白タクの危険性訴える
ビラ配り、対話、要請にとりくむ
2・1宣伝行動
自交総連は2月1日、全国いっせい宣伝行動にとりくみました。この行動は02年同日のタクシー規制緩和実施を忘れないために、毎年実施しているものです。
各地でいっせい宣伝
宮城地連=仙台市・仙台駅前 |
福島地連=福島市・福島駅前 |
東京地連=荒川区・南千住駅前 |
神奈川地本=横須賀市・衣笠駅周辺 |
京都地連=京都市・京都駅周辺 |
大阪地連=大阪市・近畿運輸局前 |
【宮城】12時から仙台駅前で宣伝を実施、12人が参加しました。宣伝カーから訴え、ライドシェア反対のチラシを配布。宮城交運共闘や建交労の仲間も訴えました。
【福島】福島駅前でビラを配り対話・聞き取りを行いました。ライドシェアが合法化されれば諸外国と同じような事が起こるのは目に見えている、合法化は阻止しなければならない、という声が聞かれました。
【東京】41駅でとりくみ、34組合136人が参加しました。
【神奈川】寒風吹き荒れる中、宣伝行動を実施しました。新横浜駅では、三和支部が中心となりビラを配布しました。横須賀ブロックが市内主要駅で大々的に宣伝行動を実施し、全体で500枚のビラを配布しました。ドライバーの反応は営収を稼ぐのに必死で興味薄の反応でした。今後、内容などを工夫して臨んで行きたいと思います。
【京都】京都駅前や周辺部で、地連制作の「独自ビラ」と本部ビラを配布しました「昨年の公定幅運賃で初乗りが下がって大変」「東京の初乗り410円の流れがくると、京都ではもっと乗る人が少なくなるし、無理する乗務員が出てくる。この流れになってほしくない」などの声が寄せられました。
【大阪】近畿運輸局前(中央区)、新大阪駅、大阪駅、南海なんば駅で宣伝を行うとともに、大阪タクシー協会への要請にもとりくみました。
【福岡】博多駅で宣伝行動を実施しました。旅行者、昼休み中の人や客待ち駐車中の乗務員にライドシェアの危険性についてハンドマイクやビラを使って訴えました。
【鹿児島】「ライドシェア実施阻止! タクシーの労働条件を改善してがんばろう」とビラを渡し、5人で宣伝行動を行いました。ビラを受け取った運転者は、「ライドシェアがまかり通ると我々の食いぶちが減る」「物価は上がり、収入は減り、年金まで減らされてたまったもんじゃない」など実情を口々に語りました。
福岡地連=福岡市・博多駅前 | 鹿児島地連=鹿児島市・鹿児島中央駅前 |
危険性知らせ世論を味方に
ライドシェア解禁検討との報道
規制改革推進会議
ライドシェア解禁がねらわれるなか、安倍首相が唱える「働き方改革」との関連で、ライドシェア・ドライバーのように個人請負で働く働き方の危険性が注目されています。
安倍「働き方改革」は、テレワーク、副業・兼業などの推進を課題の一つに掲げています。また厚労省「働き方の未来2035」、経産省「雇用によらない働き方研究会」などで、企業と雇用関係にない個人請負型の労働が取り上げられています。
ライドシェアを推進する新経済連盟は提言で「ライドシェアは好きなときに働くことのできる形態であり、柔軟な働き方による新たなライフスタイルを人々に提供(する)」と、働き方改革とライドシェアがつながっていることをアピールしています。
実態は悲惨
ネット企業を仲介とした個人請負の働き方が実際にどんなものか、NHKのクローズアップ現代が特集で取り上げていました(別項)。
ライドシェアは、このような働き方を自動車運転の分野で労働者に押し付けようとするものにほかなりません。
フリーランスなどと耳触りのいい言葉にだまされるわけにはいきません。
「いつもより高くなった」
初乗り距離短縮運賃 導入後の声
初乗り距離短縮運賃反対の大行進=2016年11月1日、東京都内 |
【東京】東京特別区・武三地区で1月30日から初乗り距離短縮運賃が導入されました。
新運賃導入2日目に行った聞き取りでは、下町や市街地で駅づけ専門に営業している乗務員からは、初乗りの確率が高く減収になっているという声が多く、逆に駅づけをあまりしなかったり都心で営業している場合は「売り上げや回数はあまり変わらない」という声が多く聞かれました。傾向として昼日勤では減収となり、夜日勤では増収になっているようです
マスコミの報道ぶりから「近距離は安く乗れる」と捉えている利用者が多く、時間距離併用部分の上がりの速さに不満を抱くケースもあるようでした。
一方、これまでも売り上げの中核を担ってきた中長距離の利用者からは「いつもより高くなった」という不満や苦情が増えています。
東京地連は、初乗り距離短縮運賃に反対しています。さらに、実証実験が予定されている「事前確定運賃」などの労働条件の改善につながらない運賃制度の改悪には断固反対していきます。未組織宣伝行動や3・8中央行動では、「見せかけの安さより質の高い真のサービス」を訴え、乗務員の労働条件改善を求めていきます。
少数組合でも成果
48時間ストを背景に要求実現
高知地連
【高知】県内の山間部で自治体からの補助を受けて路線バスを運行している北部交通の北部ユニオン(組合員5人)は、昨年6月から会社と、@当該組合員に対する勤務差別の是正、A各営業所間の残業手当の格差是正、B同業他社並の1か月・休日7日付与などの3要求の実現にむけて団体交渉を重ねてきました。
しかし、会社は組合要求を拒否し続けました。公共交通機関・路線バスのストライキには戸惑いもありましたが決断し、会社に1月30〜31日の48時間ストライキを通告。回答を迫りました。
会社の態度は急変し、スト解除を条件に@、Aの要求を受け入れ2月から実施するとの回答を示したため、この内容で合意。ストライキは回避しました。今回の要求実現で、当該組合員だけでなく全バス乗務員の賃金・労働条件改善をもたらしました。
