連は12月13日、ライドシェアの合法化を許さないとする見解を出しました
 新経連の代表理事は、米国のライドシェア企業リフト社の取締役である三木谷浩史楽天社長兼会長です。新経連が進めるライドシェア合法化は利益誘導の主張にほかならず、自己利益のために日本のタクシーを破壊しようとしています。

  今後も反対の世論を広げ、危険な白タク・ライドシェア合法化を許さないため全力をあげるとしています。
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