比江森清委員長は、少数組合でもストライキを背景にたたかうことができ成果につながったことに確信が持てました。積み残しの要求は17年春闘に引き継ぎ実現をめざすと新たな決意をしています。
もっと大きな組織へ
春闘が地域良くすることに直結
大阪・第74回中央委員会
大阪地連第74回中央委員会=2月7日、国労大阪会館 |
【大阪】大阪地連は2月7日、第74回中央委員会を国労大阪会館でひらきました。
福井委員長はあいさつで、白タク合法化に対する事業者の危機感が薄く、減車が進まない上に前近代的な搾取が横行する実態を批判。労働条件改善なくして白タク合法化反対の運動は成就しないと強調しました。
来賓あいさつでは、本部の石垣副委員長が「地方で鉄道やバスが撤退するなか、タクシーで地域住民の足を守ろうという自治体が増えている」「我々がもっと大きな組織になれば、やれることがたくさんある。春闘が地域を良くすることに直結する」としました。
決意固める討論集会に
12の分散会で熱心な討議
東京・春闘討論集会
東京・春闘討論集会=2月7〜9日、きぬ川ホテル三日月 |
【東京】東京地連は2月7〜9日、春闘討論集会をきぬ川ホテル三日月で開催し、3日間で41組合175人が参加しました。
城委員長の主催者あいさつ、来賓あいさつに続き、旬報法律事務所の佐々木亮弁護士が労働問題で基調講演しました。川崎書記長は春闘方針を提起し「学習に基づいた行動で世論を形成し、国民不在の政治を変えよう。すべてにおいて決意を固める討論集会だ」と強調しました。
2日目は12の分散会で熱心な討議がなされ、3日目の全体会議では分散会報告と討論の後、江東総合法律事務所の中村弁護士が講評。最後に執行部の答弁と団結がんばろうですべての日程を終了しました。
青年部が呼びかけた原水禁カンパには9万3088円が寄せられました。
組織拡大が早急に必要
2日間、熱い討議を行う
神奈川・春闘学習討論集会
神奈川・春闘学習討論集会=2月12〜13日、マホロバマインズ三浦別館 |
【神奈川】神奈川地本は2月12〜13日、春闘学習討論集会をマホロバマインズ三浦で開催しました。2日間で48人が参加しました。
集会では、本部・菊池書記長が「白タク合法化阻止闘争の現段階と17年春闘の課題」について基調講演を行いました。
全体会議では、16年秋闘総括、統一要求書の策定、組織拡大に向けた教宣活動のとりくみなどの熱い討議・討論を行いました。神奈川においても組織の衰退に歯止めが掛からず、拡大・強化が早急に必要であり、今後も学習内容を精査し、多くの仲間たちが参加できるように知恵を出し臨んでいきたいとの認識を確認しました。
職場権利と自交労働者(6) 交通事故弁済と違約金問題
有責事故でも会社も負担すべき
事故弁済金の一方的な差し引きは違法
交通事故の場合に、事故責任の所在も明確でないうちから、多額の弁済金・制裁金を賃金から一方的に差し引かれる例が後をたちません。
また、駐車違反、スピード違反などで労働者から違約金をとる例もあります。いずれも労働基準法違反です。
会社もリスク負うべき
業務中の交通事故の賠償は使用者が負担するのが原則です
事故において運転者自身に故意や重大な過失が認められる場合には、会社が運転者に損害賠償を請求するケースもありえます。
それでも、あくまで責任があるとの立証責任は会社にありますし、その場合でも、労働者が全額負担ということにはなりません。
会社は業務として自動車の運行で利益を得ているのですから、そこで生じるリスク(事故の対処)も応分に負担しなければなりません。
また、@事故の発生を想定し、あらかじめ賠償予定の金額を定める、A労使協定で特別の定めなしに、一方的に損害額を賃金から差し引く、B1日分の賃金の半分・1か月の1割超の制裁金を減給する――といったやり方は労基法で禁じられています(下)。
違法な誓約書は無効
違約金とは、労働者の契約不履行(交通違反で摘発されたような場合)の際に取り立てるものですが、これは労基法16条で禁止されています。
実例として鹿児島の第一交通が、「駐車違反をしたら違約金50万円」「懲戒解雇されても異存ありません」、などという誓約書を労働者に書かせていたケースがあります。
こうした誓約書は無効とすることができますが、労働者がたたかわずに認めてしまえば、違法でも「事実上」の効果を持ってしまい、それが通ってしまうことになります。
◎労働基準法の規定
〇 賠償予定の禁止
第16条 使用者は、労働契約の不履行に ついて違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
〇 賃金の支払い
第24条 賃金は、(中略)、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。(以下略)
〇 制裁規約の制限
第91条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。
◎一方的な制裁金が許されない理由
〇事故の責任を労働者だけに負担させることは公平ではない。仮に裁判になっても、請求額は4分の1程度にされた判例もあり、会社からの損害賠償請求は、裁判上大きく制約されることになる。
〇ペナルティーとしての賃金カットには制約があり、大幅な賃金カットは労働基準法違反となる。
〇就業規則上、交通事故が発生した場合の取り扱いがすでに定められている場合、交通事故に関する精算はその取り扱いで処理済みであるとみなすことができる(例:無事故手当のカットですべての会社負担が処理されていた)。